時事通信のデマが始まったな。
【速報】中国政府がレアアースの対日輸出規制を強化したことが分かった
2026年01月09日22時05分
中国政府がレアアースの対日輸出規制を強化したことが分かった。
時事通信より
「速報」って書けば、裏取りが甘くても許されるとでも思っているのだろうか。
本日は、支那による輸出規制の公式発表と、レアアース規制を巡る報道の実態、そして政府の対応について整理していく。
リスク管理はしっかりしている
規制強化されたかも!
さて、「デマ」と決めつけた根拠について簡単に説明しよう。この速報記事には、次の記事へのリンクが貼られている。
中国、対日レアアース輸出規制強化 レアメタルも制限か
2026年01月09日22時34分
中国政府がレアアース(希土類)の対日輸出規制を強化したことが9日、分かった。一部のレアアースについて、日本を仕向け地とする輸出が難しくなっているという。レアメタル(希少金属)について輸出制限が講じられたとの情報もある。
日本の鉱物関連企業によると、レアアースの対日輸出に際し、中国側で、詳しい輸出経路を確認されるようになったという。「(中国政府の)審査が動いていない」との声も漏れた。
時事通信より
この記事を読むと、「レアアースの対日輸出に際し、支那側で詳しい輸出経路を確認されるようになった」と説明されている。
これ自体も誤解を招きやすい書き方だが、少なくとも速報で示された「規制強化が行われた」という断定的表現とは明確にトーンが異なる。
「規制強化がされた」と書いてあると、直ぐにでも「レアアースの輸出が止まる」という印象を受ける。しかし、本文を素直に読めば、「審査が厳しくなった可能性がある」程度の話にすぎない。
その情報に追加して、「審査が動いていない」という情報が付けられているが、これについても「声も漏れた」と書かれてある通り未確定情報である。
つまり、事実として認定して良いのは、「規制強化されたかも!」という空気が現場にあるよという程度なのだ。
公式発表では
では、これに関連する公式情報はどんなものだったかというと、こちら。
軍民両用品目の対日輸出規制強化、民生用途に影響せず=中国商務省
2026年1月8日午後 7:28
中国商務省の何亜東報道官は8日の定例会見で、6日に発表した軍民両用(デュアルユース)品目の対日輸出規制強化について、民生用途の輸出には影響しないと言明した。同規制強化は正当かつ理にかなっていると主張した。
ロイターより
支那当局が公式に示したのは、軍民両用品に関する規制強化であり、「民生用途には影響しない」という説明である。
同氏はレアアース(希土類)が今回の規制対象に含まれるかについて明言しなかった。商務省が日本向けレアアースの輸出許可をさらに厳格化するかどうかを検討しているとの国営メディア報道について問われても、コメントしなかった。
ロイター「軍民両用品目の対日輸出規制強化~」より
また、「レアアースが規制対象になるのか」という質問に対しては、コメントを控えたというのが事実関係だ。
時事通信は、この「コメントしなかった」という事実と、現場レベルでの雰囲気をつなぎ合わせ、「規制強化が行われた」と断定的に速報を打った。概ねデマだとしても、差し支えないだろう。
日本のメディアは大騒ぎ
この件について、経済産業大臣の赤沢氏の発言も確認しておく。
赤沢経産相「決して許容できない」 中国レアアース規制
2026年01月09日16時57分
赤沢亮正経済産業相は9日の閣議後記者会見で、中国による軍民両用品の対日輸出規制について「決して許容できず、極めて遺憾だ」と批判した。その上で、中国が以前から実施しているレアアース(希土類)規制の影響が世界各国に及んでいることも踏まえ、「米国を含む関係国と緊密に情報・意見交換しながら対応している」と説明した。
時事通信より
時事通信の記事だけを読むと、あたかも政府が強く反応しているかのような印象を受ける。しかし、ロイターの報道はかなり温度が違う。
中国の輸出規制強化、事実関係把握・分析し臨機応変に対応=赤沢経産相
2026年1月9日午後 12:31
赤沢亮正経済産業相は9日の閣議後会見で、中国が発表したデュアルユース(軍民両用品)の日本向け輸出管理の強化について「不明瞭な点が多く、事実関係を把握・分析し臨機応変に対応する」と述べた。
日本経済への影響は「精査中」とし「様々な観点から総合的に勘案のうえ、毅然かつ冷静に必要な対応を行う」とした。輸出管理の具体的な対象品目は現時点で分かっていないが「レアアースの供給について言うと、我が国経済がかなり大きな影響を受けることに間違いない。状況を注視している」とした。レアアース関連の規制は世界経済全体に影響を及ぼすため「米国を含む関係国とかなり緊密に情報交換・意見交換しながら対応している」と語った。
ロイターより
内容を見れば、「不明瞭な点が多いので事実関係を確認する」「冷静に対応する」という、ごく常識的な姿勢が読み取れる。
要するに、メディアが騒いでいるほど、政府は騒いでいない。
以下の各社報道を見ても、煽りのトーンが目立つ。



日本のメディアの温度感と、政府側の対応には明確な乖離がある。
レアアース対策は始まっている
試掘に動いている
さて、日本政府はこういった脅し、今回は支那当局の様子見的な雰囲気は強いが、動揺を狙う戦略を取ってくることは読んでいて、幾つか手を打っている。
1つは、レアアース資源が国内にあって、これの確保に動いているというニュース。こちらは即効性はないのだが、支那との駆け引きにおいてはかなり強いカードだと言える。
コストが掛かっても国内生産できるのと、海外から輸入するしか手がないのでは全く交渉の前提が違うからね。
もう1つはオーストラリアなど友好国からの輸入である。こちらも過去の記事で触れていて、輸入だけでなく資源開発も含めて既に着手している。
輸入も始まったね。
双日がオーストラリア産レアアース輸入、中国以外からは日本初…国内需要の3割調達目指す
2025/10/30 18:33
双日は30日、豪州産のレアアース(希土類)の輸入を開始したと発表した。レアアースの中でも希少性が高い「重希土類」に分離・精錬して日本に供給する。レアアースを中国に依存する日本で、中国以外から重希土類を輸入するのは初めて。将来的に国内総需要の3割程度の調達を目指す。
讀賣新聞より
全く心配がない、などと言うつもりはないが、「日本は何もしていない」という状況ではないという点は、最低限押さえておくべきだろう。
民間レベルでも
なお、冒頭で時事通信の迂闊な記事を論ったが、こんなニュースも報道しているんだよ。
中国輸出規制に警戒感 レアアースで備えも―産業界
2026年01月08日08時44分
産業界が、中国による軍民両用品の対日輸出規制強化の行方を注視している。規制の対象に、ハイテク産業にとって不可欠なレアアース(希土類)が含まれる可能性が現地で報じられており、警戒感が強い。中国からレアアース供給で政治的圧力をかけられたのは初めてではない。官民で調達先の多様化や備蓄の充実などの備えを進めてきたが、規制の対象となった場合、日本経済への打撃は不可避の情勢だ。
~~略~~
日本のレアアース輸入に占める中国の割合は当時9割だったが、官民で依存度低下に取り組み、24年には6割余りになった。住友金属鉱山は「既に一定の在庫・備蓄がある」と説明する。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)も備蓄を拡充してきた。
時事通信より
備蓄だけで「大丈夫だ」と言えるところまでは言えないが、それでも全くなくなって即日困るということでもない。
もちろん、記事にあるように完全禁輸や長期化するのなら大きな影響は避けられないが、一時的な混乱程度なら影響は軽微だ。備えがないというわけではないからね。
まとめ
おかしな報道に踊らされないようにしたいね。





コメント
15年前の日本の対応
中国以外からの輸入
レアアース使用量を千分の一に減らしてリサイクルが成り立つ技術が開発済み
レアアースを使用しない技術が開発済み
15年前の中国の状態
中国のレアアース先物市場が閉鎖
中国産未精錬レアアースの価格が重量当たり白菜よりも安くなる
輸出規制は2ヶ月で終了
フッ素汚染された水からフッ素を取り除く結晶が日本で開発・実用化されているので
フッ化水素原料として蛍石を中国から輸入せずに済みそう
そんな事もあろうかと、が抜けている
マスメディアは騒ぎ過ぎですね
レアアースさえ解決してしまえば中国の輸出規制なぞ怖くも何ともなくなるので、南鳥島沖の掘削が上手く商業化することを願うのみです
採掘、精製に関してはすでに民間企業のコンソーシアムが出来てるみたいですよ