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韓国型パトリオット「天弓2」が中東でも高評価

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韓国空軍
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記事の中にさらっと嘘が混ざっているが、兵器の輸出ができるという点そのものは素直に羨ましいと思う。

「韓国型パトリオット」天弓Ⅱが中東へ…UAEの輸送機が韓国に到着

2026/03/09 11:35

韓国製地上配備型誘導ミサイル「天弓Ⅱ」のミサイル30発余りを韓国政府は前倒しでアラブ首長国連邦(UAE)に提供することが8日までに分かった。イランのミサイル攻撃が続く中、韓国がUAEに輸出した天弓Ⅱが高い命中率を記録したため、UAEは早期の追加提供を求めているという。

朝鮮日報より

そういえば、支那は日本の兵器輸出には文句を言うくせに、韓国が兵器を販売して文句は言わないのね?

韓国防空防衛網の要となる兵器

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キメラ技術が疑われるが

さておき、天弓2は「韓国版パトリオット」などと呼ばれているらしいが、「韓国版~」というのは大体自称である。

ただ、それは性能が悪いかという話とはまた別次元の話。

こちらで言及しているが、ロシア製のS400をベンチマークして製造したとされているのが天弓2である。

img
ロシア製「S-400」
韓国製「天弓2」

正確に言えば、S-400を中距離防空向けにカスタマイズしたS-350が元型になった、というのが実情に近いらしい。システム自体はかなりの部分を流用しているようだ。

ただし、電子機器やレーダーは自前のものを用意したようだ。自前とはいっても、スウェーデンのSAAB社製対砲兵レーダー「ARTHUR」の技術を流用した疑いはかなり強いのだけれど。

ともあれ、それなりの評価を得てUAEに導入されているのは事実だ。

UAEが緊急要請した「天弓2」誘導弾30発 8、9日に引き渡し

Posted March. 07, 2026 09:44, Updated March. 07, 2026 09:44

韓国がアラブ首長国連邦(UAE)に輸出した国産中距離地対空誘導兵器「天弓(チョングン)2」が、イランによるUAE空爆の防衛に投入される中、韓国政府が8、9日に天弓2の誘導弾約30発をUAEに引き渡す計画であることが分かった。

~~略~~

UAEは韓国と2022年、天弓2を10個砲台導入する契約を締結し、現在2個砲台を運用している。「韓国版パトリオット」と呼ばれる天弓2は最大音速の5倍で飛行し、敵の航空機や弾道ミサイルを迎撃する。

東亜日報より

2022年に10個砲台(レーダーを含めた10セット)がUAE向けに輸出される契約が結ばれ、現状は2個砲台が運用されているのだとか。

アルマズ・アンテイ社と共同開発

もともと天弓の開発は、ロシアの防衛企業アルマズ・アンテイ社との共同開発(実質は出資したという位置づけ)でスタートしており、その技術基盤はS-350のアルゴリズムが使われたとされている。

実際に、ミサイルの形状やコールドローンチ方式など、S-350と天弓2の技術の共通点は多い。

一方で、レーダーは多機能Xバンド・アクティブ・フェーズドアレイ・レーダーを使っており、これはアメリカやイスラエルが強みを持っている技術。SAAB社のARTHURも、韓国は技術供与されているので、この辺りの技術も組み合わせている可能性が高い。

時系列で見ると、西側技術がロシア側へ環流している可能性も疑われるが、そこはあくまで疑いの段階としておきたい。

ともあれ、天弓システム自体、韓国製のハードの上でアルゴリズムはロシア製のものが動いている可能性は高そうである。

価格はお安い

サウジにも2024年に売れているのだが、その価格は約32億ドルであった。

韓国・サウジ「天弓Ⅱ」ミサイル最終契約…4兆2500億ウォン規模

入力 2024.02.06 (18:59) 修正 2024.02.06 (20:49)

韓国型パトリオットと呼ばれる弾道ミサイル迎撃システム「天弓-Ⅱ」のサウジアラビアへの輸出が確定しました。

韓国とサウジアラビアの国防省は、昨年11月に韓国LIGネクスワンとサウジアラビア国防省が締結した「天弓-Ⅱ(M-SAM2)」10個砲隊の契約事実を本日(6日)公開しました。

契約規模は約32億ドル、韓国ウォンで4兆2,500億ウォンです。

KBSより

では、この価格がどの程度なのかというと……。

「韓国式パトリオット」と呼ばれる天弓Ⅱは敵の航空機やミサイルなど空中の目標を探知しミサイルで撃墜する中距離・中高度の地上配備型兵器だ。価格はミサイル迎撃システム「パトリオット」の3分の1ほどだ。

朝鮮日報「「韓国型パトリオット」天弓Ⅱが中東へ~」より

うーん、ジェネリックだね。

ただし、製造は追いついていないらしく、今回は「とりあえずミサイルだけでも」ということで30発を送り出したということらしい。

命中率9割の欺瞞

なお、注意しておきたい情報はこちら。

UAEに配備された2基は先日イランからの大規模ミサイル攻撃に対し96%の迎撃率を記録したという。このように高い効果が立証されたことでUAEは先日韓国政府に天弓Ⅱの提供を契約書の日時よりも前倒しで提供するよう求めてきたようだ。

朝鮮日報「「韓国型パトリオット」天弓Ⅱが中東へ~」より

ただし、この「96%の迎撃率」という数字は、UAEの防空ネットワーク全体で達成されたものだ。UAE側から出された数字であることも注意が必要だが、高い迎撃率であったことを疑う必要はない。疑っているのはあくまで数字の根拠だ。

現状のUAEの防空ネットワークは、多重防御の構成となっている。

  • 米国製パトリオット(PAC-3)
  • 米国製THAAD
  • イスラエル製アローシステム(パトリオットシステムとの相互運用性あり)
  • 韓国製「天弓2」

PAC-3やTHAADの能力の高さは今更疑う必要はないし、アローシステムも北方中心に高い評価を受けている。

さらに、飛翔体の初期探知はアメリカ製レーダーが担当していた可能性が高い。天弓2もLink16に接続出来るらしいので、そこからデータを貰っていたと考えた方が良いと思う。

天弓2の能力を批判する意図はないが、迎撃率の数字に関しては要注意だという点は理解しておくべきだろう。

まとめ

韓国の防空システムはこのような状況にあり、輸出も盛んだ。自国で基礎技術を積み上げた形跡は薄いため、開発費が安く済むのもある意味当然ではある。

もっとも、各国の技術を組み合わせて実用システムとしてまとめ上げ、「自国開発」として輸出に漕ぎ着けている点は、素直に賞賛してもいいと思う。K2戦車もK9自走砲もその手のやり口だしね。

コメント

  1. 匿名 より:

    THAAD・アロー2・PAC3の三層BMDシステムだと補給が問題になるから天弓2を導入したのかな?

    しかし、アメリカ製BMDを導入しなかったトルコはF-35Aを導入出来なかったのに
    なぜ韓国は導入出来たのだろう?

    • 木霊 木霊 より:

      韓国には在韓米軍が常駐していて、在韓米軍がF-35Aを使いたいからってことなのでは。
      整備できれば韓国でやりたいでしょうし。

      天弓2の導入は、安いコストで増やせるからでしょう。
      アメリカでのテスト結果はそんなに悪くなかったという話も聞きますから、そこそこ使えるアイテムという位置づけなのでは。詳細な情報はよくわかりません。