近況は「お知らせ」に紹介するようにしました。
スポンサーリンク

また引き上げられた韓国の最低賃金

大韓民国ニュース
この記事は約8分で読めます。

凄いな。大丈夫なのだろうか?との心配は、余り意味のないことかも知れないが。

韓国の最低賃金、25年は初の1万ウォン超え 東京上回る

2024年7月12日 18:40

韓国の2025年の最低賃金が24年比1.7%増の時給1万30ウォン(約1160円)に決まった。人手不足や物価高を背景に過去最高を更新し、初めて1万ウォンを超えた。

日本経済新聞より

適正な最低賃金の設定というのは、労働者を守る意味で必要なことではあるのだが、しかしそれは産業発展の足を引っ張ることもある。

スポンサーリンク

韓国経済は耐えられるのか

セーフティネットとして機能しない

国内経済に合わない過度な引き上げをやってしまうと、雇用側が耐えきれなくなって、先ずは勤務時間の抑制や機械化を進め、それでも耐えられなくなると人員の削減、場合によっては賃金未払いの発生を誘発し、果ては倒産して雇用そのものが無くなってしまうことにも繋がる。

その辺りのさじ加減をするのが政治の役割なのだけれど、ポンコツな岸田政権はこんな寝言を言っている。

最低賃金、政府目標「1500円」に中小企業が警戒感…「価格転嫁も進まない中で負担重い」

2024/07/13 13:14

最低賃金(時給)を巡る議論の本格化に伴い、中小企業がその行方を注視している。昨年、最低賃金は初めて全国平均で1000円を超え、政府は早期の1500円達成に意欲を見せる。ただ、大手企業に比べて賃上げ余力の乏しい中小には負担が重く、警戒感を強めている。

讀賣新聞より

目標を「1500円」に、というのは結構な事ではあるが、経済実態に見合わない最低賃金設定は経済を荒廃させかねない。セーフティネットとしての機能があるとされているが、正直僕は疑わしいと思っている。

そして、日本政府の「目標」は分かるし良いとは思うのだが、実現性があるかどうかはかなり怪しい。

スイス「最低賃金4300円」は日本の4倍以上!低インフレでも高給が実現できる理由

2024.7.14 5:20

日本の最低賃金は、2023年10月1日から全国加重平均額で1004円となり、初めて1000円を上回った。年々少しずつ上がっているものの、その4倍以上の最低賃金を設定している国がある。スイスだ。

DIAMOND onlineより

最低賃金16ドルのNYに、時給3ドルのレジ係が登場…アメリカで「地球の裏側のレジ係」が広がる理由

2024/07/15 7:00

アメリカで登場した「リモートレジ」が話題を呼んでいる。レストランで食事を終えてレジへ向かうと、レジに係員はいない。代わりにディスプレイが据え付けられており、アメリカ国外にいる係員が画面内に登場する。

PRESIDENT Onlineより

欧米の賃金上昇っぷりを見ていると「羨ましい」という気分にさせられるのは事実だが、スイスの場合は日本と違って投票で決まるらしい。直接民主制が何を引き起こすか?という恐ろしい実例でもあるのだけれど、スイスは物価も凄いことになっているからねぇ。

スイスの物価

物価を見るときに参考になるのは、ビックマック指数というヤツだ。

セカイハブより

アメリカを0とすると、スイスは43.5%のぶっちぎりの1位で、アメリカは9位となる。じゃあ日本は?というと、45位で43位の支那よりも更に下の-46.5%である。

スイスの月収120万円 安定も物価上昇に追い付かず

2024/03/28 06:00

スイスでは、月7000フラン(約120万円)でどこまで生活が成り立つのだろうか。連邦統計局(FSO)の最新統計によると、スイスの給与の中央値は依然上がり続けている。しかし一部では、物価の上昇に賃金が追いついていない。

SWIより

しかし、2022年のスイスでの月間収入の中央値が6788フラン。……最頻値も出してくれないかなぁ。中央値はあまり参考にならない気がするのだが、平均値よりはマシか。

ともかく、日本の現状とは余りにかけ離れているので、全く参考にならないことは分かったよね。

……しまった、これ、韓国の話だったよ。

韓国の最低賃金は高い

えーと、韓国の話ね、そうそう。

韓国の賃金水準、日本並みに

2022年9月5日

日本と韓国の賃金水準は今日ではかなり接近しているようだ。平均賃金は為替レート次第では逆転も視野に入る。

~~略~~

韓国の産業界では、最低賃金水準が高過ぎるという認識が根強い。ちなみに、経済団体の韓国経営者総協会では、OECD加盟国のうち最低賃金制度のある30カ国について、「最低賃金/中位賃金」の比率(2021年)をみたところ、韓国は61.2%で8番目に高く、G7平均の49.2%を大幅に上回ったと発表している(同協会「2021年最低賃金未満率の分析および最低賃金水準の国際比較」、2022年4月17日付)。

JETROより

2022年の段階で、韓国の賃金体系は日本に追いついたといわれている。そして、今年は逆転したという話になっているのだが、この話には少々注意が必要である。数字で見るならば、2013年には逆転しているのである。

グラフの数値は表1のとおり
図1:日韓の平均賃金の推移(年間、実質・2021年基準、購買力平価換算)

ただ、記事でも指摘されているのだが、これは現実の名目賃金を示したものではないので、ある程度データを修正してみる必要がある。それがこちら。

グラフの数値は表2のとおり
図2:日韓の平均賃金の推移(年間、名目、市場レート換算)

詳しい話は記事を読んで頂くとして、修正した指標を見ても韓国の賃金体系は日本に追いついたという評価になっている。

そして、最低賃金は2022年の時点で逆転している。

次いで、日韓の最低賃金を見てみよう。韓国の最低賃金時間額は、文在寅前政権時の5年間で、2017年の6,470ウォン(約679円)から2022年の9,160ウォン(約962円)へ、41.6%も上昇した。

~~略~~

他方、日本の最低賃金時間額は全国加重平均で、2021年度(2021年10月~2022年9月)930円、2022年度は961円で、既に韓国が日本を上回っている。

JETRO「韓国の賃金水準、日本並みに」より

韓国の場合、地方と中央の区別無く、最低賃金は一律で決定されている。日本の場合は地域差があって都道府県毎に決定されていて、地域によってはもっと早くから韓国に最低賃金を追い抜かれているところもある。

そして、「最低賃金/中位賃金」の比率は、韓国は日本よりもかなり高い。韓国は61.2%(2021年)、G7の平均値は49.2%なので韓国の最低賃金の設定値は高すぎるという評価をするところもある。

もっと上げて欲しい

一方で、物価上昇の影響などを影響も強く、最低賃金はもっと上げるべきという声も韓国内では少なくない。

会社員7割「最低賃金1250円以上に」=韓国

2024.06.16 16:39

韓国の市民団体「職場パワハラ119」が16日発表したアンケート調査の結果によると、2025年度(1~12月)の最低賃金は時給1万1000ウォン(約1250円)以上に引き上げるべきだとの回答が67.8%に上った。調査は全国の会社員・職員1000人を対象に先月31日~今月10日に実施した。

聯合ニュースより

当然ながら、経営者側は「最低賃金を下げてくれ」という悲鳴のような声を上げているようだが、その実態はこんな記事にも現れている。

最低賃金に満たない賃金を受け取る労働者数が前年比25万人増え、300万人を突破

入力 : 2024-05-16 20:17:16

最低賃金に満たない賃金を受け取る労働者数が前年比25万人増え、300万人を突破した。 現在の最低賃金水準が国内労働市場で耐え難いほどだという分析が出ている。

16日、韓国経営者総協会は2023年最低賃金未満率分析報告書を発表した。 報告書によると、昨年、国内労働市場で法定最低賃金額(時給9620ウォン)を受け取れなかった労働者数は301万1000人で、前年比25万5000人増加した。 全体勤労者対比最低賃金額未満勤労者の比重も13.7%で1年間で1%ポイント増えた。

毎日経済より

ルールとしては最低賃金が決まっているのだけれど、それを守らない、守れない経営者も韓国では相当数居るというニュースなのだけれど、日本でこんなことをやったら労働基準監督署が黙っていない。

韓国では、それが出来ない状況にあるということなんだよね。

好調を維持出来るか

こうやって考えていくと、韓国の最低賃金引き上げというのは、一体何のためにやっているのか?という話になってくる。

日本の最低賃金の話はさておき、韓国の場合は地方経済を破壊する勢いで最低賃金を上げているので、各地で経済が疲弊して、ますますソウル一極集中化していってしまう。

KDI「韓国経済、内需回復傾向見えず景気改善はやや微弱」

2024.07.09 11:47

国策研究機関である韓国開発研究院(KDI)が韓国経済に対し「内需回復傾向が表面化できず景気改善傾向がやや微弱な姿」と診断した。「景気改善の流れが続くだろう」と予想した韓国政府の状況判断よりも慎重な評価だ。

中央日報より

今、この段階で最低賃金を上げてしまうと、更に経済状況が悪化するのではないか?という気がしてならない。

そして、韓国経済にとっての強みは、日本と同じ性能の製品(ただし、カタログスペック)が安価に製造できるというところであったハズなのだけれど、もはや「同じ製品」では勝負できなくなった。

もちろん、韓国の方が優れている分野というのはあって、そこを強化していけば良いのだけれども、残念ながら半導体に関しては台湾が、液晶に関しては支那が

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    >国内経済に合わない過度な(賃金)引き上げ

    これが韓国のすべてに影響を与えるでしょう。
    賃金(給与)は経済主体の最大圧力要因で、賃金と利益は反比例します。

    韓国では、国、企業、家計のいずれのバランスもマイナス(常態赤字)なので、GDPが成長しても、インフレが起こっても、賃金を上げる余地はほとんどないはずです。賃上げするとなると、雇用側は借入するか減資するしかありません。

    韓国政府が、最低賃金を強引に引き上げ続ける理由は、おそらく「先進諸国で賃金上げが起こっているから」でしょう。

    だから韓国も賃上げしなければならない、と考えているならば、それはもはや賃上げというよりも、お手上げという事態です。

    • 木霊 木霊 より:

      「三つ子の赤字を抱えている」と言われて久しい韓国ですが、この三つ子ちゃん、すくすく育ってしまってもはやGDPも超えてしまっています。
      韓国は真っ先に現実を見るべきだと思います。「お手上げ」と、彼の国の大統領も思っているかも知れませんが。

  2. 匿名 より:

    在日朝鮮人の方へ
    祖国に帰ったら、最低賃金が高いそうですよ。
    さっさと、帰った方が得しますよ。
    さあ、帰った帰った!

  3. 河太郎 より:

    ムンムンにあれだけガタガタにされて、奴の賃上げでどうなったよ??
    学習能力のない奴らだ。

    • 木霊 木霊 より:

      今の韓国の苦しみは、概ねムン君の置き土産でもあります。
      一度、最低賃金を継続的に上げていく路線を作ってしまうと、いきなりそれを止めるのは難しいようですね。