さて、可能性としてはもう1つの可能性を考えておかねばならない。
立憲 総理指名で「玉木代表も有力候補」国民に提案
2025年10月8日 14時29分
「我が党も野田にはこだわりません。玉木さんもそういう点では、皆さんがそれでまとまるのであれば、我々としても有力候補と考えます」(立憲民主党・安住幹事長)
「この手の話は冗談半分で言う話じゃないよね。異なった主義主張の政党と打算で、数合わせで首班指名を一緒に行動をとるということは考えてません」(国民民主党・榛葉幹事長)
Live Door Newsより
冗談みたいな記事が出ているが、実際にこの可能性は低いがある。そして、その中心にいるのは国民民主党である。
可能性だけで言えばある
政策でまとまることはできないが
積極的に動いている層はどこか?というのがイマイチ不明で、立憲民主党が声をかけてまわっている様子は報じられている。ただ、立憲民主党が軸になれるのか?というと怪しく、その他にも水面下で色々な思惑が蠢いているようだ。
こちらが衆議院の議員数で、失礼ながら弱小政党は「その他」としてまとめさせていただいた。
衆議院議員 | ||||||
自民 | 立憲 | 維新 | 国民 | 公明 | 共産 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|
196 | 148 | 35 | 27 | 24 | 8 | 27 |
196(220) | 210(218) | – | – | 27 | ||
196 | 242 | 27 |
数字から見ると、野党連合が実現したとしても「その他」が参加してこない限りは問題ないように見える。だが、「その他」には日本共産党が8議席含まれるので、218議席はおそらくまとまりになる。加えて、どこかをそそのかすことが出来れば現状でも脅威だろう。
で、その下の数字は何かというと、公明党が野党側に乗った場合である。
そうすると、自民党ではその他全部吸収したとしても太刀打ちできない数字になる。もちろん、日本共産党は野党連合に乗るだろうから、242議席となって自民党には勝ち目がなくなる。
参議院議員 | ||||||
自民 | 立憲 | 国民 | 公明 | 維新 | 共産 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|
100 | 42 | 25 | 21 | 19 | 7 | 42 |
100(121) | 67(93) | – | – | – | 42 | |
100 | 114 | 42 |
参議院も似たような数字で、立憲+国民+維新+共産で93議席。ここに公明21議席が加わると114議席となる。動きのわかりにくい参政党やれいわ新選組がどうするのかは知らないが、もはや絶望的な数字だ。
公明が野党連合に協力する悪夢は、衆議院でも参議院でも同じなのである。
そして、「減税」のみでまとまる可能性があるということだ。
公明党は強く出る理由
というわけで、そんな簡単に野党連合が成り立つとは思わないが、立憲が「野田にこだわらない」といった理由は、「玉木ならまとまれる」という可能性を示唆したことになる。
これを示唆した理由は、公明党に秋波を送る意味合いが強い。公明党にとっては与党にいても野党に加担しても、いずれも党首を首班指名できない実情があるため、短期的には利益を得る可能性がある。
その場合の自民党は、首相も出せなければイニシアチブも採れない無惨な状況を迎える。そして、掲げる政策は減税のみの首相が誕生である。これが日本国民のためになるかと言えば、極めて怪しいところなので、そんな愚劣な選択をして欲しくない。
だが、そうなると減税したら解散をうって総選挙が想定され、そうすると、その選挙でも自民党としてはかなりやばい結果になりそうだ。幹事長の榛葉氏が怒りの会見を開いていたので、滅多なことにはならんと思うけれど。
そんなわけで、難しいパワーバランスをめぐってこれから激しい駆け引きが行われることは明白。願わくば、そこで国民不在の議論になって欲しくはないんだけれど。
追記
この記事の前にも1つシナリオを紹介しているのだけれど、基本は自民党有利で公明党不利という状況に変わりはない。ただし、公明党は自身の持つ最大の利点を誇張して現在の交渉を「有利に進めよう」としている。
結局、現代表の斎藤氏には何の実績もない。だから、強気交渉をやって実績を作りたいし、信者にアピールがしたいのである。そこが根底にあるということを忘れてはならない。今の状況は、公明党にとっての生存戦略に過ぎず、そこに日本国民の意思は介在していない。
公明党の選挙協力なければ自民2割落選 衆議院選挙の小選挙区で試算
2025年10月10日 2:00
自民、公明両党の連立政権を継続させる協議が収拾しない。公明党は自民党に「政治とカネ」の問題へのけじめを求める。両党の溝は深いが、連立の解消に容易に踏み出せないのは四半世紀におよぶ国政選挙での協力関係を捨てきれないためだ。
日本経済新聞より
経済以外のことには鋭い分析をする経済新聞だが、しかしこの話は一片の事実を含みながら大切な部分に言及していない。

この説明は、本文の説明と大差ない数字だけの説明なのだが、実に公明党が得られる絵にかいた成果だけをうまく説明している。
短期的には数合わせの意味でこの変動は正しいのだが、自民党が公明党離脱はやむなしと割り切って保守系の議員を擁立できれば、議席数は増える可能性すらある。もちろん、自民党内が動揺して割れるリスクがあるので、そんな簡単な話ではないのだが、この表のシナリオもかなり実現性の薄い話。
まあ、玉木氏を首相に担ぐという夢のような(日本国民にとってはまさしく悪夢である)話が実現できたとして、その先は解散総選挙に向かうしかない。その時は自民党は保守を叫んで選挙をするしかなく、ヤケクソ右派のまともな部分を吸収できる可能性はある。そうすると、果たして政策実行能力のない野党連合にどれだけ期待できる国民がいるのかは未知数だ。
ワンイシューで戦う選挙は面白いかもしれないが、国政は大いに乱れるだろうね。
僕は今の野党には期待できない。
コメント
公明党と創価学会の対立だけでなく
創価学会内での対立があり(意味深)
公明党が与党でないと国内の創価学会が維持出来ない
というのがネット上に出ていますが
どーなる事やら
創価学会内部の不和の話も聞こえてきましたが、維新の会の内部も結構揉めているようですね。
広宣部と婦人部、そして青年部は方向性が随分違うらしく、広宣部が公明党との歩調を合わせている感じですが、婦人部は「反戦平和」方向に、青年部は「武力増強容認」という感じっぽいですね。でも、婦人部は高市総裁を歓迎しているらしいですよ?青年部はおそらくですが、与党残留希望っぽいですね。(注:一部の声しか聴けてないので、実態はよくわかりません)
自民党内も不安定なんで、色々と揺さぶりがいがあるのかもしれません。
こんにちは。
タマキンは、こういうところで腰が軽い印象があります。
おだてられるとホイホイ乗ってしまうような。
その辺の小物感が、七面鳥的に信を置けない理由なんです。
こんにちは。
玉木氏は所詮、軽い神輿ですからね。
優秀にした小泉進次郎的な人気があるのではないかと。
高市自民党が保守回帰し、国民民主党と連立する場合、次の総選挙で立民が大負けする目も出てきますから、立民幹事長の安住氏には、両党を離間させたい思惑が十分あるでしょう。
片や、国政選挙でも地方選挙でも負け続けて衰亡途上にある公明党は、党勢維持のために、自民党へ割り振っている党票を自党へ回したいでしょうから、連立解消も有力な選択肢です。
さて、今日の党首会談結果はどうなるでしょう。愉しみですねw
ちょっとわからない状況ですが、首班指名を乗り切って解散。それから選挙となると……、立民は更に票を減らしそうです。
逆に票を積み増すことができそうなのは国民民主。あとは意外に参政党は票を喰われそうな感じですよね。
公明党は……、議席増に結びつくとは思えないので、現状維持なのかなと。
補正予算を組んだあと、ガソリン暫定税率廃止できて、103万の壁を突破したあとなら、勝負は随分と変わってくると思いますよ。
自公連立解消で、玉木氏と国民民主党が、政局を左右するオチになりました。
勝ち馬がいない現状では、誰が首班指名を得ても、いちど整理(解散総選挙)が必要になりそうです。
自公連立解消を好感しているノンポリも多いでしょうから、総選挙になれば、浮動票の行方が次の政権を決めるだろうと予想しています。
この状況は、自民(過半数はムリだけど)と国民民主にとって有利かなと。
どこかのタイミングで解散総選挙は避けられそうに有りませんね。
国民民主は利益を最大化して解散したいのでしょうけれど、パターンとしては補正予算を通すタイミングでガソリン暫定税率の廃止、103万の壁の突破。ついでに社会保障改革の約束辺りが考えられます。
自民党はこれを呑んでも、スパイ防止法への道筋をつけるところまでやらないと厳しい。維新まで巻き込む可能性は高くなってきましたね。閣外で協力するにしても、国民民主、維新の勢力を取り込めれば、政策の実現はイケるかな。まあ、高市氏の手腕次第なんですが、首班指名をどう乗り切るかですかね。