1月の選挙でやや苦戦した結果、方向性に迷いが見える国民民主党だが、党大会を開いたという。
「政策実現の手法、困難に」国民民主大会 巨大与党誕生で政権と距離 対峙の仕方修正か
2026/4/5 18:41
国民民主党は5日、東京都内で党大会を開き、引き続き「対決より解決」を目指すとする令和8年度活動方針を決定した。
産経新聞より
中革連が非常に大きく支持率を落としている中で、国民民主党にはもう少ししっかりした方向性を打ち出して欲しい。
だって、本来は今回の予算を巡る最大の争点は、ガソリン暫定税率の扱いだったはずである。だったら、予算成立は何より急ぐべきではなかったのか。
解決にはほど遠い実態
空しく響く「対決より解決」
先日、予算案に反対したばかりの国民民主党だが、党大会では再び「対決より解決」を掲げた。
しかし、先の予算案採決の時には反発して見せている。
国民民主、2026年度予算案に反対決定 与党の13日採決姿勢に反発
2026年3月13日 12:29
国民民主党は13日の党会合で、2026年度予算案に反対すると決めた。与党が同日に衆院を通過させる姿勢を崩さず、採決を急いだことに反発した。玉木雄一郎代表が記者団に明かした。
日本経済新聞より
今回の反対は、「16日採決なら賛成」という条件提示が受け入れられなかったことが主因とされる。
だが、この対応が「解決」を優先した行動だったかと言われると、疑問が残る。
彼らの言い分をまとめておこう。
- 「プロセス(手続き)」の観点:与党の強権姿勢への抗議 政策の中身以前に、予算成立に至るまでの「決め方」が極めて不当
- 「熟議」の否定への反発: 衆院選を挟んだことで例年より短い審議時間(約59時間)しか確保せずに、与党が3月13日に採決したことを「暴挙」と定義
- 「16日採決」というオファーの拒否: 党側は「週末を挟み16日(月)に採決するなら賛成する」と歩み寄ったが、与党がこれを拒否したため、「少数者の意見を聴かない強権的な政権とは協力できない」という論理で反対に回った
- 「民主主義を守る」戦い: 古川副代表らは、この反対を「単なる日程闘争ではなく、民主主義のルールを守るための戦い」と位置づけた。
- 「中身」の観点:国際情勢の変化への無策 予算案そのものが、現在の緊迫した情勢にアップデートされていない
- イラン情勢への対応不足: 中東情勢の緊迫化に対し、物価高対策や邦人保護の予算が盛り込まれていない「時代遅れの予算」であると批判
- 「解決」のための修正案: 与党案が不十分であるからこそ、電気・ガス代補助の延長や再エネ賦課金の徴収停止を含む、より実効性のある「解決策」を提示・要求し続ける姿勢を示す
- 「政権姿勢」への不信感 政策合意という個別の話とは別に、政権の根本的な政治姿勢を問題視
- 「メンツ優先」の批判: 玉木代表は、高市政権が「国民生活よりも年度内成立という政権のメンツを優先した」と断罪
- 暫定予算は「予測可能」: 暫定予算の編成が必要になった責任は、無理な日程で解散総選挙を断行した与党側にあり、「不測の事態ではなく、予測可能な未来だった」として責任を転嫁
一見、理屈が通っているようにも思える。
国民民主党側の立場からすれば、今回の反対は「政策(中身)をより良くし、かつ民主主義(プロセス)を蔑ろにする巨大与党の暴走を食い止めるための、筋の通った行動」ということになる。
だが、これまでの「年度内成立に協力して実利を取る」という実績と照らし合わせれば、有権者には「結局、自分たちの都合でゴールポストを動かしている」としか映らない。
後出しの修正予算
さらに、幹事長の榛葉氏は電気・ガス代補助などを含む大規模な予算修正を提案している。
国民・榛葉氏、電気・ガス代補助「いまやれば」 予算案修正を要求
2026年4月3日 19時14分
国民民主党の榛葉賀津也幹事長は3日の記者会見で、イラン情勢を受けた原油価格高騰への対応として、夏までの電気・ガス・ガソリン代などを補助するために2026年度当初予算案に2兆円を積み増す修正案を提出する方針を改めて示した。榛葉氏は「国民に安心感を与えるためにも、行政府はこの状況にしっかり寄り添っているとのメッセージを出す必要がある」と指摘した。
朝日新聞より
国民民主党は、以前から再エネ賦課金の廃止や停止を訴えており、今回のこの話にも原資としてこれを検討している話があるようにも聞く。
電気・ガス代補助1年延長、ガソリン補助 国民民主の物価高対策素案
2026年3月10日 20時59分
国民民主党の物価高対策の素案が10日、判明した。3月末で終了する電気・ガス代補助の1年延長やガソリン・軽油代の補助などを盛り込んだ。高市早苗政権が2026年度当初予算案の年度内成立に向けて国民民主に協力を求めるなか、物価高対策の実現を迫る考えだ。
「緊急物価再燃対策」の素案では、緊迫化する中東情勢を受けたエネルギー価格高騰による国民生活への影響が懸念されると指摘。電気・ガス代補助の1年延長のほか、「再エネ賦課金」の廃止による電気代の引き下げ、水道の基本料金徴収の1年停止などを盛り込んだ。
朝日新聞より
確かに、電気料金引き下げの意味では再エネ賦課金の廃止という方向性は分かるが、この再エネ賦課金はFIT制度とトレードオフの関係にある。
再エネ賦課金を徴収することで、再エネ発電された電力を高く買い取るということが成り立っていたわけで、そこをいきなりひっくり返す結果になる。

与党の立場でも、再エネ賦課金は廃止していく方向で調整しているが、これには時間がかかる。国民民主党がそれを早めるためには、そのこととの整合性をとる政策を提示する必要があるのだが、そうした話は見当たらない。
良くも悪くも、中途半端な主張のように映る。
ガソリンの暫定税率廃止はどこへ?
そもそも、国民民主党の掲げた方針のうち、ガソリンの暫定税率廃止はコアな政策だったはず。
ガソリン暫定税率、廃止法成立 12月31日実現、代替財源は先送り
2025年11月28日10時25分配信
ガソリン税と軽油引取税の暫定税率の廃止法が28日午前の参院本会議で全会一致で可決、成立した。ガソリンの暫定税率(1リットル当たり25.1円)を12月31日に、軽油(同17.1円)を2026年4月1日に廃止する。廃止による税収減を穴埋めする代替財源の確保策は先送りした。
時事通信より
この記事にあるように去年12月にガソリンの暫定税率は廃止され、軽油に関しては4月1日で廃しされる予定だった。
与党はこれが成立困難となったため、慌てて暫定予算を成立させた。
8.6兆円の暫定予算成立 政府与党、26年度予算案は月内成立断念
2026年3月30日 5:00
2026年度暫定予算は30日、衆参両院の本会議で与党などの賛成多数で可決され、成立した。政府・与党は同日、26年度予算案の月内成立を断念した。暫定予算は26年度予算案が成立するまでの期間に必要な政府支出の財源となる。
暫定予算の成立は安倍晋三政権だった15年以来11年ぶり。中道改革連合と国民民主党など野党の一部も賛成した。
日本経済新聞より
何をやっているのか。
確かに与党の不手際の部分はあっただろうし、議会軽視と言われる部分はあったかもしれないが、予算成立のメリットが本当にあったのかは疑わしい。
まとめ
居るのだか居ないのだか分からない中堅議員は、こんな話をしたそうな。
ただ、政権との距離感など立ち位置が定まらない状況には、党内から不安の声も上がる。中堅は「わが党が存在感を高めるには、連立政権入りするか、中道改革連合と組むかのいずれかしかない」と指摘した。
産経新聞「政策実現の手法、困難に~」より
玉木氏は、この「中堅議員」について「存在しない」「産経新聞はしっかり取材しろ」とポストしていた。そうかもしれないが、野党に埋没しているという現実から目を背けてはならないだろう。
少なくとも、日程闘争をして予算成立を阻んだ事実は、国民の前に晒したのだから。そんな悪目立ちをするのではなく、政策論争で存在感を示して欲しい。


コメント
国民民主も理念はまだ他野党に比べてだいぶマシなんですどねぇ
でもバックの票田とスポンサーについてる連合が労働者の賃上げなんて忘れてジェンダーだの夫婦別姓って左巻きの人がトップの上中道と固まれって言い放ってますしねぇ…
>1月の選挙でやや苦戦した
中革連の旧野田執行部の裏切りに失望した立憲支持者たちのうち、かなりの票が国民民主党へ流れてもなお議席数+1でしたから、今が上限だと言われても仕様がないです。
>党大会では再び「対決より解決」を
国民民主党が「新・国民民主党」になってるんですが? 今はさておき、「対決より解決」とは、与党にくっ付いていく”スリップ・ストリーム作戦”、”心理的与党作戦”とかでしょうか。玉木代表は与党の政策・議事運営・予算案をこき下ろしているので、野党の自覚はあるみたいですが。
何が「新・国民民主党」なのか、もっとしっかり説明しないといけませんね。