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韓国海軍機動艦隊司令部が発足

韓国海軍
この記事は約9分で読めます。

なかなか勇ましい記事だな。

海軍機動艦隊司令部が発足 海上「韓国型3軸体系」の中核

2025.02.02 15:16

韓国海軍によると、北朝鮮の核・ミサイル脅威の対応に向けた、海上における「韓国型3軸体系」の中核となる海軍機動艦隊司令部が1日に発足した。韓国型3軸体系は北朝鮮のミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃するキルチェーン、発射されたミサイルを迎撃する韓国型ミサイル防衛体系(KAMD)、北朝鮮から攻撃された場合に指導部などに報復攻撃を行う大量反撃報復(KMPR)からなる。

聯合ニュースより

機動艦隊司令部というのは、韓国海軍作戦司令部とは違う機能を持っていると言うことらしい。言葉の意味は分からないが、とにかくスゴイ自信だ。

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正祖大王級駆逐艦ありきの機動艦隊司令部

正祖大王級駆逐艦の登場

北朝鮮に対して備えるというのは、韓国軍にとって当然のテーマであるハズだが、これまで余り真剣に考えられては居なかったらしい。

韓国海軍、機動艦隊司令部を来月創設…「北の弾道ミサイル探知・迎撃担当」

2025.01.04 10:44

海上基盤の韓国型3軸体系の核心戦力であるイージス艦を運用する海軍機動艦隊司令部が来月1日付で創設される。新しく発足する機動艦隊司は北朝鮮の弾道ミサイルに対する海上探知・追跡・迎撃を担当し、軍の海上機動作戦と対北朝鮮抑止力をより一層強化するという構想だ。

中央日報より

これは先月の記事で、読んでもイマイチピンと来ない。

昨年海軍に引き渡された「正祖大王」級(DDH-II、8200トン)イージス艦の1番艦「正祖大王」も機動艦隊司に配備される予定だ。「正祖大王」はその間、弾道ミサイルの探知・追跡機能しかなかった従来のイージス艦に迎撃体系を追加したのが特徴だ。対空・対艦迎撃ミサイルSM6に続いて高高度迎撃体系のSM3も搭載すると予想される。

中央日報「韓国海軍、機動艦隊司令部を来月創設」より

なるほど分からん。

確かに、去年、次世代イージス駆逐艦「正祖大王」が就役するという話はあった。

2022年7月に進水式を終え、去年11月に就役している。

ああ、この頃は色々あってチェック漏れしていたね。

弾道ミサイルを探知して迎撃まで…次世代イージス駆逐艦「正祖大王」海軍引き渡し=韓国

2024.11.28 09:53

弾道ミサイル探知・追跡に迎撃の機能まで備えて「海軍の拳」と呼ばれる世界最上級イージス駆逐艦「正祖大王」が韓国海軍に引き渡された。

中央日報より

う、海の拳ですかぁ?

独自設計・建造

韓国で「独自設計・建造」などというと、もう嫌な予感しかしないのは、訓練されすぎだろうか。

「正祖大王」は韓国の技術で独自設計・建造した国内4隻目のイージス駆逐艦。最新のイージス戦闘体系をはじめ、多機能位相配列レーダー、独自開発の統合ソナー体系、韓国型垂直発射体系、弾道弾迎撃誘導弾などが搭載されている。北朝鮮が弾道ミサイルを発射しても、これを探知・追跡して迎撃まで一度にできる。

中央日報「弾道ミサイルを探知して迎撃まで」より

本来は、世宗大王級駆逐艦の4番艦として計画されていた艦だったはずだが、色々手を入れた結果、韓国をホルホルさせるだけの仕様になったようだ。

採用されたイージスシステムはベースライン7(世宗大王級駆逐艦3隻と同じ)ではなくベースライン9。

昨年海軍に引き渡された「正祖大王」級(DDH-II、8200トン)イージス艦の1番艦「正祖大王」も機動艦隊司に配備される予定だ。「正祖大王」はその間、弾道ミサイルの探知・追跡機能しかなかった従来のイージス艦に迎撃体系を追加したのが特徴だ。対空・対艦迎撃ミサイルSM6に続いて高高度迎撃体系のSM3も搭載すると予想される。

聯合ニュース「海軍機動艦隊司令部が発足」より

SM6とSM3の搭載が視野に入っているみたいな書き方がなされている。ミサイル防衛(BMD)機能が備わっているのはベースライン9からなので、恐らくはそういうことなんだろう。

しかし、韓国型垂直発射体系というとVLSを備えているって言う意味か。

そういえば、こんな記事があったな。

間もなく竣工「韓国イージス艦version2.0」弾道ミサイル搭載ってどう使うの? 軍&政府の意図は

2024.08.17

韓国にとって4隻目のイージス駆逐艦が間もなく就役する予定です。ただ、これまでの3隻からは性能が大幅に向上しているそう。さらには、巡航ミサイルだけでなく弾道ミサイルまで搭載する計画も。ドコを目指しているのでしょうか。

~~略~~

イージスシステムは最新の「ベースライン9」を採用し、弾道ミサイルを迎撃できる「スタンダードSM-6」も当初より搭載します。現代重工によれば多機能位相配置レーダー、赤外線探知・追跡装備、電子光学追跡装備などにより、世宗大王級より探知・追跡能力が2倍以上強化され、統合ソナーシステムによって潜水艦探知距離は3倍以上拡大されているといいます。

乗り物ニュースより

うむ、てんこ盛りだな。

なお、海外報道によれば垂直発射システム(VLS)は計88セル。アメリカのロッキード・マーティン製Mk.41と韓国が独自開発したK-VLS-Iに加えて、ハンファ・ディフェンスなどが開発した最新型「K-VLS-II」の3種類が装備されると見られています。

Mk.41にはアメリカ製の艦対空用ミサイルである「スタンダード」SM-2や同SM-6の搭載能力を持たせ、K-VLS-Iには国産兵器である艦対地巡航ミサイルの「海星2」、対潜ミサイルの「赤鮫」、そしてRAMを置き換える近距離対空ミサイル「海弓」を搭載するといった形になるでしょう。

乗り物ニュースより

韓国のイージス艦はトップヘビーの伝統を守っていると言われているが、まさにコイツもそうらしい。

駆逐艦10隻

しかし、新登場の正祖大王級駆逐艦のお陰で、随分と鼻高々でいるようだ。

同司令部には次世代イージス駆逐艦「正祖大王」を含む駆逐艦10隻と軍需支援艦4隻が配備された。2030年代半ばには次世代イージス駆逐艦2隻と韓国型次世代駆逐艦6隻が追加で配備される予定で、そうなれば駆逐艦は18隻となる。

聯合ニュース「海軍機動艦隊司令部が発足」より

ほほう、駆逐艦10隻か。

<忠武公李舜臣級駆逐艦>

  • DDH-975 1番艦「忠武公李舜臣」
  • DDH-976 2番艦「文武大王」
  • DDH-977 3番艦「大祚栄」
  • DDH-978 4番艦「王建」
  • DDH-979 5番艦「姜邯賛」
  • DDH-981 6番艦「崔瑩」

<世宗大王級駆逐艦>(イージスシステムを採用)

  • DDG-991 1番艦「世宗大王」
  • DDG-992 2番艦「栗谷李珥」
  • DDG-993 3番艦「西厓柳成龍」

<正祖大王級駆逐艦>(イージスシステムを採用)

  • DDG-995 1番艦「正祖大王」

恐らく10隻というのは、この10隻のことだろう。

軍需支援艦4隻の方は、ピンと来ないのだが、恐らくは以下の4隻だ。

  • AOE-57 天池級補給艦1番艦「天池」
  • AOE-58 天池級補給艦2番艦「大清」
  • AOE-59 天池級補給艦3番艦「華川」
  • AOE-51 補給艦「宗陽」

これら14隻の司令塔となるべく海軍機動艦隊司令部が発足し、旗艦は正祖大王級駆逐艦になるって意味なんだろう。

大統領のユンユンは弾劾一歩手前の状況にあるが、こんな置き土産を作っていったんだね。それにしても「何処の海軍と戦うつもり」なんだろうか。

尤も、SM6が手に入ったかというと、そういうわけでもないらしい。

第143回防衛事業推進委員会の結果などを見ると、2023年から2031年にかけて総事業費約7,600億ウォンを投入してSM-6を対外軍事販売(FMS)方法で確保する予定らしい。SM3に関しても買うとか買わないとかいう話が出ていたが、これも確定した訳ではなさそうだ。

第161回防衛事業推進委員会の結果によると、海上弾道弾迎撃誘導弾を国外購入(FMS方式)する予定としており、期間は2025年~2030年という風になっている。費用は約8,039億ウォンだ。

購入予定だが国産搭載の可能性も

というわけで、「あくまで予定」ということみたいだ。現時点では、ね。今年の5月以降はまた方針が変わる可能性があるのだし。

実際に国産迎撃システムが完成したらしいので、コイツを搭載する可能性も当然にある。

韓国型THAAD「L-SAM」開発完了…独自技術できめ細やかな防空網構築【独自】

2024/06/05 11:05

韓国軍が独自開発を進めてきた「長距離地対空誘導兵器(L-SAM)」が最近、「戦闘用適合判定」を受け、開発が完了したことが分かった。複数の韓国政府消息筋が5月24日に伝えた。韓国型THAAD(高高度防衛ミサイル)と呼ばれるL-SAMは来年から量産手続きに入り、数年以内に実戦配備される見込みだ。要撃高度が4万メートルから6万メートルというL-SAMが実戦配備されれば、THAAD(4万メートルから15万メートル)、パトリオット(1万5000メートルから4万メートル)、天弓II(1万5000メートルから3万メートル)で構築されている現在の韓米連合防空網はさらにきめ細かくなり、北朝鮮の核の脅威への対応能力が強化されるだろう-という評価が出ている。

~~略~~

今回開発されたL-SAMは「K防衛産業」にとって新たな有望株になるだろう、という評価もある。業界関係者は「ウクライナ戦争やイスラエル・パレスチナ戦争などでミサイル迎撃システムに対する需要が高まっている」とし「韓国型パトリオットと呼ばれる天弓IIに対する各国のラブコールが続いているが、L-SAMは天弓IIに続き、K防衛産業にとって次の売れ筋商品になり得る」と語った。

朝鮮日報より

記事のホルホル感が強すぎて、L-SAMに何処まで正確な実力があるのかは不明である。

量産体制には……、そういえば入っていたっけ。

2025年新年企画、飛躍するK放散 LIGネクスワンL-SAM最終承認

2025-01-17 06:19:35

防衛事業推進委員会が「韓国版サード」と呼ばれるL-SAM(長距離地対空誘導兵器)生産計画を16日承認した。

これに伴い、今年下半期からLIGネクスワンがL-SAM量産に突入する。 生産期間は2025~2030年であり、事業費は約1兆7302億ウォンに策定された。 2027年から各地域の防空砲部隊に配置される予定だ。

毎日経済より

これは地上配備型のミサイルなので、現時点でVLSに搭載出来るかと言えば難しいのだろう。

VLSのバリエーションが、Mk.41(48セル)に加えてK-VLS-Iが16セル、K-VLS-IIが24セルの3種類合計88セル用意されている。世宗大王級駆逐艦は128セルも用意されていたので寧ろ減ったように見えるが、K-VLS-IIは容積が大きく、大型のミサイルを発射出来る。

ファイル:モダンウォーシップ正祖...

というわけで、全体的に調べて見た感想は、「上手く行くと良いね」的な要素が未だ未だ盛り込まれた計画ではあるようだ。

ただ、途中で紹介した乗り物ニュースにもあったけれども、「一体何処を目指しているのか」という感は強い。艦隊地攻撃用に玄武4搭載可能という話になっているだけに、仮想敵は日本なんだろうなと。

コメント

  1. 山童 より:

    よくわかんない!
    機動部隊と機動艦隊は違うらしい……
    機動部隊たと、普通は空母を中心とした艦隊てすよね。よくわからない……

    • 木霊 木霊 より:

      「深く考えてはいけません。
      フィーリングで感じるのです」
      というのが、韓国軍ネタなのでご了承を。

      • 山童 より:

        フォースを信じよ!って、スター・ウォーズかいな😂😂
        まぁ、あの国らしいですわね😂😂

  2. 砂漠の男 より:

    南鮮軍に早く目を醒ませと言うべきところでしょうが、「独自の開発」と「海軍の拡充」で自尊心が満足するなら、まぁそれでいいのでしょう。知らんけど。

    その上でコメしますと、南鮮型イージス駆逐艦の充実は、南鮮型空母を建造・配備するよりは遥かにマシでしょう。空母を造っても、もて余す未来しかありませんから。

    で、ここからが核心的問題ですが、まず南鮮[製イージスシステム]が北鮮の弾道ミサイルを迎撃できるか分かりません。次に南鮮が北鮮の機動型弾道ミサイルを迎撃できるか分かりません。さらに南鮮は北鮮の極超音速弾道ミサイルを迎撃できないでしょう。

    さて、南鮮はどんな北鮮弾道ミサイル迎撃プランをもっているんでしょう。メディア記事にはムニャムニャ書かれていて、そのヘンが全くみえません。ハコばかり造っても、実戦で役に立たなければなんの意味もありませんし。

    • 木霊 木霊 より:

      見ている分には面白いので、どんどんやって欲しいですね。

      そして、ご指摘のように空母を建造・配備するよりはよっぽどマシですが、そもそも韓国海軍に必要なのはイージス駆逐艦ではなくてミサイル艇などの小型で高速な船舶なんですよね。
      海でミサイル迎撃する必要性はないわけで、なぜ三軸体系を海に構築しようとするのか、意味が分からないです。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    勇ましいのはいいですが、
    ・基本、陸軍国かつブラウンウォーターネイビーの韓国で、身の丈に合わない海軍戦力がそんなに必要なのか?(整備したい理由はわかってますが……)
    ・主力艦ばかりで、ワークホースがいない様に見えますが……
    という事で、見栄えばっかりの「張り子の虎」にしか……

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      砂漠の男さんへの返信にも書きましたが、ご指摘の「ワークホース」が圧倒的に足りないんですよね。
      人員不足ですから無人機を充実させるという考え方の方が良いのかも知れませんが、とにかく変な方向にばっかり金を使いたがるのはこまったものです。