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グリーンピースに538億円賠償命令──「表現の自由」と違法行為

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北米ニュース
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環境テロ組織と揶揄されがちなグリーンピースだが、巨額の損害賠償請求をうけることになったようだ。

ざまぁ。……おっと、失礼。

米裁判所、グリーンピースに538億円賠償命令 石油パイプライン建設中の暴力と名誉棄損などで

2026年2月28日 15:27

米エネルギーインフラ大手エナジー・トランスファーが約10年前の物議を醸した石油パイプライン「ダコタ・アクセス・パイプライン」建設中に暴力と名誉毀損(きそん)を組織的に実行したとして国際環境団体グリーンピースに損害賠償を求めた訴訟の判決で、米ノースダコタ州の裁判所は27日、グリーンピースに対し、3億4500万ドル(約538億円)の支払いを命じた。

AFPより

昨今、「表現の自由」の名の下に、違法行為との境界が曖昧に扱われる場面が少なくなかった。今回の判決が一つの線引きになるのなら、それは一定の意義がある。

環境テロに対する損害賠償

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何をやってしまったのか?

グリーンピース、シーシェパード、そして、最近ちょっと話題になったジャスト・ストップ・オイルなど、環境保護を理由に本当に困った活動が散見される印象だ。

陪審は昨年、エナジー・トランスファーの訴えを認め、不法侵入、迷惑行為、共謀、不動産侵奪などの罪状を挙げ、グリーンピース・インターナショナル傘下の3団体に対し6億6000万ドル(約1029億円)以上の支払いを命じた。

AFP「米裁判所、グリーンピース~」より

今回の訴訟に関わる話を少し整理しておこう。

  • エナジー・トランスファー社が訴訟を起こした。
  • ノースダコタ州の活況を呈する油田からイリノイ州パトカのパイプラインハブまで、原油を1,172マイル輸送するパイプライン工事に関係する事件。
  • ミズーリ川の貯水池の下を横切る小さな区間について、2016年と2017年には数千人の抗議者がパイプライン建設予定地沿いの地域に不法侵入し、キャンプを張った。
  • 建設現場や周辺への不法侵入、数ヶ月にわたるキャンプの設営による工事妨害、建設機械の破壊や放火を行い破壊活動を行った。
  • 建設業者や出資銀行との契約関係を不当に阻害。
  • 排除を試みる警官隊と衝突し、抗議者の放火、投石を行った。

この辺りまでは、裁判官が認めた事実である。

つまり、裁判官が不法侵入、迷惑行為、共謀、不動産侵奪までは事実だと認定し、これについては違法性が認められたわけだ。

ここで重要なのは、「環境保護の理念」ではなく、「具体的行為の違法性」が争点だった点だ。思想や主張がどうであれ、他人の土地に侵入し、設備を破壊し、業務を妨害すれば、それは法秩序の問題になる。

環境団体はスラップ訴訟だと反発

これに対して、訴えられたグリーンピース・インターナショナル傘下の3団体は、「表現の自由」を盾に無罪を主張しているようだ。

グリーンピースのもう一人の法務担当者、マルコ・シモンズ氏は、「環境破壊を引き起こす企業に反対の声を上げることは、決して違法とみなされるべきではない」「これは後退だが、人々と地球を守る運動は常に挫折と抵抗に直面しており、エナジー・トランスファーは批判者を黙らせるという目標を達成できないだろう」と述べた。

AFP「米裁判所、グリーンピース~」より

なるほどねぇ。

この手の抗議者に良くありがちなロジックではあるが、抗議活動のためであれば何をやっても許されるという認識であるようだ。

ただ、実際に上述したような犯罪行為に対して、違法性阻却理由に「表現の自由」を持ち出すのは不適切だろう。

グリーンピースの法務担当も、かなり無理筋だと理解しているか、或いは思想のために法律をねじ曲げるタイプの方か。

ややリベラル寄りだと言われる米国公共ラジオ放送(NPR)の報道を見ると、随分とグリーンピース側の行為を矮小化して報じている。

Greenpeace faces a 0 million lawsuit after Dakota Access Pipeline protests
The company behind the controversial Dakota Access Pipeline is suing Greenpeace for at least 0 million for damages th...

報道する側は、「表現の自由」を大切にしたいようだね。

今後の展開

今回のケースは、ノースダコタ州裁判所の判決が出ただけなので、グリーンピース側は控訴すると見られている。州最高裁判所の判決を待たねば結論は分からないのだが、判決そのものは少なからず意義があったと言えよう。

環境破壊阻止を理由に、過激な行動が許されると思っている方々の行為にブレーキをかけることになるのだ。ただし、企業側の行為に問題がなかったか?という点に関しても、明らかにされていく必要はあると思う。

本件は、少なからず破壊活動を行ったことに関しては、グリーンピース側が賠償をするべきで、その点が無罪になることはないだろう。本邦でも、辺野古での抗議活動などの常軌を逸したパフォーマンスが存在し、人の命まで失われる事態になった。古くは成田闘争など、テロ紛いの過激活動もよく知られるところだ。

このような、自分たちの主張を通すために、他人の権利や安全、公共の法秩序を軽視する風潮は、改められるべきだと思う。

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