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訪韓したトランプ氏、窮地の韓国に打開策に繋がる?

大韓民国ニュース
この記事は約8分で読めます。

うわぁ。

韓国、トランプ氏に「金の王冠」贈呈 韓国最高勲章も授与

2025年10月29日 23:58

韓国の李在明大統領は29日、韓国南東部の慶州で会談したトランプ米大統領に慶州の国宝「天馬塚金冠」のレプリカを贈呈した。韓国の最高勲章「無窮花大勲章」も授与した。

日本経済新聞より

センスねぇなぁ。

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重点課題は関税

韓国訪問はトランプ氏にとって苦行?

訪日したトランプ氏、色々あったけれどもそれは整理が追いつかないのでさておこう。日米首脳会談は、かなり高い評価を付けて良いのではないだろうか?とは思っているのだけれどね。

さて、その翌日。トランプ氏は韓国の地を踏んだ。空港に降り立った際の表情は仏頂面。どうにも不機嫌そうで、お疲れのご様子である。

米韓首脳会談、李在明大統領が原潜開発支援を要請…アメリカは車関税15%に引き下げ

2025/10/29 21:57

米国のトランプ大統領と韓国の 李在明イジェミョン 大統領は29日、韓国・慶州で会談した。李氏は「韓国が原子力潜水艦の燃料供給を受けられるよう決断してほしい」と述べ、原潜開発の支援を要請した。会談後、韓国側は、韓国の自動車への関税の15%への引き下げなど両国の関税交渉が妥結したと発表した。

讀賣新聞より

とはいえ、自動車関税だけは15%に引き下げることに成功したことで、韓国は首の皮一枚繋がった感じなのかも。

原子力潜水艦開発の話題は、別の記事でやろうかな。

金が好きなトランプ氏

さて、冒頭の「金の王冠」贈呈の件だが――。

李氏はトランプ氏への贈り物について「大韓民国の国民が(トランプ)大統領に格別な感謝の気持ちを込めて贈る」と話した。トランプ氏は「とても美しい贈り物だ、すぐ着けてみたい」と喜びをみせた。贈呈する際、両首脳は笑顔で握手を交わした。

日本経済新聞「韓国、トランプ氏に「金の王冠」贈呈~」より

喜んだとは伝えられているが、でもねぇ。これって、古墳から出た副葬品なんだよね。つまり、死者を埋葬するのに使う冠なんだよ。「大韓民国の国民が(トランプ)大統領に格別な感謝の気持ちを込めて贈る」って、悪い冗談かな。

「王はいらない」デモに多数参加 米各地でトランプ氏に抗議

2025年10月20日

アメリカ各地で18日、ドナルド・トランプ政権に抗議する「No Kings(王はいらない)」集会が開かれ、ニューヨーク、首都ワシントン、シカゴ、マイアミなどで大勢が参加した。主催者によると、700万人近くが参加した。

主催者は、「No Kings」連合はおよそ300の団体で構成されると説明している。今年6月のトランプ氏の誕生日に行われたデモで初めて注目を集めた。

BBCより

また、アメリカ国内では「No Kings」集会が盛り上がっている最中だ。

そんな時に“王冠”を贈るというこのセンス。外交的にどうなんだろう。トランプ氏本人はご満悦でも、「空気読めよ」と言いたくなる。

北朝鮮との会談は回避

一方で、トランプ氏は北朝鮮との会談を避けた。

北朝鮮、28日に巡航ミサイル発射 トランプ氏の訪韓控え

2025年10月29日午後 12:16

北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は29日、同国が28日に朝鮮半島西側の海上で巡航ミサイルの発射実験を行ったと伝えた。

ロイターより

北朝鮮側はミサイルを発射して歓迎の意を示した(皮肉)が、トランプ氏は意に介さなかったようだ。

トランプ氏、訪韓中の米朝首脳会談見送り表明 「日程合わず」

2025年10月29日 14:31 (2025年10月29日 16:35更新)

トランプ米大統領は30日までを予定する韓国訪問にあわせた北朝鮮の金正恩総書記との会談を見送ると表明した。「私は金正恩をよく知っている。とても仲がいい。しかし本当に日程が合わなかった」と表明した。

日本経済新聞より

「日程が合わなかった」とは便利な言葉だが、実際には“関わりたくなかった”と見るべきだろう。

おそらくこれは、トランプ氏なりの外交的距離の取り方、つまり駆け引きの一環だ。

トランプ氏が月内に予定されているアジア歴訪で金氏と会談する可能性は依然として低いものの、李氏はその実現に期待を寄せた。

トランプ氏はまた来週、韓国・慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席し、中国の習近平国家主席とも会談する予定だ。

CNNより

トランプ氏のAPEC不参加説もあったが、習近平との会談が控えている以上、さすがにそれはないだろう。

関税交渉は結局どうなったのか

報道上は「成果あり」とされる米韓会談だが、中身を見れば不安要素が少なくない。

自動車関税引き下げで合意するも実施時期未定、半導体関税は未確定のまま 韓米首脳会談

記事入力 : 2025/10/30 10:20

韓米両国が29日、関税交渉でが劇的に合意に達し、韓国産業界にとっては対米輸出で最大の悪材料が解消された。対米輸出の3分の1を占める自動車・自動車部品の関税が下がり、医薬品への追加関税に関する不透明性が解消したためだ。ただ、半導体関税を日本や欧州連合(EU)並みの最大15%に確定できなかったほか、鉄鋼関税引き下げに対する言及がなかった。

朝鮮日報より

韓国大統領の李在明氏(ミョンミョン)、王冠まで大放出して歓待した結果、自動車・自動車部品の関税に関しては「15%に」という言質をとれたようだ。

正直、事前情報では「妥結不可能」という話だったので、そのギャップで評価は高いみたい。

今回の交渉妥結の最も大きな成果は、自動車・自動車部品の関税(25%)が日本・EUと同じ15%に引き下げられる点だ。自動車・自動車部品は昨年の韓国による対米輸出の3分の1を占める最大輸出品目だ。

~~略~~

こうした状況でも価格競争力を維持するために販売価格を値上げできず、その影響で第2四半期(4~6月)の現代自動車・起亜の営業利益は合計で1兆6000億ウォン(約1700億円)減少した。

自動車・自動車部品の関税がいつから引き下げられるか正確な時期はまだ不明だ。

朝鮮日報「自動車関税引き下げで合意するも実施時期未定~」より

しかし、ミョンミョンは開始時期を決定できるところまでは踏み込めなかったようで、いつから15%になるのかも不明というのが現状である。

この状況、8月の米韓関税交渉とほぼ一緒。

半導体や鉄鋼に関しては交渉すら出来なかったようだけれど。

直接投資が決定

もう一つ気になることがある。

米韓貿易交渉が合意 車関税15%、巨額投資で

2025年10月29日22時03分

韓国大統領府は29日、慶州で開かれたトランプ米大統領と李在明大統領の首脳会談を受け、関税と対米投資を巡る交渉が合意に達したと発表した。米国は、韓国製自動車への関税を日本車と同水準の15%に引き下げる方針を示した。一方、韓国は約束していた総額3500億ドル(約53兆円)の対米投資のうち、年間200億ドルを上限に計2000億ドルを現金で直接投資する。

時事通信より

総額3,500億ドルの対米投資に関して、年間200億ドルを上限に計2,000億ドル「現金で直接投資」と約束しちゃったんだよね。

えぇ、大丈夫なの?

対米投資年間200億ドルというのは民間企業主体の投資のようなんだけど(詳細不明)、韓国の民間企業って対米貿易で利益をあげてきたような会社ばかりなんだよね。アメリカで作ってアメリカで売る。そりゃ良いと思うけど、韓国経済には利益をもたらさないばかりか、マイナス面の方が多いような。

(注:民間投資でない可能性が示唆されている(外貨準備が対外債務で対応する可能性アリ)ので、MO出たらまた記事にします

そもそも韓国経済を支える企業は財閥主体。そして、政府から巨大な利権、例えば税制優遇だとか法制度の緩和だとか様々な利益供与を受けてきて、産業競争力を高めてきた背景がある。

その恩恵が届きにくいアメリカで果たして利益が生み出せるのか?

まとめ

というわけで、今回の米韓首脳会談は、報道だけ見れば「外交的勝利」と映る。

しかし実態は、「王冠を被せて歓待した挙げ句、巨額の出費を約束させられた」という構図にも見える。 金色に輝く王冠の裏では、韓国経済の財布がすっかり軽くなっているのかもしれない。

追記

早速、Money1さまのところでネタになっていたな。

【和訳全文】米国ホワイトハウス「FactSheet」⇒ 韓国からこれだけむしった――という内容。
2025年10月29日、アメリカ合衆国のホワイトハウスが「韓国がこのような対米投資を行う」とのFact Sheet(ファクトシート)を出しました。以下に全文和訳します。ファクトシート:ドナルド・J・トランプ大統領、韓国国賓訪問でさらに数十億...

丁寧に全文和訳されているので、一読されると良いと思う。

韓国・現金2,000億ドル対米投資、造船1,500億ドルで対米交渉妥結――と公表。⇒ これは資金調達が無理スジなのでは
驚きの公表がありました。2025年10月29日、韓国の金容範(キム·ヨンボム)大統領室政策室長は、暗礁に乗り上げていた米韓関税交渉について、「超格差K-APEC」の舞台となっている慶州APECメディアセンターで記者ブリーフィングを開催。「現...

こちらの解説も非常に参考になるね。

なんというか、ご愁傷様?

追記2

ちょっと面白かったのは、トランプ氏が空港に降り立った時に不機嫌だった理由だ。

韓国、トランプ氏に最高勲章授与 金冠の模型も贈呈

2025年10月29日午後 4:26

韓国大統領府は29日、同国に到着したトランプ米大統領に古代新羅の金冠の模型を贈呈するとともに、韓国の最高勲章「無窮花大勲章」を授与したことを明らかにした。

トランプ氏が朝鮮半島の「平和の立役者」としての役割を果たしたことを評価した。

米大統領専用機(エアフォース・ワン)は、米韓の戦闘機に護衛されて着陸。駐機場では韓国の軍楽隊が「YMCA」を演奏し、礼砲が撃たれた。

ロイターより

大統領専用機から降り立つトランプ氏、なにやら不機嫌な顔でレットカーペットの上を歩いている様子が動画で公開されているのだが、その理由は憶測になってしまうがこの軍楽隊にあった模様。

どういうことかというと、「YMCA」の演奏が問題だったようで。この「YMCA」は政治集会でトランプ氏が退場する時に使う定番曲のようなのだ。

来て早々に退場しろというメッセージを送ったことになるわけで、そりゃ変な顔くらいするだろう。王冠のことといい、不思議なことをやる国だな。

また、特別首脳晩餐会の会場もおかしな場所でやられたようで。ヒルトン慶州のグランドボールルーム(大宴会場での開催)で行われたとのことで、場所そのものはそれほどおかしな点はないのだけれど、晩餐会の出席者は8人。

円卓を囲むように食事をしたんだけど、これがまた広い宴会場の中にポツンと用意された離れ小島のような状態だったとのこと。

落ち着いて食事が出来たかどうかは、微妙である。

コメント

  1. dake より:

    木霊さんの指摘の通り、MOUの中味次第で見方も実際も変わってきそうです。
    トランプ政権としては、韓国側による現金投資の年間”上限”の200億ドルについて、実際”いくら出すのか?”が関心部分でしょう。
    韓国側としては、政府が金欠(税収不足)なので、韓国企業に対米現金投資の大部分を負担させたいでしょう。しかし韓国企業としては、米国主導の事業で収益構造の目処も経たないところに、一方的に経済負担ばかり負わされ、結果貧乏くじを引かされては堪らないですね。
    対米現金投資2000億ドルは、政府と民間が調整し合わないと、巨大な投資自体が不良債権化してしまうかも。なんだか、韓国側の出しっぱにしかみえない危険な罠のような気が..まぁ、いいかw

    • 木霊 木霊 より:

      韓国の国内でも、「よくやった」と評価する層と「あれって不味くない」と懐疑的に見る層がいて、ちょっと分からないというのが現時点の感想です。
      ただ、企業からお金を引き出すのは厳しいでしょうから、ある程度韓国政府が債務を積み上げることになるのは確実で、現状では外国に持っている資産の利回りでなんとかなりそうだという反応ではあるんですが、それは現時点での話。将来的にどうなの?も含めてかなり怪しい。
      不良債権化を恐れたのか、アメリカは「現金投資」に拘ったのも面白いですね。

  2. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    王冠と言い、宴会場と言い……
    つくづく「センスねぇなぁ」なんですよね。
    ※王冠、レプリカだそうですが、細工が縁日の板金のお面じゃないですか……その王冠、遺体に被せるヤツなんですって?

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      センスないですよねぇ。
      まあそれが韓国らしさではあるんですが。

    • ken より:

      ほとんど、神経逆撫で状態ではないでしょうかw 振り切れた独善性と言うか、かの国の国民性なのでしょうね。