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実はリサイクルが低調な韓国の二次電池回収事情

大韓民国ニュース
この記事は約6分で読めます。

韓国、リサイクル文化がないのか、それとも制度・技術の課題なのか。

[単独]収集廃電池80%、再使用確認もできず放置

入力2025-10-14 03:00

政府がバッテリー循環経済構築のために廃電池収集事業を行っているが、回収して保管している廃電池80%は再使用可能かどうかを確認すらできずにそのまま放置中であることが分かった。担当機関は政府監査で「安全関連の問題が懸念される」という指摘を受けたが、バッテリー性能評価機器などが不足して10ヶ月目に特別な措置を取っていない。

Dongaより

集めるだけ集めて放置、という状況。実際、二次電池の回収・リサイクルってあまり金にならないんだよね。だから、放置されていても不思議じゃないんだけど……。

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世界的に見た二次電池リサイクルの現状

リサイクル率は全般的に低い

現在、HVやEVの二次電池は積極的には回収されておらず、国際的に見てもリサイクル率は高く無いのが実情。今後頑張っていこうという方向性ではあるんだけどね。

■ 欧州方式(産業共同・法制度型)の特徴と合理性

  1. 特徴
    • 回収義務やリサイクルは法制度でメーカーに課す
    • 回収・リサイクルは専門企業や第三者に委託
    • メーカー単独での技術蓄積は限定的
  2. 合理性
    • メーカー単独の負担を軽減できる
    • 中小メーカーや新規参入企業でも制度に沿って回収義務を履行可能
    • 大規模な共同リサイクル網で効率化が図れる
  3. 前提条件
    • 法制度と規制遵守の文化が機能すること
    • 産業全体での協力体制やインフラが整備されていること

一番進んでいると言われるEUのリサイクルは、ELV指令と呼ばれるルールによって、使用済み自動車全体のリサイクル率を高めるような指針が出ている。

ただ、二次電池単体となると、実際は回収・再利用率は20~30%だとされている。

日本はEUほど徹底したルールがないのだけれど、回収・再利用率はリチウムイオン電池全体で20~30%程度らしい。自動車に限定するとメーカーが積極的に回収していることもあって、比較的高い。ただ、しっかりした数字が出ておらず、車載用リチウムイオン電池全体の回収率が68.8%なんだとか。

韓国もリサイクルを進めようとしている

韓国も遅ればせながらこうした状況に追いつこうという話が出ていた。

韓国政府、使用済み電池産業育成へ、法・制度・インフラ整備の具体案発表

2024年07月16日

韓国政府は7月10日、経済関係長官会議を開催し、「使用済み電池産業育成のための法・制度・インフラ構築方策」を発表した。国内の電気自動車(EV)累積登録台数が急増し、使用済み電池が多く排出されると予測されることや(注1)、EUのバッテリー規則(2023年8月21日記事参照)の制定など、世界の貿易規制が強化されていることなどを踏まえ、使用済み電池産業を育成し、使用済み電池の管理体制を強化することを目的に策定した。

JETROより

掛け声は立派だったが、冒頭のニュースで伝えられたようにその内情は低調であった。

13日、気候環境エネルギー部が国会気候エネルギー環境労働委員会所属のキム・テソンとともに民主党議員室に提出した資料によると、電気自動車に使われた廃電池を回収する「未来廃資源拠点収集センター」は今年8月基準の電気自動車廃電池225。残りの1053個は売却したり、研究施設などに渡した。

現在保管している廃電池のうち966個(80.1%)は、再使用可能かどうかを調べるための性能評価すらしなかった。政府がバッテリー性能評価ができる車種は全体36種のうち17種(47%)にとどまり、過半数は評価自体が不可能だ。

Donga「収集廃電池80%~」より

集めたは良いけど、再使用可能かどうかも調べられていないというのが実情なんだよね。海外メーカーの仕様情報を得られないことや、中小メーカーの台数が少ないことも評価を困難にしていると、解説してる。掛け声は立派だけど、現場の運用は追いついていない。

アメリカも取り組みを始めたばかり

アメリカも2023年頃から「流石にリサイクルしないと」という雰囲気になったようだ。

ただ、現時点でのリチウムイオン二次電池のリサイクル率は20%程度らしく、あまり韓国のことを笑えないね。

米国におけるリチウムイオン電池リサイクルの台頭:トレンド、イノベーション、持続可能性

急速に進化する持続可能エネルギー分野において、米国におけるリチウムイオン電池リサイクルは重要な柱として台頭しています。電気自動車(EV)、再生可能エネルギー貯蔵、そして家電製品の普及に伴い、米国における効率的なリチウムイオン電池リサイクルプロセスへの需要は急増しています。

~~略~~

米国におけるリチウムイオン電池のリサイクル率は、国際電池評議会(Battery Council International)によると、現在20%程度で推移しており、鉛蓄電池の99%を大きく下回っています。この差は、回収システムや処理インフラといった物流上の課題を浮き彫りにしています。しかし、ブルームバーグNEFの推計によると、2030年までに新車販売台数の50%がEVになると予測されており、使用済み電池の量は2025年までに年間20万トンを超える可能性があります。

American li-ion.comより

まあ、今後努力しましょうねってな話なんだろう。

今後頑張る

で、韓国の話に戻って、「多分、努力はしているんだろうな」と思ったら、どうも雲行きが怪しい。

海外の電気自動車メーカーは技術流出を懸念し、バッテリー仕様情報を提供しないため評価が難しく、国内の中小電気自動車メーカーは販売台数が少ないため評価方式の開発が困難である。気候部関係者は「今後、海外メーカーと協力し仕様情報を最大限確保するとともに、廃棄物リサイクル業者などへの委託も増やす計画だ」と述べた。

Donga「収集廃電池80%~」より

「努力はしている、しているんだけどね」という空気が出ているけど、このパターンはやらないな。何よりもっと不安な記述を見つけてしまった。

センターを運営する韓国環境公団は昨年12月の監査で「長期保管による安全上の問題が懸念される」という指摘を受けたが、特別な措置をしなかった。

Donga「収集廃電池80%~」より

集めるだけ集めたけど、放置してあるからもしかしたら出火するかもね、ってことらしい。嫌な予感しかしない。

まとめ

車載リチウムイオン電池のリサイクルに関しては、日本はやや特殊な状況で、トヨタなど自動車を製造する会社が率先して行っている。これはちょっと戦略的開発に関する理由付けがあって、やっているんだけど、行政対応は少し遅れ気味だ。そして、製造メーカーが回収してリサイクルする関係上、リサイクルして製品に再利用される率は高いようだね。

そういった理由付けが韓国には無いので、政府が「努力しよう」と掛け声はかけたけど、実際には前に進んでいないのが現実らしい。

EUのように法的整備をして、リサイクルに税金を使ってやらせる方法もある。でも、韓国紙が指摘するように構造も材料も明確ではないので、リサイクルはかなり難しいのが実情なんだ。EUも自動車全体のリサイク率は高いけど、二次電池に限るとそうでもない。

なので、リチウムイオン二次電池の規格化が進めばある程度リサイクル率も高くなるんだろうけれど、お金がかかるのからやりたくないって国ではなかなか難しいのだろう。

コメント

  1. 匿名 より:

    データーは貴重だから日本メーカーは自社回収している、と韓国に吹き込むと面白そうだ

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >集めるだけ集めて放置

    そしてファイヤー!