気になるフレーズもあったけれども、まあ滑り出しとしては上々だろう。
日中首脳が初会談 「戦略的互恵関係」確認
2025年10月31日17時15分配信
韓国・慶州を訪問中の高市早苗首相は31日午後、中国の習近平国家主席と初めて会談した。高市氏は「戦略的互恵関係」を包括的に推進し、「建設的かつ安定的な関係」を構築していく方針を確認したい考えだ。
時事通信より
正直、怒涛の外交スケジュールを熟す姿勢だけでも、もう脱帽ものである。だが、高市外交は、その点を加味しなくとも、それなりの成功に終わったように思う。
戦略的な対米外交と立ち回り
対米外交は媚びを売ったか?
サヨクが大騒ぎしているが、乾いた笑いしか出ない。
「ゴマすり」「上川陽子さんや小渕優子さんならしない」高市首相の対米姿勢にリベラル批判
2025/10/30 11:36
訪日したトランプ米大統領に対する高市早苗首相の姿勢に対し、リベラル(革新)勢力からは批判の声が上がっている。社民党の福島瑞穂党首は29日の記者会見で、「ゴマすり、おべんちゃら」と決めつけた。共産党の志位和夫議長は同日、X(旧ツイッター)で「正視に堪えない」などと批判した。
産経新聞より
産経新聞がオールスターズの写真を貼って、揶揄しているという内容を紹介していた。

正直、この顔ぶれを見るだけで彼らの意見に耳を傾ける価値がないことが分かる。
歓待は成功した
彼らの意見はさておき、外交のトップとしてアメリカのトップを歓待したのである。それだけでも「誰でもできることではない」と言わざるを得ない。
【コラム】トランプ氏歓待成功、高市首相の外交本格始動-リーディー
2025年10月29日 7:09 JST
安倍晋三氏は通算6年の首相在任を経てから初めてトランプ米大統領の訪日に臨んだが、新首相の高市早苗氏に与えられた準備期間はわずか6日余りだった。
そのため高市氏は、師と仰ぐ安倍氏のトランプ氏対応マニュアルに倣った。すなわち称賛と敬意、金メッキの贈り物で歓待するという戦略だ。これが功を奏したようだ。
Bloombergより
Bloombergは「準備期間が短かった」「外交的成功だ」と評価していて、国内の評価と海外の評価が好対照であったことが伺える。
国内のパヨクが大騒ぎするほど、国民には滑稽に映るのである。今回の外交成果の裏にはそんな成果も出てきていた。
トランプ氏の決め台詞
そして、この記事が面白かった。
【速報】トランプ氏は「日本を助けられることがあれば、いつでも連絡してほしい。われわれはそばにいる」と述べた
2025年10月28日10時15分
トランプ氏は「日本を助けられることがあれば、いつでも連絡してほしい。われわれはそばにいる」と述べた。
時事通信より
この「いつでも連絡してくれ」「いつでも電話してくれ」は、トランプ氏の決め台詞みたいなもので、実は石破氏も言われている。だが、石破氏が電話したという話は聞かない。
一方で、安倍晋三はトランプ氏との電話連絡を頻繁にした、というよりトランプ氏の方から頻繁に電話をしてきたと言われている。
緊密な連携はトランプ外交において極めて重要であり、電話も受けられないようなトップは相手にされないのである。
そして今回、防衛力の強化について確認できたことも大きいだろう。
習近平氏は渋々会った
習近平氏との会談
一方、トランプ氏はその後に習近平氏と会い、会談を行った。
米中会談「10点中12点」-トランプ氏、フェンタニル関税10%に下げ
2025年10月30日 13:52 JST 更新日時 2025年10月30日 21:50 JST
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が30日、韓国の釜山で会談した。トランプ氏は会談終了後、合成麻薬フェンタニルに対する中国の対応不備を理由に中国製品に課している20%の追加関税を10%に即時引き下げると発表するなど、米中の緊張緩和に役立つ「素晴らしい会談」だったと述べた。
Bloombergより
この会談はアメリカにも支那にも利益のある形に落ち着いたようだが、アメリカ側は肝心な部分を緩めた訳ではなく、手綱を引き締めた部分を少し緩めただけの話。トランプ外交の真骨頂を見せられた感はある。
習近平氏が回避に失敗した会談
そして、高市氏もAPECに参加する道すがら、習近平氏と会談をした。そして「関係を正しい軌道で前進させる用意がある」との言質をとり、「建設的で安定した関係構築に協力する方針」を示した。
日中首脳が初会談、習氏「関係を正しい軌道で前進させる用意」-新華社
2025年10月31日 11:33 JST 更新日時 2025年10月31日 17:35 JST
韓国を訪問中の高市早苗首相は31日午後、中国の習近平国家主席との初の首脳会談を開始した。新華社によると、習氏は日中関係を正しい軌道で前進させる用意があるとし、建設的で安定した関係を築くため協力する方針を示した。
Bloombergより
「戦略的互恵関係」というイマイチな概念を持ち出したのは気に入らない。が、しかしその陰で、外務大臣も経済産業大臣もしっかり仕事をしていた。
<茂木氏>
- レアアースの輸出管理措置への強い懸念
- 東シナ海での活動に対する深刻な懸念を改めて伝達
- 拘束中の邦人釈放と在留邦人の安全確保を求め
- 日本産農水産物の輸入規制の撤廃も働きかけた
<赤澤氏>
- 意思疎通の継続
- レアアースの輸出管理への懸念を表明
トップ同士は「まあ、上手くやっていきましょう」と言いつつ、その裏で大臣級がしっかりと釘を刺して回っている様子が。
もちろん、これで効果が出るかはまた別なんだけど、立ち回りとしては評価せざるを得ない。
まとめ:アメリカとの共同歩調が鍵
今回の外交のポイントは、
- アメリカとの会談を最初に行い、同じ方向を向いた日米関係を印象付けたこと
- その足で支那との会談を間を置かずに実施できたこと
この2点だけでも素晴らしいと思う。え?韓国?知らない子ですね。
重要なのは、支那側は当初日本との会談に消極的で、祝電すら送らない異例の対応を取ったのだが、日本側が会談に乗り込んできたため、拒否できなかった。さらに、経済的に4中全会で不甲斐ない状況を見せていたため、対立カードも使えなかった。
つまり、相手が切れるカードを封じた状態で会談に漕ぎ着けられたのが素晴らしいのである。
高市政権は今後も荒波を渡っていかねばならないが、ひとまず今回の外交は乗り切ったと言ってよいだろう。


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