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ロシア産原油停止要求、インドと支那の戦略に明暗

中華人民共和国ニュース
この記事は約4分で読めます。

一方的ないじめが大好きな支那が、また何か言っているようだ。正直、寝言にしか聞こえない。

中国、ロシア産原油の輸入を正当化 米国の停止要求は「一方的ないじめ」

2025年10月17日 9:57

中国は16日、ロシア産原油の輸入は「正当」だと述べ、米国による最近の措置を「一方的ないじめ」と呼び非難した。

AFPより

あまり真面目に取り合う必要はないかもしれないが、もうちょっと隠せよとは思うよ。

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ウクライナ問題

米国の狙い

現在、トランプ氏はいろいろな政策課題を抱えていて、かなりの時間を割いているのが外交である。そのうち、イスラエル、ウクライナ、支那はかなり重い課題である。

そのうちイスラエル問題に関しては、一歩前に進めた感じがしている。

【解説】ガザ停戦にトランプ氏が決定的役割、しかしこれは和平への行程表ではない BBC国際編集長

2025年10月15日

ドナルド・トランプ米大統領は13日、イスラエルとエジプトを訪れてあっという間に帰国した。これこそ本人が望んだ、勝利のウィニング・ランだった。

エルサレムとシャルムエルシェイクでの演説を見た人は誰でも、そこで自分の権力を満喫している人の姿を目にしたはずだ。イスラエル国会で浴びた拍手喝采を楽しみ、エジプトでは実に大勢の国家元首や政府首脳がこのために急きょ集まったことに悦に入っていた。

BBCより

そして、ちょっとうんざりしているのがウクライナ問題だ。

政治的圧力・アナウンス効果を狙って、早期にロシアに手を引かせるというのが、アメリカの狙いなのだろう。

インドの立ち回り

これに関して、冒頭ニュースで触れられた通り、インドは巧妙に立ち回った。

ドナルド・トランプ米大統領が15日、インドのナレンドラ・モディ首相が、ロシア産原油の輸入を停止すると確約したと明らかにし、中国にも同様の措置を取らせると述べたのを受けたもの。

AFP「中国、ロシア産原油の輸入を正当化~」より

インドが掌クルックルなのは今に始まったことじゃないんだけど、ちょっと前まではロシア産原油が安くなっていたから、これ幸いとばかりに買い漁っていた。

インドのロシア産原油輸入、9月増加か 米制裁関税の発動後

2025年8月29日午前 7:11

インドによるロシア産原油の輸入量が、9月に増加する見通しであることが、関係者の話で明らかになった。

ロイターより
トランプ氏、NATOにロシア産原油購入停止要求 対中関税も

ところが、トランプ氏との会談をやったら「輸入は控える」という話になった。

トランプ氏は15日、ホワイトハウスの大統領執務室で、ロシアのエネルギー資金を断つという政権の広範な取り組みに言及。インドは「即座に」石油の輸送を停止することはできないと述べ、移行には「少しばかりのプロセスがあるが、そのプロセスはすぐに終わるだろう」と付け加えた。

また、「今度は中国にも同じことをさせなければならない」と語った。

ロイター「インドのロシア産原油輸入~」より

インドは信用できないけど、まあ約束した以上は履行するんだろうと思う。

モディ氏は老獪な政治家で、実に上手い切り抜け方をしたと、個人的には評価している。国際的にもインドに望まれている立場を読んだわけだ。

「直ぐにやります」でなくとも、アメリカにとってはアナウンス効果としてインドの決断は響くと思う。そして、ロシアの動揺を誘えるという意味でも効果があると思う。

メンツが大事な国

一方、支那は「嫌だよ」との返答。

トランプ氏は、中国とインドが原油購入を通じてロシアのウクライナ侵攻に資金を提供したと非難しており、欧州の同盟国にもロシア産原油の輸入を即時停止するよう求めている。

インドは対ロシア政策の転換について、肯定も否定もしていない。

AFP「中国、ロシア産原油の輸入を正当化~」より

支那は習近平氏がメンツを重んじているので、共産党としてもそうせざるを得ないのだろうが、それにしたってコメントの出し方があるだろう。

「いじめだ」って、子供か?間違ってはいないが、何というか「コレジャナイ」感じが強いのである。

支那はむしろ侵略する側で、チベット・ウイグル・内モンゴルと実績をあげた上で、更に台湾を射程に収めている。最近は、九段線の問題でフィリピンやベトナムなどとも軋轢を深めている。

だから、容易にはロシアを非難できる立場にはなれないのだが、それでもそれをむき出しにした場合には、ロシアのように西側諸国から叩かれるのは避けられない。それが読めないのが習近平氏なのだ。

まとめ

インドは国際的な空気を読みつつ自国利益も守る巧みな立ち回り。一方、中国はメンツ優先で戦略が感じられず、国際的な期待に応える姿勢は見えない。

どちらが戦略性が高いかといえば、ねぇ。

「米国のやり方は、一方的いじめと経済的な脅迫の典型例だ」と述べ、中国の利益が損なわれた場合、「断固たる対抗措置を取り、主権を断固として守る」と警告した。

中国とロシアは主要な貿易相手国同士で、中国はロシアのウクライナ侵攻を非難したことも、ロシアに軍の撤退を求めたこともない。

AFP「中国、ロシア産原油の輸入を正当化~」より

主権を断固として守るって、それは支那の我が儘がそのまま通せるって意味じゃないんだよね。

ロシア産原油の輸入が厳しくなることくらい目に見えているんだから、建前だけでも「減らす」といえば良いのに。それではメンツが守れない、とそういうことらしい。

コメント

  1. 砂漠の男(只今残業中) より:

    今月15−16日に、ワシントンDCでG20財務相/中銀総裁会議が開かれ、議論紛糾して共同声明なしに終わったそうです。まぁ、米国が原因でしょうね。
    https://shorturl.at/rMEtY

    で、ベッセント長官が加藤財務相に、露産原油/LNGの輸入停止を持ちかけたそうです。
    https://shorturl.at/HqGDH 

    この話はきっとトランプ大統領来日のときに蒸し返されます。日本政府はNOと言わないでしょうから、物産株を持っている方には、とりま売り抜けておくことをオススメします。

    • 木霊 木霊 より:

      残業お疲れ様です。

      アメリカと支那が仲が悪いので、間を取り持つことができずに共同声明すら出せなかったと、そんな感じですね。
      そりゃまあ、財務相集まって議論していますから、一番クリティカルな争いをしているどちらにも批判の声を出せない。仕方がないですよ、G20の役目はもはやないのですから。

      日本は原油やLNGの資産を放棄してでも、ロシアからの輸入停止にYesと言わざるを得ない。まあ、仕方がありませんね。