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支那から「恐怖」の祝電を貰う李在明氏

大韓民国ニュース
この記事は約8分で読めます。

これには韓国新大統領になったミョンミョンもニッコリだね。

習近平主席「中韓関係を高度に重視」 韓国新大統領に祝電、関係発展の推進を呼び掛け

2025/6/4 17:09

中国の習近平国家主席は4日、同日韓国大統領に就任した李在明(イ・ジェミョン)氏に祝電を送った。中国国営中央テレビ(電子版)によると、習氏は「中韓関係の発展を高度に重視している」と強調し、中韓関係の発展を推し進めることを呼び掛けた。

産経新聞より

いやニッコリしたのか、背筋が寒くなったのかは分からないけれども。

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相変わらず地政学的リスクを背負う

対支那貿易でマイナスが続く

支那が韓国との関係を「高度に重視」という字面だけを見ると、「ああ、気にしてくれるんだ」と喜ぶところかもしれない。でもこれって、どう考えても圧力だよね。

政治的関係を見る前に、支那と韓国の経済的な結びつきについて少し言及しておきたい。

韓国の貿易は転換点、対中・対米輸出は拮抗へ、対中貿易収支は赤字に

2024年2月20日

近年、韓国の輸出構造に大きな変化がみられる。従来、輸出の牽引役は対中輸出だったが、最近は対米輸出がその役割を担いつつある。半面、輸入には大きな変化は見られず、高い対中輸入依存度が経済安全保障上、課題となっている。

JETROより

いつからだったか、韓国は支那との貿易で利益を上げられなくなっている。ええと、やっぱりMoney1様のところが良いだろうか。

img
Money1「韓国「対中国貿易」赤字の泥沼「-118億ドル」」より

これは2023年の記事で、この傾向は今も続いている。

img
Money1「韓国07月の貿易結果「36億ドルの黒字」。対中国貿易「赤字60億ドル」」より

もはや、韓国は支那との貿易で利益が出せない構造になってしまったのだ。これは、支那が韓国で作る高額商品を購入しない一方で、支那から部品を買う構図になっているからである。

半導体を買って貰えなくなったのは痛いね。

つまり、韓国は今や対欧米貿易で稼ぐしかなく、黒字を出していたのは対米貿易なのである。

戦略的協力パートナーシップ

そういう前提でこのコメントを読むと、かなり印象が違うと思う。

習氏は「現在、世界では百年来の変局が加速度的に進んでおり、国際、地域情勢の不確実要素は増えている」と指摘。韓国を「世界と地域の重要な国家」だと位置づけ、「中韓戦略的協力パートナーシップを絶えず発展させることを共に促進したい」と意欲を示した。

産経新聞「習近平主席「中韓関係を高度に重視」」より

うーん、アメリカからも釘刺されたばっかりなんだけど、韓国はこの状況を見て、コウモリ外交ができるとニヤニヤできるのか、肝が冷えたのか。

ルビオ氏はまた、「地域の安全保障を強化し、経済的な耐性を高め、共通の民主主義原則を守るため」、米韓日3カ国の協力を引き続き深化させていくとも述べた。

ロイターより

肝が冷えるような人物ではないと思うし、それを利用してやるくらいの面の皮の厚さは感じるのだが、それが可能かどうかはまた別だろう。

韓国大統領の心情はともあれ、支那からの「戦略的協力パートナーシップ」を求められた韓国としては、一体何をすべきか?というと、恐らくは一帯一路政策への協力である。

中国外務省の林剣(りん・けん)報道官は4日の記者会見で、韓国の対中政策に関して「中国は一貫して陣営対立に反対しており、韓国とともに中韓関係の健全かつ安定した発展を促進したい」との考えを示した。

産経新聞「習近平主席「中韓関係を高度に重視」」より

健全かつ安定した発展の促進とは一体……。

多分、平たく言うと「投資してくれ」だと思うんだけどねぇ。そうすると、韓国が利益を出している半導体分野について、工場を支那国内にもっと建ててくれ、ついでに仕事もくれって事になると思うんだけど、それはアメリカの尻尾を踏むことになると思うんだ。特に、7nm以下のプロセスの提供とか、3D積層技術などはかなりクリティカルな結果をもたらしかねない技術である。

いや、無理ゲーでしょう。

依然として国際社会における韓国の技術的な優位性は残っているものの、圧倒的ではなく、半導体分野でいえば台湾に太刀打ちできず、メモリー分野でも供給力の面では秀でるものの、そこはもう既に支那工場に飲み込まれているだけに、韓国として身動きのとれない状況なのでは。

ちょっと笑ったのは、ChatGPTにこの話(アメリカと支那との間でバランスをとる外交の話)を持ち出したら、こんな回答が。

このように、韓国は「切り捨てられるかもしれないリスク」に備えつつ、技術・安全保障・外交の三正面で“替えの効かない国”として振る舞うことが、自国の立場を維持する現実的な方法です。

で、それは無理じゃないの?と聞いたら、こんな回答が。

率直に言うと、「韓国が替えの効かない技術パートナーとして米国に認められ続ける」ことは非常に難しい、むしろ困難な挑戦です

おい、バカにされてんぞ、韓国。

安定性を失う支那

習近平体制に異変が

さて、話は変わって支那の方の事情である。

過去にこんな記事を書いたのだが、ちょっと支那が不安定なのでは?という記事を書いている。

支那が不安定というより、習近平政権が不安定というべきだろうか。

色々画策はしているみたいだけれど、今のところ習近平外交が成功しているという話は見聞きしない。

それどころか、経済が加速度的に悪化している。

それもこれも、トランプ氏のせいなんだけどね。

ともあれ、喫緊ではこんなニュースもあって、親支那派の日本経済新聞がこんな記事を書いていた。

中国・習近平政権の異変 超重要会議すっ飛ばし、安定性に疑問符

2025年6月4日 0:00

誰もが信じてきた中国・習近平政権の強さ、安定性に疑問符を付けざるをえない異変が起きた。5月は月に1度、定例で開催するはずの計24人の共産党政治局委員による政治局会議が開かれたという報道がなかったのだ。

日本経済新聞より

これと近いコラムが中央日報にも。

【コラム】半数になった中国中央軍事委員会…4中全会、新たな副主席選出か

2025.06.02 16:00

#場面1。先月(5月)31日、シンガポール・シャングリラ会合で米国のピート・ヘグセス国防長官は中国の脅威が差し迫ったものだと警告した。中国国防部の董軍部長(64)は出席していなかった。2023年李尚福前部長(67)、昨年董部長はこの席で米国のオースティン国防長官を牽制した。

~~略~~

このように中国軍統帥機構である中央軍事委が以前とは異なる姿を頻繁に外部に見せている。7人で発足した第20期中央軍事委は習家軍(習近平師団)に分類される李尚福→苗華→何衛東の順で消えた。張又侠・劉振立・張升民だけが残った。

中央日報より

ふむふむ。

沈明室所長は中央日報に対して「中国内部の権力闘争はまだベールの中の強対強の力比べ段階」とし「万一、習近平が4中全会で権力の一部、すなわち総書記だけを譲るのなら軍事委主席は今後も務めるだろうが、新任総書記が潜在的後継者として軍事委第1副主席を務める可能性がある」と大胆に展望した。また「万が一、習主席が完全に引退するなら、新しい指導者が総書記と軍事委主席まで引き継ぐ可能性がある」とし「この場合、中央政治局、中央軍事委を全面改編して中央軍事委が張又侠派閥中心の7人制を回復するだろう」と話した。1989年6月23~24日総書記を交代した第13期4中全会が再現される可能性があるという主張だ。

中央日報「半数になった中国中央軍事委員会」より

習近平引退説か。

側近を失い指導力に陰り

既に紹介したように、2025年に入ってから習近平体制がかなり怪しい感じになっている。

経済的な失敗が一番大きいと思われるが、そこはしかし小学校卒業資格しかもたないと揶揄される習近平氏である。あまり難しいことを求めてもねぇ。

習近平氏、ベラルーシ大統領と会談 米国念頭に協力確認

2025年6月4日 20:03 (2025年6月4日 22:16更新)

中国の習近平国家主席は4日、訪中したベラルーシのルカシェンコ大統領と北京の中南海で会談した。習氏は貿易規制などで対立するトランプ米政権を念頭に「覇権、覇道、いじめに共同で反対する必要がある」と述べ、協力を確認した。

日本経済新聞より

ちょっとビックリしたのがベラルーシ大統領との会談で、これも4日の報道なのだけれど、「覇権、覇道、いじめに共同で反対する必要がある」って、どう考えてもロシアに対する当てこすりだろう。

そして、その相手がルカシェンコ氏だというのだから、皮肉にも程がある。いや、習近平氏はトランプ氏を念頭に置いた積もりなんだろうけどね。

この時、ルカシェンコ氏は心の中で「オマエも同じだろう」と突っ込みを入れたに違いない。

一方、アメリカはというと……。

中国国家主席は非常にタフ、ディールは極めて困難=トランプ米大統領

2025年6月4日午後 4:00

トランプ米大統領は4日、中国の習近平国家主席とのディールは極めて困難とSNSに投稿した。

トゥルース・ソーシャルで「中国の習近平国家主席をこれまでも、そしてこれからも好きだが、彼は非常にタフで、ディールするのは極めて困難」と述べた。

ロイターより

いきなり褒めているよ。

トランプ氏が相手の交渉力について褒めているときって、あんまり良い場面に出会ったことがないんだが。これはあれか、「非常にタフだから時間がかかる」ということが言いたいのかね。

支那にとって、交渉が長引くことは状況的にかなりキビシイ。

チキンゲームをやるなら、基軸通貨を握っているアメリカの方が有利なんだよね。そして、習近平氏には時間がない可能性があることを考えると、この話の裏読みをしちゃうよね。

ともあれ、ミョンミョンはこういった相手に武器無しに対等に渡り合っていく必要があるわけで、なかなかに厳しい前途が待ち受けている。

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    これからの韓国が飢えないよう生き残るためには、相手国の下請けに徹するしかないのかもしれません。

    日本が部品製造国になって久しいですが、あらゆる日本製ブランドは品質で維持されています。韓国が部品製造国になるにしても、高い品質を確保しないと、製造業はたちまち衰退するでしょう。ただ、その品質面こそ韓国の苦手分野なのですが。

    支那に関しては憶測が飛び交っていて仔細がわかりません。人づてに聞いた話では、何衛東氏が人民軍病院で病没しており、紅皇帝が5月の政治局会議を開かなかったと。健康問題が再発した、という話も。

    なので、紅皇帝の政治権力基盤がグラグラしているのは本当のようです。

    • 木霊 木霊 より:

      相手国の下請け……。

      ご指摘のように韓国には苦手な分野の話だと思います。
      表に出てこない製品作りは、韓国としても嫌なんでしょう。

      紅皇帝、不安材料が色々見え隠れしていますが、どうなるんでしょうか。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >いやニッコリしたのか、背筋が寒くなったのかは分からないけれども。

    どうせ何も分かってませんって。

    親書に一言「謝謝(シェシェ)」って書いて、キンペーに送り返したら面白いのに。
    有言実行の鏡。歴史に残りますぜ、「日の出処の天子」とタメ張るレベルで。

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。

      結構賢い人みたいですから、それなりに理解されているのでは。
      ただ、それを気にするほど神経は細かくないかも知れません。
      親書を送り返す……、面白いですけどそんな大胆な手段を使う政治家でもなさそうなんですよね。