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韓国司法を破壊する法案が続々登場

大韓民国ニュース
この記事は約5分で読めます。

通った!韓国で「司法は権力の道具にできる」という前提の制度改変が一気に進んでいる。

【社説】「三権分立消えるだろう」という韓国裁判所の警告(1)

2025.12.07 10:15

韓国与党「共に民主党」が3日夜に国会法制司法委員会で内乱専従裁判所設置法案と法歪曲罪を新設する刑法改正案を通過させた。両法案は単純な政治争点を超え司法の独立と存在理由を揺るがしかねない事案だ。

中央日報より

年内に通すとのことだったので、まあ何というか、当然かもしれないのだけども、このスピード感よ。

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司法制度の崩壊懸念

法歪曲罪を新設する刑法改正案が通過

何が通ったかというと、法歪曲罪である。

こちらで説明しているが、韓国司法を揺るがす可能性があるのが「法歪曲罪」で、具体的には以下の点が問題だと見られている。

  • 裁判において、判事・検事と捜査機関従事者が意図的に法を誤って適用したり事実関係を顕著に間違って判断した時に10年以下の懲役に処す趣旨
  • 前述の判断をするのは大法院長だとされているが、大法院長の人事権は政府が握っているので事実上司法は立法府にコントロールされることに

裁判をしたら裁判官が有罪になる可能性がある国家!というのは、衝撃である。自らの利益のために判決を歪めたように見える不当判決は日本でも見かけることがあるし、そのような事態は防がれるべきではあるが……。それにしたって、判決次第で有罪になるというのはちょっと意味が分からない。

これがK-民主主義か。

内乱専従裁判所設置法案も通過

もう1つ通過した法案があって、それが特別裁判所の設置に関しする法案で、内乱罪を専門に判断する裁判所らしい。

法政司法委を通過した法案を見ると、内乱専従裁判所推薦委員9人のうち3人ずつを憲法裁判所と法務部、判事会議が推薦する。法務部長官が裁判所の人選に影響力を行使する構造は千処長の懸念のように「捜査権と行政権が司法権の中に入ってくるもの」だ。さらに憲法裁判所の推薦は該当法の違憲審判を引き受けるかもしれない憲法裁判所が裁判所構成段階から「選手兼審判」になる矛盾を抱える。ここに民主党は、内乱外患事件に対しては違憲法律審判が推挙されたとしても裁判をそのまま進め、憲法裁判所は推挙後1カ月以内に結論を出さなければならないという憲裁法改正案まで発議した。

中央日報「三権分立消えるだろう」より

これはちょっと分かりにくい話なのだが、そもそも特別裁判所の設置というのは慎重に行うべき話である。

特別裁判所は、司法の独立を壊すからこそ日本では明確に禁止されている。

日本では、憲法で特別裁判所の設置で認めておらず、それが軍事法廷の設置の妨げになっている。韓国の場合、憲法裁判所という違憲性を専門に調査する裁判所の設置は許容されているけれど、更に別に目的を持った裁判所を置いて良いのか?という話になってしまう。

何故、特別裁判所の設置を制限しているのか?ということなのだけれど、例えば日本の戦前において軍法会議が設置されていて、この軍法会議は軍人を裁くという特殊性から裁判官ではなくて軍人による判断が行われていた。軍人だけが特別に扱われるとあっては、法の下の平等や基本的人権の保障という観点から逸脱する。従って、司法の独立性を担保する為にも特別裁判所の設置は「してはならない」という規定が置かれているのである。

今回の内乱専従裁判所の設置に関しても、特殊な判断をさせるために「推薦委員9人のうち3人ずつを憲法裁判所と法務部、判事会議が推薦する」という構成になっていて、司法の外からの干渉があることが示唆される。

そもそも三権分立を維持する理由は、統治側の都合が良いように裁判を動かさせないためである。モンテスキューが草葉の陰で泣いているぞ。

共に民主党が急ぐ理由

こういった司法の弱体化を韓国与党である共に民主党が急ぐ理由は、報道内容などから判断して以下の理由があるとされている。

  • 前大統領のユンユン(尹錫悦氏)の裁判が始まっているが、なんとしても有罪にしたい
  • 元大統領のムン君(文在寅氏)関連捜査が始まっていて有罪になる可能性が高い
  • 現大統領のミョンミョン(李在明氏)が前科4犯、首相の金民錫氏が前科3犯、国会法制司法委員会の委員長の鄭清来氏は前科3犯で懲役5年6カ月の実刑判決を受けた人物であるオールスター内閣である。ミョンミョンに至っては12の容疑で5つの裁判に継続中なので、大統領任期後に犯罪者になる可能性が高い。こうした司法判断を歪める目的がある

……列挙してアレだが、もうあまりに理由が酷い。

つまり、自己保身目的で司法を歪め、与党が過半数を握っている間に変革したいと考えているのである。

既に歪んでいるが

なお、現状の韓国司法が歪んでいないという意味ではない。

多くの方がご存じの通り、韓国は「情治国家」或いはOINKと揶揄されるような国家であり、司法判断が政権与党や国民の感情に左右された結果になりがちであるという実情がある。

その理由は、任命権がすでに大統領・国会に偏ってる状態であるから、というもの。これは司法人事が政治任命に大きく依存しているという制度的欠陥があるからに他ならない。韓国では「積弊精算」といって、前政権の全てを否定して自己正当性を高める悪習がある。それが司法人事にも反映されるのだ。

ここから更に「法歪曲罪」や「内乱専従裁判所設置」などが進むと、政権与党の機嫌を伺いながら司法判断するという傾向が強くなる。

例えば、判決が政権側の意向と違えば「法歪曲」で懲役。デモやストライキが発生した場合に、捜査側が「内乱」と認定すれば、特別裁判所案件になって権力に反する行動を起こした者として処遇されてしまうというようなケースが考えられる。

つまり、真っ当な司法判断が行われない状態が更に加速する可能性が高く、一党独裁の懸念が高まるといったことになる。

まとめ

韓国司法のあり方に関しては、隣国としては眺めているしかない状況ではあるが、韓国民にとって必要な制度かどうかを丁寧に議論すべき重大な内容である。拙速に、与党の都合だけで決めて良いような内容ではないのだ。

スピード感をもってこれらの法律が施行されれば、韓国社会への国際的な評価もまた失墜してしまう懸念すらある。

外資の投資判断にも影響するため、国内政治だけの話では済まない。

その危険性に共に民主党は気が付いているのだろうか?

コメント

  1. 軍事オタクより より:

    政党が変わったらどうなる事やらですね
    政治で裁判が変わるのなら
    日本にも手のひらクルクル返しですね
    政府の都合の悪い事は無しにするでしょうね