自転車操業に陥った支那企業が、返済猶予を重ねたところで、本当に返済できるのだろうか。
中国万科、社債20億元巡りさらなる猶予延長要請=関係筋
2026年1月13日午後 6:18
中国の不動産大手、万科企業は先月15日に償還期限を迎えた社債20億元(2億9000万ドル)について、猶予期間をさらに90営業日延長することを求めていると関係筋が13日明らかにした。
ロイターより
万科企業の経営が回復局面に入っている兆しは、現時点で見当たらない。それにもかかわらず償還延長が認められたという事実は、債権者の「寛容さ」を通り越して、異様ですらある。
見えない時限爆弾の音
いつまでも待ちます?
今回はおよそ3か月の延長となったようだが、正直なところ「延ばしたところで」という感想しか出てこない。
社債権者によって承認された現在の猶予期間は5営業日から30営業日に延長されており、今月28日に終了する。新たに提案された猶予期間は4月29日までとなる。
同社は償還の1年延期も改めて求めている。
社債権者は万科の提案について今月21─26日に投票を行う。償還の1年延期案はこれまでに2回拒否している。
ロイター「中国万科、社債20億元巡り~」より
貸し手側は「短期の猶予なら応じるが、根本的な先送りは拒否する」というスタンスのようだ。ただ、延長自体にどれほどのメリットがあるのかは疑問が残る。
少なくとも「即時デフォルトよりはマシ」という、消極的な判断に過ぎないのだろう。
中国不動産開発の万科、当局の要請で債務再編準備-デフォルトに傾く
2026年1月9日
中国不動産開発大手の万科が当局の要請を受け、債務再編計画の準備を進めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。デフォルト(債務不履行)に一段と近づく動きだ。
Bloombergより
むしろ、この引き延ばしは悪手に近い。市場には「時間稼ぎしかできていない」というシグナルを、はっきり送ってしまうからだ。

既にドル建て債は急落し、資金繰りは一段と逼迫している。
デフォルトは既定路線
以上を踏まえると、今回の猶予があったとしても、債務不履行は時間の問題だ。
これとは別に、他の関係筋2人によると、金融アドバイザーのPJTパートナーズは13日午後にドル建て債保有者と電話会議を行い、万科が12月の当初満期日にオンショア債の支払いを行わなかったため、同社のデフォルト(債務不履行)を宣言することを検討するよう要請している。
ロイター「中国万科、社債20億元巡り~」より
既に議論は「返済できるかどうか」ではなく、「いつデフォルトするか」という段階に入っている。猶予を与えれば立て直せると、本気で信じている関係者はほとんどいないだろう。
それでも延命を図るのは、管理されたデフォルトに持ち込み、被害を限定したいという思惑があるからだろう。制御不能な破綻だけは避けたい、というわけである。
最悪のシナリオ
仮に制御不能な破綻に至れば、市場パニックや金融システム不安が一気に拡大する可能性がある。
当局が最も恐れているのは、銀行破綻を伴う連鎖崩壊だろう。
万科は、約500億ドル(約7兆8800億円)近い利払い負債を抱え、資金繰りが一段と逼迫。債務再編となれば中国で過去最大級となり、万科の筆頭株主で政府系の深圳市地鉄集団が万科を救済しない強いシグナルとなる。
~~略~~
万科は9日の取材に対し、コメントしなかった。万科の本社がある広東省深圳市の政府はコメントを求めるファクスに回答しなかった。広東省と中国の住宅当局、国務院新聞弁公室もファクスでのコメント要請に応じなかった。
Bloombergより
これまで万科を支えてきた政府系の深圳市地鉄集団も、事実上距離を置き始めている。ただし、同社自身も深刻な負債を抱えており、連鎖的なダメージを避けるために手を引いたという側面が強い。
持ち合いと不透明な支援で問題を覆い隠してきた体質が、いよいよ限界に達しつつある。事態は、明らかに一段階深刻さを増している。
結局のところ、支那全体が経済の延命措置を模索する局面にあり、その歪みがデフレスパイラルとして表面化しているのだ。
まとめ
いよいよ深刻な状況が露呈してきたが、この局面をどこまで引き延ばせるのだろうか。恐らく習近平氏が主席でいる間は延命が図られるのだろうが、彼にも任期があり、寿命もある。
一方で、日本政府は「いよいよ」の事態を想定した動きを見せているが、産業界の反応は鈍い。まるで砂に頭を突っ込んだダチョウのようだ。
日本国民も、衝撃に備えた個人レベルの防衛を考える必要があるのかもしれない。できることは限られているが、少なくとも「何も起きない」と思い込まない程度の心構えは持っておいた方が良いだろう。


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