世の中は理不尽なことが多い。だけど、これはちょっと要注意だったかな。
このポストは10月2日に行われたものだが、僕はフォローしているアカウントだったので偶然把握することとなった。
報道にはもうちょっと力を入れてね、という話
消火のニュース
ところが、どの程度の火災だったかはさっぱりわからなかったので、関連ニュースを探そうと思っていたら、どうにも報じられていない模様。その時は、大したことはなかったのだ、と片付けてしまったのだが。
こんなポストを見かけて、もう一度調べてみることにした。
■国頭・宜名真で原野火災
公開日時2025年10月04日 05:00
1日午後3時27分ごろ、国頭村宜名真の国道58号を通行していた人から「国道から煙が見える」と119番通報があった。国立環境研究所辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーション付近の原野で火災が発生。約28時間後の2日午後7時56分ごろ、鎮火した。
琉球新報より
…これか?
琉球新報には見つけられなかったので、沖縄タイムスも探してみる。
国頭村で原野火災 28時間後に鎮火 消防車が入れず、沖縄県が自衛隊に災害派遣要請 翌朝に撤収要請
2025年10月3日 18:55
1日午後3時25分ごろ、沖縄県国頭村宜名真で通行人から「国道から煙が見える」と119番通報があった。原野で火災が発生し、約28時間後の2日午後7時55分ごろ、鎮火した。けが人はおらず、家屋の被害も確認されていない。国頭地区消防本部によると、焼失面積は広範囲に及んでおり詳細を調査中。
火災現場は原野で道がなく、消防車両が進入できない場所にある。このため..
沖縄タイムスより
国頭で原野火災 地元消防が鎮火 陸自に一時災害要請
2025年10月4日 3:57
1日午後3時25分ごろ、国頭村宜名真で通行人から「国道から煙が見える」と119番通報があった。原野で火災が発生し、約28時間後の2日午後7時55分ごろ、地元消防が鎮火した。けが人はおらず、家屋の被害も確認されていない。国頭地区消防本部によると、焼失面積は広範囲に及んでおり、火災原因などを調査中。
沖縄タイムスより
ふーん。何と言うかあまり真剣に報道しているようには感じない。ただ、これが感情的なものかどうか?を判断するのは早計だろう。
公式発表では
自衛隊の出動があったのだから、当然それについての報告はあるはず。ということで、防衛省のサイトも確認。

なるほど、準備はしたんだ。
- 要請と派遣内容: 10月1日 18:12に沖縄県知事から第15旅団へ消防活動支援の災害派遣要請。
- 沖縄県庁へ2名(本部連絡員)
- 国頭村役場へ2名(連絡員)
- 第15航空隊のCH-47ヘリ1機(空中偵察用)
- 活動内容: 10月1日 20:00頃にCH-47による空中偵察を実施。
- 地元消防の現地確認で空中消火の必要なし、地上消火は自治体(消防)で対応可能と判断されたため、自衛隊による消火活動は行われず。
- 鎮火確認(10月2日未明)まで待機・調整役を担いましたが、直接の消火従事はなし。
- 撤収: 10月2日 6:15に撤収要請を受け、活動終了。
自衛隊は消火活動に従事してはいないので、琉球新報のように「鎮火した」とあっさり説明するのでも間違いではないだろう。
沖縄県消防防災対策課からの発表
2日の防衛省の発表を受けてということかも知れないが、3日に消防防災対策課からも発表がなされている。

あまり新しいことが書いていないんだけど、「主要道路から車両の進入ができない位置にあり、消防機関が保有する資機材及び能力では消火困難」と判断して災害要請をしたのに、蓋を開けてみたら「現地確認の結果、空中消火必要なし、地上消火で対応可能と判断」ということになっている。
意味が良くわからないが、10月1日18時12分の災害派遣要請から翌日5時58分の判断を見るに、夜間の人手による消火だけで事態が終了した模様。
この話と、10月1日20時頃のヘリコプターを用いた航空偵察の話をあわせて考えると、結果的に火災規模は大したことがなかったと判断して問題あるまい。
報道機関からの情報が薄い
で、各紙のニュースについて触れていくわけなんだけど、2日、3日に公的機関から出ている情報を勘案すると、その情報の薄さは気になるところ。
メディアとしてもエイサー騒ぎなどがあったため、触れたくないという意識が働いた可能性は否定できない。

これまた酷い話なのだが、深入りしたところで左派への文句を連ねる話になってしまうのでここは割愛させてもらう。
とにかく、メディアとしては自衛隊の活躍にも触れたくないし、自衛隊に災害派遣要請したのに結局待機と偵察をお願いしただけで帰ってもらったということになったことにも触れたくないってことなんだろうね。
必要だったこと
これはこれから検討されることかもしれないが、結果から見ると自衛隊の災害派遣要請は適切でなかった可能性がある。
この点は多角的に検証されるべきで、自衛隊のリソースというのは有限なのだから、本当に必要な出動以外は寧ろ訓練に時間を割いて欲しいところ。
結果から考えると、少ない情報の中で判断するので申し訳ないのだが、沖縄県で空中からの偵察が出来る装備を持っていれば自衛隊がやったことを代替できた可能性がある。特に道路が未整備な場所も結構あるので、ドローンを駆使して現場の確認が出来るような体制、許可などの必要性を感じる。
もしかしたらそういった装備は例えば消防に既に配備されていて、活用されているのかも知れない。実際に2022年時点で全国の724消防本部のうち、429本部がドローンを導入済みである。沖縄でも複数の消防署で配備されているので、今回も利用されていた可能性はあるのだ。
だけど、結果的には現地の空中偵察を自衛隊にお願いした上で、消火活動に参加する必要まではなくて、撤収してもらった形になっている。
そういった、消火活動の適切性にまで踏み込んだ報道が必要なんじゃないかな?
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