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【追記】アメリカがイランを――ハメネイ氏死亡をイランが認める

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中東
この記事は約4分で読めます。

報道では「ハメネイ師」と表記することが多いが、僕にとっては尊敬する対象でもないので、ハメネイ氏と表記しているので悪しからず。

ハメネイ師死亡の報道、イラン首都で歓声と祝福の声 「イスラム共和国に死を」と唱える女性も

2026.03.01 Sun posted at 09:38 JST

イランの最高指導者ハメネイ師が死亡したとの報道を受け、首都テヘランの一部地域では28日夜、歓声や祝福の声が上がった。

CNNより

イラン当局も、ハメネイ氏の死亡を認めたとのことで、イラン政府は「偉大な指導者を失った」とのことのようだが、イラン国民の認識としては圧政者が居なくなったという受け止めも強いようだ。国内の温度差は小さくない。

中東問題の裏テーマとなっている支那経済

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イランと支那との関係

この記事は、先の記事の追記扱いである。

ただし、今回は中東紛争という扱いだけではなく、別の視点で今回の話を整理していく。

中国、米イスラエルによるイラン攻撃を受け即時停戦を要求

2026年3月1日

中国外務省報道官は2月28日(土)に発表した声明で、北京は今回の攻撃を「非常に懸念している」と述べ、緊張の悪化を防ぐため「軍事作戦の即時停止」を求めた。

中国はまた、地域の平和と安定を守るために対話と交渉への復帰が必要だと主張した。

~~略~~

中国とイランの関係は経済的に不均衡である。

戦略国際問題研究所によると、世界第2位の経済大国であるイランの貿易のおよそ3分の1を北京が占めている一方、イランは世界貿易の1%未満しか占めていない。

中国はまた、米国の制裁にもかかわらずイランの原油輸出の約90%を購入していると推定されているが、イランは理論上は中国が代替できるエネルギー供給国であり続けている。

それでも、中国は地域の航路を通じて危険にさらされている。

中国の原油供給量の約3分の1は、ペルシャ湾と外海を結ぶイラン側の狭い海峡、ホルムズ海峡を通過する船舶によって運ばれている。

The Nationより

記事にもされているが、支那にとってイランという国家は替えの効かない国である。

確かに、理論上は他国から原油を調達できる。しかし現実には価格、輸送、制裁リスクなど複数の制約がある。イラン産原油は「制裁下ゆえの割安」という側面もあり、単純な代替は難しい。

また、イランは一帯一路の要衝であり、25カ年協定と呼ばれる最大4,000億ドル規模の投資を約束した協定があるのだが、これに関わる投資が全て無に帰す可能性が出てきてしまったのである。

エネルギー・物流・地政学。いずれの面でも支那にとってイランは軽視できない存在である。

なぜ軍事支援は限定的なのか

とはいえ、支那は意外なことにイランに対する武器支援をしていないことになっている。これは、表向きということかもしれないが、アメリカと直接対峙するのは避けたいという思惑もありそうだ。

中国政府はまた、米国の制裁の可能性を懸念し、イランへの武器供給に慎重な姿勢を示している。

前回の地域的緊張の高まりの際、中国は攻撃を速やかに非難し、イスラエル・イラン戦争に関する4項目の青写真を提示したが、物質的な支援は避けた。

The Nationより

一貫してイランの核保有に関しても反対してきたのは意外だが、イランの宗教指導者による支配構造は存続して欲しいと願ってはいるのだろう。

何しろ、支那がイランと交渉してきた課程において、窓口になっていたのはハメネイ氏の一派だったのだから。

支那にとっては、

  • 宗教指導者を頂点とする強固な統治体制は維持してほしい
  • しかし、核兵器のような戦略的自立手段は持ってほしくない

つまり、安定は欲しいが、強くなりすぎても困るという構図である。都合の良い交渉相手で欲しかったわけだ。

そういう意味で、支那との関係を重視してきたハメネイ氏と、大統領のペゼシュキアン氏の存在は非常に大きかった。

対イラン攻撃、ハメネイ師と大統領も攻撃対象=イスラエル当局者

2026年2月28日午後 7:49

米国とイスラエルが28日に実施したイランに対する攻撃では、最高指導者のハメネイ師とペゼシュキアン大統領も標的だったと、イスラエル当局者が明らかにした。攻撃の成否は不明だという。

ロイターより

今回の攻撃目標になっている二人がキーマンだというのは、支那にとっては皮肉なことだと思う。

まとめ

イラン攻撃が始まったばかりで、今後の展開を予想するのは難しいが、少なくとも支那経済にとっては良い影響が出ないことはほぼ確実である。

原油の備蓄もかなり積極的にやっているので、ホルムズ海峡の不具合で即時に問題が出るということではないが、支那経済がイランへの投資を回収できなくなるリスクに敏感に反応する可能性が出てきた。世界経済にも結構な影響が出そうである。

コメント

  1. 砂漠の男 より:

    今回のイラン攻撃については、最初から第一標的をハメネイ氏とする”斬首作戦”だったようで、他にも革命防衛隊司令官のモハマド・パクプール氏、国防大臣のアミール・ナシルザデ氏ら複数の政府高官、国軍上級幹部らが死亡しているらしいです。
    トランプ大統領とネタニヤフ首相が、イラン攻撃は「体制転換」のためと公言しているので、斬首成功で体制転換の成功確率は高くなったろうと思ってはいます。
    ただ、ベネズエラ体制転覆のときのような旧政権幹部たちの高速掌返しはなさそうですし、トランプ大統領は「代わりになるふさわしい人いる」と言っているらしく、結局落とし処がどこかでイランの未来も世界経済への影響の程度も決まりそうです。

    • 木霊 木霊 より:

      斬首作戦だったようですね。
      やはりイスラエルの参戦が大きかったようで、ハメネイ氏の動向を把握していて、空爆し、作戦を成功させたようです。
      ご指摘の通り、次のイランの体制作りが必須。
      落とし所はある程度は考えているのでしょうが、それが成功するかどうかは。

      • sabakunootoko より:

        予想はされていましたが、革命防衛隊がホルムズ海峡を押さえにかかり、どこかのタンカーが攻撃されたそうです。日本国内のガソリン価格が上がり始めたとも。
        ロシアと支那が米国とイスラエルを非難していますが、イラン体制を失うことの焦りは大きいでしょう。サウジ皇太子が、トランプ大統領に協力申し出というニュースも出ています。短期的に戦火は周辺へ拡大するのかもしれませんね。

  2. 匿名 より:

    どうもー!

    日本はかつてイランのアザデガン油田にINPEXが権益持ってたぐらいイランとの関係は良好だったんですよね
    安倍元首相もハメネイ師と首脳会談してましたね
    ホルムズ海峡は封鎖されたので国内石油の値上がりは避けられないでしょうね
    1番痛いのはカタールからホルムズ海峡通ってやってくるLNGですね

    • 木霊 木霊 より:

      どーも。

      イランと比較的良好な関係を築いていた日本ですが、影響は避けられないでしょうね。
      原油やLNGへの影響は避けられないかもしれません。