このニュースを追いかけていたんだけど、情報がなかなか出てこないんだよね。
フェンタニル「日本経由の密輸防止すべき」 グラス駐日米大使が投稿「中国共産党が関与」
2025/6/27 11:26
グラス駐日米大使は26日、米国で中毒者が増えて社会問題になっている合成麻薬フェンタニルについて、密輸には中国共産党が関与しており、日本経由の不正取引を防ぐべきだと、X（旧ツイッター）に英語と日本語で投稿した。日本経由の具体的事実は不明だ。
産経新聞より
日本経済新聞が独自取材で記事を出していたんだけど、これを補強できる材料がなかったので、記事にしてはいなかった。洪水の記事を書いたのは、調査中に引っかかったニュースだからだね。
これから国会の議論の中心になる可能性
日本がフェンタニル密輸に関与
というわけで、衝撃を受けたこのニュースをまず引用しておこう。
米国へのフェンタニル密輸、日本経由か 中国組織が名古屋に拠点
2025年6月25日 18:00
合成麻薬「フェンタニル」を米国に不正輸出する中国組織が日本に拠点をつくっていた疑いが判明した。日本経済新聞の独自調査でわかった。中心人物が名古屋市に法人を登記し、少なくとも2024年7月まで日本から危険薬物の集配送や資金管理を指示していた姿が浮かび上がった。日本は米中対立を招いたフェンタニル危機の最前線となっているおそれがある。
日本経済新聞より
……名古屋なにやってるの。
とはいえ、これだけではサッパリ分からないので、もうちょっと全容が分かる記事を待っていたのだが、日本経済新聞はよっぽどこのニュースを執念深く調査していたらしく、次々と続報が出てきた。
纏まっていたのはこちらだ。
フェンタニル密輸 ｢ボス｣が執着した日本
2025年6月27日 2:00
米国に合成麻薬「フェンタニル」を不正輸出する中国組織が日本に拠点をつくっていた疑いが判明した。リーダー格は米麻薬取締局（DEA）も足取りを追っている。米中対立を生み、世界を揺るがしている問題は決して遠い国の話ではない。「新アヘン戦争」の新局面に迫る。
日本経済新聞より
構図的に分かりにくいのだけれど、名古屋にあった拠点は「FIRSKY株式会社」という化学品の貿易を扱う中継地点のような場所で、流通経路を分かりにくくする効果を期待されていたようだ。
実際、日本はこの手のルールが緩いからこそ成立した話なのだろう。
日本はルールが緩い割に強い信頼を受けているので、偽装してフェンタニルを持ち込むのに都合が良かったのだろう。
どんな法律で取り締まるのか
さて、日本を経由してフェンタニルが輸出された疑いが強くなったわけだが、では日本の当局はどのような動きが出来るだろうか。
中国からのフェンタニルやその前駆体化学物質の密輸には中国共産党が関与しており、それを阻止するには国際的な取り組みが不可欠です。われわれはパートナーである日本と協力することで、こうした化学物質の日本経由での積み替えや流通を防ぎ、両国の地域社会と家族を守ることができます」としている。
産経新聞「フェンタニル「日本経由の密輸防止すべき」」より
日本を経由したということは、日本に一回は上陸しているわけで、取り締まりの対象にはなる。
なるのだが、どの法律を使うのかはイマイチハッキリしない。おそらくは麻薬及び向精神薬取締法による取り締まりになると思う（日本で麻薬指定されている）のだが、荷物が中継されるだけの場合、調査しにくいという問題はある。
そして、薬物原料は支那から直接メキシコに行くルートもあるのだが、日本経由で行くルートが確認されたようだ。そして、指示出しの拠点にもなっていたようだが、中心人物は「夏（Xia）」姓の人物であったらしい。
ニューヨークで裁判がはじまり、そのボスの具体的な名前が明らかになる。「（日本にいる）Xia氏が責任者」「Fengzhi Xiaが投資するAmarvelなど4社で働いていた」。陳がこう証言したのだ。
産経新聞「フェンタニル「日本経由の密輸防止すべき」」より
モノを押さえられれば問題ないが、指示を出していただけだとすると日本国内で罪に問うのは難しいだろう。国際テロリストの取り締まりという体で、公安が動くケースになるとは思うけれどマンパワーが全然足りないんだよ。
沖縄県の那覇市在住。「慎独（独りでも身を慎み、常に自分を律する）」が信条という。プロフィル写真は丸刈り風の東アジア系男性だ。友達は6人のみ。フォロー先はひとりだけで、ベトナムの薬品関係者とつながっている。中国・武漢の高層ビル写真を投稿している。
日本経済新聞より
ボスは沖縄に住んでいたらしく、拠点として名古屋は都合が良かったのだろうけれど、居住地としては沖縄が都合が良かったみたいだね。サヨク最後の楽園は伊達じゃないな。
アメリカもマークが薄かった
で、アメリカとしても日本からの荷物をチェックする体制が甘かったということで、取り締まりが遅れたということなのだろう。
FIRSKYが日本にこだわった理由が見えてきた。
日本製品の品質は世界でも折り紙つきだ。営業面で日本の持つ信用力やブランド力を利用しようとしていた形跡がある。
さらに日本はフェンタニルに関連した犯罪がほとんど確認されていない。原料の生産地として知られる中国、麻薬カルテルが暗躍するメキシコと違い、各国の捜査当局からも警戒されにくい。日本から送れば、税関が通りやすいとの指摘もある。
「日本は外国人が出入りしやすく、密売買ネットワークの拠点とするには最適な場所だ」
日本経済新聞より
アヘン戦争を支那が仕掛けているという構図になっているので、弱い部分を狙うのは当たり前なのだろう。
しかし、ここまでやって「やってません」というのは、流石に通用しない。
中国、合成麻薬フェンタニル対策の白書発表「厳格な取り締まりで成果」 トランプ氏に反論
2025/3/4 21:15
中国政府は4日、米国で問題になっている合成麻薬「フェンタニル」に関する白書を発表し、厳格な取り締まりで成果を上げてきたと主張した。国営通信新華社が伝えた。中国のフェンタニル対策が不十分だとして対中関税を課すトランプ米大統領に改めて反論した。
産経新聞より
そのうちに、バンカーバスターをぶち込んできそうなのがトランプ氏なのだが、それはさておきこういった問題が起きてしまった以上は何らかの対策迫られることになるだろう。
諜報活動の強化
さて、そうなってくると今回の話を何とかするためには内閣情報調査室の機能拡張という議論なのかもしれない。
現在、内調の職員は194人で絶対的に数が足りない。
通話傍受、過去最多を記録 ２４年に２万１０００回超―政府報告
2025年02月28日07時42分
政府は２８日、２０２４年の通信傍受の実施状況に関する国会報告を閣議決定し、公表した。それによると、全国の警察による同年中の通話の傍受は過去最多の２万１５６５回に上った。１９事件で行われ、９９人の逮捕につながった。傍受の対象はいずれも携帯電話だった。
時事通信より
警察による通信傍受による捜査手法も一般的になりつつあるけれど、それでもまだ十分ではない。
現状、捜査令状無しに通信傍受捜査を行うことは出来ず、面倒なことに日弁連などが全力で反対している状況にある。
財務省職員 不正薬物密輸の容疑者など書かれた文書紛失
財務省は関税局の職員が、酒を飲んで帰宅する途中、不正薬物の密輸の容疑者など187人分の氏名や住所が書かれた文書を紛失したと発表しました。
発表によりますと文書を紛失したのは財務省関税局調査課の職員です。
今月6日、横浜税関で打ち合わせをしたあと税関の職員とともに横浜市内の飲食店で酒を飲み、帰宅途中、JR錦糸町駅で電車を降りた際、かばんを紛失したことに気がついたということです。
NHKニュースより
んー、財務相さん、この件とは本当に無関係だったんですかね？
この不思議な事件は残念なことに続報が報じられないのだが、そもそも密輸リストの持ち出しなんかしないよね？この話、報じられた時にもネタにして記事を書いたとは思うのだけれど、処分されたかも良く分からない。
最初に外務大臣更迭か
これを機に、行政ももうちょっと「お掃除」した方が良いように思うのだけれど。だって、対アメリカだけではなくって、諸外国に対しても「日本は厳格に対処できる国」だってことを見せないと。そのためには、スパイ防止法などを含めてもう少し捜査の自由度を上げるような法整備が必要となる。今やらないと。
フェンタニル輸出の日本拠点「日米協議に影響なし」 岩屋外相
2025年6月27日 16:15
岩屋毅外相は27日の記者会見で、米国へ合成麻薬「フェンタニル」を不正輸出する中国の組織が日本に拠点を持っている疑いがあるとの報道を受けて発言した。「日米関係、日米協議に与える影響は現段階であるとは考えていない」と語った。
日本経済新聞より
そして、最初にやるべきはこのポンコツ外務大臣を更迭することだろう。
グラス駐日米大使は26日、フェンタニルを巡り、日本経由での不正取引を防ぐ必要性についてコメントした。
X（旧ツイッター）で「日本と協力することで（フェンタニル原料である）前駆体物質の日本経由での積み替えや流通を防ぎ、両国の地域社会と家族を守ることができる」と投稿した。
「中国共産党はこの危機を意図的にあおっている」と述べた。「中国からのフェンタニルや前駆体物質の密輸には中国共産党が関与しており、それを阻止するには国際的な取り組みが不可欠だ」と訴えた。
日本経済新聞より
米国大使からはこんなこと言われているんだけど、本当に「影響はない」って言い放つ神経が良く分からない。岩屋氏の外交センスが疑わしいと思ってしまう。
フェンタニルのバラマキは、支那共産党が国策としてやっているんだぜ？
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