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海上自衛隊のイージス艦にトマホーク搭載改修へ

安全保障
この記事は約4分で読めます。

あまりツッコミが必要なニュースでもないのだが、触れておこうかと思って。

海上自衛隊のイージス艦 トマホーク搭載の改修のため 米へ出港

2025年9月26日 20時24分

他国の基地などを攻撃する「反撃能力」としても使うアメリカ製の巡航ミサイル「トマホーク」を搭載できるよう改修するため、海上自衛隊のイージス艦がアメリカに向けて出港しました。「反撃能力」の保有に向けた自衛隊の艦艇の改修は初めてです。

NHKニュースより

ニュース記事の構成にやや悪意を感じるが、ともあれ日本の国防が「反撃能力としてのトマホーク」の入手の段階に至ったということで間違いない。

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反撃力の強化

トマホークを買った

トマホークの購入に関しては、以前このブログでも触れている。

アメリカ製の巡航ミサイル「トマホーク」は、射程およそ1600km。射程範囲の表記が曖昧なのは仕様だ。アメリカ軍は射程1000マイルと説明しているが、これは単純にキリが良いからそうした程度の話。これの表記をキロに換算しただけなので、実際はもう少し長いと言われている。

日本が購入する予定にしているのは、2006年配備のブロック4バージョンと、2021年配備のブロック5バージョン。紹介した記事ではJB Pressが「40年前の時代遅れ兵器を買わされる!」と騒いでいたが、日本のメディアの多くはそんな感じだった。

流石に最近はそんなことはないらしい。

Q. そもそも「トマホーク」ってどんなミサイル?

A. 「トマホーク」はアメリカで開発された巡航ミサイルで、水上艦や潜水艦のほか地上からも発射できます。レーダーで探知されないよう低い高度を維持しながら飛び、GPSなどの誘導によってピンポイントで目標を攻撃することができるとされています。防衛省が取得する予定の「ブロックIV」と「ブロックV」はいずれも射程がおよそ1600キロです。

アメリカ軍は1991年の湾岸戦争で実戦で初めて使用し、2001年のアフガニスタンでの軍事作戦、2003年のイラク戦争、2018年のシリアへの軍事攻撃、それにことしのイランへの攻撃などでも使用しています。

NHKでも簡単に説明しているが、つまり「実績のある兵器」であることは確かだ。

改造が必要

アメリカに向けて出港したのはこんごう型護衛艦4番艦「ちょうかい」だが、搭載できるよう改修するため、と目的が語られている。

防衛省によりますと、派遣先のアメリカで船体の改修や訓練を行って今年度中に発射できる状態にするほか、来年夏ごろまでに発射試験などを行って任務できることを確認する予定だということです。

NHKニュースより

巡航ミサイルは、購入して護衛艦に積んだらすぐに使えるという代物ではない。

船体の改修とあるが、主にシステム改修が中心だろう。文中に「トマホークの発射自体は日本でできるものの、目標物への最終的な誘導はアメリカの情報などが必要になる」と書かれているのだが、これは現状、自衛隊はアメリカの衛星情報などミサイルの「目」にあたるシステムを流用せざるを得ない。よって、その辺りの調整はどうしても必要になるという意味だ。

防衛省のサイトより

巡航ミサイルの発射訓練なども必要なので、アメリカで行うしかないのだろうね。

今般、護衛艦「ちょうかい」が、令和7年9月下旬から令和8年9月中旬までの間、米国に派遣されることをお知らせします。同艦は、米海軍の支援を得て、艦艇の改修や乗員訓練を行い、令和7年度中にトマホークの発射能力を獲得する予定です。また、令和8年夏頃までに、実射試験等を通じて、乗員の練度を含め、実際の任務に従事できることを確認する予定です。

防衛省のサイトより

来年まではアメリカで改修、訓練をする予定のようだね。

世論への説明

NHKニュースは識者コメントを引用して「国民への説明が必要」と強調している。

Q. 「反撃能力」の保有に向けた動きが急速に進んでいますが、国内ではどういった対応が必要ですか?

A. 「多くの国民が意識しないまま、急激に進んでいると思う。ただ、防衛体制の強化に関連した具体的な動きがすでに出てきている地域があり、どのような影響があるのかと感じ始めた人は増えてきている。防衛体制の強化は国民一人ひとりの命や生活に関わるものなので、もっと関心を持ってもらいたいと感じている。そのためにも政府はしっかりと説明する必要がある」

NHKニュースより

まあ、「説明が必要」という点に関して大雑把には間違っていないと思う。

とはいえ、「しっかりと説明する必要がある」はサヨクの常套句で、どのような説明をしても「不十分だ」というのがいつものやり方である。そして厄介なことに、説明をすると「そんなのは必要ない」といきり立つ。

実際には、メディア側の知識不足も世論の混乱を助長している面がある。さらに、敵の出方によって運用方針を柔軟に変えざるを得ないのも現実だ。どこまでトマホークが有効か、という話でもある。

まあ、大方針としてはこれまで通りの専守防衛というのが分かりやすいんだよね、遺憾だが。とはいえ、「専守防衛」は反撃を否定はしていない。策源地(つまりミサイルを撃ってくる場所)の攻撃まで含むのだということは、あらためて示しておくべきだろう。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    「説明が必要」「疑惑は深まった」は左翼しぐさの常套句ですからねぇ。
    とにかく「戦は数」ですから、ブロックIVで充分だから数が欲しいところ。
    12式性能向上型もなかなかなのですが、とにかく数が欲しい。あと、対艦番長だけでなくオールマイティなのが欲しい。
    「抑止力」は重要ですからね、(お花畑の)エラい人には分からんのですよ(分かりたくないのでしょう)。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      まあなんといいますか、トマホーク搭載艦が配備されただけでも、隔世の感があります。
      数年前ですら許されない感じでしたから。

      数はまだまだ少ないので、あと1000発くらいはストックが欲しいですね。