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CPTPPとの携強化を模索するEU

外交
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ふーん、トランプ氏に対抗ねぇ。

自由貿易維持へTPPと連携強化 EU委員長「最も魅了的な選択肢」

2025年6月27日 19時00分

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は26日、自由貿易体制の維持に向け、日本が主導する「CPTPP(米国抜きの環太平洋経済連携協定)」との連携を強化したい考えを示した。米トランプ政権が高関税政策を掲げるなか、アジアとの結びつきを強めて、保護主義への対抗策を模索する考えだ。

朝日新聞より

EUが経済的に危うくなってきていて、アメリカとの政策の違いというのが浮き彫りになっているのは事実ではある。でも「アジアとの結びつきを強めて」というのは違うんじゃないかな。

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経済連携は有用か

経済と安全保障はコインの裏表

CPTPPへの加入というのは、なかなかにハードルが高い。EUの単位で加盟できるのかは良く分からないが、各国単位で加盟ということであればアリだろう。

TPPにイギリスが正式加盟 経済圏はヨーロッパにも拡大

2024年12月15日 12時19分

日本などが参加するTPP=環太平洋パートナーシップ協定に15日、イギリスが正式に加わりました。すべての国に関税をかけると主張するトランプ氏が1月にアメリカの次期大統領に就任しますが、自由貿易を推進するTPPは経済圏がヨーロッパにも拡大します。

NHKニュースより

イギリスがCPTPPへ加入した話はこのブログでも言及したが、その時もトランプ関税がメインテーマであるとニュースでは言及されていた。

そういった効果を期待している面がないとは思わないが、どちらかというとルールを守れる国家でアライアンスを組みたいという要望があるという面が強いと思う。

また、単純に国内景気を刺激したいという狙いもあるとは思うが、このブログでも何度か言及する通り経済と安全保障には密接な関係がある。

EUとしても、アメリカ抜きでの防衛体制を構築するにあたって、「他に何処が頼れるかな?」と探すと、ロシアや支那を選べない以上、中東の諸国も選べない以上はアジア諸国との連携を模索するしかないのである。

そういう意味でも、どうして石破氏はNATO会議に顔を出さなかったか理解に苦しむんだが。

支那経済がもう信用出来ない

ここ数年で支那経済が随分と世界の市場を荒らしてきた。支那は「自由主義経済」を標榜しながら、ルールを守らない、守れない国である。

ルールを守って取り引きをする前提に立つと、アノ国と心中するのはまっぴらゴメンという国が増えてきたのだろう。

ブリュッセルで開かれたEU首脳会議後の記者会見で述べた。この日の会議でフォンデアライエン氏は「自由貿易協定の締結を希望する複数の国々との間で検討中の様々な選択肢を、首脳たちに提示した」と説明。その上で、「最も魅力的で興味深いのはCPTPPだ」と強調し、「アジア諸国はEUとの構造的な協力関係を求めており、EUも同様に望んでいる」と話した。

NHKニュース「TPPにイギリスが正式加盟」より

今のところ、色々な国家と協議している最中のようで、選択肢の一つのようではあるが、EUとしてはEU単位でCPTPPに加盟したいってことらしい。

ルール的にはどうなんですかね?

スウェーデンがEUのCPTPP加盟を提案へ、トランプ関税に対抗

2025年5月14日午後 1:23 GMT+92025年5月14日更新

スウェーデンのベンヤミン・ドゥーサ国際開発協力・貿易相は13日、日本など12カ国が加盟する包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)へ欧州連合(EU)が加盟することを、スウェーデン政府として提案する予定だと明らかにした。世界最大規模の自由貿易地域を形成し、トランプ米大統領の関税政策に対抗するのが狙い。

~~略~~

輸出依存度が高いスウェーデンはEU加盟国の中で最も強く自由貿易を支持している。しかしドゥーサ氏によると、一部の加盟国はCPTPP加盟にそれほど熱心ではなく、スウェーデンは既に、農業分野を筆頭に保護主義的な姿勢が強いフランスなどの国と闘う準備をしているという。

ロイターより

5月にも似たような内容の報道があったが、どうやら加盟推進しているのはスウェーデンで、消極的なのはフランスなどの国家ってことらしい。

スウェーデン、中国人の女性記者に国外退去命令 「国家安全保障への深刻な脅威」

2024/4/10 09:12

北欧スウェーデン当局は同国に住む57歳の中国人女性記者に対し、「国家安全保障に深刻な脅威を及ぼしている」として国外退去命令を出した。女性記者の弁護士が9日、ロイター通信に明らかにした。スウェーデンは、治安機関SAPOが今年2月に中国とロシア、イランを「最大の安全保障上の脅威」と指摘するなど、中国への強硬姿勢を年々鮮明にしている。

産経新聞より

なるほどねぇ。一緒にグリペン作ろうぜ!

まあ、冗談はさておき、スウェーデンとしても移民に苦しみ、支那からの経済的な浸透に苦しんでいるようだ。一時は積極的に投資を受け容れてきたんだけど、常識の通用しない国家との付き合いは結構シンドイのかもしれない。

そう言う意味で対トランプ政策のカードのウチの1枚ということは言えると思うが、メインはそこじゃないとは思うんだよな。ただ、そうであれば加盟国の後ろに国家単位で並んで頂ければ、と思う。

まあこの辺りの国家とそれなりに良好な関係を構築するというのは、悪い話ではない。個人的にはイギリス辺りにまとめておいて欲しい気はするが、今後はそういった関係強化も外交のテーマの1つとすべきである。

分かっているのかね、石破くんは。トランプ氏との交渉材料にも成るんだぜ?

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    EUの本音は、安全保障と経済で米国から割りを食わされるだけなら、もう米国との”取引”を減らします、ということでしょう。とはいえど、いきなりCPTPP加盟模索はどうなのかとw

    みずから露西亜へのエネルギー依存を断ち切り、支那が長期不況に陥ってアテにならず、今後の米国市場が期待薄なら、残るポートフォリオはCPTPPでしょう、という消去法思考にしかみえてこない。

    最近注目している事に、EU諸国のMicrosoft離れ(De-Microsoft)現象があり、デジタル情報部門で静かな米国離れが進んでいるらしい。Microsoftは顧客を繋ぎ止めようと必死のようですが。
    ・一部の欧州諸国がマイクロソフトのソフトウェアを永久に廃止(それがなぜ重要なのか)(SLASHGEAR 6/18)
    https://shorturl.at/zLokO
    ・EU委員会はマイクロソフトのAzureクラウドの置き換えを検討中(heise+ 6/21)
    https://shorter.me/upD2I

    EU内にはBig Techがおらず、米国一強によるデジタル市場の寡占化が進んだ結果、こんな反作用が起きているわけですが、トランプ大統領の経済政策は容赦ないので、EUと米国の乖離は(トランプ大統領の思惑通りに?)徐々に進んでいくのでしょう。

    • 木霊 木霊 より:

      CPTPP加入は流石にやり過ぎだと思います。
      まあ、ポーズだと思いますけどね。

      それと、マイクロソフトからの脱却とか、グーグルからの離脱が出来る選択肢出してくれれば、日本も嬉しいんですけどね。
      なかなかあそこまでエコシステムが出来上がっちゃうと……。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    EUのTPP加入、可否で言えば可であります。
    用心すべきは、あいつらは、中に入り込んだ途端に自分達に都合よく規約を改変しようとするでしょう。
    露助とシナチクは言うに及ばず、欧州人の約束も文字通りの「紙切れ」でしかない。
    そこんところ、キチンと抑えておいて欲しいですね。

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      いやもう、EUがどうしてもってんなら、並んで下さいと。
      実のところ、邪魔になるモノでもありませんから。そのうちに、自分たちに都合が良いように改変しようとしてくるのは目に見えていますけれど、その辺りは国家単位で参加して下さいという辺りで対応するしかないカモですね。