以前触れたのだけれど、そこから状況が少し変化して、ちょっと雲行きが怪しい。
釧路湿原メガソーラー中止せず 事業者「かなり投資しており、立ち止まることできない」
2025/9/9 13:05
北海道・釧路湿原国立公園の周辺で、大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設による野生生物への悪影響が指摘されている問題で、事業を進める「日本エコロジー」(大阪市中央区)の松井政憲社長は9日、釧路市内で記者団の取材に応じ「かなり投資しており、立ち止まることはできない。市と協議して進めたい」と述べ、工事を中止しない意向を表明した。
産経新聞より
北海道は2日、「森林法で定められた許可を得ずに工事を進めていた」として、事業者に対して建設予定地のうち森林区域での工事中止を勧告している。これに対して「むーりー」と、企業側が回答したとのこと。
建設中止を求められるか
本当に書類が揃っていたのか
この件に触れている記事はこちら。
主題は太陽光パネルのリサイクル義務の話なんだけど、釧路湿原のケースにちょっとだけスポットを当てた。
当然、許可は貰っているものと思っていたが、どうやらそれが怪しいらしい。
メガソーラー書類未提出に4カ月気付かず 北海道・釧路市、市議には「不誠実」な説明
2025/9/8 22:43
北海道釧路市は8日、釧路湿原国立公園の周辺で建設中の大規模太陽光発電所(メガソーラー)を巡り、事業者が森林法上必要な書類を期限内に提出していなかったのに、約4カ月間気付いていなかったと明らかにした。
産経新聞より
時系列的に、釧路市が開発許可に関する書類の提出を求め、それの期限に間に合わずに提出。そして、それが発覚するまでに4ヶ月かかって、指摘されて初めて気がついたとのこと。
市議の指摘で認識したが、市議には期限内に提出されたかのように説明。一方で事業者に「整合性を付けて」と伝え、期限内の日付が記された書類を受け取っていた。
指摘したのは木村隼人市議で、8日の市議会で取り上げた。取材に「市側は重大な過失に向き合わず、私への報告も不誠実だ」と非難した。
産経新聞「メガソーラー書類未提出に4カ月気付かず」より
この記事では、細かい経緯が不明なのだが、釧路市側はどうやら当初からこの問題には気がついていた節がある。
釧路市と業者の癒着?
市側は「指摘されるまで気がつかなかった」というスタンスを通すつもりらしいのだが、かなり疑わしい。
木村市議によると、8月22日に市農林課に問い合わせ、26日に書類が期限内に提出されていると説明を受けた。
しかし市によると、事業者に提出を求めたのは同25日。同日提出された書類は、期限内の4月30日付となっていた。市の担当者は「日付の確認がおろそかだった」と釈明。「整合性を付けて」と求めたのが、日付を偽らせる趣旨だったかどうかは「不明」とした。
産経新聞「メガソーラー書類未提出に4カ月気付かず」より
この流れを読む限り、アウトだろう。クロと言わないまでもかなりグレーだ。
- 8月22日 木村市議が「必要書類が出ているのか?」と農林課に問い合わせがある。
- 8月25日 農林課が事業者に「書類提出」を求めたことが後に発覚。この時に、事業者に対して「整合性を付けて」と注文
- 同日 事業者から必要書類が提出される。提出書類の日付は4月30日だったことが後に発覚
- 8月26日 農林課から「書類が期限内に提出されている」と回答。
並べた情報が事実であれば、農林課と事業者が口裏合わせをする積もりだった可能性は高そうだ。早速刑事事件にしないとダメだろう。
必要書類がない状態で開発を進めた疑いも強い。
今後の展開
このニュースの裏取りは出来ていないので、今後異なる展開も予想はされるのだが、正しいと仮定すると以下の問題が考えられる。
- 形式的な瑕疵ではなく、意図的な虚偽工作
- 提出が遅れたのを隠蔽するため、遡及日付で提出を受け付けた。
- 農林課は事実を知りつつ「期限内に提出された」と虚偽報告。
- 刑事責任の可能性
- 公文書虚偽記載(刑法156条)、虚偽有印公文書行使罪(同158条)が視野に入る。
- 農林課職員が「整合性を付けて」と指示していたなら、共謀性も認められ得る。
- 行政責任・政治責任
- 単なる事務ミスではなく「癒着」や「隠蔽」とみなされる。
- 違法性が明らかになれば、許可取消や工事中止命令に踏み込む大義名分ができる。
これは、下手すると刑事事件という事態だ。
事業者との癒着は濃厚か
もう1つ怪しい話がある。
釧路湿原周辺の太陽光発電施設建設“再調査要求は適切”文化庁
08月27日 17時09分
釧路湿原の周辺で大阪の事業者が進める太陽光発電施設の建設をめぐり、釧路市教育委員会が、事業者に環境への影響調査を再度行うよう求めることは適切だとする見解を、文化庁が伝えていたことが、NHKの取材で分かりました。
~~略~~
建設にあたっては、事業者が環境への影響調査の結果も含めて事前に釧路市に届け出を行っていますが、市教育委員会は今月21日付けで、「工事中の事故によるタンチョウなどの滅失を危惧している」とした意見書を提出し、事業者に再度、環境影響調査を行うよう要求することが、文化財保護法の趣旨に適しているか確認を求めました。
NHKニュースより
この釧路市教育委員会からの通達も事業者に届いていたかどうかという。
「再度要求する」ということにはなっているが、この話もやや怪しいのだ。
釧路湿原 メガソーラー建設相次ぎ対応検討の枠組みを 環境省
2025年9月9日 15時12分
北海道の釧路湿原の周辺で、大規模な太陽光発電施設「メガソーラー」の建設が相次ぎ、希少な野生生物の生息環境への影響を懸念する声などがあがる中、環境省は、関係する省庁と連携して今後の対応を検討するための枠組みを設けると発表しました。
NHKニュースより
本来、釧路湿原はラムサール条約に登録されているが故に、その周辺地域も含めてかなり厳重に管理されていなければならない。ところが今回の話は環境省は噛んでいなかったんだよね。
恐らくは釧路湿原の隣接地なので問題ないという判断になったのだと思うが、しかし現状のコウジの実態を見ると、写真で見る限りではあるが、環境アセスメントの内容そのものが疑わしくなってきている。
そもそも「環境に優しい」という嘘のスローガンを掲げているのが太陽光発電なのだが、既に何年も前から山野を切り開いて荒らす、かなり質の悪い自然破壊だということがバレている。
それでも推進するのは儲かるからなのだろう。
そうすると、この悪循環を断ち切るためには太陽光発電を遣ると儲かるという構図から変えなければならない。つまり、FIT制度そのものを止めるか、再エネ賦課金を止めるか、である。
そろそろ、「メガソーラー」=「環境のため」という欺瞞は止めないと。日本のトップが変われば改善するのだろうか。
コメント
別に再エネ絶対反対派じゃないんですが、ぼったくりの再エネ割賦金、住宅やビルの屋上だけに設置、適切な売電価格、太陽光パネルの処分費用込みのパネル代金なら自分は良いんじゃないかと思います。
わざわざ山とか湿原切り拓いてまでやるもんじゃないし、大規模事業の目を逸らすために開発地を細切れにして小規模開発を乱立させて書類上じゃ小規模開発だけど実際は広大な土地になってるし…
まぁ今回の北海道は完全に真っ黒ですよねぇ
これだけ世間を騒がせてるのに自然破壊反対派の左翼界隈の方々は黙ったままなのがあり得ないですけどね