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海外での犯罪に結びつく高学歴社会の闇

大韓民国ニュース
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韓国の出稼ぎ、随分と流行っているらしいね。

カンボジアで詐欺組織に監禁される韓国人急増 犯罪に加わるケースも

2025年10月18日 19時54分

韓国の若者らが「高収入の仕事がある」と勧誘されてカンボジアに渡り、詐欺組織に監禁される事件が急増している。一方で、約1千人の韓国人が現地で詐欺に関与しているとして韓国当局などが被害者救出や捜査に乗り出しており、韓国社会に衝撃が広がっている。

朝日新聞より

日本でも、闇バイトの類型としてタイでオンライン詐欺センターに参加していたというようなニュースがあったが、似た話でもあり、ちょっと違う背景の話でもある。

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高学歴社会の犠牲者達

アメリカでの大量拘束事件との関係

このニュース、Money1さんのところで連日扱っていて、「大変だなー」くらいの認識ではあった。

【今度はカンボジア】韓国人64人が政府チャーター機で帰国。
政府チャーター機で多数の韓国人が帰国する――という事案がまた起こりました。2025年09月04日(現地時間)、韓国企業『現代自動車』と『LGエネルギーソリューション』の合弁会社が建設していたバッテー工場に合衆国当局の連邦・州組織がカチコミ捜...
「韓国人64人、政府チャーター機内で“お縄”」帰国。
先にご紹介したカンボジアで捜査当局に確保された韓国人64人の件です。2025年10月18日08:37分頃、韓国政府チャーター機に搭乗した64人は仁川空港に到着。全員が手錠をかけられていました。これはフィッシング詐欺やロマンス詐欺などの容疑者...

確かに、アメリカでも似たような話があったから、韓国経済の歪みを感じる話として目を惹きはしたけれども。

ただ、これ、考えてみるともうちょっと深刻な問題が根底にあるように思う。

直接的には、韓国経済の不調と失業率の高まりとの関係があるのだろう。実際に、直近のニュースでもかなり雇用の状況は悪いとのことだった。

一人当たり雇用0.44個…製造業・建設業雇用保険加入者減少持続

入力 2025.10.15 午後12時 修正 2025.10.15 午後1時23分

先月、求職者1人当たりの求人数(求人倍率)は0.44倍と集計された。製造業と建設業を中心に雇用が低迷し、労働市場も影響を受けている様子だ。

雇用労働部が15日に発表した「2025年9月雇用行政統計による労働市場動向」によると、9月末基準の雇用保険常時加入者数は1564万1000人である。昨年9月と比較して19万1000人(1.2%)増加した。

NAVERより

有効求人倍率0.44倍というのは、衝撃の数字である。働きたくても、働き口がない人が多数いる、2人に1人しか就職できないという意味になる。コレが一時的ということであれば、リーマンショック後に日本でも見られた数字ではあるが、韓国の場合は2019年に1を下回った後、徐々に下がる傾向にある。

今年の2月には衝撃の数字が。

韓国12月有効求人倍数「0.28」…26年ぶりの低水準
韓国12月有効求人倍数「0.28」…26年ぶりの低水準

0.23倍って。

高学歴でも就職口が

このような傾向は高学歴社会というフィルターを通すと、更に深刻な側面を見せる。

韓国、80年代生まれから女性の方が高学歴…就職の時期はだんだん遅くなる

2025.03.27 11:55

1980年代生まれから女性の高等教育履修率が男性をリードしたという研究結果が出た。初の雇用就職時期が遅れるなど、青年期の生涯過程が構造的に変化しているという分析も出た。

27日、統計庁によると、国家統計研究院は今月、このような内容の「生涯過程履行に対するコホート別比較研究:教育・就職」報告書をまとめた。

中央日報より

この記事はなかなか衝撃的で、女性の進学率が上がった結果、少子化が進んでいるという切り口で説明していて、それ自体は日本でもよく知られる話。ただ、その先、大学院進学の割合で女性が男性をリードし始めているというのが韓国の実態だ。

そして、仕事が見つからずにニート化することが往々にしてある。

韓国の失業率は現在2.1%とかなり低いのだが、その数字は実態とかなり乖離している。この数字には積極的に仕事を探していないニートは含まれない。また、自営業の割合が高いことも影響しているとは言われている。

が、韓国経済の疲弊とともに、こうした人達が職業を求めて外国に溢れ出した。それが、アメリカの一件であり、今回のカンボジアの一件でもあるのだ。

成功の果実の先にあったもの

韓国の高学歴社会化は、「より良い人生」を望み、「成功の果実」を手にしたいと願った結果だった。それは、日本でも似たような傾向にある。ただ、韓国の場合は更にその先、サムスン・ヒュンダイなどの財閥系企業に就職しなければ成功と言われないため、過酷な生存競争が行われることに。

韓国では、ソウル大・高麗大・延世大のいわゆる「SKY」卒業生ですら就職難に苦しむ実態が、求人倍率の低迷という部分にも現れている。「いい大学に入って、良い企業に就職」というのは、過去に日本も言われていた時代があったが、今や大学を出ても非正規雇用や低賃金に甘んじる層が増えている。

つまり、教育が「人生の切符」でなくなっている。

社会全体が上昇志向で動くと、必ず余剰が生まれる。そこに待っているのは、「過剰教育社会」から溢れ出した若者たちだ。

そして、そのエネルギーが行き場を失った時、出口は「犯罪」か「国外逃避」になったと、そういう構図なのだ。

外国人労働者に頼る危うさ

一方で、日本では外国人労働力を積極的に取り込もうという動きが産業界中心に広がっている。

実は、韓国でも外国人労働力の積極的な採用が行われている。が、かなり大きな問題も生まれていることは、日本ではあまり報道されていない。

韓国・外国人労働者の人権侵害の77%が賃金未払い…権利回復はわずか18%

2025年10月19日 6:00

韓国で働く外国人労働者の人権侵害事例のうち、約8割が賃金の未払いに関するものだったことが明らかになった。しかし、通報後に実際の権利回復につながったケースは18%にすぎず、政府の対応が極めて不十分だとの批判が出ている。

国会環境労働委員会のイ・ヨンウ議員(共に民主党)が雇用労働省から受け取った資料によると、同部が8月11~29日実施した「外国人労働者労働人権侵害集中申告期間」に寄せられた件数は計1247件だった。そのうち965件(77%)が賃金および退職金の未払いに関する事案で、職場内いじめ(10件)、労働契約違反(8件)などが続いた。

AFPより

韓国でも「少子化・高齢化」で働く人がいないといいつつ、人手確保のために積極的な外国人労働力誘致をし、受け入れ枠は2025年には20万7,000人に設定されている。

しかし、就職率などを見ると、如何にもミスマッチが発生しており、さらに外国人労働者の人権侵害の問題も問題視されている。

日本でもそうだが、「人手不足の解消」の実態は「低賃金で使える労働力」の確保なのだ。

外国人労働者を“安価な歯車”として扱うだけ、というところがかなり深刻な問題を生み出す。

  • 賃金は上がらず
  • 技能は定着せず
  • 生活環境の支援も薄い

これ、外国人労働者を受け入れることで、日本人の賃金も上がらないという構図になるのだ。そうすると、日本人労働者の地位も一緒に下がる。社会全体の生産性が上がらなくなる。この構図のままでは、日本もまた「努力しても報われない社会」の仲間入りを果たすだろう。

「教育」と「労働」の断絶という構造病

実はこうした事態が一番進んでいるのが、支那だ。

高度人材の過剰生産?中国の大学の学部生・院生数の逆転現象「本研倒掛」

2024.11.27

中国社会の超高学歴化の進展に歯止めがかからない。UNESCO統計研究所によると、習近平氏が中国共産党総書記に就任した2012年には29%だった中国の高等教育進学率は急速に向上し、2022年に72%に達した(同年の日本は65%)。

地経学研究所より

こうした高学歴化が進行している一方で、就職難によってフードデリバリーをしているというニュースも見かける。そして、冒頭のニュースのように海外での一攫千金という話に繋がっていくわけだ。

日本でも韓国でも支那でも高学歴化が進むが、韓国と支那はそれぞれ経済低迷と就職難という構図になっている。では日本は?というと、人手不足で失業率が低いにも関わらず、ニートがそれなりの数存在する。

教育は“成功”を夢見させるが、現実の労働は“生存”を強いる。

高学歴ニートが海外で犯罪に結びつくというのは、なんともやるせないね。

終わりに――「果実」は誰のものか

「成功の果実」を追い求めてきた社会の末路が、若者たちへの負債として表面化している。

果実を独占するのは、わずかな勝者たち。そしてその果実を守るために、彼らは教育を競争に変え、労働を淘汰の場に変えていった。

残された人々は、食えない、働けない、報われない。だからこそ、詐欺組織に騙される。

それは「自己責任」で本当に済ませて良いものなのか?

“努力しても報われない社会”では、誰も正直者でいられない。

コメント

  1. 匿名 より:

    韓国人が文在寅が最低賃金を上げ過ぎた事に気付くのはいつだろう?

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    >「いい大学に入って、良い企業に就職」
    そして45歳で肩を叩かれる。
    社会構造的にダメなので、どっか対処療法しただけじゃダメなんでしょうね。
    ガラガラポンして、30年くらい再構築の時間を取らないと。

    翻って我が国ですが、外国人労働者なんて、愚策中の愚策。
    あくまで私論ですが、国内の就職が「給料的に魅力的」であれば、枠は片っ端から国内で埋まっていくはず。
    それでも労働力が足りない場合、就職市場が魅力的なら、呼ばなくても勝手に外国から『レベルの高い』労働者が来る(今の日本には、レベルそれなり以下のしか来ない)。
    これの逆(ある程度高レベルの就労者の流出)が韓国で起きている。
    願わくば、その『隣からのめんどくさい連中』は採用しないで頂きたいものです。
    何かにつけ「キャベツニラ!」はカンベンなので。