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防衛装備品輸出見直しと防空ミサイル

安全保障
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朗報なのだろうか?

【独自】防空ミサイル輸出検討へ 政府、フィリピンと非公式協議

11/30(日) 21:00配信

政府が、自衛隊の防空ミサイル「03式中距離地対空誘導弾」(中SAM)の輸出に関し、フィリピンと非公式に協議していることが分かった。

Yahoo!NEWSより

未だ輸出できるところに漕ぎ着けたわけではないので注意深く見ていきたいが、実現できれば快挙だろう。

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輸出ルールの見直しが急務

装備品の輸出

防空ミサイルの輸出という記事になっているが、ミサイルだけというわけではあるまい。おそらくは防空防衛システム込みで検討されていると考えられる。

高市政権は防衛装備品輸出を非戦闘目的の5類型に限る現行ルールを来年前半にも撤廃する方針で、正式決定後、速やかに輸出に向けて具体的な検討に入る。複数の関係者が30日、明らかにした。防衛装備品輸出に前のめりな政権の姿勢が鮮明になった。

Yahoo!NEWS「防空ミサイル輸出検討へ~」より

先ずは、「03式中距離地対空誘導弾」(中SAM)について。

一般人にも分かりやすい名称で名前を付けて欲しい。僕は、このニュースを読んで「ミサイルを売るのか」と勘違いしたのだが、どうやら違うらしい。

「03式中距離地対空誘導弾」システムは、複数の車両で構成される。

  1. 捜索兼射撃用レーダー装置車: 目標の捜索・追尾を行う車両。
  2. 射撃統制装置車: レーダーからの情報に基づき、目標の識別、迎撃計算、発射の指示を行うシステムの中核車両。
  3. 発射装置車: 誘導弾(ミサイル)を搭載し、実際に発射を行う車両。
  4. 電源車通信中継車など、システム運用を支援する車両。

うんまあ、分かりにくいけどそういうことなんだよ。「地対空誘導弾」という名前だけど、防空防衛システムの名前なんだよね、これ。

特殊な命名ルール

ちょっと話は脱線するが、日本は強襲揚陸艦も駆逐艦もフリゲートも全て「護衛艦」という名称で統一されている。誰がどう見ても駆逐艦であり強襲揚陸艦か軽空母(ヘリ空母)なんだけど、日本特有の事情によって護衛艦ということになっている。

この他にも、階級の話はあるんだけど、コレに関しては見直しが進んだという記事を紹介した。

こうした特殊な名称を一般的な名称に見直そうという動きは歓迎したい。国際的に見て、明らかにおかしいのだ。

例えば、F2戦闘機は「支援戦闘機」という名前が付けられているが、どう見ても対艦攻撃機である。いわゆる「自衛隊用語」と呼ばれるものだが、そもそも自衛隊の名称自体が「軍隊ではない」という意味不明の建前の上に成り立っている。

つまり、憲法9条が全て悪いのである。

そして、こうした流れを非常に嫌がっているのが、時事通信や共同通信社である。

まあ、左派全般が反対していて、この流れを支援しているのが支那である。

フィリピンが欲しがる理由

さて、輸出先としてフィリピンが有力視されているわけだが、フィリピン軍は実はスパイダーと呼ばれるイスラエル製の地対空ミサイルシステムを配備しようとしている。

中国が軍備増強する中、フィリピンが防空を強化するSPYDERシステムを配備

10月 5, 2022

アナリストによると、フィリピンはSPYDER地対空ミサイル駆動型システムを配備することで、防空力の大幅な強化につながる。3基のミサイル発射機のうち最初の1基が2022年後半までに到着する予定だ。 現在、フィリピン政府はシミュレータ施設でSPYDERシステムを操作する人員を訓練しており、バッテリーを打ち上げるためのインフラを構築中だ。

FORUMより

それなりに優秀なシステムのようだが、短距離および中距離をカバーするシステムで、そのカバー空域は限定的。

運用するミサイル、パイソン5は射程20km程度。ダービーが射程50km程度と言われている。

「03式中距離地対空誘導弾」は射程60km以上ということになっているので、性能は似ている。SPYDER持っていれば、問題ないんじゃないの?と思わなくもないのだが、どうやらこれ、先に買ったレーダーとの関係がありそうだ。

防空レーダー5基追加へ、フィリピン空軍「日本から調達も」 F2戦闘機の譲渡にも期待

2025/6/24 20:21

フィリピン空軍のコーデュラ司令官は24日、自国領空を守るためには、日本から購入契約済みの防空レーダー4基に加え、少なくとも5基が必要だとし「日本から調達する可能性がある」と述べた。マニラの空軍基地で共同通信の取材に答えた。中国軍が南シナ海への進出を強める中、フィリピンは防空体制の整備を急いでいる。

産経新聞より

上に紹介したように、03式中距離地対空誘導弾にはレーダー装置も含まれるのだが、そのレーダーとこの防空レーダーは連動できるようだ。つまり、複数のレーダーを用いたエリア防御を可能とするのである。

なお、03式中距離地対空誘導弾の能力向上型jには、弾道ミサイルを迎撃する機能があるらしく、この辺りも含めて評価して取得を進めるつもりなんだろう。

まとめ

とはいえ、この話は今に始まったことでもなく、2020年頃から噂はあったのだ。ただ、これまでは防衛輸出品に関する「非戦闘目的の5類型に限る」というバカバカしいルールがあったが、コレが撤廃される流れだというのが象徴的な話となっている。

東京新聞辺りは「死の商人ガー!」と言って騒ぎそうだけど、もうそういう時代ではない。

与那国島に配備する時にも随分と騒いだけれど、これは防空防衛装備なので騒ぐような話ではない。要は領空侵犯しなければ良いのだから。

コメント

  1. 軍事オタクより より:

    左曲がり方とか左翼通信社は当然騒ぐでしょうね
    防空システムを売って何か問題でもあるんでしょうね
    領空侵犯しなければ何も問題無いですね
    国会にも市民団体がデモもあるでしょうね

    • 木霊 木霊 より:

      騒ぎそうですね、各方面で。
      ただ、随分とそういった方々の主張の正当性が疑われるようになったようなので。