イスラエルのイラン攻撃のニュースは、結構情報が錯綜していて取り扱いにくい。で、記事にするのを躊躇してたのだけれども、コメントも頂いているので少し?だけ書いていきたい。
イスラエルのイラン攻撃、政権打倒のチャンスなのか……国民の反応
2025年6月16日
イスラエルとイランの対立は激しさを増し、互いに攻撃を続けている。
BBCより
宗教絡みと言えば宗教絡みなので、本来ならば言及するのを避けたいところ。だが、あの辺りは政治と宗教は一体の存在である。切り離して考えるのはそもそも不適切だろう。
イラン革命の成否
イランは新体制を模索できるか
で、このニュースを選んだ理由はこちらの部分が気になったからだ。
こうしたなかイランでは、この紛争が、現在の宗教指導者による政治体制を覆すチャンスだという声も上がっている。
BBC「イスラエルのイラン攻撃~」より
そもそも今回の騒ぎ、何処が転機だったのか?と手繰っていくとと、恐らくは「イラン革命(1978年)」なのではないだろうか。
こちらの記事では「イスラム革命」と表現したが、同じ話である。
イスラム革命とイラン革命は同じものだが、呼ばれ方が違う。その理由は単に宗教的側面を表に出したか、地域的側面を表に出したかの違いであるように思う。

イラン革命はイランという国に起こった出来事を指し、イスラム革命はイラン中心に起こった出来事を指すと考えられ恐らくはアフガニスタン(アフガニスタン侵攻:1979年を招く)やパキスタン(パキスタン軍事クーデター成功:1977年及びジア=ウル=ハク大統領就任:1979年)に影響を及ぼしたことまで含む。
ここではイラン革命について少し掻い摘まんでいこう。
パフラヴィー朝イランは、初代皇帝レザー・シャーを頂いて1925年に建国された。レザー・シャーは軍事力を背景に中央集権化と西欧化を進めていて、イランの近代化に貢献した人物である。
しかし、第二次世界大戦で親ナチス・ドイツ政策に転向したのが裏目に出て、イラン進駐(1941年)を受けて失脚。息子が二代皇帝ムハマンド・レザー・シャー(パフラヴィー2世)が即位(1941年9月)して、パフラヴィー朝を引き継ぐことになる。
パフラヴィー2世の政策は女性の社会進出に積極的であったり、ヒジャーブ着用の禁止や、一夫一妻制の導入を推進したことで、女性からはかなり支持をされていた人物でもある。
彼は、父の路線を引き継いで近代化を更に進め、白色革命(1963年)と呼ばれる段階に至る。これがやや性急に過ぎたようだと評価されている。急激な近代化を促進したことで、白色革命は国内の有力宗教家達にはかなり評判が悪く、更に、オイルショック(1970年代)の影響で原油価格が安定化したことで、原油高騰を見込んだ投資計画が破綻してしまった。
これが、イラン革命(1978年)の引き金を引くことになるのだ。なお、ここではややこしくなるのでパキスタンやアフガニスタンで起こった話は割愛させて貰う。
イラン革命は宗教革命
さて、そういった白色革命の失敗と、パフラヴィー2世の政策がアメリカの支援を受けての改革であったという背景があって、イランの宗教家達は「西欧化に問題がある」という問題提起によって革命を成功させた。それ故に、イスラム革命(イスラム化を求める反動的回帰)とも呼ばれるのである。
イスラム教シーア派の法学者達が論理構築をして親欧米専制に反対し、政権を奪取。その結果、パフラヴィー2世は国外に亡命して、ホメイニー氏が提唱した「法学者の統治」に基づく国家体制が構築されるに至る。
そして、パフラヴィー2世を支援していたアメリカとは敵対関係になり、イランアメリ大使館人質事件(1979年11月)が勃発。アメリカはこれを機にイランと国交断絶(1980年4月)することになった。
一方、イスラム教の恐怖を世界に浸透させたことによって、ソ連のアフガニスタン侵攻(1978年4月~1992年4月)の引き金を引くことになる。ソ連もイラン革命の影響が波及することを恐れたのだ。
その当時、アフガニスタンは社会主義政権で人民民主党が四月革命(1978年4月)によって軍事クーデターを成功させたばかりであった。この時、指導者となったのは人民民主党書記長ヌール・ムハンマド・タラキーであり、コロンビア大学やハーバード大学で学んだ人物ではあるが、社会主義に傾倒してソ連共産党に進歩的活動家と認められるほどの功績を重ねている。つまり、アフガニスタンは完全にソ連の傀儡に掌握されたのであった。ソ連はそれを支援するためにアフガニスタンに侵攻したのである。
ただ、その後はターリバーンに支配されて、現在は(2021年以降)アフガニスタン・イスラム首長国を名乗っているらしい。国際社会には承認されていないが。
いずれにせよ、イランの隣国であるアフガニスタンがイスラム教の支配下になるのはソ連にとって都合が悪かったのだが、結果的にはこの侵攻は失敗に終わったんだけどね。
経済的な問題
さて、話はイランの経済に焦点を当てていくわけだが、そもそもイラン革命でお題目として唱えた反欧米政策というのが精神的支柱となって、イスラム指導者によってイランは繁栄していくのだという話だった。
ところがこれ、最近不調である。
イラン国民、緊張に包まれる 「戦場はテルアヴィヴ」とうたう政府に反発の声も
2024年4月17日
イランによるイスラエルへの前例のない直接攻撃から2日がたった。イランの首都テヘランはいま、緊張に包まれている。
かなりの割合のイラン国民が、今後起こり得る戦争、そしてすでに後退しつつあるイラン経済への影響を懸念している。14日未明に300以上のドローン(無人機)やミサイルを発射したイランの精鋭部隊、革命防衛隊(IRGC)の無謀な冒険主義に、国民は反発している。
BBCより
イランの指導者は宗教指導を建前に随分保守的な政策に終始し、新しい変化を拒んでいた。その結果、周辺国と比べても近代化が遅れることになる。特に、農村部での貧困が進んでいる。
宗教的な影響を抑えて近代化を目指したイスラエルと、宗教国家としての地位を確立していったイランとは、ここで決定的に路線を違えたのだ。両国の仲の悪さはイラン革命以前からも根深いものがあったが、イラン革命を境に更に際立っていくことになる。
例えば1970年代、イランはアメリカから支援を受けていて、イラン革命直前にはF-16戦闘機を数百機に購入する話がついていた。ところが、イラン革命勃発によってこの大量に発注されたF-16は宙に浮いてしまう。これを喜んで買ったのがイスラエルである。
現在、イランは米国製F-14や支那製のJ-7、J-10などを保有しているが、イマイチな性能らしい。1970年代後半からF-14トムキャットを運用していて、F-16に更新だーという流れだったのに、J-7やJ-10を導入する流れとなり、未だに骨董品のF-14を使い続けている。2016年以降、Su-30に更新される話があったが、結果的にはSu-35を導入したらしい。
ロシアの戦闘機もそこそこ優秀ではあるが、整備性が悪くエンジン寿命が短いなどの問題があって、イマイチな状況である。
一方のイスラエルは、F-16戦闘機を手に入れた後に、バビロン作戦(1981年6月)を成功させている。まあ、バビロン作戦はイランではなくイラクの原子炉を爆撃する作戦だったのだけれども。
おっと、軍事の話に移行してしまったが、経済面でもイスラエルは世界有数の経済大国に成長している。GDPベースで世界28位なのがイスラエルで、一方のイランは世界123位と奮わない。ただ、LPGと原油を握っているので、イランの経済が不調なのは資源がないからというわけではない。
結局のところ、経済的な発展を遂げなかった理由は「伝統的な宗教」を国教に頂いて、色々と抑制的にしていることと、イラン革命前は国王という共通の敵がいたのに、革命後はその敵を失ったことで体制を巡る権力闘争が激化したことが大きい。
イラン各地の都市では、「イスラエルよ、(イランの)最高指導者(アヤトラ・アリ・ハメネイ師)の家を攻撃せよ」と落書きされた壁が複数見つかっている。「イスラエルよ攻撃せよ、彼ら(イラン)には報復する勇気がない」と書かれたものもある。
イラン政府は「我々の戦場はテヘランじゃない、テルアヴィヴだ」と、政府広告でうたっている。
BBC「イラン国民、緊張に包まれる」より
こうした体制への反対意見と、それを締め付ける権力との争いは、反政府デモという形で吹き出すようになっている。
イラン大統領の乗ったヘリコプターが事故で墜落したり、その事故が「暗殺だった」という陰謀論が出てきたりと、なかなかきな臭い国である。
以前、ペトロダラー協定に関する記事を書いたが、大きな構図で言うと、アメリカがなお絡んでいる話だろう。
要は、イランは経済発展が遅れて未だに原油や天然ガス頼みの国家運営を続けているのだが、アメリカがそこに首を突っ込んできて原油価格が下がりそうだという状況。
そもそもガザ地区の問題だって、あれはガザ地区沖合にある天然ガス採掘を巡る争いが絡んでいる。オイルや天然ガスが生み出す巨大マネーは、今尚国家の命運を左右するのだ。
精神的支柱と聖地
そんなわけで……、僕自身は結局のところ経済的な問題が宗教問題にすり替えられている面が強い印象を抱いているわけではあるが、イスラエルの首都になっているエルサレムを、イスラム教とユダヤ教とキリスト教で奪い合う構図も確かにある。
しかしこの問題は、イスラム教義に反して西洋化を推進したイスラエルが経済的に成功し、エルサレムを「奪われた」という認識のイランはイラン革命を成功させたにもかかわらず、イスラエルの後塵を拝しているという構図になっているということが許せないという感情が強いのだという風にも理由付けできる。
イスラム教は偶像崇拝を禁じているのだから、聖地を置くことをしなければ良さそうなものだけれど、結局、イスラム教の三大聖地であるメッカ(サウジアラビアの都市)のカアパ、マディーナ(サウジアラビアの都市)の預言者のモスク、エルサレム(イスラエルが実効支配する都市(注:パレスチナに属するという解釈もある)で、現在は国連が管理)の聖なる岩(岩のドーム)のうち、聖なる岩だけがイスラム教支配地域にないことが許せないのだろう。
だからこそ、「イスラエルを殲滅」とかいう発想になるわけだ。
イスラエルとハマスの停戦交渉の停滞 ――「二国家解決」に向けて国際社会は何をすべきか
2023年10月7日に始まったイスラエル・ハマス間の戦争は、早くも1年が経過しようとしており、現在も収束に向かう様子はない。
~~略~~
しかし、21世紀に入ると、イスラエルは、ガザを封鎖し、西岸への入植を進めた。一方パレスチナは、パレスチナ自治政府(PA)支配の西岸、ハマス支配のガザに分裂した。ハマスは、イスラエル国家の殲滅を目標にイスラエルに攻撃を仕掛け、イスラエルはこれに相応以上の反撃を加える繰り返しを昨年10月7日まで行ってきた。一方、西岸地区ではPAが汚職などで住民の信頼を失い、イスラエルはPAを相手にせず、入植の拡大に努めた。この結果、イスラエルとの合邦が現実味を帯びることになった。すなわち、イスラエルは、西岸における入植を進め、入植地をイスラエル国家に編入し、残った西岸地域は一部自治を認めるが占領地域として残し、ガザ地域は隔離し、放置され、二国家解決策は打ち捨てられた。
笹川平和財団より
これは、イスラエルによるパレスチナの反撃に対して笹川平和財団が載せたコラムであるが、コラムは二国家解決を目指すよう提言している。
だが、イスラエルの殲滅はハマスの悲願などではなく、イスラム教シーア派の総意である。故に二国家解決など幻想に過ぎないと思っている。イスラエルの存在を許せないのはハマスだけじゃないからね。
先に経済問題が根底にあると書いたが、それは結局人の恨み嫉みに根ざすものに通じているだけに質が悪い。そしてそれこそが宗教の原動力でもあるのだ。嫉み嫉みではなく、もうちょっと大きな括りで「人の想い」が原動力となってはいるのだが、プラス面ばかりではなくマイナス面もまた大きいのが宗教なのである。
そうすると、北朝鮮がそうであるように韓国を認められはしないので、和平というのもまた程遠い道のりである。
イスラエルとしては生存戦略の一環として戦っているが、イランは宗教的信念の下に「敵」をすり潰そうとしている。だが、それはイラン国民を幸福にはしないのである。結局のところ、競争があって経済成長がなければ国家としては存続が難しいのだから。
即時停戦に合意するよう圧力要請
さて、イランは国際社会を使って、イスラエルを追い詰める選択を選んだようだ。
イラン、湾岸3カ国通してトランプ氏に停戦仲介要請=関係筋
2025年6月17日午前 12:30
イランは、カタール、サウジアラビア、オマーンに対し、トランプ米大統領がイスラエルに即時停戦に合意するよう圧力をかけるよう要請した。イランなどの複数の関係筋が16日、ロイターに対し明らかにした。
イランは見返りとして、米国との核協議で柔軟性を示す用意があるという。
ロイターより
なかなかにイランは厚顔無恥といった態度だね。今回は、全面的にイスラエルが悪いというスタンスで行くようだ。
もちろん、イスラエルが悪いとは思うのだが、イランが劣勢だからこそこのような態度なのだろう。
サウジ皇太子とギリシャ首相、イランとイスラエルの緊張について電話会談
16 Jun 2025 08:06:25 GMT9
リヤド:サウジ国営通信によると、サウジアラビアのムハンマド皇太子は日曜日、ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相と電話会談を行い、イスラエルとイランの緊張の高まりについて協議した。
ARAB NEWSより
サウジアラビアも動き出したようだが、一時期はイスラエルとの和平交渉という話も出ていただけに、期待したいところ。ただし、サウジアラビアはイスラエルのガザ侵攻を許してはおらず、この辺りの事情を含めて短期的に解消できるとは思えない。
実のところ、サウジアラビアにとっても原油頼みの経済構造には大きな危機感を感じている。そういう意味でイスラエルとの和平と連携というのは、模索していたのだけれど、どうにも上手くいっていない。
サウジアラビアは、女性の服装の自由化などを取り入れ、比較的イスラム教の戒律を緩く解釈している。それよりも、経済的な発展に力を注ぎたいという意向のようだ。その点でイスラエルとの和解の余地があるといえるのだが、しかしガザ侵攻のようなやり方(宗教弾圧に近い)は許せないわけで。
一方のイランは、イスラム教原理主義的に解釈をして、厳しい戒律を守るように指導しているわけで、宗教的にはイスラエルと和解できる余地は殆どない。
日本国内でもイスラム教徒が土葬に拘っている姿や、一部の過激派が「邪悪だから」と神社仏閣に落書きをしたり火を付けたりする姿を見るにつけ、自らの主張を曲げたくない人達というのは如何にも厄介である。
宗教的な話は分かりかねる部分も多いけれども、宗教を理由に争ってはならないのである。
解決策は必ずある
絶望的な話ばかりでも希望がないので、少しだけ希望の持てる話を書いて締めたいと思う。
結局のところ、国家の安寧は経済の安定と成長だと僕は思っている。「金持ち喧嘩せず」という言葉に真実ではないと思うが、欲を肥大化させずにお互いの繁栄を望むのなら、ある程度は歩み寄れる可能性がある。
そういう意味で、僕自身は麻生太郎氏を政治家としては高く評価している。
「自由と繁栄の弧」をつくる
平成18年11月30日
日本国際問題研究所 は、3年先、2009年の12月に、発足50周年の節目を迎えると伺いました。1959年にできたということでありますが、ちょうど私など、大学の1年坊主だった頃です。なにぶん遊ぶのに多忙を極めておりましたせいか、吉田茂が何をしておりましたか、週末になる度大磯で会っておりました子供の時分よりも、逆にわからなくなっておりました。
ああそうか、祖父さん、国問研を作ったのはあの頃か、と、今回は認識を新たにさせていただきました次第です。
さて皆さん、本日は「価値の外交」という言葉と、「自由と繁栄の弧」という言葉。どちらも新機軸、新造語でありますが、この2つをどうか、覚えてお帰りになってください。
外務省のサイトより
この「自由と繁栄の弧」の考え方は「価値の外交」をベースにしているために、おそらくはイスラエルやパレスチナを含んだ領域にも相互理解を進めようという暗示があり、明示的には「北欧→バルト→東欧→中央アジア・コーカサス→中東→南アジア→東南アジア→北東アジア」とつなぐ地理的・価値的な“弧”の形成を目指している。
そして、一方的に価値を押しつけるのではなく、協調・対話しながら進める外交アプローチであると解いている。要は自由を大切にして価値観で繋がれるところから影響を広げようという発想で、何処かと敵対しようというスタンスではないのだ。
理想論めいた話ではあるが、逆に言えば理想で繋がるしかないのである。
え?夢も希望もない話だ?
そう、この話は結局のところイランがイラン革命の方向性を維持する限りは、なかなか前に進めないのである。そういう意味で、イラン国内にある「宗教指導者による政治体制を覆す」という声こそ非常に貴重だと思うのである。
ハメネイ氏逃亡計画
で、もう1つ朗報?である。
イスラエルがイラン最高指導者・ハメネイ師の暗殺を計画、トランプ氏の反対で断念か
2025/06/16 10:18
ロイター通信などは15日、イスラエルとイランの交戦を巡り、イスラエルがイランの最高指導者アリ・ハメネイ師を暗殺する「明確な計画」を策定していたと報じた。米国に計画を伝えたところ、トランプ大統領が反対し、実行されなかったという。米政府高官の話として伝えた。
讀賣新聞より
既にイスラエルによる斬首作戦は各種行われており、ハメネイ氏も狙われているという。本当かどうかは知らないが、イスラエルが計画の存在は認めたらしい。
そして、こんな噂が。
イラン最高指導者、地下壕に避難か ロシア亡命準備の臆測も
2025年06月18日07時10分配信
イラン最高指導者ハメネイ師は地下壕にいる―。国外に拠点を置く反体制派メディアは「情報筋」の話として、最高指導者が潜伏生活に入ったと報じている。イスラエルは13日にイランへの大規模攻撃を開始。「死の危険」に直面するハメネイ師が、ロシアへの亡命の準備を進めているとの臆測も浮上した。
時事通信より
アサド政権やキム王朝(北朝鮮)みたいになってきたが。
追記
こちらも紹介しておこう。
本人の声明らしいぞ。「イスラム共和国は終焉を迎え、崩壊しつつあります。始まったことは後戻りできません。未来は明るく、共に歴史のページをめくりましょう。今こそ立ち上がる時です。イランを取り戻す時です。近いうちに皆様と共にいられますように。」
こういうのを見ると、イラン国内に呼応する勢力がいるのかもしれないね。
コメント
こんにちは。
>パフラヴィー2世
パーレビー国王、の方が耳に馴染んでますが、それはそれとして。
※昭和の人名は、昨今、色々と言語に近く修正されてますから。今時マホメットなんて誰も通じないでしょうし。
数年(十数年?)前の模型雑誌に、イラン特集があって、イランはシーア派で比較的開放的な雰囲気、というイメージがあります(ありました)。
まあ、イスラム原理主義が幅を利かす最近は違ってると思いますが。
何なら、昔、タモリさんとよく一緒にテレビでてたマッスル氏もイラン人ですし、そのイメージが強いのかも。
少し前のコメントで「宗教戦争」とも言いましたが、確かに、宗教戦争の裏側では金と利権が蠢いているもの。
心のよりどころと、生活のよりどころの両方がかかってるのですから、容易には決着しませんよね……
イランに限らず、イスラムには「もっと楽になろうよ」って言いたいです。あ、ユダヤも。
※その意味で神道は本当に楽。他所の神様でも平気で取り込んじゃうし。あ、仏教もか。
※唯一残念なのは、マーベリックが持ち逃げする前にイランのドラネコF-14が破壊されてしまったこと……
こんにちは。
そうですね、バーレビー国王の方が通りが良かったかも知れません。1世から説明を始めたので、引き摺られました(苦笑
マホメットも、ねぇ。
さておき、この問題は経済と宗教の両方で足を引っ張っている可能性が高いので、経済の方を助けてあげられればなんとかなるかなーと。
で、一番、そういった方面で意見を言いやすいのが日本なんですけれど、ここのところあまり存在感を発揮できていないんですよね。ああ、支那も似た立ち位置にいますが、あそこは皇帝の一存で色々変わりますから。
かつてのイランが開放的であったのは、バーレヴィ国王時代にロケされた高倉健ゴルゴ13を観るとよく分かるす。
まぁ女性ドライバーとかはいないんですけれど、サングラスかけてハイヒール履いて颯爽と歩いてる姿など、当時のレバノンあたりよりもより華やか。
んで、七面鳥さまが関連記事でお答え下さった「社会概念としての宗教」ですが、御指摘とおり深く広く社会に浸透してます。(たしかに私は神道だけど「人として」あっても「神道として」はない。唯一神教の面倒さはそこ)
にもかかわらずイラン国民は本当に神聖政治が嫌みたいですね。ガザの時に自国政権嫌いのあまりにひそかにイスラエル応援する奴がいたとか。
題名を失念しましたが、昨年そのへんのイラン事情をルポルタージュした本が出てますね。
たしかに服装など従わず警察に殺された少女とか、政府の政策に反する詩人とか、ボロボロと西側に情報が漏れてくるようになった。インターネットのお陰ではあるですが。それらの人が周囲に匿われる環境があり、司法機関と庶民生活との間に深い反目がある事が伺えます。
だとすると「イスラエルへの敗戦がチャンス」となる可能性はあると想うです。
宗教指導体制の崩壊が実現できれば、イランとイスラエルとの和解という道があるかもしれません。
ソレがイランにとって幸せなことになるかは、良く分からないんですけれど。