ウクライナとドローンの話に関しては、幾つ関連ニュースが出ていたね。コメントで関連事案についての言及もあったので軽く触れようと思う。
情報源からの情報提供もあったタイミングだしね。
テラドローン、ウクライナ企業に相次ぎ出資 迎撃ドローン量産
2026年4月28日 18:00(2026年4月28日 18:15更新)
ドローン開発大手のテラドローンは28日、固定翼型の迎撃無人機(ドローン)を生産するウクライナ企業に出資すると発表した。ロシアとの実戦でドローン技術を蓄積しているウクライナ企業との連携を進める。日本や欧州などへの輸出を念頭に、性能の高い迎撃ドローンの量産を急ぐ。
日本経済新聞より
ウクライナ企業に出資して、ドローン技術を発展させようとしているテラドローン社だが、こういった企業は日本に何社かあるようだ。
ウクライナ企業と組み、実戦で鍛えられた技術を取り込む。これは単なる支援ではなく、かなり現実的な投資判断だと思う。
日本では「支援」という言葉になると人道面ばかり語られがちだが、産業面・安全保障面の意味も見ておくべきだろう。
ドローン技術が戦場を変える
低コスト機体の価値
このブログでは、過去にこんな記事を紹介した。

段ボールドローンに関しては、一時期騒がれたモノの、現場で幅を効かせているというところまでは行っていない感じ。
ただ、有用性はあるとして運用はされているようだ。
オーストラリア製の段ボール製ドローンが、ウクライナ戦争における重要なイノベーションとなった経緯
2023年9月3日(日)
革新的な設計は戦場において大きな影響力を持つ可能性があるため、その開発原理を理解することが重要です。 オーストラリアから供給された低コストの段ボール製ドローンを ウクライナがロシア国内の標的を攻撃するために使用した最近の事例は、その有効性を示す好例です。
ABCNEWSより
当然ながら、安価なドローンに関してはロシア側も目を付けたらしいけど、ロシア側は技術的遅れがある気がするんだよね。
ロシア軍、発泡プラの安価ドローン投入、ウクライナ軍を偵察
2024年7月29日午前 10:56
ロシア軍がウクライナ攻撃で発泡プラスチック素材や合板を使った安価な新型無人機(ドローン)を投入し始めたことが、ウクライナ軍諜報機関の広報担当者の話で分かった。防空配備を特定し、ウクライナ側が被った損害全てを撮影し、おとりとして使うのが狙いという。
ロイターより
このことは、自衛隊でも把握されていて、Air Kamuy(エアカムイ)社の機体を導入するというような話も出ていた。

良くも悪くも戦争にはお金がかかるのだから、少しでも安価で信頼性の高い機体が欲しいよね。
最近のトレンド
で、ウクライナとしては段ボールの調達にも苦戦しているらしく、日本ならともかくとして、そんなの作るくらいならプラスチック製にしようぜ!ということになったらしい。
「日本では段ボール組み立てるだけでできるなんて!」と喜ばれるが、普通の国の兵士は、前線でそんな面倒なコトをやるは嫌なんだとか。
ウクライナの最前線におけるハイテクとローテクの軍拡競争が生み出したプラスチック汚染の副産物。
2025年5月22日
ロシアのウクライナ戦争はドローンの使用によって大きく左右されており、戦闘任務中の死傷者の最大80%がドローンによるものだったケースもある。ウクライナは現在、年間400万機のドローンを生産しており、ドローンの脅威に対抗するため、双方ともますます効果的な電子戦(EW)システムを開発・採用している。そして、これがさらなるイノベーションを促し、光ファイバーケーブルで制御されるドローンが誕生した。
ceobs.orgより
使っている光ファイバーケーブルもブラスチック製だが、本体もプラスチック製って状態らしい。
ウクライナの爆弾製造に使われる秘密の3Dプリンター工場ネットワークの内幕
2026年4月13日(月)
アレックスは、ワルシャワ郊外にある非公開のガレージで、ポーランドの首都において24時間体制の事業を運営している。
彼は昼夜を問わず、週7日、3台の3Dプリンターを稼働させている。
~~略~~
2024年、アレックスは500キログラム以上のプラスチックを使用し、機械式安全スイッチやLED懐中電灯から、ドローンの操縦を補助するアンテナまで、あらゆるものを製造した。
小型部品を大量生産でき、新しい設計や改良にも対応できるこれらのプリンターは、ウクライナでの戦争において極めて重要な役割を果たしてきた。
abc NEWSより
3Dプリンターで作ったモノの品質はどうかという疑念はあるけれど、少なくとも設計変更を直ぐに反映させることができるし、少数の部品を多数作るという目的には便利だろう。
そういう意味では前線近くで、低コストで作ることができる3Dプリンター技術は、革命的な技術になっているとは思う。
迎撃ドローン空母
更に、ドローン空母まで登場させているというのが、興味深い。
ウクライナ軍の「空中空母」が自爆ドローンを撃墜! 迎撃機の“空中発射の瞬間”を捉えた映像を公開
2026.04.28
同国国防省の投稿は、映像のほかには「空戦は進化している」という言葉のみでしたが、ウクライナ国内外のメディアが報じた関係者の話によると、双発のターボプロップ輸送機であるAn-28の主翼下にハードポイントを設置し、搭載した迎撃ドローンを空中発射したようです。
乗り物ニュースより
輸送機に迎撃ドローンを搭載し、空中で発進させる方式である。
かなり限定的な用途ではあるが、迎撃用ドローンを空中発射することができるので、ドローンの飛距離を短くすることができる。結果、迎撃成功率を上げることができるようだ。
空母に使う輸送機はドローンより遙かに滞空時間が長いため、作戦空域まで迎撃用ドローンを運び、作戦空域近くで発射するというのは、確かに合理的といえるだろう。迎撃用ドローンの性能を低下させても問題ないのでコストも下げられるしね。

誘導ミサイルを発射して迎撃しても良さそうなモノだが、コストが段違いなんだよね。
加えて、迎撃ドローンの価格は、1機あたり約3万ドルとされるシャヘド136よりもさらに安価に生産可能とされており、少なくとも1発あたり約50万ドルとされる高価な空対空ミサイルを使用するよりも経済的です。また、空中から発射できるため、安価な対ドローン用空対空兵器として運用できる点も優れています。
乗り物ニュース「ウクライナ軍の「空中空母」が~」より
やっぱりコスト意識は大切なんだよね。
ただこれ、ロシアが制空権をとれていないという実情があって初めて使える戦術でもあるので、限定的な使い方だとは言えよう。
敵戦闘機が自由に飛び回る空域なら、鈍足の輸送機を飛ばしてドローンを射出する余裕などない。
つまり万能兵器ではなく、戦場環境に適応した解答の一つということだ。
まとめ:ウクライナの「利用方法」
人道的観点から見れば、僕の主張は眉をひそめるような話だろうが、ウクライナの支援というのは色々な在り方がある。
冒頭に紹介したテラドローン社の取り組みは、そういう意味で「上手いウクライナ支援」といえるのではないだろうか。
何より、必要に迫られて得た技術や知見は強い。日本は、積極的に関わっていって損はないと思うよ。折しも、武器輸出緩和が行われたことだし、フィードバックして開発した技術や兵器を輸出することも念頭に置くべきじゃないかな。



コメント
木霊様ありがとうございます。
感謝m(__)m
木霊様のリサーチには遠く及ばぬけれど、
泥臭いレベルで記事についてはいくつか。
先ずは段ボールドローンですが。
んとですね、
①少なくとも2006年まで、
丸の内の東京駅近辺のビルに、「ボール紙」で出来た空調機械のユニット(電気集塵機。中性能フィルターではない)を入れる
2✕6✕1.5(最後は高さ)の空調機ありましたよ。中に入ってメンテするんですが、
なんと化学処理でコーティングした紙。
そりゃ雨ざらしの塔屋でなく、地下室でしたけれど。
それでも昭和39年設置とありました。
1964年時のケミカル処理で、40年以上を現役していたわけです。しかも電気集塵機のユニット整備で出し入れある(重く大きい富士電機のもの)、人は出入りする。
現在のラミネート技術で、例えば上から液体か気体を吹き付けて強化するタイプのダンボールなら、結構にイケるんでね?
とは想うのですが。
②3Dプリンター
こっちはゴーストガン絡みの話なんですが。3Dプリンターで制作した拳銃とかあるでないですか。これを部品のみ制作して、機関部のシリアルナンバーを幽霊にするやつ。2、3発で壊れてしまうか、作動不良になる代物でした。
ただ……コロナが2類感染症から5類になった頃(マスクが要求されなくなった頃)てすから、ウクライナ戦争初期てすね。
その辺からグワーと精度が上がってきて!
今はセミオートマチックなら銃身以外は幽霊でもほぼ全体を作れる。
まともに作動するのか謎てすが、3Dプリンター・ガンには、フルオートマチックの短機関銃まで出てきてる。
んで、モノ好きな知人が米国のガンマニアと一緒に、3Dプリンター製拳銃やゴーストガンを撃ってきたんです。100発くらいなら何とも無かったと。
プリンターの素材というか触媒というか、
そういう原料が素材工学的な進化したのか、プリンターのハードウェアが進化したのかは解らないですが、これ相当な事だと想うんですよ。
薬室には強い力がかかるというか、そもそも銃弾の爆発物としてのエネルギーは小さくて銃砲店が火事になっても騒ぐ必要ないくらい。そのエネルギーを一方向に絞るのが薬室なので、生半可な堅牢さや、生半可な精度では発砲のエネルギーに耐えられないんですよ。
それがウクライナ戦争が始まってからの4年でクリアしてしまった!
と考えますと、記事にある「戦地に隣接した後背地でドローン生産」も可能かと。
この二つが泥臭いネタだけど、拝読して思った事ですかね。
ちなみにウクライナの抗戦には正直に脱帽してます。開戦前あたりは人口4000万人てしたっけ? 今は二千万たか三千万。
で、この4年の「戦死者」が16万人越え。
ロシアが30万5000人だったかな。
つまり「戦死」だけで46万人でしょう?
ベトナム戦争の米国兵の死者が56000くらい。二次大戦(欧亜あわせて)11万人くらい。
それより遥かに多い南北戦争で60万人くらい。大東亜戦争の死者が軍人&軍属200万人。民間人100万人。
ウクライナは小国じゃないですが、それでも16万人てすからね。おそらくロシアとウクライナの死傷者数でいくと100万は超えてるんでないすかね?
その状況で継戦能力を持ち続けてるのは
やはり凄い事であり、そのノウハウとテクノロジーは、金も知恵も出して貰うべきと想うんですよ。
そしてコレは木霊様に謝罪しますが。
先に「ごめんなさい」です。
現況トランプ親父いますよね。私はあのテロ未遂で見せた度胸は感心してるすが。
ロシアに強く出ないの観ていると、
「米中露で世界を分割して、美味しい所だけ米が貰う戦略」かと想うてきたんす。
ベネズエラの油田とテキサスの製油施設
北極海航路とアイスランド。メキシコの麻薬カルテルのテロ認定。パナマ併合論。
これ米国で世界物流と資源を横取りとしか思えないんてすよね。
その時に彼らの収奪の対象になるのは、
人口5000万から1億程度の「中規模国家」なんだと想うんです!!
たからこそ、
「木霊様が訴えてきた、中小国家が我身を守る為に連携する」という事が大切なのかと考え直したです。
まぁ、まさか米国のタカりで、そういう方向性に考え改めるとは思わなんだすが…
その時にウクライナがやってきた事が、
とても日本を護るのに参考になると。
そう考えるとゼレンスキーは良くやったというか。お飾り人形でも、その人形役を役者として演じ通した。
その点では「ホラ吹き大砲」と呼ばれた
孫文に似てると想います。山本太郎もそうですが、パフォーマンス役でも、その役割を貫けば、世界に対して何某かのふぁくたーとして機能する。ゼレンスキーとはそういうキャラクターだったかと。
まぁ、親戚の若者がウクライナ難民の女性と結婚して、身内にウクライナ人ができたという事もあるんですけれどね。
では、ありがとうございましたm(__)m