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軍事的圧力を強める支那とロシア

安全保障
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今年最後の記事は、こちらのニュースをチョイスした。

振り返ってみると、今年一年は台湾を巡る国際情勢が、静かに、しかし確実に悪化した一年だった。 「演習」という名目の軍事行動が常態化し、緊張はもはや一過性のものではない。

中国軍が台湾包囲演習 「独立・外部勢力に警告」―実弾射撃も実施へ

2025年12月29日12時31分

中国軍で台湾方面を管轄する東部戦区は29日、台湾を取り囲み、同日から軍事演習を行うと発表した。「台湾独立勢力と外部の介入勢力に対する強い警告」と主張しており、米国の台湾支援だけでなく、高市早苗首相の台湾有事発言を意識している可能性がある。台湾包囲の演習は今年4月以来。

時事通信より

しかも厄介なのは、こうした動きが支那単独ではなく、ロシアとも連動する形で現れている点だ。 日本を取り巻く安全保障環境は、明らかに質的な変化を迎えている。

来年は、これまで以上に慎重で、かつ曖昧さを排した対応が求められるだろう。

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目には目を

軍事的威圧行動の予定

台湾有事に近づいた印象は強いんだけど、ネーミングセンスがなぁ。

演習名は「正義使命―2025」。陸海空軍と、核ミサイルを扱うロケット軍が参加し、台湾海峡に加え、台湾本島の北部、南西部、南東部、東部の沖合で行う。港湾封鎖などの訓練を展開する。

時事通信「中国軍が台湾包囲演習~」より

……ナンだよ、「正義使命」って。

ネーミングセンスはさておき、台湾に対する嫌がらせは来年も続行するつもりのようだ。

演習と言うより、もはや軍事力行使による威圧行動である。国際社会的にこういうのを許して良いのか?という気がするが、こういギリギリの線を攻めてくるのが支那のサラミスライス戦法なので、対処がしにくい。

対抗するには、同じ海域で日米台の共同軍事演習をやるしかなかろう。

ロシアも軍事演習

なお、日本はこの他にも懸念事項がある。コメントにも頂いたが、ロシアが軍事演習をやるつもりらしいのだ。

<独自>ロシア、北方領土で来年元日から2カ月間の軍事演習を通告 日本政府は動向注視

2025/12/28 16:16

ロシアが、不法占拠している北方領土周辺で、来年元日から新たな軍事演習を行うと通告したことが28日、日本政府関係者への取材で分かった。ロシアは今年、北方領土周辺での演習を相次いで通告し、日本を含む各国船舶の「無害通航権」を一方的に停止した。軍事活動を活発化させるロシア側に対し、日本政府は外交ルートで厳重に抗議し、動向を注視する。

産経新聞より

こちらの方は割と定期的に行われていて、今更という部分はある。が、台湾情勢が緊迫する一方でロシアにも気を配らなければならない二正面作戦というのは、日本にとってはなかなか荷が重い。

戦争中のロシアが、2ヶ月の海上作戦を展開できる。なかなか驚くべきことなんだけど、これ、多分だが、支那からの資金供与があるのではないかと。日本に対する負荷をかける意味では、支那に利が大きいこの作戦。当然、何らかの利益供与があったと見て然るべきだろう。証拠は残念ながら用意できないが。

軍事演習で対抗

この様な状況で、日本としても静観を決め込むのは「何も対処できない」というメッセージを出すに等しい。

先日、日本を騒がしたこの事件。

支那空母「遼寧」から発艦したJ-15が、日本のF-15に対してロックオンをして追い回したという非常識な事件で、この後の遼寧はこんな航路をとった。

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何故、作戦半ばで帰ったのか?というと、後日にその理由が発覚する。

米国原子力空母の本邦寄港に係る通報について

2025年12月10日

令和7年12月10日、外務省から以下のとおり通報がありましたので、お知らせします。

1.艦名 : ジョージ・ワシントン

2.寄港地 : 横須賀

3.目的 : 休養・補給・維持

横須賀市のサイトより

米海軍所属の空母「ジョージ・ワシントン」が横須賀に寄港したのである。

空母ジョージ・ワシントンの入港について

ジョージ・ワシントンは、令和7年10月18日に入港して10月30日に出港しているので、たまたまこのタイミングで帰ってきたという可能性もあるが……。

海自と米海軍が共同訓練、空母ジョージ・ワシントンが参加

2025年12月12日午後 4:49

防衛省は12日、海上自衛隊と米海軍が関東南方の海域で共同訓練を実施したと発表した。海自から護衛艦あかづき、米海軍から空母ジョージ・ワシントンと駆逐艦デューイが参加し、8─11日に戦術訓練を行った。

ロイターより

日米が共同飛行訓練、10日に日本海で 米軍のB52爆撃機参加

2025年12月12日午前 7:48

防衛省統合幕僚監部は11日、自衛隊と米軍が日本海上の空域で10日に共同訓練を実施したと発表した。米軍からは核兵器の搭載が可能なB52戦略爆撃機2機、自衛隊からはF35戦闘機とF15戦闘機が3機ずつ参加した。

ロイターより

タイミング的には演習をやって見せたら、空母「遼寧」がすごすごと帰って行ったという見方をする方が正しそうである。その任務が終わって空母「ジョージ・ワシントン」が寄港したという。

つまり、支那やロシアに対抗してみせるためには、軍事演習を「やれる」という意思を示すだけでなく、実際にやってみせることが有効だということだ。

抑止とは言葉ではなく、行動の積み重ねで成立する。空母や爆撃機が動いた瞬間に態度を変えた事実は、その何よりの証左だろう。

台湾有事は日本有事

さて、最後に、「台湾有事」が「日本有事になるのか?という点。

対日攻勢激化の中国が「台湾侵攻を断念し、尖閣諸島に侵攻も」 中国専門家が懸念

12/27(土) 13:01

中国情勢に詳しい講談社特別編集委員の近藤大介氏が27日、ABCテレビの生情報番組「教えて!ニュースライブ 正義のミカタ」(土曜午前9時30分)に出演。年末スペシャル「国宝級に怖怖怖わい!万国“大問題”博覧会2025」と題して、各分野の専門家が解説した。

Yahooニュースより

この記事は支那の内情に詳しい近藤大介氏の発言を取り上げたものだが、この見方にはあまり賛同できない。

習近平氏が台湾侵攻を諦めるとは思えないのだ。

そうすると、尖閣諸島を攻めたところでたいした意味はなく、あくまで台湾等を狙いたいと拘ると思っている。

しかし、そうであっても結果はあまり変わらない。台湾は尖閣諸島の領有権を主張する国家の1つなので、台湾侵攻は尖閣諸島侵略と同じ意味である。また、戦略的にも台湾島を囲むためには前線基地として尖閣諸島を抑えることは必須。

どうあっても、尖閣に侵略の手が及ぶことは避けられないのである。

そして、台湾有事が発生した段階で、台湾海峡が封鎖されてしまう可能性が高く、日本のシーレーンが寸断されることになる。どっちにしても、碌なことにはならない。

まとめ

今年一年、台湾を巡る軍事的緊張は確実に高まり、日本の安全保障環境も一段厳しさを増した。支那の「演習」という名の威圧行動と、それに呼応するかのようなロシアの動きは、偶然とは考えにくい。

こうした状況下で、日本が静観を決め込めば、「抑止する意思も能力もない」という誤ったメッセージを発信することになる。

それは最も避けるべき事態だ。

来年は、日米同盟を軸に、必要であれば演習という形で明確に意思を示していく必要があるだろう。慎重さは必要だが、曖昧さは不要だ。

支那の「演習」という名の軍事的威圧行動を、これ以上既成事実化させてはならない。

そして皆様、今年もこのブログにお付き合いいただきありがとうございました。良いお年を!

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