出来事自体は特筆すべきことはないんだけど、久々に韓国軍ネタなので触れておくことにする。
鎮海入港の艦艇、出火から12時間後に主火を鎮火…韓国海軍「事故調査委を構成」
2025.08.01 15:33
鎮海に入港中だった2600トン級海軍揚陸艦「香炉峰」で起きた火災の主火の鎮火が約12時間後に完了した。
中央日報より
多少負傷者は出たようだが、命に別状はなく、何よりである。
貴重な揚陸艦から出火
高峻峰級揚陸艦
触れる気になった理由は、このタイプの艦船について記事で取り扱ったことがなかったから。

韓国軍初の自国建造型の揚陸艦で、高峻峰級揚陸艦と呼ばれるタイプ。
艦首を海岸に擱座させて兵員・車両を揚陸するタイプで、箱型の船体の艦首部に観音開きの門扉とその中に道板を設けている。これはこれの前級にあたるアメリカから引き渡された雲峰級揚陸艦と類似設計で、似たような形のものを国産化した形である。
雲峰級揚陸艦は、アメリカ製のLST-1級戦車揚陸艦後期型を購入して韓国名が付けられた艦であり、速力が10ノットと鈍足であることを除けば、かなり使い勝手の良い船であったようだ。LST-1級の前期型は揚陸任務時は500tと少なかったために、後期型では1,900tにまで改良されていた。
しかし、後継艦の高峻峰級揚陸艦は、速力こそ16ノットまで上げられたものの、搭載量は690t(揚陸任務ではない場合には1,800t)とやや物足りない感じ。1番艦が1992年9月進水なので、そこまで古い船ではないが、造船技術の差が理由なのだろうか?同級は4隻で建造終了。次級の高峻峰級揚陸艦へと引き継がれた。
韓国軍としてはスレッジハンマー作戦(仁川上陸作戦:1950年9月15日)を体験しているので、揚陸艦についてはそれなりの拘りがあると思ったんだけど、この辺のコンセプトはよくわからないな。
小火発生
さて、冒頭のニュースはやや老朽化して次級にそろそろ切り替えようという時期に発生した事故、ということだ。
韓国海軍は1日午前3時45分ごろに鎮火作業を終え、小火の除去と潜在的な火災の恐れがないかを確認するなど最終段階の作業を行っていると明らかにした。
中央日報「鎮海入港の艦艇、出火から12時間後に主火を鎮火」より
出火原因は特定されていないが、本艦は高峻峰級揚陸艦の3番艦で1998年10月に進水したタイプ。
7月31日午後3時49分ごろ、慶尚南道昌原市鎮海区鎮海軍港に入港した海軍揚陸艦「香炉峰」補助機関室で火災が発生した。艦艇規模が大きいため鎮火まで相当な時間がかかった。
中央日報「鎮海入港の艦艇、出火から12時間後に主火を鎮火」より
補助機関室からの出火ということなので、電子機器の老朽化が問題なのだろう。港に入港した段階で火災が発生したっぽいし、作戦終了時の気の緩みが原因かな?
韓国海軍揚陸艦、鎮海入港中に火災…「3人負傷、180人脱出」
2025年08月01日 07:51
鎮海軍港に入った海軍艦艇に火災が発生し、3人が負傷、乗組員など約180人が緊急脱出した。
海軍・消防によると、31日午後3時49分ごろ、慶尚南道昌原市鎮海軍港に入港中だった海軍揚陸艦「香炉峰」の補助機関室(発電機室)で出火した。今回の火災で艦艇にいた乗組員・便乗人員約180人のうち3人が負傷し、海洋医療院に搬送された。負傷者3人のうち1人は右腕・わき腹に1、2度のやけどを負い、2人は呼吸困難を訴えている。
海軍は午後6時10分ごろ、「『香炉峰』が鎮海軍港に入港して停泊した状態で昌原消防本部と協力して鎮火中」とし「患者は3人で、人命被害はない」と明らかにした。昌原消防本部は40人以上の消防署員と消防艇・ポンプ車など装備15台を投入した。
KONESTより
停泊中に出火ねぇ。
消化活動はしたのだろうけれど、緊急脱出する事態になったということは、かなりの勢いで出火したということが示唆される。うーん、これ、消火が難しかったということはバッテリー絡みかも?
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