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混迷を深めるイラン情勢と、中東戦争への足音

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中東
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UAEやサウジアラビアが怒り心頭、という話は聞いているけれど。

UAE、イラン人の入国を原則禁止 航空会社

2026年4月2日 9:54

アラブ首長国連邦(UAE)ドバイを拠点とする航空会社によると、UAEはイラン人の入国を原則禁止している。また、旅行代理店によると、中東紛争が始まって以来、イラン人に対するビザ(査証)発給拒否件数が大幅に増加しているという。

UAEはこれまでに他のどの国よりも多くイランの攻撃を受けており、これらの措置は両国関係の悪化を示している。

AFPより

ドバイに攻撃しちゃったし、UAEはお怒りであるようで。

ということで、今日もホルムズ海峡関連のニュースに触れていこうと思う。昨日の記事に盛り込むことが出来なかった部分である。

じわりと広がる影響

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UAEの怒りポイント

昨日も軽く触れたけれども、ホルムズ海峡の実質封鎖というのは結構大変な話で、とくにUAEはこれ、かなりのダメージになる。

実質、テロ活動といっても強ち間違いではないのだが、UAEにとってこの状態はなかなか厳しい。

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一応、UAEはホルムズ海峡を抜けた部分にも国土を持っていて、オマーン湾に面したフジャイラ港まで約360km〜400kmを結ぶ「ハブシャン・フジャイラ・パイプライン(ADCOP)」を持っているので、致命的なことにまではなっていない。

このパイプラインは支那によって建設されたもので、今回の事態にも対応できると期待はされているが、輸送能力は約150万~180万バレル/日とホルムズ海峡を通過する船の善良をカバーできるほどではない。それでも1割以上はカバーできるといわれているので、今やフル稼働状態で動いているらしい。

当然、イランとしてはこれを許せないので、イランのものによると思われる攻撃を受けているのだとか。

ビザ発給拒否

もちろん、UAEとしてもイランに対する打撃を検討はしているが、今は経済的な打撃を加えている状態らしい。

フライドバイによると、一定額以上の投資を行う個人に在留資格を付与する「ゴールデンビザ」の保持者も入国を許可される。

AFPがUAEに拠点を置く複数の旅行代理店に取材したところ、紛争が始まって以来、イラン人に対するビザ発給拒否件数が大幅に増加していることが分かった。

ある旅行代理店は、イラン人のビザ申請を一切受け付けないよう公式に指示されたと述べた。

UAE在住のイラン人らはAFPに対し、これらの制限は最近導入されたようだと語った。

イランによる対UAE攻撃を受けて、UAEは在イラン大使館を閉鎖し、大使を呼び戻した。また、ドバイでは病院、学校、コミュニティーセンターなど、イラン関連の施設が閉鎖されている。

AFP「UAE、イラン人の入国~」より

長年、ペルシャ湾を隔ててた隣国として友好関係を築いてきた両国ではあるが、ことここに至ってはかなりの苛立ちを見せているようだ。

UAEは今や中立の立場を捨てて、軍事侵攻のオプションまで検討を始めているようだ。

イランは国際決済網(SWIFT)から排除されているが、ドバイの金融機関や仲介業者を通じて、人民元やユーロ、米ドルなどの外貨を調達してきたという事情がある。UAEが資産凍結 や取引制限に踏み切れば、イランは輸入に必要な外貨を全く得られなくなる

また、ドバイが物流ハブの機能を持っていたことから、イランへの輸入品が激減するとされている。

敵対すれば、今まで以上に厳しい立場に立たされるのは避けられない。

淡水化施設が標的に

さらにイランの行動を疑問視する話が、淡水化施設への攻撃である。

「UAE、イランの海水淡水化施設を初攻撃」中東戦争拡大の兆し

2026.03.09 06:44

米国とイスラエルの空爆で始まったイラン戦争が9日目に入った8日(現地時間)、中東各地が炎に包まれ、戦争が中東全域へ拡大する兆しを見せている。

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は7日(現地時間)、周辺の湾岸諸国への攻撃を停止するとして謝罪したが、わずか数時間後には攻撃が再開された。ロイター、AFPなどによると、イランは7日夜から8日午前の間、ドローンとミサイルでサウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)、カタール、バーレーンなど周辺国を攻撃した。

中央日報より

このニュースは、UAEがやり返したというニュースなんだけど、3月8日の時点のもの。

一方、イスラエルのメディアは8日、UAEがイランの海水淡水化施設を攻撃したと報じた。湾岸諸国がイランを直接攻撃したのは今回が初めてだ。

中央日報「UAE、イランの海水淡水化施設を~」より

が、狙ったのがイランの海水淡水化施設であって、UAEの怒りの度合いを測る上でもなかなかインパクトの大きいニュースではあった。

イスラエルに対する嫌悪感もあって中東諸国は静かにしてはいるが、そろそろイランを野放しにするのはどうなのだろうという意識が高まってきてはいるようだ。イランも淡水化施設を狙う攻撃を始めているので、現実問題としてこのわだかまりがそう簡単に解消するとは思えない段階に入ってきている。

国際的な批判の高まり

ソレが表立って出てきているのがこちら。

日欧など40カ国、ホルムズ海峡の通航料拒否 イランへの制裁も検討

2026年4月3日 4:48

日欧など40カ国以上は2日、ホルムズ海峡の通航再開に向けた外相会合をオンライン形式で開いた。主催した英政府によると、対イラン制裁などを協議した。海峡の封鎖や通航料の徴収をやめさせるため圧力をかける。

日本経済新聞より

数日前より更に増えているのだが、ここの中には中東の国家も入ってきている。

サウジアラビア、UAE、バーレーン、カタール、クウェート、オマーンといった、湾岸協力会議(GCC)諸国の6カ国全てが、この国際的な枠組みに同調、あるいは協力する姿勢を見せた。

  • カタール: 会合に直接参加し、「海峡の安全は国際的な問題である」としてイランの脅威を強く非難
  • バーレーン: 国連安保理に対し、海峡の自由航行を確保するために「あらゆる必要な手段(武力行使を含む)」を認める決議案を提案するなど、最も強硬な姿勢を見せた
  • UAE・サウジアラビア: イランによる直接攻撃を受けている当事者として、欧米諸国と足並みを揃え、海峡の開放に向けた軍事的な護衛や制裁の検討を支持している

まとめ

今やイランが相手にしているのはUAEでもサウジでもなく、「ホルムズ海峡を使う全ての国」だ。支那やロシアといった国ですら、その在り方に不都合を感じ始めている。

そうした国々がイランに対する圧力を高めようと動き出している。

ただし、それで状況が動く保証はどこにもない。

残念ながらイラン国内の状況を動かしているのは、大統領周辺ではない。実際に状況を動かしているのは、交渉の場に出てこないIRGCであり、そのIRGC自体も統制が取れているとは言い難い。

そうすると、拙い状況を迎えつつも、その方針について転換をする判断が出来ないのが今のイランの実情であり、短期的な収束は覚束ないだろう。

国際社会もまた、イランに対してどの圧力が有効なのか、その答えをまだ持っていない。中東戦争に繋がらないことを願っているのだけれど。

コメント

  1. 匿名 より:

    どうもー!

    イランをどうにかするには中東諸国が派兵するしかないでしょうな
    まずアメリカがイランと地上戦するには地理的に遠すぎます
    しかしながら、サウジアラビア陸軍なんかは装備は大変良いけど練度が低くて使い物にならないという噂もあってこれもひと筋縄ではいかないでしょうね
    最終的な形として周辺国によるイランの共同統治が最も現実味があるのでは