NHKの製作した「緑なき島」という過去の番組だが、韓国に悪用されているのはご存じの通りだと思う。その内容は、色々と無理のある映像だったから、端から疑わしいとは思っていた。けれど、じゃあどの部分が問題だったのか?という点はNHKによって明らかにされなければならないね。
NHKの軍艦島映像、フィルムは戦後製
2023/6/19 20:42
昭和30年に長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)を取りあげたNHK番組「緑なき島」を巡り、NHK幹部が19日の自民党会合で、坑内とされる映像の撮影に使われたフィルムは放送と同じ年の30年製だったと説明したことが分かった。
産経新聞より
産経新聞の記事通りの内容であれば、映像は「イメージ」だったという蓋然性が高くなるだろう。
NHKは捏造を認めて映像資料の誤りを正すべき
戦後製造のフィルム
昭和30年11月17日に放映されたNHK番組「緑なき島」だが、その内容の正確性には疑問が呈されてきた。
元炭鉱労働者の証言の正確性というのも、当然に検証される必要性はあるが、NHKの番組の内容の正確性も検証される必要がある。尤も、こういった偏向・捏造というテイストのドキュメンタリーというのはさほど珍しくはない。
問題は、これが「史実」として韓国に悪用されている点だ。
冒頭の記事には「坑内とされる映像の撮影に使われたフィルムは放送と同じ年の30年製」であったと説明されたそうな。昭和30年に製造された米国製フィルムを使って撮影された物、つまり、端島炭鉱の当時の映像フィルムだという証拠にならないことを意味する。
坑内映像は韓国のテレビ局などが、朝鮮半島出身者が戦時中に軍艦島で強制労働させられた証拠の一つとして使用している。終戦から10年後に撮影された映像だと裏付けられたことで、韓国側の主張の一端が崩れることとなる。
産経新聞より
「主張の一端」どころか、根幹が崩れた事になるんだが、それは良いのだろうか?
何が問題なのか
詳細については上に紹介したTwitterでも丁寧に指摘がされているし、このシーン1枚でも色々と問題があることが分かる。

これは問題の映像の一部から切り出されたものなのだが、色々と不自然な映像であると言える。
簡単に列挙するだけでもこんな感じだ。
- 天井が低すぎる : 当時、端島炭鉱は作業性を確保するためにこんな狭い空間を通路としてはいなかった。
- ヘルメットにライト(キャップライト)が付いていない : 作業者にとって明かりを確保することは必須であって、ヘルメットにライトが付いていないということは考えられない。
- 褌1丁での移動はありえない : 作業服が支給されていて、褌1丁の裸同然の恰好で移動していた事実はない
- 靴を履いているか不明 : 作業中は長靴などの履物を履いているのが普通であり、このシーンに足先は映っていないが、裸足に近いような状態である可能性は低い
- 裸なのに汚れがほとんどない :当然、石炭にまみれる事になるので、移動途中とはいえある程度は汚れていないとおかしいのだが……。
昭和30年以前に撮影された映像かは不明
可能性としては、俳優やエキストラを使ったシーンである可能性だ。当然、端島炭鉱内部ではない可能性が高い。
しかし答弁によれば、その根拠は、「緑なき島」が制作された昭和30年以前にNHKで撮影し保管されていた炭坑の映像を調査しただけのものであり、俳優やエキストラを使ってロケをして撮影した場合は含まれていない。
Hanadaプラスより
とまあ、口で言っても説得力がないので、軍艦島のデジタルミュージアムから写真を拝借してこよう。


違和感があることはお判りいただけただろうか?
しかし、そもそも端島(軍艦島)炭鉱内とされる映像は軍艦島のものではないと、元端島炭鉱職員や旧島民は指摘している。このような姿で作業する場所は端島炭坑内には存在せず、「緑なき島」で作業員が着用しているヘルメットも端島炭坑で使われていたメーカーとは違うものであり、別の炭坑か何かで撮影した映像をはめ込んだのではないかとの指摘だ。
Hanadaプラスより
当然、その当時、働いていた人々からしてみれば、一目瞭然だろう。ヘルメットのメーカーが違う!というのは、かなり致命的なミスだよね。
何しろ、島は閉鎖空間であり、外部からモノを持ち込むことは難しい。一人だけ違うメーカーのヘルメットを被っていたなんてことはおよそ考えにくい。
「別の炭鉱ではない」という答弁
さて、NHK側は「別の炭鉱で撮影された映像が使用された事実はない」旨の答弁を国会にて行ったわけだが、どうやらこれも怪しい。何しろ、当時は端島炭鉱の撮影は基本許可されていなかったそうで。
これに対しては、昨年3月の参院内閣委員会で私がNHKに質問したが、NHKの正籬聡副会長は、「映像の精査などの結果、別の炭坑で撮影された映像がこの『緑なき島』に使用されたという事実はなかった」と答弁した。
Hanadaプラスより
この答弁が本当であれば、「別の炭鉱」ではなかったという意味が、「端島炭鉱内部で撮影した」とイコールにならない可能性は当然考慮すべきだ。
産業遺産のある専門家は産経新聞の取材に「坑内照明に防爆装置をつけていたはずだ。作業員にキャップライトがないのは命に関わる問題だ。三菱鉱業(現 三菱マテリアル)が運営した大炭鉱でヘコ(ふんどし姿)での作業もあり得ない」と強調する。専門家はNHKの調査にも応じ、同じ意見を伝えたという。
産経新聞より
専門家は「違う」と断言しているにもかかわらず、NHKは逃げられると思っている辺りが救い難い。どうにも真摯に過去の事実に向き合おうという姿勢がなく、何とかやり過ごしたいという積もりのように見受けられる。
NHKの著作権に基づく主張は認められない
なお、本問題はNHKの映像が韓国の資料館にて、日本の強制連行を示す資料として使われている点において大きな問題があるが、既に保護期間を過ぎていることも関係して著作権に基づく主張によって韓国側に使用差し止めすることは出来ない。
会合に出席した自民党の務台俊介衆院議員は「NHKは『著作権上の権利が消滅しているので、法的に何もいえない』という。ただ、国益を阻害する形で使われていることの道義的な問題はある」と述べ、NHK側に対応を促していく考えを示した。
国民会議の加藤康子専務理事は「映像を放置することは、(韓国などの)政治的主張に悪用されることを放置することだ。高齢な元島民は、元気なうちに解決したいとの強い思いを持つ。われわれには誤解を解く責任がある」と語った。
産経新聞より
しかし、おかしな資料に基づいて捏造された物語を流布されるのは困るわけで。そうするとNHKの捏造の事実を認めてもらわないことには始まらない。
報告書には「補助的につるはしを使うことはあったと聞いている」と元島民の主張を打ち消す専門家の意見のほか、坑内映像の電球が防爆装置をつけていない点など、「裸電球は無かったはず。事故防止を厳しく言っていた時代にあたるはず」と緑なき島の内容を疑問視する指摘が盛り込まれた。元島民らはNHK側に改めて検証を求めているが、NHKは応じていない。
産経新聞より
頑なな姿勢のNHKだが、自身の制作したフィルムが、まさか偏向報道だったとは認め難い部分はあると思う。しかし、事は国益にかかわる問題であり、NHKが国民から放送料をいただく公共放送であるという看板を掲げる以上は、正すべきは正してもらわねば困る。
19日の会合後、特命委の委員長を務める有村治子参院議員は記者団に「放送されたフィルムについてNHKから『戦後作られたものだ』と確認を取った」と説明。「韓国の複数のメディアで目的に沿わない使われ方をされているのは、日本の国益や歴史認識に関わってくる」とも述べた。
坑内映像は端島炭坑の昭和30年当時の実態ともかけ離れた内容とされ、元島民らが軍艦島の外部で撮影されたものだと訴えている。
産経新聞より
問題の映像が、端島炭鉱内であったにせよ、炭鉱坑内の大部分は映像に残っているような状況ではなかった。そして、格好については不可解な部分も多い。
フィルムの製造年月日だけでは弱いが
というわけで、端島の元住民を中心として、この映像資料の誤りを正そうとしている方々がいらっしゃる訳なんだけれども、残念なことに決定的な資料というのは今のところ出てきていない。
フィルムの製造年月日だけでは、未だ弱いんだよね。
証言を積み重ねても、決定的な証拠があれば覆されてしまう可能性はある。NHKが認めるためには、当時のディレクターをつかまえて、証言を取ることが大切だが。
まだまだ時間はかかりそうだね。
コメント
如何にもわざとらしく劣悪な環境にでっちあげるような設定が多すぎですよね
無駄に狭いところか、やたら明かり消してたり、演出にしかみえない。
ナショジオだったか、あの辺すら嘘にのっかって軍艦島を恐怖の島みたいに番組作っててもうあの手の番組うそだらけだってわかったから、みなくなったけど
メシの種なんでしょうね、彼らにとっては。
おかしいな~
>既に保護期間を過ぎていることも関係して著作権に基づく主張によって韓国側に使用差し止めすることは出来ない。
NHKって加計への難癖がらみ、加戸さんだっけ?がぐうのねもでない証言をして、
追及側がグヌヌってなってた国会中継の転載とかに権利主張して、削除させてなかったっけ?
彼らにとって都合の悪いことは、「なかったことにする」のは編集権の範囲なんでしょう。