相変わらず苦戦しているようだ。既に、物乞いスタイルに移りつつある。
中国、外資に再投資奨励 対中投資の減少に対応
2025年7月18日午後 6:46 GMT+92025年7月18日更新
中国政府が海外投資家に対し対中投資で得た利益の再投資を促している。対中直接投資の減少傾向を反転させる取り組みの一環。
ロイターより
内需がダメダメなので、外資を~ってね。
リスクが顕在化
経済が不調
1月もこんなニュースが出ていて、2021年から激減が続いている。
24年の対中直接投資、前年比27.1%減 減少幅拡大
2025年1月17日午後 6:56 GMT+92025年1月17日更新
中国商務省は17日、2024年の中国への直接投資額が前年比27.1%減の8263億元(1127億5000万ドル)だったと明らかにした。
減少幅は1─11月(27.9%)からわずかながら縮小したが、23年通年の8.0%を大幅に上回った。
ロイターより
先日も内需に関する記事を書いたのだが、まあ内需はひどい状態である。
国家統計局すら「減速傾向だ」と表現せざるを得ない状況であるようで、一応ばら撒くつもりのようだが、効果は薄いだろう。実際、今年初めからもかなり投資したが、効果があったようには見えない。
1月に書いた記事がこれ。
対内直接投資急減の実相
支那経済に関してはいくつも記事はあるんだけど、こちらの記事が面白かったので紹介したい。
中国の対内直接投資急減の実相
2024年2月28日
国際収支統計に基づく2023年の中国の対内直接投資(ネット)が前年比▲81.7%の330億ドルに急減した(図表1)。30年ぶりの低い水準にとどまったことで「外資の中国離れ」を強く印象づけたが、本稿ではその急減要因を分析することで「外資の中国離れ」の実相を明らかにしたい。
mizuhoのサイトより

この図は支那の対内直接投資(国際収支統計)を示すグラフで、この勢いで減っている。2024年も順調に減ったので傾向は同じ。
国際収支統計に基づく2023年の中国の対内直接投資(ネット)が前年比▲81.7%の330億ドルに急減した(図表1)。30年ぶりの低い水準にとどまったことで「外資の中国離れ」を強く印象づけたが、本稿ではその急減要因を分析することで「外資の中国離れ」の実相を明らかにしたい。
対内直接投資が急減した要因として一番に考えられるのは、単純に外国企業による新規投資が減少した、あるいは外資による中国事業の縮小・撤退が増加したということである。
新規投資については、米中対立を受けたデリスキングや習近平政権における国家安全最優先の政策、中国経済の潜在成長率の低下を意識した外国企業が対中投資を手控えし、経済安全保障の観点や経済成長への期待感からASEANやインドなどの新興国に投資を振り向けていると考えられる。
一方、中国事業の縮小・撤退について、外資企業が次々と海外移転・撤退するといった動きは今のところ見られない。各種アンケート調査を見ても、移転・撤退を考えている企業は少数である。
mizuhoのサイトより
2024年時点では「投資を手控え」という状況だったけれども、今や撤退が粛々と進む事態になり始めている。
以上の分析から見えてくる「外資の中国離れ」の光景は、外国企業が中国から雪崩を打って脱出する姿ではない。むしろ、中国への既存の投資を残しつつ、新規投資に関しては距離を置き始めている姿である。また、中国企業による海外からの資金調達が減少していしていることも、統計上は「外資の中国離れ」のように見えている可能性がある。
mizuhoのサイトより
2023年の分析でも、雪崩を打って外資が支那を離れる姿はないが、今後もそのトレンドは続くとしていて、2025年に至ってもまさにその状況が続いている。
この記事はもっと深い分析がなされているのだが、詳しくは読んで欲しい。
そうそう、Money1様のところでもこんな記事が。

相変わらず情報が早くて、秀逸である。
投資を呼びかけたが
で、冒頭の記事にあるように、「再投資して」と物乞いを始めたらしい。
商務省が公表した1─5月の対中直接投資は前年同期比13.2%減の3582億元(500億ドル)だった。
国家発展改革委員会、財政省、商務省、中国人民銀行(中央銀行)が共同で出した通達によると、海外投資家は、新たな企業の設立、既存企業の増資、中国企業の株式取得など、中国への再投資を奨励される。
政府はすでに税制上の優遇措置を導入して、外国企業が国内で得た利益を再投資することを奨励している。
ロイター「中国、外資に再投資奨励」より
この手の対策は既に手垢がついた話なんだけれども、未だ進めるツモリなんだろうか。
また、再投資する外国人投資家の用地コストを減らすため、工業用地の長期リースやリース契約後の土地使用権譲渡といった柔軟な手法の活用を支援する。
さらに、投資を円滑に進めるため、一定の条件を満たした外国企業の再投資に必要な外国株主による融資やパンダ債発行の承認手続きも簡素化する。
ロイター「中国、外資に再投資奨励」より
こんな話は外国投資家には響かないんだが。
これまでのトレンドは、過去に支那に大きな市場があって、「バスに乗り遅れるな」と言わんばかりに投資を進めるモードが続いた時期があったのだけれど、潮目が変わってしまった。結局、支那で築いた資産は国外に持ち出せない。
支那での投資はリスクにしかならないということに気がついてしまったわけだ。
それが如実になったのがアステラス製薬事件で、幹部が逮捕されて有罪になってしまった。
IAとEVへの集中投資は続くのか
更に不安なニュースが。
中国AIスタートアップ稀宇科技、香港でIPO申請=関係者
2025年7月17日午後 1:27 GMT+92025年7月17日更新
中国の人工知能(AI)スタートアップ企業、稀宇科技(ミニマックス)が非公開で香港への新規株式公開(IPO)を申請した。年内に実施する方向で、調達額は40億─50億香港ドル(5億1000万米ドル-6億3700万米ドル)に達する可能性がある。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。
ロイターより
未だにAIへの投資ニュースが幾つも見かける状況なのだが、EVは既に減速傾向にあるという話は既にこのサイトで幾つも指摘している。
じゃあ、今後はAIだけに注力していくのか?というと、そうでもないというニュースが。

引用が出来ない仕様になっているのでリンクだけ張っておくが、他の記事でも引用されていたのでそっちを紹介。
習近平主席、地方政府のAI・EV投資過熱を異例の公開批判
2025年07月18日
中国の習近平国家主席は、全国の地方政府が人工知能(AI)、新エネルギー車(EV)、コンピューティングパワーといった新興産業分野に集中的に投資している現状について、異例の公開批判を行いました[1]。習主席は「なぜ各省がすべて同じトレンド産業に投資しようとするのか」と地方政府関係者に直接問いかけ、過剰な投資競争に対する強い懸念を表明しました。
onewordより
記事によれば、習近平氏がAI投資やEV投資を過激にやり過ぎでは?という疑念を示したらしいんだけど、はっきりいうが、おめーのせいだよ。
5か年計画で、バッチリ推進するって言っていたからこそだろう。
習近平主席による地方政府のAI・EV投資過熱への批判は、中国経済政策の重要な転換点を示しています。過剰投資による産業の過密化と非効率な競争の激化は、中国経済の持続可能な発展にとって深刻な脅威となっており、中央政府による積極的な介入が不可欠な状況となっています。今後の政策動向は、中国の新興産業分野における競争環境と国際的な競争力に大きな影響を与えることが予想されます。
onewordより
が、この発言が出たことで、ブレーキがかかるかも?というトレンドになっていく可能性がでてきた。尤も、習近平氏自身の影響力低下という話も出ているので、どうなるのかは不透明ではあるんだけどね。
というわけで、外資に「投資して」と言いつつ、成長分野にはブレーキを掛けた不可思議な状況なのだけれど、まあ、お金が欲しいのだけは本当なんだろう。
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