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尹大統領、権限なく拘束され、取り調べ後は拘置所へ

大韓民国ニュース
この記事は約17分で読めます。

凄い国だなぁ。

尹大統領 取り調べ後はソウル拘置所へ=3坪の独房に収容か

2025.01.15 14:25

内乱容疑で拘束された韓国の尹錫悦大統領は政府果川庁舎にある独立捜査機関「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)」で取り調べを受けた後、ソウル拘置所に移され、逮捕状発付の是非を判断する裁判所の令状審査まで同地で過ごすものとみられる。

NHKニュースより

NHKもよくこんな内容報じたよね。法治国家じゃないぞ、これ。昨日も書く気はなかったのに記事にして、本日もとなると流石に諄い。軽めの記事にしておく。

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地裁は合法だと判断

権限が怪しい

何度も高位公職者犯罪捜査処(公捜処)には韓国大統領のユンユンを捜査する権限も、逮捕する権限もない可能性があることは指摘してきた。どちらかというと、法の不備なんだろうけれど。

故に、現状で取り調べを受けている状態そのものが違法なんだけれども、形式上はソウル西部地裁が令状を出してしまったので、

一応の説明は付く。「一応」と書いたのは、「公捜処に捜査権限があるか疑わしい法律構成である」という点以外に、「そもそも地裁に内乱の判断をする権利があるのか」という点も疑わしい。本来的に大統領に不逮捕特権が付与されているのは、大統領が選挙によって選ばれた存在だからである。ここを吹っ飛ばしてしまうと、公捜処や地裁は国民の主権を侵すことになってしまう。

令状発布に問題があったかどうかは、これから争われる事になるとは思うが、本来であればソウル中央地裁から令状発行がなされなければならなかったという点は恐らく覆らない。一方で、一度、ソウル西部地裁から令状が出た以上、それは正式なモノであると扱われる可能性もある。

そうすると、公捜処の捜査そのものは続行可能だと思われるが、ここで問題になるのはユンユンを拘束し続けることが適法か?という点である。

本来的に、警察か検察が捜査をしなければならず、内乱罪の捜査及び犯人の逮捕権は警察にある。そうすると、ユンユンの逮捕は令状が必要になるって事になる。

逮捕状発付の是非を判断する裁判所の令状審査まで同地で過ごすものとみられる。

NHKニュース「尹大統領 取り調べ後はソウル拘置所へ」より

冒頭引用部分のこの一文は、そういう意味になる。

ソウル拘留所での拘留

で、この許可を何処が出すのかというと、恐らくはソウル中央地裁である。

公捜処の建前はともかくとして、拘留するためにはやはり逮捕状の発行が必須である。

集会が消えた大統領官邸周辺、公捜処前とソウル拘置所前が新たな集会の拠点に

Posted January. 17, 2025 08:23, Updated January. 17, 2025 08:23

尹錫悦大統領の取り調べが始まった京畿道果川市にある高位公職者犯罪捜査処(公捜処)と京畿道儀旺市のソウル拘置所一帯で集会が増えている。一方、尹大統領支持と反対集会が続いていたソウル龍山区漢南洞の官邸周辺は、大統領の逮捕後、集会が沈静化し、日常を取り戻した。

16日午前、京畿道果川市の果川政府庁舎の公捜処付近では、尹大統領の支持者らが前日から徹夜で集会を続けた。彼らは「弾劾無効」「公捜処解体」などのスローガンを連呼した。近くの街灯に大型太極旗をつけていた大統領支持者のチョ・ヤンゴンさん(67)は「不正選挙は明らかになる」とし、「今後も闘い続ける」と話した。

ソウル拘置所前は大統領支持者が集まり「集会の集結地」と化した。15、16日続けてここを訪れ、集会に参加したファン・ヒョナさん(63)は、「大統領が逮捕されるのを見て、『本当に悔しいだろうな』と思った」とし、「国民が立ち上がるべきだという思い、デモに参加した」と話した。同日、公捜処とソウル拘置所の前には大統領支持者がそれぞれ500人、600人(警察の非公式推計)集まった。

東亜日報より

色々と騒がしくなっているソウル拘留所だが、ソウル中央地裁が果たして逮捕状を出すのかどうか。

法曹関係者によると、公捜処は尹大統領の取り調べを終えた後、15日午前10時33分の拘束から48時間となる17日午前までに逮捕状を請求する方針だ。

尹大統領は令状審査が行われるまで、ソウル拘置所に留置されるものとみられる。公捜処での取り調べが長引けば、ソウル拘置所に移動せずに令状審査を受ける可能性もある。

NHKニュース「尹大統領 取り調べ後はソウル拘置所へ」より

沈黙を続けるユンユンだが、ソウル拘留所でいつまで頑張れるのだろう。今のところ48時間が勝負なんだろうと思う。

とはいえ、昨日も言及したが、韓国では左派と右派のせめぎ合いが続いていて、そこに法や理屈は不要である(韓国内の理屈では、だが)。

どうなることやら。48時間経過して逮捕状が出てこないと、一端釈放されることになるハズだが。

「問題なし」だ

なお、裁判所の判断としてはソウル西部地裁からの令状発行は違法ではないと判断したようだ。

韓国 ユン大統領拘束 “問題なし” 捜査本部 17日逮捕状請求か

2025年1月17日 3時36分

韓国の尹錫悦大統領が内乱を首謀した疑いで拘束されたことをめぐり、大統領の弁護団は、拘束が適切だったかを判断する審査を請求しましたが、裁判所は16日夜、拘束に問題はないという判断を示しました。これを受けて韓国メディアは、合同捜査本部が17日、引き続き身柄を確保して捜査するために、大統領の逮捕状を請求する方針だと伝えています。

NHKニュースより

なるほど、ソウル中央地裁も「OK」を出したのか。西部と中央で主導権争いに発展するのを嫌がった可能性もあるが、韓国の法体系に詳しくないので地裁が判断した以上は合法なのだろう。

一方、違法な拘束だと主張しているユン大統領の弁護団は、拘束が適切だったかどうかを判断する審査を請求し、ソウル中央地方裁判所ではきのう午後、弁護士から意見を聞くなど審査が行われました。

NHKニュース「韓国 ユン大統領拘束 “問題なし” 」より

おそらく弁護団としては法的根拠を元に主張しているけれども、地裁側は「解釈の余地あり」という立場なんだろうと思う。そうすると、捜査も逮捕もやれる可能性は高そうだねぇ。

やれやれOINKと判断して良いかどうか悩ましい案件だけど、これは、ユンユン劣勢になりそうだな。

無政府状態の韓国、司法が大統領を裁く

やや異例だが、ここからは韓国の大統領逮捕における問題点について少し言及しておきたい。

まさか隣国の民主主義崩壊の状態をこの目にしようとは思わなかった。

北朝鮮、韓国大統領拘束を報道 海外メディア引用し「混乱長期化」

2025年01月17日13時58分配信

北朝鮮の朝鮮中央通信は17日、韓国の尹錫悦大統領が内乱容疑で捜査当局に身柄を拘束されたことを初めて報道した。韓国の状況を海外メディアが緊急報道で伝えていると紹介。複数のメディアを引用する形で「韓国の政治的混乱は長期化する恐れがある」と報じた。

時事通信より

そして、北朝鮮の朝鮮中央通信の正論を聞く羽目になるとは!

三権分立が理解できない朝鮮半島

笑うべきか嘆くべきか悩ましいところだが、この話をもう少し法律的に話しておく必要があったと思って反省した。それも朝鮮中央通信の報道によってだ。

ただ、正論は前半分だけで、後半分は民主主義を理解していない北朝鮮らしい感想を述べている。

同通信は、海外メディアが「尹錫悦の悲惨な運命と、さらに深まる韓国の混乱状況」を報じたと説明。尹氏が取り調べに応じず「非常戒厳」の正当性を主張していることに触れ、「(尹氏は)個人の利益のために国家秩序を犠牲にし、法の手続きに従っていない」と言及した。

時事通信「北朝鮮、韓国大統領拘束を報道」より

何処がおかしいかと言えば、「法の手続きに従っていない」の部分である。

ここで、日本のシステムを示しながら「三権分立」の話をしておきたい。

三権分立についての説明図.1.国会と内閣の関係…国会は、国会議員の中から内閣総理大臣を指名します。また、衆議院において内閣不信任を決議することができます。内閣は、国会を召集します。また、衆議院を解散することができます。2.国会と裁判所の関係…国会は裁判官を罷免するための弾劾裁判を行うことができます。裁判所は、国会の制定した法律についての違憲審査権を有しています。3.内閣と裁判所の関係…内閣は、最高裁判所の長官を指名し、その他の裁判官を任命します。裁判所は、内閣その他行政機関の命令、規則、処分についての違憲審査権を有しています。

この図が、公民などの教科書にも出てきがちなのだが、日本は国民主権で「司法」「立法」「行政」がそれぞれ牽制する構造になっている。

日本国憲法は、国会、内閣、裁判所の三つの独立した機関が相互に抑制し合い、バランスを保つことにより、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する「三権分立」の原則を定めています。

衆議院のサイトより

国民主権であることから、「国会」の議員は「選挙」で選ばれ、「行政」を司る内閣は「世論」によって牽制され、「司法」の根幹である裁判所は「国民審査」によって罷免される構造になっている。

尤も、「世論」はメディアによって歪められているし、「国民審査」は機能していない。よって、日本のシステムも破綻しているのだが、それを指摘する人は余りいないよね。

さておき、「司法」は「立法」に対して「違憲立法審査」が可能であり、「行政」に対しては「命令・規則・処分の適法性の審査」が可能であるとされている。

今回は「違憲立法審査」の話は脇に置いておくとして、「命令・規則・処分の適法性の審査」が出来る司法はこれによって「何を判断するのか」という話をしておきたい。

違憲審査権

さて、司法に置いて最強の権利である「違憲審査権」だが、「立法」にも「行政」にも行使が可能である。なお、上の図は「立法」に対して「違憲立法審査」、「行政」に対しては「命令・規則・処分の適法性の審査」としているけれども、要は適法であるかを審査ができる。

ただしこれ、訴えがなければ審査することはできない。憲法に定めがあるので、訴えがあれば適法であるかを判断する義務を負う。

第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

衆議院のサイトより

さて、こうした司法の立法と行政の監視という仕事は稀であり、基本的には民間または行政から依頼された仕事をすることになる。

で、今回の韓国のケースでは逮捕令状が出る出ないの話になっているのだけれども、これも司法の仕事ではある。

逮捕令状には期間がある 「令状」についての基礎知識を解説

2024年06月24日

~~略~~

(1)「令状」とは?

刑事事件における「令状」とは、裁判官が警察や検察官といった捜査機関に対して一定の強制処分を認める許可状を指します。

警察や検察官には犯罪を捜査する権限が与えられていますが、捜査のためならどんなことをしても許されるというわけではありません。

日本国憲法が保障している基本的人権を侵すことは許されないため、捜査に際して公平・中立であり、かつ深い法律の知識をもつ裁判官がチェックする体制が整えられています。

これを「令状主義」といいます。

ベリーベスト法律事務所のサイトより

日本の場合に逮捕権があるのは警察や検察であり、当然「逮捕状」や「捜査差押許可状」が発行された場合に、その職務を遂行するために司法にお伺いを立てる。

裁判所は、この令状請求があった場合には、適法な請求かどうかを判断するのであるが、ここでは捜査の適法性に関して判断はされるものの、そもそも捜査権を持たない団体から令状請求されて、令状が出るわけはない。裁判所が違法な判断をしてはならないのである。

これが違憲審査権の判断にも関わってくるのだが。

韓国大統領逮捕に関わる疑問

さて、そうなってくるとこちらのケースはいくつかの疑問がある。ユンユンは検察のトップにいた人間であるため、当然、令状の効力についてはよくよく知っている。

時々、その組織のことを何も知らない人間が組織のトップに立ってしまう悲劇があるが、ユンユンは法律を学んだ上で検事になり、検事総長になった叩き上げである。

ユン・ソクヨル 「私は人に忠実ではない」

2013年10月22日

「組織を愛する。私は人に忠実ではない」

国家情報院のコメント事件特別捜査チーム長から排除されたユン・ソクヨル驪州支庁長(53-司法修習院23期)が21日、国会法委員会のソウル高等検察庁の国政監査で述べた言葉だ。

ユン支庁長はこの日の国政監査で、国情院職員の逮捕と公訴状変更申請などについて、チョ・ヨンゴンソウル中央地検長に報告したと証言した。特に、ユン地庁長は、国情院の捜査に外圧が深刻だったと暴露した。 彼は捜査外圧の実体を尋ね、ファン・ギョアン法務部長官も含まれないのかという議員の質問に「そうだと思う」と答えた。

~~略~~

ユン支庁長の所信発言はこれだけではない。彼はセヌリ党議員らから国政院大統領選挙介入事件捜査に関する指揮・監督違反事実を指摘されると、「違法な指揮・監督は従う必要がない」という意見を表明した。 「誰が見ても違法な指示が下されたとき、それに異議申し立てなければならないとは思わない。指示自体が違法なのにどのように従うのか」というのだ。

オーマイニュースより

過去に、国情院の捜査から除外された時に、国情院の捜査について外圧があったことを暴露し、「組織に忠実である」といってのけた事がある。

記事はこの発言を問題視する論調になっているが、ユンユンが法律に従った組織の在り方を肯定していると見ることもできる。つまり、違法な指令には従わないというわけだ。逆に言えば適法であれば従うということも意味している。

その本人をして、違法捜査をいわしめているのだから、違法性は当然考慮すべきではある。

尹錫悦大統領、実益のない逮捕適否審請求…支持層の結集と裁判遅延狙った布石

登録:2025-01-17 06:29 修正:2025-01-17 07:59

尹錫悦大統領が逮捕当日、直ちに逮捕適否審を請求し、翌日の高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の調査にも応じず、「違法捜査」という主張を続けている。 認容(受け入れ)の可能性は低く、逮捕時間を延ばすだけの適否審まで請求するのは、違法捜査という主張で支持層を結集させ、裁判を遅延させることで、6カ月後に釈放される状況を狙っているのではないかという分析もある。

ハンギョレより

ハンギョレは、作戦として「遅延戦術」を狙っていると指摘していて、それは恐らく正しいのではあるが、それでも適法な法執行であれば従うだろう。

寧ろ、誰が見ても適法な法執行であれば、恐らくそれを否定する戦術を採るメリットはないと考える理詰めのタイプだろうと思う。

つまり、令状執行を拒否する理由はなかったはずなのだ。通常は令状執行は拒否できないからだ。

尹大統領の令状拒否、国民の誰も享受したことのない「特例」…14日の「訴え」大解剖
大統領室秘書室長の「国民に対する訴え」 憲法を無視した特恵要求、歪曲だらけ

したがって、ハンギョレのこの主張はかなり的外れである可能性が高い。尤も、ユンユンの判断が全て正しいとみるのも、やや無理があるのだが。

ユンユンのロジックとしては、法律に照らして出るはずのない令状が出てしまったのだから、その違法な令状に従う必要はないというものだろう。

違法令状だが

実際にこんなことを言っている。

「違法捜査だが出頭決めた」と尹大統領 拘束前に動画メッセージ公開

2025年1月15日

韓国の尹錫悦大統領が昨年12月3日に「非常戒厳」を宣布したことをめぐり、韓国の捜査当局は15日午前、内乱の疑いで尹氏に出されていた拘束令状を執行し、尹氏を拘束した。現職大統領の拘束は韓国では初めて。

~~略~~

尹氏は、韓国の法の支配が崩壊したとし、「違法な捜査だがCIOに出頭することにした。不穏当な流血を防ぐためだ」と説明した。

BBCより

基本的には、大統領には不逮捕特権がある。だから任期中は大統領逮捕は先ずあり得ない。事実、韓国の歴史の中で逮捕された現職大統領は存在しない。だが、不逮捕特権は内乱罪に及ばない。その内乱罪の捜査権限は公捜処にはない。

つまり、公捜処に出された捜査令状は違法というわけだ。また、報道にはないので「捜査令状」か「逮捕令状」かは不明だが、捜査令状であったのであれば拘束は適法ではない。つまり、現場で拘束された点にも疑問を差し挟む余地がある。

実際、逮捕状の発付を裁判所に請求しているしね。意味が良く分からない。

そして、最も良く分からないのは、基本的に大統領には不逮捕特権があり、これが内乱罪に適用されないという部分であって、裁判所が逮捕が出来るとして「逮捕令状」を出した場合には、裁判所が内乱罪であるかどうかを判断したという意味になる。

こういった判断は、本来、三権分立しているのであれば、司法がしてはならない行政(警察)の管轄である。その判断の根拠になるのは「捜査」であるので、百歩譲って「捜査令状」は出ても、「逮捕令状」が出るとは考えにくい。だが、「捜査令状」は出てしまったし、「逮捕令状」が出るのも時間の問題である。

そもそも、弾劾手続きそのものが抑制的に行われるべきところ、韓国野党は乱発したわけで。それだって職権濫用であり、寧ろ内乱と呼べるかも知れない愚行である。

弾劾29回に弾劾再提出(一事不再理の原則を無視)、さらには弾劾理由の変更(国会軽視)などもはや意味が分からない。こうした事態を踏まえれば、ユンユンが「非常戒厳」の宣言を無理矢理した気持ちも分かる(やってはいけない行為だが)。

まさに、韓国は今、政治的混乱の真っ只中にあり、それは朝鮮中央通信の報道通りなのである。

追記

ふむ、逮捕されたか。

これはまた……。

尹大統領支持者が地裁に乱入・暴動 建物のガラス割る 逮捕状に怒り

2025年1月19日 15時13分

内乱容疑で拘束されている韓国の尹錫悦大統領に対し、ソウル西部地裁が19日未明に逮捕状を発付したことを受け、尹氏の支持者らが同地裁の敷地内に乱入し、ガラスを割るなどの暴動に発展した。

朝日新聞より

試されているなぁ、韓国の民主主義が。

暴動に発展

ええと、先日も書いたが、ソウル西部地裁が今回のような判断を出すのは、そもそもおかしいのだ。管轄が違うからね。

だが、本来管轄を担当するはずのソウル中央地裁は「OK」を出した。意味不明な状況ではあるが、しかし、法執行が問題であればそれは裁判所的な話であり、司法において決着が付けられねばならない。

ところが、韓国の激しい民主主義が、地裁に乗り込んでしまった。

その後も多数の支持者が地裁前にとどまり、19日未明に尹氏への逮捕状が発付されると、一部の人たちが怒って敷地内に侵入。消火器などで建物のガラスや看板を壊したり、警察官に暴行したりする暴動を起こし、一時、「無法地帯」(韓国メディア)となった。警察側は現場に1千人以上の警察官を投入し、暴動に関わった支持者らを拘束し、鎮圧した。

朝日新聞「尹大統領支持者が地裁に乱入・暴動」より

暴動だね。

もちろん許される行為ではない

で、この話、どういうわけか朝日新聞はもうちょっと詳しく書けば良いのに、コメントだけを載せた感じだ。

前日から地裁周辺で尹氏への支持を訴えていたという50代の女性は朝日新聞の取材に、一部による暴動について「もちろん、許される行為ではないが……」と言いつつ、理解を示す姿勢も見せた。

朝日新聞「尹大統領支持者が地裁に乱入・暴動」より

しっかり説明しないから、この50代の女性が頭のおかしな人みたいになっているんだが。

韓国内の既存のテレビや新聞は戒厳令を出した尹氏への批判一色だとした上で「国内に中国からのスパイが増えていることなど、不都合なことは伝えない」などと主張。暴動を起こした支持者たちについて「逮捕状の発付で怒りが頂点に達したのだろう」と言及した上で「むしろ(暴動について)誇大に、ウソを交えて報じられ、大統領や支持者の立場が悪くならないか心配だ」と語った。

朝日新聞「尹大統領支持者が地裁に乱入・暴動」より

そして、国内での分断が進んでいる様子が説明されている。

「暴動について誇大に、嘘を交えて報じられ」か。日本もあまり変わらない状況にあると思うんだけど、韓国のメディアは確かに左派寄りの論調が強いようだ。

逮捕された大統領

そして、ユンユンはとうとう逮捕されてしまった。

尹大統領を逮捕 現職で史上初―内乱容疑捜査が本格化・韓国

2025年01月19日17時04分配信

韓国の高官犯罪捜査庁(高捜庁)は19日、「非常戒厳」宣言を巡る内乱容疑で尹錫悦大統領を逮捕した。現職大統領の逮捕は韓国史上初めて。15日からの拘束期間も含め最長20日間の身柄拘束が認められ、起訴に向けて捜査が本格化する。

高捜庁や警察などの合同捜査本部は15日、公邸にこもっていた尹氏を拘束し、17日にソウル西部地裁に逮捕状を請求。18日に尹氏が出席して逮捕状の審査が行われ、地裁は19日午前2時50分(日本時間同)ごろ、「証拠隠滅の恐れがある」として逮捕状を発付した。「高捜庁に捜査権はない」とする尹氏側の主張は退けられた。

時事通信より

三権分立とか、民主主義とか、もう色々わからなくなってしまったが、多分、捜査は進められるのだろうね。そして、ユンユンの行く末は絶望的である。

追記2

逮捕者が更に増えているんだが。

尹大統領逮捕に反発し暴動 66人の逮捕状請求=韓国警察

2025.01.20 14:26

韓国のソウル警察庁は20日、尹錫悦大統領の逮捕に反発して逮捕状を発付したソウル西部地裁や弾劾審判を行う憲法裁判所で暴動を起こした90人のうち66人に対する逮捕状を請求し、このうち5人が同日、同地裁で令状発付の是非を判断する令状審査を受けたと発表した。

聯合ニュースより

裁判所に突入しちゃったからねぇ、この逮捕状請求は仕方なし。

ただ、46人が地裁に侵入したという報道だったのに、66人に増えた理由がイマイチ良く分からない。

現行犯逮捕された90人の年齢層は10代から70代まで幅広く、20~30代が51%(46人)と半数以上を占めた。

ソウル西部地裁に侵入した46人にはユーチューバー3人も含まれている。

聯合ニュースより

迷惑系が活躍しているということだろうか?まあ、右派の騒がしいやらかしも問題だが、左派もこれだからね。

裁判所が既に左派に席巻されているので、司法が国民(左派は除く)の味方ではないという……。

コメント

  1. 山童 より:

    ユンユンは比較的にまともな現実主義者と考えていたので、同情はします。
    ただ……この国は毎度、大統領がこういう話になって、もう本当に面倒くさいから早く手を切りたい……との想いが……。

    • 山童 より:

      この国はいつまで経っても韓流ドラマの時代劇(古代か中世か知らんけど)みたいな
      トップ投獄だの粛清だの。変わらないす。
      韓国製WEBマンガとか読むから、ババッ!と時流を観てニッチを開拓する冒険心とかは認めてるんですけどね。個人としてつきあうと義理堅いやついるし。それはガキの頃から在日とケンカして、時には米軍のガキとの争いで共闘もしたから想うんすよ。
      ただ……在日のやつらも本国で幻滅して帰化してるくらいだからなぁ。

    • 木霊 木霊 より:

      残念なことに「手を切る」のは現状では難しいんですよね。
      ですから、出来るだけ関係を希薄にしていくことが望ましいと思っていますよ。

  2. 砂漠の男 より:

    韓国が、国際政治のご都合主義から人工的につくられた国家であり、また様々な内国諸制度を日本からコピーしていることは周知の事実です。いまその諸制度が危機に瀕している主因は、大雑把に2つに集約されるでしょう。

    ひとつは、韓国人は民主主義やそれを裏付ける諸制度に馴染まない

    もう一つは、専制主義の北朝鮮による長年の浸透工作によって、韓国の諸制度が機能不全に陥いるほど侵食されている

    韓国で最も権威と権力をもつ大統領が無法に暴走し、またそれを敵対勢力が無法に返り討ちにするという血を血で洗うような国政・国情をみるにつけ、韓国人が本質的に法治主義=民主主義を受け入れていないことは明らかです。とうとう公けにバレてしまいました。

    これからどんな結末を見せられることになるかは解りませんが、日本は韓国との付き合い方を見直すべきでしょう。米国も韓国の一連の騒動をみて、1953年から延々と続いている日本と韓国を十把一絡げに扱う東アジア政策の愚行を理解したことでしょう。

    • 木霊 木霊 より:

      棚ぼた国家の弊害がもろに出ていますよね。
      半島という地政学的な立ち位置もあって、なかなか民主的な考えが根付きにくいとは思いますから、思い切って民主主義から転換を図るのも一案かと。

      付き合い方を見直すという点には賛成いたします。少なくとも手を取り合って行ける国家ではありません。

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >逮捕状発付の是非を判断する裁判所の令状審査まで同地で過ごす
    ノブノブ:「是非もなし」

    いやそうじゃなくて。
    要するに、法的に権限が確定していない状態で逮捕を強行したって事ですよね。
    いやあ、OINKですなぁ……

    朝鮮王朝の瓦解も、中国からの独立も、日本からの独立も、全て自力でやって来ていない国の、これがその末路ですよね。
    政治の何たるかが、根本からわかっていない。
    法的にガッチリ固める事なら、ナチ党の方がよっぽどまともにやってたと思えるくらい。
    ※だからってやって良いことと悪いことがあるわけですが。

    衆愚政治、愚民極まると民主主義はこうなる、を、他山の石としたいところです。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      もう、大統領支持派も暴動を起こしていますし、反体制派も国民の支持を失いつつあって先鋭化するしで、メチャクチャですよ。