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支那電池最大手CATLは最高益を記録したが

中華人民共和国ニュース
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EVが失速する中で、二次電池の生産能力が凄い!って言われても、どうなのよ。「支那は増産を続ける」って、相変わらずブレーキが壊れているな、アノ国。

EV電池、世界で供給過剰

2025/8/21付

電気自動車(EV)向け電池の世界生産能力が需要の3.4倍に上ることがわかった。EV市場の減速で供給過剰に陥ったためだ。国内に一定のEV需要がある中国は増産を続ける一方で、日韓の大手電池メーカーは投資計画を縮小し始めた。想定外の需給ギャップが、日本や米国が進めてきた電池の国産化への逆風になっている。

日本経済新聞より

需要と供給のミスマッチがあっても「増産を続ける」って、強気だなぁ。

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電池メーカーCATLに勝算はあるのか

最高益のCATL

日本経済新聞は寧徳時代新能源科技(CATL)推しなのか、随分と持ち上げているんだよね、こちらの記事では。

最高益CATL、EV逆風も電池の増産投資緩めず 欧州・アジア照準

2025/8/1 5:00

中国の車載電池最大手、寧徳時代新能源科技(CATL)が攻めの投資を続けている。工場への投資額は2025年1〜6月期まで3期連続で2000億円前後と高水準で、電池の生産能力は3年前の22年同期に比べ2倍以上に増えた。欧州などで電気自動車(EV)の普及は足踏みするが、工場の建設を進め韓国勢などの競合を引き離す。

日本経済新聞より

生産能力が過剰にあるだけで、在庫が積み上がった感じではないんだけど、そのCATLの生産能力を一体何処で活かす気なのかは疑問だ。

CATLが最高益だと持ち上げているんだけど、BYDも最高益だったからねぇ。

中国BYD、第4四半期は73%増益 販売増で過去最高益

2025年3月25日午前 8:52

中国の電気自動車(EV)メーカー、比亜迪(BYD)が24日発表した2024年第4・四半期決算は、純利益が73.1%増の150億元(21億ドル)となり、過去最高益を記録した。

ロイターより

鼻息が荒かったのは3月頃で、5月にはその内幕が暴露された。

BYDは崩壊した「恒大集団=不動産大手」の二の舞いになるか? 利益と引き換え価格競争で拡大してきたビジネスモデルの行く末

2025/07/07 8:00

「すでに自動車業界の恒大集団が現れている。ただ、爆雷(破綻)していないだけだ」

2025年5月23日、ニュースメディア「新浪科技」のインタビューの中で出た、長城汽車(GWM)の魏建軍(ウェイ・ジェンジュン)会長の発言が、業界で大きな波紋を呼んでいる。

東洋経済オンラインより

BYDの販売台数が過去最高益を記録したのに、ヤバいんじゃないの?と言われる理由は、1台あたりの利益が他社の1/4レベルだという話が分かっているからだ。

それどころか、こちらの記事で紹介したが、BYDのEV販売を請け負うディーラーが相次いで倒産。更に走行距離ゼロの新古車が出回る始末らしい。

そういった事態から、当ブログではEV販売による補助金を得た後で中古車市場に新車を流し、それを外国にばら撒くように輸出しているのでは?という予想をしている。尤もこのブログオリジナルというわけじゃないんだが。

もしこの予想が正しいとすると、CATLも同じ轍を辿ると容易に想像できる。

レンタルバッテリーという選択肢

ただ、BYDと違ってCATLは異なるビジネスモデルを想定しているようではある。

CATLの創業者ロビン・ゼン氏は、中国のトラック市場が2028年までに50%が電気自動車になると予想している。

May 20 2025

バッテリー大手のCATLの億万長者トップ、ロビン・ゼン氏は、2028年までに中国で販売される新車トラックの半数が電気自動車になると予想しており、これは大型貨物車の世界市場に大きな混乱をもたらす前兆となる予測だ。

フィナンシャルタイムスより

CATLはトラックにもEVを展開して、創業者はそれが素敵なビジネスになると語っている。

道路に2列に並んだ中国のトラック

CATLは、すでに30種類の電気自動車モデルを生産している10社以上の中国トラックメーカーと、「75号」と呼ぶ標準バッテリーの使用契約を締結した。同社は、バッテリーを交換・充電できるステーションネットワークを構築している。

「なぜこれが人々にとって魅力的なのでしょうか?まず第一に、バッテリーはもはや顧客の所有物ではなく、レンタルするだけになります。そのため、トラックの購入コストが大幅に削減されます」とゼン氏は述べた。

フィナンシャルタイムスより

どうやらこのEVトラックのバッテリーは交換式らしいのだ。交換式のバッテリーというと、日本では嫌なニュースがあったばかり。

交換式バッテリーのすべてが駄目だとは思わないんだが、リスクは相当跳ね上がることになると思う。実際、支那では電動自転車、バイクのEVが交換式であり、これに起因する火災が頻発している。

トラックだから安全になる理由はなかろう。

技術思想としては面白いが

他にもEVトラックの発想としては面白いことを言っている。

CATLの創始者の語る通り、結局のところこの手のアイテムはインフラ次第というところがあるので、この発想は支那共産党の強力なバックアップがあれば成り立つ可能性は高い。

バッテリーの交換は5分で完了すると彼は述べた。一方、トラックに軽油を満タンにするには6分半かかる。トラックが満タンでない時は、満タン時に必要な3つのバッテリーではなく、1つのバッテリーだけで走行できるため、コストがさらに削減される。

トラックの電動化には、全国規模のバッテリー交換ネットワークの展開など、依然として大きな障害があるものの、ゼン氏のコストに関する主張と世界有数のバッテリーサプライヤーの構築に成功したことにより、同氏の予測は異例の信憑性を持つものとなっている。

フィナンシャルタイムスより

彼は、2種類の異なるバッテリー化学を組み合わせて、EVトラックの急速充電や長距離走行、低コストなどを下げるアイデアがあると語り、おそらく複数のバッテリーユニットを積み、ユニットの中に異なる種類のセルを組み合わせて搭載することで、エネルギー密度を捨てて出力効率を上げる工夫があるという意味なんだろうと思う。

面白いとは思うけど、特定のセルだけ消耗しそうだから大規模なリサイクル施設も用意して、運用可能な領域をしっかり設計しないと、実は鉄道輸送のほうが良かったとか言う結果になりかねない。

技術思想は面白いのでちょっと応援したいし、実現できれば二次電池の販路は広がり、工場生産能力を増やしたことも間違いじゃないってことにはなると思うけれど。EVがその前に失速して資金的余裕が続くのかという疑問はある。

もちろん、上手くいく可能性はあるしCATLの自力もかなりあるとは思うんだけど、無邪気に喜べるほど期待に満ちた話でもないと思うんだよ。そこまでBYD絡みの爆弾は甘くない。CATL自身もかなりの負債を抱えている可能性が高そうだし。

CATL、中国リチウム鉱山での生産を3カ月間停止-関係者

2025年8月10日 17:46 JST

中国の電気自動車(EV)バッテリーメーカー、寧徳時代新能源科技(CATL)は、中国江西省にある主要リチウム鉱山での生産を、少なくとも3カ月間停止した。事情に詳しい関係者が明らかにした。

Bloombergより

こんな話もあって、CATLは結構手広く色々やっている感じなんだよね。負債も山盛りの可能性はあるんだよな。

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