まーた言い出したよ。
トランプ氏「日本との合意、疑わしい」30~35%の関税課すと示唆
2025年7月2日 4時44分(2025年7月2日 6時36分更新)
トランプ米大統領は1日、日本との関税交渉について「合意できるか確信できない。疑わしい」と述べた。また、日本からの輸入品に対して「30%か35%、あるいは我々が決める数字」を関税としてかける可能性を示唆した。大統領専用機内で、記者団に語った。
朝日新聞より
トランプ氏流の交渉術なんだろうけど、付き合いきれないな。
ゴールの見えない交渉
トランプ流交渉術は面倒くさい
アメリカ側が「何を求めているのか」という話なんだけど、正直、日本からの輸入品に対して30%とか35%とかの関税かけたら、アメリカ国内がひっくり返るぜ。
今回の件に関しては、寧ろトランプ氏の発言の方が疑わしい。
トランプ氏「親愛なる日本様、車の関税は25%」「これで貿易協定終わりと手紙送る」…FOXで発言
2025/06/30 01:56
米国のトランプ大統領は29日、米FOXニュースのインタビューで、日本からの輸入自動車に課している25%の追加関税を見直さない可能性を示唆した。日本との自動車貿易について「不公平だ」と改めて不満を表明した。
~~略~~
トランプ政権は4月、輸入自動車に25%の追加関税を課す措置を発動した。日本政府は相互関税や鉄鋼・アルミニウム製品への追加関税など一連の関税見直しを求めているが、特に自動車関税の引き下げを最優先で交渉している。赤沢経済再生相は7回目の閣僚級協議のため訪米していたが、双方の溝は埋まらなかったとみられる。
讀賣新聞より
米財務長官 日米関税交渉 “現時点で合意できる状況にない”
2025年7月2日 5時15分
アメリカのトランプ政権の関税措置をめぐる日米交渉について、ベッセント財務長官はアメリカメディアのインタビューに対し、「トランプ大統領はアメリカ国民にとって公平でない取り引きは受け入れるべきではないと指示している」と述べ、日本とは現時点で合意できる状況にないとの認識を示しました。
NHKニュースより
発言の推移を見ていると、「そろそろ決めるんだけど、もう少し大きめの譲歩が欲しい」というのが本音なんだろう。それも自動車分野で。
過去にはこんな事例も
そういえば、キャバリエみたいな悲劇もあったっけ。
トヨタ「キャバリエ」日米貿易摩擦で生まれた悲運
2023/03/27 8:00
トヨタの「キャバリエ」という車名を聞いて、所ジョージが歌う「楽チ~ン!キャバリエ~」「キャバリエな人~」といったCM、そこに登場したハスキー犬のインディくんを思い出す人も多いかもしれない。
~~略~~
ほかに、アメリカ車を日本でより多く販売するため、トヨタがGM車を売ることになり、1996年から、3代目のキャバリエの4ドアセダンと2ドアクーペを国内販売したのである。
東洋経済より
累計販売台数は3万6228台と、量産車としては失敗の部類に入る成果であった。とはいえ、トヨタとしても偶に大失敗の車種を出すので、まあ、売れた方かも知れない。例えば、セラは生産数1万5852台と5年間の販売で大赤字を記録した車である。更に酷いのがヴォルツ。GMとの合弁会社で生産されたが、販売台数9012台の無残な結果である(生産台数は未公開)。
割と販売台数として近いのはiQだろうか?累計3万670台。
アメリカの自動車会社との共同開発で、成功した事例は見たことがない。海外販売して成功した事例としては、逆輸入したヤリスとかかな。
というわけで、何か妥協を引き出そうという話でも、正直アメリカで生産した車を日本で売るというのはかなり筋悪案件であると言える。かなりインパクトのあるコンセプトを練って計画的に出すならともかく、多少の手直しレベルで売れる車なんて出せないのだ。
ではコメで譲歩したら良いのか?というと、現実的には輸入量を増やす余地がアメリカ側に無いので、枠を広げますよ!といったところで意味がない。車もこれ以上何を譲歩しろというのやら。
ベトナムとは合意
で、日本に対してかなりの圧力をかけている最中に、ベトナムとは交渉をまとめたらしい。
トランプ氏、ベトナムと関税交渉で合意表明 税率20%に半減
2025年7月3日 0:29 (2025年7月3日 5:36更新)
トランプ米大統領は2日、「ベトナムと貿易交渉で合意した」とSNSで発表した。米国が相互関税率を原則20%と当初計画の半分以下に下げるかわりに、ベトナムは米国からの輸入品を無関税にするという。トランプ氏は「ベトナムが米国に完全な市場へのアクセスを与える」と主張した。
日本経済新聞より
原則20%って……、それでベトナムは大丈夫なのか?まあ、良いんだけどさ。そういえば、支那との関税交渉はちょっと前にある程度歩み寄ったが、結局のところ、7月9日が最終合意のリミットになっている。
確か、アメリカが支那からものを買う場合、追加30%で、それにセクション301税というのが25%かかるので、基本55%の関税ということになるのだが、現時点では30%ということになっている。
これがリミットを迎えると55%に戻るという話になっているので、これと比べると「原則20%」は安く見えるのだけれど……。大丈夫なのかね。ベースの10%がかかるかどうか不明なので、かかるとすれば支那とほぼ同じである。
何かこう、騒いだ割にはどこも似たような関税額で収まりそうではある。
日本を殊更槍玉にあげる理由は、この交渉をある程度重要視している証拠でもあると思う。
減税を画策も
なお、アメリカ国内では減税法案を通したので、減税していく方向のようだ。
アメリカ トランプ大統領の減税法案 議会上院で僅差で可決
2025年7月2日 7時49分
アメリカの議会上院は、トランプ大統領が重要政策として掲げる減税策を盛り込んだ法案を僅差で可決しました。法案をめぐっては大規模な減税による財政悪化への懸念が根強く、下院での審議が次の焦点になります。
NHKニュースより
インフレ圧力が高まっている状況での減税というのが、経済理論的には正しくないわけだが、しかし同じことをトルコがやっているんだよね。おっと、トルコの話を書くと混乱するのでこれ以上は止めておこう。
ともあれ、アメリカにとって減税が望ましいのか?ということに関して、議会もなかなか慎重ではある。
法案には、トランプ政権1期目に実施した個人の所得減税の恒久化、飲食店の従業員などが受けとるチップや残業代への課税を一定期間免除することなどが盛り込まれていますが、ことし5月に議会下院が可決した法案に修正が加えられているため再び下院に送られます。
アメリカの議会予算局は法案が成立すれば今後10年間でおよそ3兆3000億ドル、日本円にして470兆円余り、財政赤字が拡大するとの試算を公表しています。
NHKニュース「アメリカ トランプ大統領の減税法案」より
トランプ氏は国内経済にも苦戦しているようで、これで減税が実現してもキビシイ局面に立つし、減税が実現しなくてもキビシイ局面に立つことに。
アメリカ経済の失速は避けて欲しいが、ちょっと先行き不透明である。その辺りもあって関税政策を進めているらしいのだけれど、税率上げるとインフレ押し上げに直結する。
結局、トランプ氏の目指すゴールは明確なのだが、どうも今の道はそこを目指して走っているようには見えないので、日本側としては交渉の落とし処が見えないところが辛い。
困ったものである。
コメント
石破もどうせ政権もたないんだから、
うるせえ!っと突っぱねてみれば良いのに。優柔不断の汚名を返せる(笑)
じゃあ報復関税やぁ!
どうせ言いだすが、木霊様の御指摘通りに中長期になると己の頸しめる!
TACO言われるの最も嫌うから、やると間違いなく逆襲くらうけど、それを半年続けられる状態でもないでしょ。今の米国の庶民生活は。
一見ビジネスライクに観えて、回りくどいんですよね彼のディールとは。
パフォーマンス重視だから、剛速球に見せて変化球で、結局は互いのコスパが悪い話になる。米国市民は飽きないのかな? リベラル嫌いの私が「飽きた」と想うので。