時事通信はアメリカを牽制していると分析しているけれども、どう考えても日本への当てこすりなんだが。
中国空母「第2列島線」越える 南鳥島沖、米けん制か―防衛省
2025年06月09日09時35分
防衛省は9日までに、中国海軍の空母「遼寧」が東京・小笠原諸島の南鳥島沖約300キロの海域で活動していたと発表した。近海で戦闘機やヘリコプターの発着艦も確認。同諸島と米領グアムを結ぶ「第2列島線」を越える中国空母の活動は初めてで、米国をけん制する狙いがあるとみられる。
時事通信より
暢気な話だな……。
第一列島線を越えてきた意味
遼寧とはいえ脅威には違いない
さて、ポンコツ空母と揶揄されることもある支那空母の遼寧だが、支那人民解放軍としては恐らく最も信頼を置いている実績のある空母だ。
同省によると、遼寧とミサイル駆逐艦など計4隻は7日、南鳥島沖約300キロの排他的経済水域(EEZ)内を航行。8日には同島と硫黄島の中間地点で、遼寧の艦載機やヘリによる発着艦が確認された。
時事通信「中国空母「第2列島線」越える」より
支那の空母は山東とか福建とか用意がなされているのだけれども、実績としては遼寧が最も多く、そして他国へのアピールに使うにも都合が良い空母である。

今後はその役目は山東に移っていくとは思われるが、福建が今のところ工事中なので電磁カタパルトの完成に至るまでは遼寧と山東を使ったアピールが続けられると思われ、特に日本などに圧力をかける場合には遼寧の方が都合が良い。元々はロシア船籍の船だから、結構色々解析されてたりということも有るし。
第2列島線は中国が有事の際、米軍の接近を阻止する防衛ラインの一つに位置付けているとされる。中国は空母の作戦能力向上や遠洋での運用を図っているとみられ、海上自衛隊の護衛艦「はぐろ」が警戒や情報収集を行っている。
時事通信「中国空母「第2列島線」越える」より
しかし、第二列島線ねぇ。

現状、第一列島線は完全に掌中に収めて、第二列島線まで足を伸ばしますねという牽制である。
言ってみれば、「沖縄は落ちたも同然」というわけだ。
EEZ通過
なお、今回、支那は南鳥島付近のEEZ内に現れたという。
中国空母が南鳥島周辺のEEZ内に 初確認 防衛省 警戒監視続ける
2025年6月9日 6時24分
防衛省は、中国海軍の空母などが太平洋を航行し、小笠原諸島の南鳥島周辺の日本のEEZ=排他的経済水域に入ったのを初めて確認したと8日発表しました。南鳥島は日本の最も東にある離島で、防衛省は中国が遠方での作戦遂行能力の向上を図っているとみて、警戒と監視を続けています。
NHKニュースより
更に山東も登場したらしい。
空母2隻、太平洋で初の同時確認 中国海軍、「第2列島線」付近―米けん制か・防衛省
2025年06月09日23時11分配信
防衛省は9日、中国海軍の空母「山東」が同日、東京・小笠原諸島と米領グアムを結ぶ「第2列島線」に近い沖ノ鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)内で、艦載機の発着艦を行ったと発表した。7~8日には第2列島線を越えた南鳥島沖で空母「遼寧」の活動が初確認されており、中国海軍が運用している全2隻の空母が太平洋上で同時に確認されるのは初めて。
時事通信より
同時展開か。時事通信の記事も「対アメリカ」を強調しているけれども、どう考えても日本の問題だぞ。

見た感じ、戦闘機は8機ほど搭載しているらしい。

報道では遼寧の方が先に出てきたような記載だったんだけど、統合幕僚監部から出ている情報を見ると山東の方が先に展開している感じだね。
アメリカを牽制する狙い
そして、しつこいくらい「アメリカを牽制する狙い」を連呼するメディアなのだが、現実がそうなのかは疑問だ。
第2列島線は中国が有事の際、米軍の接近を阻止する防衛ラインの一つに位置付けているとされ、一連の動きは米国をけん制する狙いがあるとみられる。
時事通信「空母2隻、太平洋で初の同時確認」より
この行為に対して官房長官の林氏は、というと……。
中国の艦艇 日本のEEZ内確認で“中国側に申し入れ”林官房長官
2025年6月9日 17時44分
中国海軍の空母などが小笠原諸島の南鳥島周辺の日本のEEZ=排他的経済水域に入ったのが初めて確認されたことについて、林官房長官は中国側に申し入れを行ったことを明らかにし、警戒・監視に万全を期す考えを強調しました。
NHKニュースより
申し入れねぇ。
なんの効果もないようだけれど?
中国海軍の空母「遼寧」が小笠原諸島の南鳥島周辺の日本のEEZ=排他的経済水域に入ったのが初めて確認され、林官房長官が中国側に申し入れを行ったことをめぐり、中国外務省の林剣報道官は9日の記者会見で、「当該海域における中国の軍艦の活動は、国際法と国際的な慣例に完全に合致している」と強調しました。
そのうえで「中国は一貫して防御的な国防政策を推進していて、日本側が客観的かつ理性的にこれを評価することを期待する」と述べました。
NHKニュース「中国の艦艇 日本のEEZ内確認で」より
もっと、強い抗議をすべきだと思う。なんなら支那のEEZ付近で訓練をやって見せても良いくらいだ。
そもそも支那が第一列島線を踏み越えて第二列島線を前提に行動していると言うことはすなわち、第一列島線は既に抑えていて自国の領域だという認識しているも同然なのである。
第一列島線は、尖閣諸島どころか沖縄まで射程圏内に入っているってこと、そろそろ自覚して欲しいものである。そこが「クリアできた」という認識を示されたことは、日本が馬鹿にされているということに等しい。
何か対アメリカのアピールだという意味不明な分析があるが、それはそういう側面があるにせよ一義的に日本を舐めているのが根底にあるものだ。
舐められた状態であることはかなり危険である。日本は毅然とした態度を示し、やられたらやり返すことのできる体制があることを示さねばならない。それが出来ないのであれば、早急にその準備をすべきだろう。
実際、報復措置に関する法制度も足りないし、脅迫行為に関わる軍事行動に抗議できる手段も持っていない。そこは、反省すべきだろう。日本は、韓国同様に支那から「弱い輪」だと見られているのだから。
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