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謝罪する大統領、強硬化する体制 イランはどこへ向かうのか

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中東
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「攻撃しちゃってゴメンね」ってか?

イラン大統領、近隣諸国に謝罪するも降伏は拒否 イランからの攻撃続くと周辺国

2026年3月8日

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は7日、アメリカとイスラエルによる攻撃を受けた自国が、湾岸諸国など周辺国を攻撃したことについて、「謝罪する」と表明した。

BBCより

イラン大統領のヘゼシュキアン氏は、本当にリーダーシップがないな。謝罪したところで賠償するわけでも、攻撃を止めるわけでもないというのは意味が分からない。

誰がイランを率いるのか

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求心力のない大統領

何のために出てきたんだ?この人。

国営イラン放送が伝えた映像でペゼシュキアン大統領は、「攻撃された周辺国に謝罪する必要があると私は考える」と述べた。「我々は周辺国への侵略を意図していない」として、地域の「平和と安定」を確立するための協力を呼びかけた。大統領は、イラン最高指導者だったアリ・ハメネイ師が殺害された後、国を率いる臨時評議会の一員。

BBC「イラン大統領、近隣諸国に謝罪するも~」より

アメリカとイスラエルがイランを攻撃し始めてから、10日ほど経過した。

アメリカ側の認識では、「これで終わりだ」と言うことのようだが、攻撃目標は一体何だったのか。

イランは決して降伏しない、大統領が表明 トランプ氏の「無条件降伏」要求から1日足らず

2026.03.07 Sat posted at 17:45 JST

イランの軍隊がイスラエルとの応酬を続け、湾岸諸国に対して報復攻撃を行う中、ペゼシュキアン大統領は7日、イランは決して降伏しないと表明した。

この1日足らず前、トランプ米大統領はイランが「無条件降伏」しない限り、米政府は交渉を行わないとの考えを示していた。

CNNより

アメリカが求める「無条件降伏」に対して、ヘゼシュキアン氏はこれを拒否。拒否は良いけど、イラン国軍は壊滅状態なんだが継続的な戦いはできないだろう?

後継者決定

イランのハメネイ氏の後継者が決定したのだが、驚くべきことに息子が後継者になったようだ。

イランの新しい最高指導者、モジタバ・ハメネイ師とは? 殺害されたハメネイ師の次男

2026年3月9日

アメリカとイスラエルの攻撃で殺害された最高指導者アリ・ハメネイ師の後継者として、同師の息子のモジタバ・ハメネイ師が「専門家会議」によって選出された。イラン国営メディアが9日、報じた。

BBCより

だれ?

56歳のモジタバ・ハメネイ師は父と異なり、これまでほとんど目立たずにきた。政府の職務に就いたことはなく、公の場での演説やインタビューもしたことがない。公開された写真や映像も限られている。

~~略~~

それでも、彼の選出は異論を呼ぶ可能性がある。イラン・イスラム共和国は1979年、王政打倒を経て成立した。共和国のイデオロギーは、最高指導者は世襲ではなく、宗教的権威と確かな指導力を理由にして選ばれるという原則をもとに成り立っているからだ。

BBC「イランの新しい最高指導者~」より

どうやらこの人物、表舞台には出てこなかったが、革命防衛隊の実質的なトップの位置づけであったらしい。

黒いスーツジャケットに白いシャツを着たイラン人男性が、モジタバ・ハメネイ師の写真を手に掲げている。

父のハメネイ氏の意志を汲んで革命防衛隊を動かすのが彼の仕事だったらしく、今回のこの人選は革命防衛隊には歓迎されているのだとか。

イラン革命防衛隊、モジタバ師の最高指導者選出を歓迎 「完全な」忠誠を誓う

2026年3月9日 8:18

イラン革命防衛隊(IRGC)は8日、モジタバ・ハメネイ師が最高指導者に選出されたことを歓迎し、「完全な服従と自己犠牲の準備ができている」と述べた。

~~略~~

モジタバ師は、イランの精鋭部隊であるIRGCと密接な関係を持つ保守派として知られる。

AFPより

革命防衛隊がより先鋭化することは、確実だろうと思われる。

対米路線変更の可能性

ただ、「革命防衛隊の先鋭化の可能性」とは別に、モジタバ氏が本当に冷徹な計算が出来る人物であれば、頼りにならない支那やロシアから距離を置くシナリオも成立する可能性が僅かに残っている。

これまでイランは、アメリカに対抗するためにロシアや支那との関係を強化してきた。しかし今回の軍事衝突を見る限り、両国がイランのために本格的に動く気配はほとんど見られない。

ロシアはウクライナ戦争を抱えたままで中東に軍事的余力があるとは言い難いし、支那もまたエネルギー供給の安定を重視する立場から、イランの軍事衝突に深く巻き込まれることは避けたいはずだ。

イスラームの教義に沿ったロジックが構築できることが前提ではあるが、アメリカとの交渉のテーブルに付き、宗教原理主義的な発想ではなくてマイルド路線を目指すことで、西欧諸国からの利益を引き出す可能性があるということだ。

まとめ

現時点で断定的なことは言えないが、新たな最高指導者となったモジタバ師は政治家としての実績がほとんどなく、むしろ革命防衛隊との実務を担当した人物であるとされているため、イラン体制は穏健化するどころか、むしろ内向きに結束し、より保守的で先鋭化した路線に進む可能性は高い。

そう考えると、今回の米国とイスラエルの攻撃は、当初の戦略目標を達成したと言えないだろう。体制の弱体化どころか、結果としてイラン国内の反米感情と体制への結束を強めただけになりかねないのだから。

ただ一方で、モジタバ氏が政治的に冷徹な判断が出来る人物であった場合、アメリカとしては歓迎すべき方向に舵が切られる可能性も残っていると思う。

ポイントは2つ。

  1. 世襲は革命理念と矛盾する
  2. 革命防衛隊幹部が消えた今は権力再編のチャンス

国軍が壊滅した状態で、国家の再編を図るためには、革命防衛隊を軸にした軍事独裁体制に変貌するのが一番統制しやすいハズ。

もしそのような計算ができる人物であれば、対米イデオロギーを煽るよりも、国家再建のために一時的な手打ちを模索するという選択肢もあり得る。

中東情勢はしばしばイデオロギーで語られるが、最終的に国を動かすのは往々にして現実的な計算である。可能性としては1割もないとは思っているけれど、旧体制が壊滅状態である今なら路線変更はできる。

モジタバ師がその種の計算のできる人物なのかどうか――それが今後の焦点になりそうだ。

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