近況は「お知らせ」に紹介するようにしました。「注意して下さい」もお読み下さい。
スポンサーリンク

法相の鈴木氏、トルコ駐日大使に不法滞在者に関する懸念を伝える

社会
この記事は約8分で読めます。

対応遅いよ。

「トルコ国籍の不法滞在多い」 鈴木法相が大使に懸念伝達

2025年07月30日15時22分

鈴木馨祐法相は30日、トルコのエルトゥールル駐日大使と法務省で会談し、トルコ国籍を持つ不法滞在者が多いとして「極めて深刻な懸念を持っている」と伝えた。大使は「国民には日本の法令やしきたりに従うよう促している」と説明した。

時事通信より

個人的には、この問題に「不法滞在者」という括りで議論するのは賛成できない。

  • トルコとのビザ免除協定を悪用した不法滞在問題が深刻化
  • 日本の外国人雇用制度は制度疲労を起こしている
  • 外国人労働受け入れの法整備は不十分
スポンサーリンク

犯罪は許すな

正しく認識しよう

先ずは、「不法滞在者」という言葉に関して、少しだけ突っ込みを。

読んで字の如く、法に基づかずに滞在する者ということなんだけど、左翼活動家に言わせるとちょっと違うらしい。彼ら曰く、不法ではなく「非正規滞在」であるとのこと。

非正規滞在者の累計としては以下のような者が含まれる。ここでは、法的に不法滞在者に含まれるケースだけでなく、表現として不法滞在者又は非正規滞在者に含まれている部分を含んでいる。

状態犯罪か?不法滞在に含まれるか社会的レッテルを貼るべきか?
難民申請中の外国人
<滞在申請者>
犯罪ではない含まれない不当な差別的扱いはNG
難民申請却下後に滞在継続
<申請却下者>
犯罪含まれる法に従った対応が必要
観光ビザで来て超過した者
<オーバーステイ>
犯罪含まれる法執行の対象
密航・偽造パスポート入国者重罪含まれる危険性が高く重点対応すべき

全部一緒にするのは駄目だと思うんだ。

トルコとは短期滞在に限りビザなし渡航OKの運用

また、今回の問題を把握する前に、1つ法的運用の話を理解しておく必要がある。

埼玉知事、トルコとのビザ免除協定の一時停止を要望 議員との会議で

2025年7月28日 20時40分

埼玉県の大野元裕知事は28日、国の政策についての県の要望を県選出の国会議員に伝える会議のなかで、日本とトルコとの相互査証(ビザ)免除協定の一時停止を求めた。

朝日新聞より

相互運用的にトルコとのビザ免除協定を結んだのは2007年のこと。そこからそろそろ20年となるのだが、「トルコ国籍者は90日以内の観光や短期商用目的であれば、日本に入国する際にビザを取得せずに渡航可能」となっている。

で、クルド人の不法滞在者の殆どが、この制度を利用して日本を訪れている。

法相によると、トルコ国籍を持つ国内の不法滞在者は1月1日時点で1372人に上る。一部の自治体ではトルコ国籍を持つクルド人と地域住民の摩擦やトラブルが報告されている。

時事通信「トルコ国籍の不法滞在多い」より

2025年1月時点で1,372人のトルコ国籍を持つ不法滞在者がいて、その多くがクルド人であるようだ。

そうすると、「トルコ国籍を持つ不法滞在者が多い」「懸念を持っている」ではなく、もっと具体的に問題点に切り込むべきなんだよ、法務大臣としてはさ。

具体的には、一時的なビザ免除協定の停止を求めるとか、共同して目的外入国を防ぐような制度整備をするとか。「懸念を持っている」とか言われても、相手としても「はあそうですか」って感じだよね。

クルド人は不幸なのか

ちなみに、ここでいうクルド人は、トルコ東部からシリア北部、イラク北部、イラン西部に至る広範な地域に住む民族で、うちトルコに在住する人数は1,500万人とクルド人全体の半数くらいがトルコに住んでいる。

国家を持たない最大の単一民族などとも呼ばれるクルド人なのだが、イスラーム教徒であることが多く、宗教的な争いも含みながら民族闘争が行われている。

これは、トルコ国内でもそうだし、それ以外の国家でもトラブルを起こしている。イスラーム教徒の問題とクルド人の問題はちょっと違うんだけど、トルコではそれが混然一体となっているんだよね。

特に今年3月以来、トルコ国内におけるPKKのテロ攻撃が激化するにつれて、トルコ国会は、ついに10月17日、トルコ軍のイラク・クルド地区への大規模な越境攻撃を承認するに至り、10万を超える兵力を国境地帯に結集させた。

東京財団のサイトより

そして、トルコに住むクルド人達が弾圧されるような事態になっているんだけど、一部のテロリスト達がトルコ国内でテロをやらかしているので、単に弾圧されているということではないんだけど、ここはトルコ政府の主張を採用するかクルド人側の主張を採用するかで、立場が変わってくる。

そこは第三者的にジャッジしにくい部分でもあるので、積極的に関与すべき部分ではない。

だが、問題は「ビザなし渡航」制度を使って、日本国内に入り込もうとする方々である。

性犯罪クルド人男に懲役8年判決「反省全くない」法廷で刑務官に頭突き、親族は大声で騒ぐ

2025/7/30 18:00

埼玉県川口市内で女子中学生に性的行為をして有罪となり執行猶予中に、別の少女に再び性的暴行をしたとして不同意性交の罪に問われたトルコ国籍のクルド人で無職、ハスギュル・アッバス被告(22)の判決公判が30日、さいたま地裁で開かれ、室橋雅仁裁判長は「反省の態度が全くみられない」などとして懲役8年(求刑懲役10年)を言い渡した。確定した場合、別の事件での懲役1年の執行猶予も取り消される。

産経新聞より

こういった方々も、一定数紛れ込んでしまうので。

制度疲労と外国人労働者

積極的に外国人を雇用

ニュースには含まれないが、これに関して大きな問題として指摘されるのが、外国人研修制度改め外国人技能実習制度だ。

問題の多かった外国員研修制度だが、流石に問題ありとして「技能実習制度」に改められたが、結局問題は解決していない。

外国人技能実習制度とは

外国人技能実習制度は、我が国で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転することによって、当該地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的として1993年に創設された制度です。

2017年11月、「外国人の技能実習の適正な実務及び技能実習生の保護に関する法律(技能実習法)」が施行され、新たな技能実習制度がスタートしました。

JITCOより

構造的に、企業単独型と団体管理型があるのだが、何れも大きな問題を抱えている。

企業単独型:企業が直接外国人を受け入れる。

img

団体監理型:組合などの団体が外国人を管理し、企業へ配属。

img

詳しくは止めておくが、制度設計上の不備から「安い労働力」という認識で雇用者が実習生を受け入れる実態があって、そこに劣悪な労働環境、賃金違反、長時間労働という問題が出てきてしまう。その結果、失踪や不法就労、人権侵害が発生するわけで、そもそも目的としている技能実習ができているのか?という点に疑問を感じる状態になっているのだ。

こんな感じに、安い外国人労働力を求める経営者がいて、埼玉県に限らず、外国人経営者が外国人労働者を使って搾取するような実態も出てきているようだ。

外国人に纏わる法制度

こういった問題が露呈する背景には、日本が移民政策を認めていないということが根本にあるのだ。

日本は移民を推進しない方針を掲げていて、法制度として外国人が労働する前提で設計がなされていない。そうすると、あっちこっちで綻びが出るんだよね。

現状で、日本の法制度では、日本国籍を持った日本人が労働する設計になっている。だから、老いれば年金が給付されることになっているし、病気をすれば医療保険制度を使うことになっていて、クビになれば失業保険が出たりするわけだ。セーフティネットとして生活保護制度が作られているのも、再び労働に復帰できる前提の設計になっている。

これらの制度は外国人が少なかった時代に設計され、そのまま手を入れつつも使われてきていて、制度設計が古く破綻しかかっている。

日本の在留外国人370万人超で過去最多 去年12月末時点

2025年3月14日 17時03分

日本に在留する外国人の数は、去年12月末の時点で370万人を超え、過去最多となりました。

出入国在留管理庁によりますと、去年12月末の時点で、日本に在留する外国人の数は、およそ376万9000人で、前の年の同じ時期に比べて35万8000人増え、過去最多となりました。

NHKニュースより

しかし今やこんな状態で、外国人は日本の人口の3.1%。

また、専門の技能があると認められた外国人に与えられる「特定技能」は28万4000人で、前の年より7万6000人、増えています。

NHKニュース「日本の在留外国人370万人超~」より

特に特定技能という名の外国人労働者の数は激増しているわけで。

埼玉県の事例では、そういった外国人の労働力を期待して県として融和政策を進めた結果、ワラビスタンなどと言われるような外国人コミュニティが出来上がってしまった。

その状況で「国には対策を求める」と、そう言われましても。

冒頭の法務大臣の鈴木氏の発言は、そういった背景を受けた動きだと思うんだけど、これって2020年頃にはもう明らかになっている話。埼玉県知事にも「今更」と思うけれど、法務大臣の対応にもちょっと疑問を感じる。

外国人が社会にいる前提で制度の見直しを

というわけで、トルコ駐日大使にお気持ち表明するのも大切な仕事ではあるが、法務大臣としてはそもそも法律が老朽化して現状に即していないことを、そろそろ認めるべきだと思うんだ。「これから不法滞在に対する取り締まりを強化」とか言っている場合じゃないよ。

移民をいくら否定していても、既に370万人もの外国人がいて、短期滞在だけでなく長期滞在している方もいる。外国人労働力に期待している実情だってあるわけで。

それを前提にいろいろな法律を制度を見直そうぜ。特にもう破綻しかかっている医療保険制度や年金制度、生活保護制度なんかは今直ぐにでも手を付けないと。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    「トルコ国籍」であっても、クルド人であれば、イデオロギー的には反トルコですからねぇ。
    「日本国籍」の「反日特亜人」と基本同じ。

    政府は、マスゴミにその辺を徹底させてほしいものです。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      トルコにお気持ちを伝えることも大切なんですが、そもそも日本の国内問題の方がウェイトが大きい話であります。
      しっかり向き合って法整備して欲しいと思っています。

      それと、色々と概念を混ぜて誤った認識をさせようとしてくるマスコミには困ったものですね。