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追い詰められた石破氏、命運は9月8日?

政治
この記事は約8分で読めます。

正直ここまで見苦しい首相を見た記憶がない。

石破首相、米関税決着でも退陣せず 秋に経済対策、続投へ執念

2025年09月05日19時39分

トランプ米大統領が日米関税合意を履行する大統領令に署名したことを受け、石破茂首相(自民党総裁)は5日、改めて退陣を否定した。続投が必要な理由の一つとして「合意の完全履行」を挙げていたものの、この日は経済対策の策定を表明するなど政権継続への強い執念を示した。

時事通信より

最近は、解散までチラつかせている始末で、本当に見苦しい。

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辞めない理由はない

辞めなければならない理由

さて、以前に紹介したように、石破氏は自民党総裁を辞めるべきである。もちろんその結果、首相も辞めるべきということになる。

ただ、7月時点でこの状況は割と共通の認識であったと思うんだけど、その時点から何も動いていないというのはある意味驚異的である。内閣改造をするわけでもなく、次の内閣の準備をするわけでもない。

ただ、首相を続けた、それだけだった。

自民党総裁としての責任を果たすことから逃げ続けたのである。

次々と辞表提出

これに業を煮やした自民党議員達の働きかけにより、9月2日に自民党両院議員総会が開かれた。そして、自民党政権を支える屋台骨となる人々が次々と辞任する意向を示した。

記事でも紹介したが纏めておこう。

まずは自民党4役。

  • 森山裕(80):幹事長、辞任の意向(進退伺)
  • 鈴木俊一(72):総務会長、辞任の意向
  • 小野寺五典(65):政務調査会長、辞任の意向
  • 木原誠二(55):選挙対策委員長、辞任の意向

そして、副大臣級。

  • 高村正大(54):法務副大臣、総裁選前倒し要求
  • 武部新(55):文部科学副大臣、総裁選前倒し要求
  • 穂坂泰(51):デジタル副大臣、総裁選前倒し要求
  • 高見康裕(44):国土交通政務官、総裁選前倒し要求に賛成
  • 神田潤一(54):法務政務官、総裁選前倒し要求に賛成

更に、現職閣僚が声を上げる事態に。

鈴木法相が総裁選前倒し要求、現職閣僚で初表明 「政治停滞許されず」

2025年9月5日 12:20

鈴木馨祐法相は5日、自身のブログで、自民党総裁選の前倒しを求める意向を明らかにした。「臨時総裁選挙の実施を求める書面に署名し提出することにした」と表明した。現役の閣僚による前倒し要求の表明は初めて。石破茂首相は同日、首相官邸で鈴木氏と個別に会った。

日本経済新聞より

この流れは続くものと思われ、止める方法はない。組織運動本部長の小渕優子氏と両院議員総会長の有村治子氏も辞任することを発表したため、石破政権を支える人がもういないというのが現状である。

地方からの支持も失う

そして、地方議会からの突き上げも強くなってきている。

総裁選前倒しを10都道県「要求」、3県「要求方針」 朝日意向調査

2025年9月5日 17時22分(2025年9月5日 19時03分更新)

自民党総裁選の前倒しをめぐり、朝日新聞が5日夕までに全国47の各都道府県連に意向を尋ねたところ、回答を得た44のうち、「要求する」は10都道県だった。また3県が取材に対し要求する方針を明かし、地方でも「石破おろし」が起きていることがわかった。

朝日新聞より

もはや自民党のトップとして石破氏を支持する理由もなくなってきているので、無理もあるまい。だって、「総裁選前倒し賛成したやつは名前を明かす」といって圧力をかけてきたんだけど、今や名を明かして前倒しに賛成したほうが得な状況なんだよ。

それほどまでに自民党内部は混乱しているのだ。

地元の鳥取からも文句が出始めてしまったから、始末に終えない。

石破首相包囲網狭まる 閣僚からも総裁選前倒し要求 関税署名「花道論」も首相は続投意向

2025/9/5 22:33

石破茂首相(自民党総裁)は5日、日米関税交渉を巡る米大統領令署名を受け、首相続投方針に変わりがないかどうかを記者団に問われ「別にかかわりがあることではない」と続投の意向を示した。一方、自民党麻生派の鈴木馨祐法相が同日、党総裁選の前倒しを要求する意向を自身のブログで示した。現職閣僚から公然と前倒し要求が出始め、総裁選前倒しの是非が決まる8日を前に、首相の包囲網はさらに狭まった。

産経新聞より

ただ、粘ればまだ総会の規定によって総裁選を迎えるまで、総裁を続けることができる。総裁の座を降りた後どうなるかというと、普通の人は総理大臣の職も辞するんだが……。

総理大臣の座にしがみつく可能性

更に居座る選択も可能なんだ。

その場合は、国会開催までということになる。国会が開催されると首班指名選挙(憲法第67条に基づき、衆議院議員の過半数で首相を指名)が行われて、事実上の解任になる。が、理論上はここでも生き残るルートはある。野党と手を組むことだ。

仮に主要野党の議席を合計すると:

  • 立憲民主党:約111
  • 国民民主党:約21
  • 共産党:約12
  • 日本維新の会:約41
  • 合計:約185票

→ 過半数233票に届くには、自民党議員から最低でも48票(233-185)以上を引き込む必要がある。

まあ、コレをやった時点で自民党は瓦解して2つに割れる流れになるんだけど、それはそれでアリかもしれないね。事ここに至って、未だに首相を続けているのが異例な石破氏だから、凄い判断をする可能性もあるけれど。

追記

記事の構成が甘くなっていて、その点をコメントでも指摘をうけてしまった。

なので「自民党総裁=日本の総理大臣」という構図の説明を、ここで少し整理させて欲しい。

手続き論と現実

日本の総理大臣は、以下の手順で任命される。

<法的根拠

  • 日本国憲法 第67条
    • 内閣総理大臣は「国会議員の中から国会の議決でこれを指名する」
    • この議決は「衆議院と参議院の両議院で行う」
    • 両院で異なる指名がなされた場合は「衆議院の議決が国会の議決となる」
  • 憲法第68条
    • 総理大臣は国務大臣を任命する権限を持つ(組閣の根拠)。
  • 憲法第6条
    • 天皇は「国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命」する(形式的任命権)。

手続きの流れ

  1. 国会での首班指名選挙
    • 衆議院・参議院それぞれで「内閣総理大臣指名選挙」を実施。
    • 投票対象は国会議員に限られる。
    • 参議院で異なる人が選ばれても、最終的に衆議院の決定が優先される。
  2. 天皇による任命
    • 憲法第6条に従い、天皇が国事行為として内閣総理大臣を任命。
    • これは「国会の指名に基づいて」行われるので、天皇に自由裁量はない。
  3. 組閣
    • 総理大臣が国務大臣を任命して内閣を組織。
    • 国務大臣の過半数は国会議員から選ぶ必要がある(憲法第68条第1項)。

とまあ、こんな感じの話は中学校とか高校の社会の授業で習うのだと思う。皆さんはちゃんと覚えていただろうか?僕はすっかり忘れてしまっていて、その辺りを意識して記事を書かなかったので、混乱を来した部分があったと思う。正確に書かずに申し訳ない。

要は、首相は議員の中なら多数決で選ばれる。なので、大抵の場合、最大政党のトップが首相になる流れになり、自民党が最大勢力なので、首班指名は自民党総裁にということになる。

国民が選ぶ訳ではないが

大統領制のように、国民が選挙によって選ぶわけではないので、国会議員のリーダーを選ぶ感じで首相が決まるんだね。

で、いつ行われるか?というと、これも憲法67条に規定があって、「国会召集後直ちにこれを行う」と定められており、国会法という法律により「内閣総理大臣の指名は、衆議院においては議員の総選挙後初めて召集される国会、および内閣総理大臣が欠けたときに行う。」と定められている。

そうすると、現時点は去年の国会で首班指名を受けた石破氏が首相であり、現時点(閉会中)に石破氏は何ができるか?という話なんだけど、まずは、辞任。そして、解散(閉会中でも解散は可能)。

辞任は特に法的に定められていないが、これに伴って内閣総辞職(憲法70条)に至る。

解散は首相の専権なんだけど、憲法7条1項3号に「衆議院を解散すること」と天皇の国事行為に関する記載があり、「内閣の助言と承認により」という部分から首相に解散権があるという根拠とされている。閉会中に解散するのは相当難しいんだけどね。

本来は内閣の決定によって行う必要があるが、慣例として首相の決断で解散が可能であることになっている。これには時期の規定がないので、休会中でも解散はできる。だから、国会会期がはじまるまでは石破氏は首相でいられるってことなんだよね。

総裁選挙が行われる

おそらく、現状だと9月8日を待って両院総会での前代未聞の自民党総裁の挿げ替えが行われる。

そして、組閣できない状態の首相は、その段階で辞任すれば良いんだけど、上に書いたように未だしがみつく可能性がある。自民党総裁の座から引き摺り下ろしても、首相は辞めさせられないからね。

ただ、もはや組閣はできないので、次の国会が始まるまでは首相の座にとどまることが可能。

そうすると、国会開催をしなければならないので、自民党総裁が憲法53条の規定を使って臨時国会を招集させるんだけど……。

憲法53条は「内閣は、いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、臨時会を召集しなければならない。」との規定になって、過去にこの規定を悪用して「いつ開催すればいいか規定はない」と逃げ回ったことがある。

そうすると、規定上は次の通常国会までは逃げ回ることが可能。前代未聞の歴史に名を残すレベルの最悪の総理大臣になっているね。

コメント

  1. BOOK より:

    あれ? 日本国憲法 第七十条では 確かに
    「内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない」
    https://laws.e-gov.go.jp/law/321CONSTITUTION#Mp-Ch_5-At_70

    とあるけど、初めての国会召集は済んでるし、こないだの選挙は参議院議員選挙だから
    普通は①辞職か②不信任案可決 ③次の衆議院総選挙 まで原理的には居座り可能なのでは?
    (普通の例外:死亡とか資格喪失etc)

    この場合、自民:青山繁晴議員は内閣不信任案を出すと言ってるけど、反日野党・与党の「石破辞めるな」勢力の合計が大きいから否決される可能性が高く
     立憲、共産、令和、社民、(公明?)あたりと連合政権を維持する往生の悪さを見せるかもしれない。
     
     こないだ志那にいったポッポと共に、工作員の疑いがありますね。別スレで高市さん柔軟さが、、て議論があったけどとにかく「スパイ防止法」を最優先で成立させて、こういうことが続かない歯止めが欲しい

    • 木霊 木霊 より:

      ええと、文章での整理が上手く出来ていないかも知れなかったので補足を。

      現状、石破氏は自民党総裁かつ内閣総理大臣という立場であります。
      憲法上の規定は総理大臣に対する規定。

      ですから、自民党総裁選挙とは別に行われ、総裁でなくなったとしても総理大臣は自動失職にはなりません。

      なので、ご指摘部分は正しく、本人が辞任しない限りは次の国会までは居座ることが可能です。
      とはいえ、大臣級が辞任する意向を示しているので、内閣改造は必至。でも、人選できるほど人望がないということになるので、場合によっては民間盗用で石破家から親族を登用するというウルトラCでもかまさないかぎりは、兼任で誤魔化すしかありません。

      内閣不信任案提出は、ハードルが高いと思いますよ。青山氏は結構大風呂敷を広げますから、話半分に聞いています。理論的には可能ですが、ご指摘どおり野党を巻き込む必要がある。維新の会や国民民主あたりは乗ってくる可能性がありますから、政治工作次第ではありますね。

      ハトは、入国拒否して欲しい…。

  2. 砂漠の男 より:

    今日、民民の玉木氏がXで、9月8日に臨時総裁選が決定すれば、石破首相は即日衆議院解散を打つという話が自民党内に出回っている、と暴露。

    石破首相は自民党を道連れに華々しく散る覚悟のようです。其の意気だけは善し。個人の予想では、総選挙となれば、自民党は三度負け、大幅に議席を減らすしかない。

    自分は、自民党解党が日本の正解だと考えているので、方向性としてはこれで良いかと。

    • 木霊 木霊 より:

      即日解散を打つ、ですか。
      実際のところ、しかし閉会中に解散を打つというのは実はそんなに簡単な話ではないようです。
      「自民党をぶっ壊す」とぶち上げて実際に解散を打った小泉氏はその後の選挙に見事に勝ってみせましたが、石破氏はそもそも選挙に負けたから総裁の座を負われようとしている状況です。もはや詰んでいるですよね。

  3. みみこ より:

    どんなにねばっても、安部さんの長期政権に並ぶことはあり得ない石破さんですが(なんか今でも凄くあの方を意識しているように見えるので)、
    「最後っ○」として日本という国に禍の種となる「なんたら談話」を出さないことを祈るばかりです。
    「談話」は閣議決定が必要なんでしたっけ?
    でも「お気持ち表明」とやらはやれてしまうんですよね?

    • 木霊 木霊 より:

      そうですね。
      流石に、談話を用意している時間は無いようで、今は裏工作に必至のようです。
      既に最悪の総理を更新中ですが、「お気持ち表明」はやろうと思ったら出来ます。
      余計なことはさせないように早めに辞めさせたいところですね。

  4. きたやまひと より:

     歴史にタラレバはありませんが、安倍総理の暗殺がまことに残念です。あの日を境にその後の世界の行方が変わったように思えます。安倍総理が御存命であったなら石破氏の総理総裁はなく、政治資金規正法案件も自民党勢力のこれほどの衰退にはつながらなかったでしょう。現在、世界経済を揺るがしているトランプ大統領の関税賦課問題にしても、安倍総理の適切なアドバイスにより、斯程にドラスティックな展開にはなっていなかったように思えます。
     さて、石破総理が野党との共闘に走る可能性はあまりないのではないでしょうか。野党、特に共産やれいわ、立憲民主などは自民党解体を目的としているのでしょうが、石破氏についてゆく自民党国会議員は極少数に留まり、国民の目からは単なる自民党からの脱落者扱いとなるように思えます。国会議員は自民党議員として活動してきた経緯や地元の地方議員、支援者の意向を無視できるものではなく、単なる政局で国会議員の意思を押し付けるわけにはいかないではないでしょうか。石破氏を支持する議員も、極少数では野党に単に飲み込まれるだけと見えていると思います。
     自民党として最善の方策は、速やかに新しい総裁、願わくば先の総裁選で最も多くの党員から支持を得たにも関わらず、岸田氏の介入により敗れた高市早苗議員のもと、首班指名に臨むことではないでしょうか。現在は、首班指名をめぐる左派系全野党共闘の可能性はあまり高くなく、公明党が高市候補故に脱落したとしても充分に勝算はあるのではないでしょうか。

    • 木霊 木霊 より:

      そうですね……。亡くしてこそ分かる先達の偉大さです。
      しかし、もはや居ない方を頼っても詮無きこと。

      石破氏は万策尽きて辞任することになりましたが、現時点ではあくまで総裁辞任。
      首相の職務は全うするそうですが、余計なことをしないよう、全力で内閣一致で阻止して欲しいです。
      そして、次代の総理は……、これはなかなか大変そうですね。