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【韓国】迷子になる国民のデータ

大韓民国ニュース
この記事は約5分で読めます。

先日のニュースの続報である。追記に書いておこうと思ったんだけど、まあ、新しく整理し直した方が良いだろうと。

韓国国政資源システム、「リアルタイムバックアップ」せず…データ損失の可能性も

登録:2025-09-29 06:36 修正:2025-09-29 11:59

26日、韓国の国家情報資源管理院の大田(テジョン)本院で発生した火災で、行政情報システムが麻痺(まひ)し、「データ損失」の可能性が提起された。

ハンギョレより

あれ、データバックアップをしていたのでは?

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復旧できると良いね

していたがリアルタイムではない

さて、先日のニュースの続報である。

国家情報資源管理院(NSRI)で火災が発生して、韓国政府のオンラインサービスの一部が麻痺状態になった。

理由は、そのサービスを行っていたサーバーが火事で損傷したからである。

出火原因はUPSの取り扱いが不適切であった可能性が高いとのことで、個々の事象はどんな国でもありそうだが、纏まって発生するところに韓国らしさを感じる事案である。

当然、重要データを扱うのであるから、データバックアップをしっかりやっていたとは思っていたのだが。

行政安全部によると、1・2等級の主要システムは一日一回ずつ「(データの)バックアップ」を、残りのシステムは1カ月に1回分散バックアップする。火災が発生した大田センターの場合、1日単位のバックアップは光州センターで行われ、忠清南道公州センターには週・月単位でデータを移している。

ハンギョレより

バックアップは1日1回なんだ……。

災害復旧用センターである公州センターは8月に運営を始めたが、「災害復旧(DR)システム」はまだ構築されていない。国家情報資源管理院は大田・光州・大邱の3カ所にセンターを置いており、今回火災が発生した大田第1センターはこの中で「本院」だ。

ハンギョレより

あれ、この書き方だと、バックアップを担当していたはずの光州センターでは、災害復旧システムが構築されていない?

これは、データが迷子になっている人がそこそこ居るのでは?

最後にバックアップをしたのは?

それでもデータ自体は残っていると思ったのだが、それもちょっと怪しいようだ。

リアルタイムでバックアップが行われないため、最後のバックアップ時点がいつだったかによってデータ損失の可否が変わる可能性がある。1カ月単位の分散は毎月末に行われ、ひとまず上記バックアップの最後の時期はまだ確認されていない。

ハンギョレより

月末にバックアップが行われるなら、今月分は丸々無くなったということでは?「未だ確認されていない」って、「何処かにあるかも」というレベルの話っぽいな。

そして他のデータも

なかなかインパクトのある記事だが、最後にとんでもない記述が。

直接被害が出た96のシステムだけでなく、直接被害を受けなかった551のシステムも安全とは言えない。行安部関係者は「実際に稼動してみなければデータが完全に残っているのか分からない」とし、「ただし、1カ月単位でバックアップされる3・4等級のシステムは国民向けサービスと直接関連性が低い内部の部署管理用システムなどだ」と述べた。

ハンギョレより

えぇ……。

データは残っている、残っているはずだがシステムを復旧してみないと中身を確認できない!」って、胸を張られましても。

理解が追いつかないが、システムの冗長化(壊れた時の為の予備システムが用意されるという意味)を行っていないだけでなく、データバックアップ自体もリアルタイムでは行われていなかったようだ。

ちょっと意味が分からない。

かつての教訓は活かされなかった

前回も触れたが、韓国ではカカオトーク事件という、結構大掛かりなトラブルが過去にあった。

「ネット強国」韓国の素顔が明らかに…火災で国民メッセンジャー「連鎖障害」大混乱

登録:2022-10-17 06:25 修正:2022-10-17 08:12

15日午後、京畿道城南市盆唐にある「SK C&C」のデータセンターの地下電気室で火災が発生し、カカオやネイバーなど、そこにサーバー(サービス稼動コンピューター)を設置していた企業のインターネットサービスが相次いで利用できなくなった。ネイバーは約4時間後に正常状態に戻ったが、カカオのサービスは翌日16日午後になっても復旧しないなど、不安定な状態が続いている。特にカカオトークのサービス障害が1日以上続いたのは、2010年のサービス開始以来12年間で初めて。

ハンギョレより

韓国の国民的ツールであったカカオトークというアプリが、火災によってサーバーがダウンしちゃったことで使えなくなった。

カカオトークで電話したり、決済したりしていた人が多かったから、混乱が発生したとのこと。日本でいうとLINEが恐らくそれに該当する。僕自身はもう殆ど利用していないので、どの程度重要なのか実感が湧かないが、多分重要なのだろう。

このインフラ級アプリの利用が出来なくなった事に、専門家も大いに怒ったようで。

カカオのサービス利用者はもちろん、政府や政界でも「カカオがリアルタイムバックアップ体制(各サービス別にサーバー2台が同じ状態で同時に動作する状態)を十分に備えずにサービスを提供してきたのではないか。ありえないことだ」とする懸念が広がっている。あるIT専門家は「1カ所のデータセンターで火災が発生し、それさえもすぐに鎮火してサーバーには煙がまったく入っていない火災で、事実上全国民が利用するサービスが停止するなんてありえない」と指摘した。国会科学技術情報放送通信委員会のパク・ソンジュン議員(与党「国民の力」)は「火事が発生したのは1カ所に過ぎないのに、カカオ全体の機能に問題が生じたというのは理解できない」と批判した。

ハンギョレ「「ネット強国」韓国の素顔が明らかに~」より

「ありえないなんてことは、ありえない」んだよねぇ。今回、政府系のデータサービスがダウンしたことで、このカカオトーク事件を批判していた政府はもっと酷い状況だったことが明らかになってしまった。

韓国では「人のふり見て我がふり直せ」という諺は通用しないようだね。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    そもそも論として。
    ミッションクリティカルなシステムのUPSを撤去するなら、新しいUPSを設置して、そっちを(ちゃんとテストしてから)確実に繋いでから古いUPSを撤去しないとダメですよね……
    ましてや、今回の火を吹いたUPSは、システムの直近60cmの所にあったとかなんとか。
    だから、放水も出来なかったとか。
    一般に想像する、ケースに入ったバッテリと筐体で構成する市販のUPSじゃなくて、バッテリ剥き出しのFA系システムなんだと思うのですが、だからって撤去作業で火を吹くのはちょっと……ねぇ。
    設計時や設置時には、こんな事になるとは思ってなかったんでしょうけれど。

    ※バッテリのターミナル外すときにスパナで触って「バチッ!」ってなるのはわりと業界ではお約束ではありますが……絶縁スパナ使おうよ……(なので、車はマイナス端子から外しましょう)
    ※ずっと昔、鉛バッテリのEV作ってて、バッテリ並べてあるところにワイヤーロープ放り出した先輩が居ました……七面鳥の職場じゃなくて同期に話聞いただけですが、コワイ……

    ……まあ、「ケンチョナヨ!」だし「事故は起きるまで起きない」だし、良いんじゃないですか?韓国型事故ということで……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      この話は何処をどう切っても酷い話になっているようでして。
      ご指摘の部分もかなり問題アリかなーとは思うのですが、作業者がアルバイトで入っていたらしく、もしかしたら外したUPSを床の上に積み上げてあって、剥き出しのターミナルが別のボディ部分と短絡してショートしたとか、そういう救えない話もあるかも知れません。
      絶縁スパナ云々であれば、火花が散って「ヤバイ!」とかなりそうですが、導通したまま放置してあったのでは?という疑いが僕の中では膨らんでおります。

      何れにしても、酷い話ではあります。