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韓国司法に対する挑戦、韓国与党によって進められる

大韓民国ニュース
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韓国の三権分立否定は進んでいるようだ。

「尹錫悦を釈放した判事は処罰できる」 与党・共に民主党の動きに専門家ら「違憲」「罪刑法定主義に反する」

2025/12/04 11:35

韓国与党共に民主党の金容民国会議員は2日、ジャーナリスト金於俊氏の番組で尹錫悦前大統領の内乱事件で一審を担当しているソウル中央地裁の池貴然部長判事について、「もし池貴淵が一審で尹錫悦をとんでもない論理で釈放するか、無罪を宣告することが確認されれば、(法歪曲罪で)処罰が可能だ」と主張した。民主党は判事・検事と警察が法律を曲解して適用することを処罰する「法歪曲罪」を盛り込む刑法改正案の成立を目指している。

朝鮮日報より

スゴイ国だなぁ。言ってみればこれもOINK案件の一種なのかもしれないが。

  • 韓国与党「共に民主党」が、判事や検察の法解釈を理由に処罰可能とする「法歪曲罪」を刑法に盛り込もうとしており、尹錫悦前大統領が無罪なら裁判官を処罰できると公言する議員まで現れている。
  • 法曹界からは「違憲」「罪刑法定主義の否定」「三権分立の侵害」と強い批判が噴出しているが、民主党は年内成立を狙うなど強硬姿勢を崩していない。
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共に民主党による司法権簒奪

法治?国家

今のところ、刑法改正案の成立までは行っていないようだが、今の韓国国会なら何でもありだろう。

流石に韓国法曹界からも反対の声が挙がっているようだが、法律を作るのは行政なのでこの声が届くかどうかは怪しい。

民主党が設けようとしている法歪曲罪も違憲だとの指摘が支配的だ。法院行政処をはじめ、現政権の法務部、警察も国会法制司法委に「判事、検事、警察に対する告訴、告発が乱発されるだろう」と反対意見を提出したとされる。黄道洙教授は「誰が法の歪曲を判断するのか。罪刑法定主義、明確性の原則に完全に反する」と述べた。

朝鮮日報「尹錫悦を釈放した判事は処罰できる~」より

さて、どういう話なのか?ということを少し解説しよう。

通常、事件が発生した場合は、以下の手順で裁かれるのが法治国家の基本である。

  1. 刑事事件発生
  2. 警察が犯人を確保して、事件性を判断して検察庁に送致
  3. 検察が集められた証拠や事件の性質を総合的に判断して起訴相当か判断
  4. 刑事裁判開始し、裁判官が審理して判決を出す
  5. 不服があれば上告可能

概ねこんな流れで刑事事件は進むのだが、民事の場合は当事者同士の争いと言うことになる。

話題になっている前韓国大統領の尹錫悦氏(ユンユン)は、内乱罪に問われているのだが、韓国与党はどうしても彼を有罪にしたいらしく、一審の判決で無罪が出た場合に「法歪曲罪」で裁判官などを有罪に出来るように刑法を改正しようとしているらしいのだ。

法手続をして、有罪にする。それは法治国家としては当然の流れのように見えるんだけど、実はちょっと違う。司法は有罪かどうかを判断する機関なので、有罪にすることを目的にするというのは、既に法治国家から逸脱しているんだよね。

そして、今回の「法歪曲罪」の判断をするのは、どうやら司法ではないらしい。

誰が法歪曲を判断するのか

日本でも地裁がおかしな判決を出すことがあって、それは法の解釈があまりにも酷いんじゃないの?と思うことがある。一方で、「おかしな判決」と言われているけど、法理に基づくと仕方が無いねと思うことも割とあるので、「地裁だから」と切り捨てるわけにはいかない。

じゃあ、韓国は?というと「情治国家」と揶揄されるように、法解釈をねじ曲げて国民感情に寄り添った判決を出しがち。判決文を読んでも「その解釈でええんか」と思うことが多々ある。

あるのだけれど、それでも三審制を採用しているので、大法院判決(日本の最高裁に当たる)までは待つ必要があるわけで。

しかしそういった司法の仕組みを覆そうというのが、この「法歪曲罪」で、上に引用したように韓国の教授も「誰が法の歪曲を判断するのか」と突っ込みを入れるしかない。

韓国与党「共に民主党」の意図するところは、おそらくは国会が判断するということにしたいのだろうが、それってもはや三権分立の否定に他ならない。

また、民主党の司法行政タスクフォース(TF)は同日、法院行政処(裁判所行政処)の廃止などを含む裁判所組織法改正案の最終案を公表し、「3日にも提出する」と表明した。民主党は前日、国会法制司法委員会の小委員会で「内乱専担法廷」特別法案と「法歪曲罪」法案を可決した。いずれも法曹界から「違憲の恐れが非常に強い」と指摘を受ける法案だが、民主党は年内に処理するとしている。

朝鮮日報「尹錫悦を釈放した判事は処罰できる~」より

共に民主党内部では、そうなってはいないみたいだけれどね。

ただ、TFは草案段階とは異なり最終案に大法院長による拒否権を追加した。裁判官人事に対する司法行政委の議決に対し、大法院長は異議があれば、司法行政委に再審議、再議決を求めることができるようにする内容だ。与党関係者は「大法院長が持つ人事権の侵害などの違憲の恐れを解消するためだ」と説明した。

朝鮮日報「尹錫悦を釈放した判事は処罰できる~」より

共に民主党が立ち上げた司法行政タスクフォースは、流石にちょっと不味いと思ったのか、「大法院長による拒否権」を追加したらしいが、これも完全にねじ曲がった考え方だ。

大法院長の判断は、大法院まで上告したらその時で良いはずで、これもおかしいんだよね。「共に民主党による司法権簒奪」だと批判されるだけのことはある。

まとめ

もう、呆れを通り越して感心するが、このまま行くところまで行ったら良いと思うよ。「法歪曲罪」の適用を考えているのは、たぶんユンユンをなんとしてでも有罪にしたいってことだけだろうし。

ただ、本当に「法歪曲罪」を入れ込んでしまうと、三権分立の機能しない独裁政権国家の誕生と言うことが、世界に知れ渡ることになる。割と独裁国家って世の中に多いので、そこの仲間入りするだけなんだけどね。

コメント

  1. 軍事オタクより より:

    与党がこんな事するのなら裁判で日本を徴用工問題とか慰安婦問題(彼らが女性を送り込むそして彼女は高給取り)それらも日本に不利な裁判になるでしょうね
    三菱とか大変になりそうです

    • 木霊 木霊 より:

      これまでも政権与党の意思を反映していたのですが、今後は更に裁判官が「有罪にならないよう」に、判決を出すことになります。
      恐ろしいですねぇ。