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テレビ局の統合解禁? 総務省が描く ‘1社2局’ 時代と、その先

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報道
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このニュースは、何が何だか良く分からない内容だった。

競合テレビ局の統合容認へ 「1局2波」で効率化、総務省で規制緩和案

2026/2/25 18:01

総務省が、テレビ局を対象とする「マスメディア集中排除原則」を見直し、同じ地域で競合する二つの局の経営統合を容認する検討に入ったことが25日、関係者への取材で分かった。

産経新聞より

テレビ局の統合ねぇ……、「そんなに苦しいんだ」という感想しか出てこないが、よくよく考えてみたら、そんな単純な話でもなさそうだ。

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総務省の目論む大改革

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放送法4条と公平な報道

先ずは、そもそもこれまでこうした話が容認されてこなかった背景だが。

民主主義社会の土台となる「表現の自由」を多様な事業者に担わせるため、総務省は一つの事業者による複数のテレビ局の支配を制限している。現状では異なる地域のテレビ局による経営統合は特例として認められる一方、同じ地域では統合ができない。

産経新聞「競合テレビ局の統合容認へ~」より

テレビ局の経営統合によって、「異なる意見がなくなってしまう」という懸念があった。だから、同一地域での統合を認めてこなかったということのようだ。

これはかの有名な放送法4条の影響が大きいのだと思われる。

(国内放送等の放送番組の編集等) 第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送(以下「国内放送等」という。)の放送番組の編集に当たつては、次の各号の定めるところによらなければならない。  公安及び善良な風俗を害しないこと。  政治的に公平であること。  報道は事実をまげないですること。  意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。  放送事業者は、テレビジョン放送による国内放送等の放送番組の編集に当たつては、静止し、又は移動する事物の瞬間的影像を視覚障害者に対して説明するための音声その他の音響を聴くことができる放送番組及び音声その他の音響を聴覚障害者に対して説明するための文字又は図形を見ることができる放送番組をできる限り多く設けるようにしなければならない。

e-Gov「放送法」より

テレビは「公平な報道」を心がけ、「できるだけ多くの角度から論点を明らかに」とある。でも実情は、1社が報道したら完全に右に倣えの状態で、異論など出てくる余地がない。

とっくに死文化してしまった、悲哀漂う放送法4条だが、それでも建前上は公平であった。が、経営が危うい局が多いので、そうも言っていられない。

民放4社時代の終焉

かつては、郵政省(現・総務省)は、日本のどこに住んでいても主要な民放ネットワーク(日テレ、TBS、フジ、テレ朝の系列)が視聴できるという民放テレビ全国四波化という方針が掲げられていた。

ところが、実態を見ると、テレビ東京系列まで含む「5波」を実現できているのは主要都市のみ。もはや増える余地もなく、1局あたりの広告収入が激減している状況にある。

尤も、不祥事によるダメージも大きそうだ。

フジテレビ営業赤字33億円改善…広告93%回復と「脱・放送」戦略の真価

2026.02.17

かつて「視聴率三冠王」として時代を象徴したフジテレビ。その看板は長らく色あせ、近年は「不動産頼み」「テレビ離れの象徴」とまで言われてきた。だが2026年、同社を巡る風向きが変わりつつある。

フジ・メディア・ホールディングス(HD)が発表した2026年3月期の連結業績予想の上方修正は、その象徴だ。

BUSINESS JOURNALより

過去にはTBSがオウム関連でやらかした時代(TBSビデオ問題:1996年)にも、CM枠が埋まらずにAC広告が流れたことがあった。

そして、フジテレビはコンプライアンス問題でやらかしたのは一昨年の話。今も「CM出しませんか」とサイトに掲載しているのが痛々しい。

【公式】フジテレビで CMを流してみませんか?
「フジテレビ for Business」は、株式会社フジテレビジョンによる法人向けマーケティングサービスです。フジテレビの人気テレビ番組内でCMを放送できるだけでなく、「FOD」といったインターネット動画配信サービスでのCM配信もサポート。...

そんなこんなで、民放が稼げなくなって統合を余儀なくされた実態を見て、「じゃあ、統合もやむなし」かとなったのだろう。

電波利権の建前が失われた

そこで気になるのが、4社が1社に向かっていくのはもはや時間の問題のように見えるのに、「公平性」が担保されるという建前が使えるのか?ということだ。

もちろん使えない。

そうすると、こちらの話が俄然盛り上がってくるだろう。

テレビ局の“電波利権”に斬り込み「メディア統制」を図ろうとする高市首相 「地デジの電波オークション」導入はメディアコングロマリットにトドメを刺す強力な武器になるか

2/24(火) 7:15

総選挙で自民党を歴史的大勝へと導いた高市早苗・首相は、すでに次を見据えて動き出している。憲法改正や安全保障政策の転換だけでなく、メディアの巨大な既得権益「電波利権」に狙いを定めているという。すでに昨年の電波法改正で「電波オークション」の導入が決まり、今年、通信用の高周波数帯の一部について日本で初めて実施される予定。

Yahoo!NEWSより

実際に、総務省は電波オークションを進めようとしている。

総務省、5Gの26GHz帯オークション実施へ

2025年9月12日 16:53

総務省の電波監理審議会は、令和7年度版の「周波数再編アクションプラン(令和7年度版)」案を公開した。同案に対するパブリックコメントを10月14日まで受け付けている。

ケータイWatchより

このニュースは携帯電話網の整理に関わる話なので、直接はテレビ業界には関係しないが、日本の電波行政は「その周波数域空いてますよね?」という目でテレビが占有している周波数域に目を付けているのは、事実。

況してや、それを推進した高市氏が首相になったのだから、進めない理由は見当たらない。

そうすると、「公平性を保つために電波が必要なのだ」というロジックは使えず、「4社が3社になったら、1社分の枠が空きますよね?」と言い出すのは必至。

ドローンを始めとして電波を利用したい分野は一杯あるのに、テレビだけに占有させておく時代は終わりを告げたのだ。

まとめ

テレビ局は必死の抵抗を見せるかもしれないが、「1社2局を認めるから、経営統合しなよ」という甘いささやきにはもはや抗うのも難しいだろう。

テレビ局の経営統合は、もはや単なる選択肢ではなく、避けられない現実なのだ。建前として掲げられてきた「公平性」も、財政難にあえぐ民放各局の状況を見るともはや通用しない。

さらに、電波オークションの導入など総務省・高市政権の施策を考えれば、空いた周波数の活用や新規参入の可能性も視野に入る。ドローンや防衛向け通信など、国家的な安全保障のニーズも無視できない状況だ。テレビ局の統合は、単なる経営再編にとどまらず、日本の放送・電波行政の構造的な変化の始まりを示していると言えるだろう。

コメント

  1. 匿名 より:

    昔みたいに電波の使用帯域が少なかった時代なら情報を送るってインフラとしてのテレビは必要不可欠な時もありましたけど、現代においてはテレビ視聴してる層が激減してるのを考えるとインフラの役目は終了したものと思ってます。それもNHKがヤクザ紛いの料金収集システムの影響がでかいんじゃないのかと。
    あと「できるだけ多くの角度から論点を明らかに」って部分が死文化して「多くの角度(偏向)」って状況になってしまっているのも大きいんじゃないのかなと…
    本当に必要不可欠なレベルのインフラなら格安の電波使用料でも自分は良いと思いますが、もう携帯電話同等レベルに近い電波使用料を課す時代になってるんじゃないのかなと…