キタ!2030年計画の前倒しだ。
韓国 30年までに民間の小型月着陸船打ち上げへ
2026.04.05 10:16
韓国政府が2030年初めまでに民間の小型の月着陸船を打ち上げる事業を進めることが5日、分かった。民間主導の小型の月着陸船を開発し、月に到達する時期を従来の計画より2年以上前倒しする方針だ。
聯合ニュースより
相変わらず無謀な計画だな。2030年ってことは、あと4年か。
4年で何が出来るのか
KSLV-2計画は月まで拡張
今回の話の注目部分はこちら。
打ち上げは韓国国産ロケット「ヌリ」を活用する。
予定通り開発されれば、32年を目標としている韓国型月着陸船より月着陸が早まる。
宇宙航空庁の姜景仁宇宙科学探査部門長は「技術を安定的に確保するための第2段階の月探査船事業が進行中だが、これと並行して企業が挑戦的かつ早期に月探査や深宇宙探査に競争力を持てるよう、予備妥当性調査を申請した」と述べた。
聯合ニュース「韓国 30年までに~」より
ヌリ号の話はこのブログで何度か説明している。
1本目の記事は韓国の宇宙開発史を掻い摘まんで説明したもので、2本目の記事はヌリ号の話を説明したもの。
KSLV-2計画は、ウクライナからソ連製エンジンRD-810のプロトタイプである30t級エンジンの設計図を手に入れたことからスタートしている。
韓国が苦心して75t級エンジンを成立させた点は、賞賛すべき点ではある。が、この75t級エンジンKRE-075は、ケロシンと液体酸素を推進剤として使うタイプである。
しかし、現状の構造ではこれ以上の推力を確保するのは相当厳しいらしく、計画では85t級に改造しようという話もあるようだけれど、大幅な出力アップはまだ難しいようだ。
にもかかわらず、これをベースにして月にねぇ。
キックステージ
キックステージ(Kick Stage)とは、ロケットの最終段に取り付けられる、人工衛星や探査機を目的の軌道へ正確に投入するための追加推進モジュールである。
火星軌道船の発射には、繰り返し発射で信頼性が確保されたヌリ号が活用される。 現在、ヌリ号は低軌道に衛星を輸送する用途だが、宇宙航空庁はヌリ号に追加エンジンモジュールであるキクステージを搭載し、性能を高める計画だ。 もともと月や火星探査には次世代発射体を活用するという計画だったが、宇宙航空庁は今回ヌリ号を活用すると言った。
毎日経済より
流石に、KRE-075エンジンをクラスター化するだけでは足りないと判断しているのか、追加エンジンモジュール(キックステージ)を搭載する予定らしい。
キックステージというのはこういうアイテム。

仕込む位置は4段目といったところか。

……うーん。そもそもヌリ号は4回目の発射で成功こそしているが、低軌道に衛星を届ける程度しか出来ていない。

地上からロケットを打ち上げて宇宙空間に到達するためには、ロケットが第一宇宙速度約 7.9 km/sを超えなければならず、これを超えて初めて低軌道に衛星を投入可能である。月に衛星を投入しようとすると、基本的に第2宇宙速度約 11.2 km/sを超える能力を得なければならない。
いや、正確にはこれに届かなくとも約10.9 km/sまで出せれば、月の軌道に届くことにはなるんだけど、これはそれほど簡単ではない。アポロ計画では低軌道からホーマン遷移と呼ばれる方法で、大きな楕円軌道に移行できれば、理論上は月に衛星を投入可能ということにはなる。
ただ、この加速をキックステージで稼ぐというのは少々無理矢理に過ぎるのでは、と。
アポロ計画を参考にすると
一応、アポロ計画の初期を担ったサターンIBロケットは、第1段にH-1エンジンを8基クラスター化して推力を稼いでいた。H-1エンジンは推力が90~100tとスペック的にはKRE-075エンジンに近い。
なので、計画初期としては韓国が計画しているルートは間違いとは言えないかも。ただ、結局、月に行けたのはサターンVロケットで、F-1エンジンを1段目に積んでいた。
このエンジンの出力差は雲泥の差で、7~10倍ほども出力が違う。
低軌道からでも月には行けるが、低軌道にどこまで強力なエンジンを持ち上げることが出来るか?がポイントになってくる。
詳しくは止めておくが、今のままだと可能となったとしても数百gのカメラを月面に打ち込むくらいが関の山だろう。
残された課題は「ヌリ」の後続打ち上げと次世代ロケット開発だ。国家宇宙委員会は25日、次世代ロケット(KSLV-III)を「メタン燃料基盤再使用ロケット」に進むという宇宙開発戦略を確定した。予算当局の適正性検討手続きが残っているが、宇宙政策最高意思決定機構の判断であるだけに、これが覆る可能性は高くない。着陸船を月に送ることが可能なレベルの新しいロケットを開発する遠大な目標の事業だ。当初「ケロシン基盤の2段ロケット」で計画されたが、再使用ロケット開発世論が台頭して目標が変わった。米国のスペースXが触発した再使用ロケットは民間主導のニュースペース(New Space)時代の新しい標準となった。再使用ロケット開発の技術障壁は高いが、商業ロケット市場の競争で生き残るために再使用ロケットは必須だ。
中央日報より
メタン燃料基盤再使用ロケットの開発をしつつ、別路線でケロシン基盤の2段(以上)ロケットで月に行くという路線が確定したというのが、冒頭のニュースらしい。
まとめ
今回のニュースで「ヌリ号ベース」でという辺りで驚きが隠せなかったのだが、まあ、頑張ればいけるかもしれない。ただし、月面着陸ではなくて月面に衛星を打ち込むくらいがギリギリ行ける範囲だと思う。それでもかなり厳しそうだが。
2032年より2年前倒しという話らしいが、そもそも計画も怪しかったのに更に前倒しするというのは、無理があるというか何というか。
おそらく、2030年5月までが韓国現大統領の李在明氏(ミョンミョン)の任期となるので、その実績としたかったので前倒しをしたのではないかと。これもいつものパターンだね。





コメント
韓国が科学技術大国(?)だったら、2020年には月面に韓国人宇宙飛行士が立っていたハズだったんだよね。当時、壮大な宇宙事業開発をブチ上げたのはクネ²(2013-17:罷免)だったなぁ。
で、今回はミョン²が2030年までに無人月着陸船をブチ上げると..