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【韓国】昨年の務安空港事故機のエンジンにトラブルがあったことが判明

大韓民国ニュース
この記事は約4分で読めます。

事故発生から、まもなく1年。ここに来て新事実である。

[単独]務安空港事故機、昨年エンジン部品のみ8回交換

2025.10.14 11:01

昨年12月、全南務安空港で179人の死亡事故を起こした済州航空旅客機が、その年だけ故障などでエンジン部品を8回交換したことが確認された。また、事故機エンジンと同じ種類のエンジン(CFM56)が2023年、ドイツの有力航空機エンジンメーカーで「製造欠陥」の判断を受けたことが分かった。

朝鮮日報より

ただし、この報道の狙いは、「実はエンジンのせい(他責思考)」なんだよね。実に浅ましい。

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エンジントラブルが複数回確認されていた

「痛ましい事故」以下

さて、先ずは事故の振り返りから。

事故発生は2024年12月29日午前、韓国の務安空港で胴体着陸した航空機が、空港設備である計器着陸装置(ローカライザー)に衝突して炎上。179人の死者を出した。

改めてご冥福をお祈りしたい。

衝突した構造物は、こんな感じのシロモノだった。

旅客機との衝突で破損したローカライザー。[写真 聯合ニュース]

写真の奥側に見えているのが別施設、手前が航空機が衝突して破壊されたローカライザーである。

空港の滑走路の延長線上にこんなものがあったこと自体が問題で、機体の問題というのは当時は特に言及されていなかった。

事故当時のタイムライン

さて、事故当時の状況を整理すると、こんな感じになっている。

  • 08:54 滑走路01方向で着陸許可を要請
  • 08:57 管制塔から「バードストライクに注意」
  • 08:58 最終データ送信(Flightradar24)
  • 08:59 メーデー
  • 09:00 ゴーアラウンド後、再接近
  • 09:01 滑走路19方向へ着陸許可要請
  • 09:02 胴体着陸
  • 09:03 ローカライザーのコンクリ塊に衝突、炎上

航空機事故としては珍しく、左右のエンジン双方が破損し、胴体着陸を余儀なくされた事故であった。

当時は「バードストライク」が主因とされていたが、今回の報道はこれを覆す可能性がある。

航空機部品の故障は運行環境などによってしばしば起こるが、問題は昨年だけ故障が8回発生しただけでなく、すべての故障が右エンジンで現れたという点だ。昨年、武安空港事故直後、国土交通部航空鉄道事故調査委員会(査察委)調査でも両エンジンのうち右エンジンが深刻な損傷を受けたことが明らかになった。

朝鮮日報「務安空港事故機~」より

この辺りから議論誘導の気配が。

短期間で不具合多数の右エンジン → それでも交換せず

この事故のトリガーとなったのは、右エンジンの損傷なのだが、左エンジンもバードストライクで停止している

13日、国会国土交通委員会のキム・ウネ議員(国民の力)が国土交通部から受け取った「務安事故機(HL8088)エンジン点検記録」によると、この旅客機は2023~2024年に10回の故障、損傷、異常メッセージ現象が発生し、10回にわたり部品を交換した。故障内容には着陸時の推力を制御する電子エンジン制御装置(EEC)などの核心装置も含まれていた。

朝鮮日報「務安空港事故機~」より

で、問題の右エンジン。

どうやら短期間で複数回故障していたという点がクローズアップされたのだが、短期間で複数回の故障が起きたなら、交換して然るべきでは?

なのに、そうしなかった。そこが本質である。

フランス製エンジン論法はズレている

事故を起こしたエンジンをフランスに送って分析しているが、「欠陥なし」という中間結論も出ている。

このエンジンは米国とフランスの合弁会社であるCFMIが製造したものである。しかし、サジョウィは今年初め、問題のエンジンをフランスに送り分析した後、エンジン欠陥はないという中間結論を出した。

朝鮮日報「務安空港事故機~」より

また、同型機で別の機体トラブルを持ち出して、この型式のエンジンが問題と言い始めているが、それも違う。

また去る2022年11月、済州航空機(HL8303)が日本関西を出発して済州島に向かうエンジン欠陥で回航する事故があったが、この航空機エンジンと無安空港事故機エンジンは同じ種類だった。

朝鮮日報「務安空港事故機~」より

同型エンジンの追加調査自体は当然だが、論調として「外国製エンジンが駄目なんだ」というのは違うんだよね。

まとめ

冒頭に紹介したように、韓国メディアは「事故機エンジンと同じ種類のエンジン(CFM56)が2023年、ドイツの有力航空機エンジンメーカーで「製造欠陥」の判断を受けたことが分かった」と、エンジンに問題があったことを強調したが、事の本質はそこじゃない。

  • バードストライク対策を怠っていた空港の責任
  • ローカライザーをコンクリで補強してしまった空港の責任
  • 複数回トラブルを生じているエンジンをそのまま使い続けた航空会社の責任

この3点を脇へ追いやって「エンジンが問題だった」と言い出すのは本末転倒である。

コメント

  1. 軍事オタクより より:

    どうしてもジェットエンジンのせいにしたいのでしょうね
    自分は悪くないって言いたいのでしょうね
    そんな事ではなくなられた方々が浮かばられないでしょうね。エンジンもメンテナンスもしっかりしてなさそうですし
    非破壊検査関係の仕事してたからわかるですが
    タービンもかなり細かい検査が必要ですし