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「洋公主事業」で韓国政府が再び訴えられる

大韓民国ニュース
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あらら、これはまた政治利用される流れだろうか?過去にもあったよね。

「米兵相手の売春を強制」女性100人超、韓国政府を提訴 米軍を告発

2025年9月10日 10:29

韓国に駐留する米兵を相手に売春婦として働くことを強制されたと主張する韓国人女性100人以上が、米国による虐待を訴える画期的な訴訟を韓国政府に対して起こした。原告弁護団が9日、明らかにした。

AFPより

「洋公主」の話って、韓国では2000年代になってからようやく明らかにされた昏い歴史で、韓国政府が関わった売春施設と人権侵害のおそれのある出来事だ。

  • 語られない韓国の「洋公主(公娼)」の歴史
  • マスコミ的なタブー
  • 外交カード化の可能性
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政治的な色の強い訴訟

本当の慰安婦問題

ニュースでも報じられてはいるのだが、実はこの話は一応、裁判の判決の出ている話だ。

韓国最高裁は2022年、同国政府が米軍のために違法に売春宿を「設立、管理、運営」したと判断し、原告約120人に損害賠償を支払うよう命じた。

AFP「米兵相手の売春を強制」より

2022年の最低裁判所(韓国最高裁)が結論はとても「決着」と呼べないものだったが、それでも闇に葬られてきた歴史の一端が明らかになったという意味では画期的ではあった。

と、このブログではこれまで触れてこなかったので、「洋公主ようこうしゅ」とは何なのかについて、少し丁寧に触れていこう。

洋公主ようこうしゅ」或いは「基地村問題」、「在韓米軍慰安婦問題」とまあ、様々な呼び名はあるのだが、このブログでは「洋公主」と呼び名を統一して説明していこう。

洋公主制度の基本的な枠組み

  • 時期:朝鮮戦争後~1960年代くらい
  • 対象:米軍駐留兵向けの女性「従業員(娼婦を含む)」
  • 主体:韓国政府・地方自治体が設置・管理
  • 運営形態:公娼制度的色合いが強く、施設やクラブを政府が管理
  • 目的:外貨獲得、経済的利益確保、米軍との関係維持

第5支給品

朝鮮戦争が始まった1950年に、2年前に制定した公娼禁止を撤回して兵士の戦意維持のために補給品として支給を許可したのが、「第5支給品」と揶揄された女性達である。

元々、軍事物資の補給体系には「第1種〜第4種」までが定義されていて、以下のような分類になっていた。

  1. 第1種:食料
  2. 第2種:被服・装備品
  3. 第3種:燃料・潤滑油
  4. 第4種:建材・雑資材

これらに分類されない「支給品」が、性的なサービスまでを想定した女性達であることが、1950年代に韓国陸軍本部によって出版された『後方戦史』の人事編に記載されている。出荷する時は、ドラム缶のような鉄製の桶に一人ずつ押し込めて、トラックで各兵舎に移送して回ったとされる。

その時に対象になった女性は、韓国人女性・戦争開始時点又は奪還後の北朝鮮支配地域にいて確保された女性だったとされているが、どのような扱いをされたかは未だ明らかではない。

流石にこんな酷い扱い(支給方法的な意味で)は、戦後(1953年以降)は行われていないようだが、在韓米軍基地周辺に性売買許可区域として「基地村」と呼ばれる拠点が韓国国内に複数作られた。

そして、ここで実際に売春を行っていた女性が、後に「洋公主」と呼ばれるようになる。日本でも「パンパン」「洋パン」などと呼ばれる個人で売春する女性達がいたことは知られているが、韓国はこれを政府が計画的に行っていた。

彼女達のうちの1人は、ハンギョレの取材に対して、「基地村の女性は、収容所を“丘の上の白い家”と呼んでいた。基地村慰安婦収容所の窓には鉄格子がされ、まるで刑務所だった」と暴露している。

衛生環境も公的施設としては劣悪だったようで、1970年代初頭には基地村の中で性病が蔓延した。アメリカ側から改善要求が出されて、「基地村浄化対策」事業が開始される。それにより、検査で陽性が出た場合、収容所に監禁されたという。冒頭のサムネに使った画像がその跡地で、「モンキーハウス」などと呼ばれたらしい。治療の際にはペニシリンが注射されたようだが、過剰投与によるアナフィラキシーショックで死亡する者もいたらしい。

韓国政府が曖昧にしてきた米軍慰安婦の存在 徐々に明らかに
韓国には、朝鮮戦争後に朴槿恵大統領の父・朴正煕が米兵向けに全国に設置した歓楽街「基地村」が今も残る。ここで米兵相手に売春する女性たちはかつて「米軍慰安婦」と呼ばれ、人権を踏みにじられてきた。在日韓国人ジャーナリストのコナー・カン氏がレポート...

また、脱走を試みた女性は集団でリンチされた。警官なども脱走を警戒し、通報制度など整備されなど、酷い話も残っている。が、戦後明らかになった話ではあるが、長らくタブーとされていたこともあって、ハッキリしたことは殆ど分かっていない。

マスコミ・タブー

日本のマスコミにも多数のタブーがあると言われているが、韓国のマスコミではこの基地村の話はタブーであるという。

この「基地村」は1990年代まではその一部が軍の慰安所として機能していたようだが、この頃には慰安婦という言葉は、日本軍が行っていたものだという風にすり替えられてしまっていた。計画的に、念入りに記憶から消し去られたのである。

だが、被害者数は延べ約30万人以上にも上るとされ、中には10代の女性もいて、四半世紀をそこで過ごす羽目になった女性もいたようだ。が、2022年の最高裁判決で認められたのは、訴訟を起こした120人の内57人のみ。それも、隔離収容の対象にする伝染病を明示した施行規則が制定された1977年8月以前に性病落検者施設に強制収容された方々だけが問題視され、「500万ウォン(約50万円)ずつ賠償せよ」との判決が下ったのだとか。

しかし、判明している限り、売春を行っていた女性たちの給与の殆どは所属するクラブや売春宿の経営者達に渡り、彼女達の手元には殆ど残らず、借金返済のために働いていた女性達の一部はほとんど無給の状態だったとか。

つまり深刻な人権侵害問題なのである。韓国にはこの手の話、塩田奴隷問題だとか、n番部屋事件だとか、現代でも恐ろしい人権侵害問題を抱えているので、おいそれと過去の闇を暴けないのかもしれないが、放置していい話なのかな。

今回報道された意味

というわけで、この問題が明るみに出たのは2000年以降の話で、2002年2月に被害者である金貴玉と姜貞淑などにより韓国軍慰安婦の存在が公開されるのだが、メディアは「身内の恥」とばかりに報道はあまり盛り上がらず。

この問題が本当に韓国政府の関与があり、人権的に大きな問題であったという理解が広まるのは、2014年6月25日に米軍慰安婦で働かされたとして、韓国人女性ら122人が韓国政府を相手に国家賠償を求める訴訟を起こして以降である。ただし、それでも積極的には取り上げられていないようで、一部の支援者の中で運動されているに過ぎないようだ。

弁護士のハ・ジュヒ氏はAFPに対し、「この訴訟は、韓国政府と米軍当局の双方に違法行為の共同責任を負わせることを目指している」と述べた。

AFP「米兵相手の売春を強制」より

そういうわけで、今回の訴訟も恐らくは政治的な色合いが強いのだろう。

民事訴訟なら余裕で時効になっているし、過去の訴訟でも時効を理由に跳ね除けられたケースが多い。ただし、2022年の最高裁の判例が出て(2014年から訴訟開始)、一部とは言え政府の責任が認められている。

今回は韓国政府相手に訴訟をしたが、初めて米軍を正式に告発している。

対米投資がもたついたタイミング

このタイミングに意味はあるのか

ここからは単なる憶測であるから、注意して読んで欲しい。

先日こんな事件があった。

対米投資を迫られた韓国政府だったが、アメリカ側からガサ入れが入って現地工場建設現場で多数の韓国人が不法滞在で拘束されている。

流石に訴訟を起こすにも準備が必要なので、そんな数日で「よし、訴訟しよう」なんてことにはならないのが通常である。故に、今回の訴訟はタイミング的に考えると、おそらくはミョンミョンが大統領になったから、門前払いはされないだろうという政治的な読みがあったから準備が整えられたと考えるほうが妥当だろう。

ただ、それをAFP通信で出したことに目的が感じられるのだ。

外交カード化

そもそも対日外交で慰安婦問題は長期に渡って外交カードとして有効に使えていた。

それをぶち壊したのが故安倍晋三なのだが、韓国としては「味をしめた」わけだ。流石に同じことが通用するとは思っていないだろうが、少なからず外交カードに使えないか?見せカードにならないだろうか?というスケベ根性は感じる。

だが、そんなに甘くないのが国際社会で、この話を持ち出すのであれば、韓国政府が主導した人権蹂躙案件であり、割と最近まで隠蔽されていた事実があるということ、あらためて晒さねばならない。両刃の剣なんだけど、それでも使うのだろうか?

……大切なことなので2度言うが、コレはあくまで憶測に過ぎないのだ。だが、日本に対する慰安婦問題だって、しっかり検証されれば日本軍は比較的娼婦を公平に扱おうとしていた事実や、高級で雇おうとしていた事実が明らかになってしまう。場合によっては、祖国に仕送りまで出来ていたという話もしなければならない。それは、韓国政府が隠しておきたい洋公主の実態とは明らかに違うのだ。米軍としても、アジア各地でやらかした実績があるので痛い腹は探られたくないのだろうけれど。

そういう意味では在韓米軍撤退を阻止するというカードには使えるかも知れないね。

コメント

  1. みみこ より:

    「自称日本軍相手の慰安婦」の方々も、年齢的には米軍相手の方々だったようですね。
    「証拠写真」に英語が書いてありましたし、
    年齢がおかしいと指摘されたら、「日本人がロリコンで少女をさらった」と言い出しましたっけ。
    安倍さんのお陰(あの国的には安倍さんのせい)で、もう日本からはお金が取れなくなったので、韓国政府及びアメリカ相手に切り替えたんでしょうか。
    なお、いつもながら「韓国が100%悪い」場合、他者に「50%」押しつけようとしていますね(とあるブログの方がおっしゃっています)。
    20%ぐらいは悪いかもしれないけれど。

    • 木霊 木霊 より:

      ええ、随分と日本軍の「慰安婦」を主張される方の中にも、両方掛け持ちだったとか、挺身隊(慰安婦では無い)に所属していて、後に身売りをせざるを得なかったという方も含まれていたらしく、話は随分混じっている感じでした。
      意図的に混ぜて、日本に保証させようという人もいらっしゃったのではないかと。
      「他者に罪を押しつけよう」とする傾向というのは、確かにありますね。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >両刃の剣なんだけど、それでも使うのだろうか?

    古来、韓国の刀剣は、中国刀と同じ、両刃の直刀であったとされます。

    「ここで韓国軍文化の小噺を一つ。ヘッドラインにある「三精剣」とは、韓国伝統の両刃の長剣のこと。軍人が大佐から准将に昇任した際、大統領から直接授与される。
    当初は日本刀に似た片刃の剣だったが、07年の盧武鉉大統領から「韓国伝統の剣ではない」という理由で、現在の両刃長剣に改められた。」
    https://wedge.ismedia.jp/articles/-/38854?page=2

    なので、「両刃の剣」などという言葉は、韓ドラでみんな日本刀を挿すようになった今の韓国には存在しないでしょう……