日本経済新聞でも報じられていたが、どうやら相当数の不自然なアカウント群が動いていたらしい。影響力工作には失敗した感じだけど。
日本を批判するアカウント群3000件規模、X投稿・拡散…衆院選前から中国系の影響工作か
2026/02/23 05:00
X(旧ツイッター)上で衆院選公示前の1月中旬から、3000件規模のアカウント群が協調的に高市首相や日本の政策を批判する内容を投稿・拡散していることがSNS分析会社の調査でわかった。アカウントや投稿の特徴から、中国系の影響工作の可能性がある。日本社会の分断をあおり、海外からの日本の評価をおとしめる狙いがあるとみられる。
讀賣新聞より
ここ数年、インターネットを通じた選挙への影響力工作は各国で確認されている。日本も例外ではなかった、という話である。
工作は新しい技術が利用される
低コストで効果大
ネットを利用した影響力工作は、端末と回線さえあれば実行可能という意味で極めて低コストだ。しかも拡散構造を利用すれば、少数の発信でも“空気”を作ることができる。
去年の記事だが、こんなニュースを取り上げている。
このニュースは、204年11月24日に行われたルーマニアの大統領選挙(第1回投票)がネットによる影響力工作があったと裁判所に認定されて、やり直しになったというニュースである。
また、モルドバの大統領選挙でも影響力工作があったようだし、台湾総統選挙においても影響力工作が疑われる。
近年では、こうした話題は決して珍しくない。
選挙を巡る情報工作では、支那やロシアの関与が疑われる事例が多く確認されている。欧州や台湾の事例を見ても、特定国が戦略的に言論空間へ介入しているとの指摘は珍しくない。当然、日本の隣国であるこれらの国が日本の選挙に工作を仕掛けてくることは、警戒すべきだろう。
分析結果
今回、冒頭のニュースで紹介しているのは、選挙後の分析で不自然な協調行動が確認された、というものだ。
調査したのは、ネット上の言論空間分析を手がける「ジャパン・ネクサス・インテリジェンス」(東京)。アカウント群による活動は衆院選公示(1月27日)の約1週間前に始まり、日本語や英語で「首相が旧統一教会から票を買っている」「首相は軍備増強と歴史修正に道を開いた」「社会保障の若者負担が増す」などの主張を投稿・拡散している。
讀賣新聞「日本を批判するアカウント群3000件規模~」より
残念ながら日本経済新聞の記事は、会員限定記事なので中身は読めない。
ただし、分析した結果「400アカウントが工作」とあり、後に報じられた冒頭の讀賣新聞は「3000アカウントが工作」としている。恐らくは実数はもっと多いのだろう。投稿の特徴や発信源の傾向などから、支那系による影響力工作の可能性があると分析している。
もっとも、投稿内容自体は必ずしも高度とは言い難い。事実確認が不十分と思われる主張や、感情を煽るだけの言説も目立つ。影響力工作を行っている勢力が支那に関連していることは共通しているようだが。
実は選挙後も「高市政権は戦争がしたい」というようなデマを吹聴している人々がいて、彼らの言動が本当に工作に荷担していないかが疑わしい。

大半の情報が「本当に一次情報に当たっているのか」と、頭を抱えたくなるような論説をしている。
幾つかこの手のアカウントから情報を引き出そうと試みたが、概ね言葉が通じない人々であった。まあ、Xを利用して情報拡散しているような人々の多くは、議論をしようという感覚ではないのだろう。
AIを利用したポスト
最近は、ポストにAIを利用した痕跡を見つけることも珍しくはない。
日本語の投稿には、翻訳した痕跡が残ったものや、ハッシュタグ(#付きの語句)に中国の簡体字や不自然な日本語が交じったものもあった。中国のブログや国営メディアに掲載された画像や、生成AI(人工知能)で作成されたとみられる画像も使われていた。
讀賣新聞「日本を批判するアカウント群3000件規模~」より
ニュースでは生成AIを利用した画像が使われていると書かれているが、翻訳もAIを使っている節がある。
自動翻訳は実に便利なのだが、こういった工作にも使われる時代になったというのがなんとも嘆かわしい。
とはいえ、こうしたテクノロジーの変化に便乗した工作の在り方の変化があるよというのは当たり前の世界であり、これを除外するのは困難になりつつある。今は未だ雑なものが多いのだけれど、そのうち見分けが付かなくなるだろう。
困ったことに、最近は本物の動画であってもAIかどうかを疑わねばならなくなったことだ。新しい技術は常に悪用されるリスクがあるので、使う側も賢くならなければならないと言うことだね。
まとめ
選挙のたびに「影響力工作」という言葉が取り沙汰される時代になった。かつてはビラや怪文書が主戦場だったが、いまや主戦場はSNSであり、しかも翻訳AIや生成AIまで動員される。
ただし、技術は進歩したが、やっていることの本質は変わらない。分断を煽り、不信を広げ、疑心暗鬼を植え付ける。
今回の選挙では工作が成功しなかったような評価だが、厄介なのは、意図的な工作と、思い込みで拡散する“善意の協力者”との境目が曖昧になること。空気の醸成こそが工作の目的であり、そういう動きに巻き込まれてはならない。支那やロシアはこの手の工作を昔から得意としてきたのだから、より警戒が必要だろう。
感情を刺激する言説ほど一歩引いて確認する。自分は騙されないと思っている人こそ危ないので、よくよく注意しておくべきである。選挙の公正さを守る最後の防波堤は、結局のところ有権者一人ひとりの判断力にあるのだから。







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