日本のメディアはどうしようもねぇなぁ。
相変わらず「不安を伝えること」と「不安を煽ること」の区別がついていないらしい。
高市首相、報道に不満あらわ ナフサ供給、国会出席巡り
2026年04月05日15時28分
高市早苗首相は5日、石油製品「ナフサ」の供給不足や自身の国会出席拒否に関する報道があるとした上で、X(旧ツイッター)に「事実誤認だ」「事実ではない」と相次ぎ投稿した。「他のことも含めて、最近は事実と全く異なる報道が増え過ぎている」と不満をあらわにした。
時事通信より
疑念を呈するのは良いけど、不安を醸成するのはダメだろう。今、日本のメディアが一生懸命にやっているのは明らかに後者だ。
整理しておくべきは、「供給量が足りない」のか、「流通が詰まっている」のかは全く別の問題だという点である。
信頼できない日本のメディア
ナフサは不足しているのか
今、地上波のニュースではかなりしつこく「ナフサ不足」「原油不足」を報道している。
医療に迫る大きな危機。暮らしを支える「ナフサ」の供給が不足
4/5(日)5:55
中東情勢の悪化で、今の世界のさまざまな場所で原材料として使われている石油由来の「ナフサ」の供給不足が深刻化しています。 特に医療の分野において非常に重要な位置を占めており、人工透析や手術に使われる一部の医療機器が、4月半ばから8月頃にかけて国内で出荷困難になる可能性があるそうです。
dmenuニュースより
確かに、僕自身もナフサの物性から考えると、不足するリスクはあると考えていた。それ故に、心配があるという主張は分かるのだが、このニュースも含めて「不安ですね」としか言っていない。そして、供給不足と流通の問題を切り分けずに報道している姿勢は、意図的なんだろうな。
確かに、不安を助長する情報はあるのも事実。
エチレン設備、追加停止回避もナフサ価格は2倍
2026年4月5日 (日)
ホルムズ海峡の封鎖から5週間。エチレン設備12基のうち6基の減産は続いている。追加停止こそ広がっていないが、不足が解消されたわけではない。
~~略~~
問題は価格だ。日本着のナフサスポット価格は4月3日時点で1トンあたり1190ドル。封鎖前の600ドル台から92%上昇した。不足が続いたまま、調達コストだけが2倍に跳ね上がっている。石油化学工業協会の工藤会長は3月24日、「4月は稼働維持が可能だが、5月以降が焦点だ」と述べた。全く来ない状態は避けられた。だが、不足を抱えたまま2倍のナフサで生産を続ける局面に入っている。
LOGITICS TODAYより
この報道を踏まえると、ナフサの供給が不足するんじゃないかという不安は確かに出てくる。だが、これは情報としては片手落ちなのだ。
大臣も否定
高市政権としても、この情報を無視しているわけではない。
物資安定供給へ「万全期す」 担当相任命の赤沢氏
2026年03月30日21時34分
赤沢亮正経済産業相は30日、中東情勢に伴う重要物資安定確保担当相に任命されたことを受けて記者会見し、「国民生活に不可欠な物資の安定供給やサプライチェーン(供給網)対策に万全を期す」と述べた。
時事通信より
経済産業大臣ではなく、何故か重要物資安定確保担当相にも任命された赤沢氏。高市政権としてのメッセージ的な意味合いが多いのだろう。
特別に注目していますよというメッセージを出すことで、市場の混乱を押さえたいという狙いがある。
赤沢経産大臣 原油やナフサの必要量「確保できている」も「流通の目詰まり」等発生と説明 イラン情勢受け
2026年4月3日 金曜 午前10:38
イラン情勢に伴う原油やナフサなどのエネルギー供給不足が懸念される状況に対して、赤沢経済産業大臣は3日に、「日本全体として必要となる量は確保できている」と説明した。
一方で、「足元では、供給の偏りや流通の目詰まりが生じている」とも述べて、「重要物資の供給状況の総点検をしている」として、関係省庁が連携して対応に当たっていると強調した。
FNNプライムオンラインより
必要量の確保と、価格の高騰や流通の目詰まりというのは、矛盾しない話。
それ故に価格が上がっているのは、業界が不安に駆られていつもよりも量を確保しようと画策していることに影響されることもあるのだろう。
不安を増幅するのが仕事と思っているメディア
そんなわけで、政府としてもそれなりに努力はしているのだが、メディアは枝葉末節を取り上げて不安を煽るのが仕事だと勘違いしてるらしい。
その上で、「どこからどういう不都合が出るのか。そういうのは、流通の本当に隅の隅まで一生懸命に調べたつもりでいても届かない、気づかない部分とが出てくる。これはもう本当に、寄せていただいた声が勝負ということだ。私ども、広く窓口を開いて、何かあれば、その件数も把握し、一つ一つ丁寧に潰していくつもりで全力を挙げているところだ」と述べて、省庁に設置した専用窓口を通じて、現場からの生の声を広く集められるよう訴えた。
FNNプライムオンライン「赤沢経産大臣 原油やナフサの~」より
赤沢氏も、不足する部分があるかもしれないと認めつつ、しかし全体量は確保できていることを強調している。が、それはメディアが重視しない情報となっている。
そんな状態なので、高市氏としても不満を漏らさざるを得なかったというのが冒頭のニュース。
ナフサはプラスチックなどの原料で、不足すると国民生活への影響が大きい。首相は「日本は6月には供給が確保できなくなる」との報道があったと指摘。「中東以外からのナフサ輸入量も倍増する。そのようなことはない」と否定した。
時事通信「高市首相、報道に不満あらわ~」より
総量で足りるかどうかと、混乱が起きるかどうかとはまた別の話なので、流通の目詰まりというのは当然に出てしまう。そうした部分も赤沢氏が対応するといっているのだから、「6月に供給確保ができなくなる」というのは、明らかな間違いである。
おそらくはこういった情報ですら無視して、都合の良い部分をつまみ食いする報道は明日も続くのだろうけれど、非常に迷惑な存在だと言わざるを得ない。実際に、マスクの時もトイレットペーパーの時も、全くのデマだったのに。
まとめ
そんなわけで、ナフサの話に触れてみたが、今のところ供給不安は起きていない。だが、メディアは不安を助長し、大騒ぎしている。騒げば騒ぐほど市場が混乱するので、ニュースとしては美味しいのだろう。
だが、国民にしてみればふざけるのもいい加減にして欲しいと思うのだ。被害を受けるのは国民であって、メディアは騒げば騒ぐほど儲かる。
あまり酷いようなら、一度、停波くらいのペナルティを課すべきではないだろうか。少なくとも過去にやらかした誤報による市場の混乱に関して、一度も責任を問われていないのはあまりにも不健全である。


コメント