台湾併合へカウントダウンか。
中国全人代、民族団結法可決 中華民族帰属意識を促進
2026年3月12日午後 5:04
中国全国人民代表大会(全人代)は12日、国家統一に向けて中華民族の意識を少数民族も含めて広く共有することを目指す「民族団結進歩促進法案」を可決した。
ロイターより
幾つか書きたいテーマがあって書けていなかったうちの1つ、全人代の話題なのだけれど、今年のテーマは絶対経済の話になると思っていた。ところがなんと、「民族団結法」とか出てきた。なんだってー!
書くべきテーマを増やすのは本当に止めて欲しい。
台湾統一を目指す補助線
台湾は支那の「核心的利益」
支那共産党は長年、台湾問題を外交問題ではなく国内問題と位置づけてきた。特に、習近平氏は、「核心的利益」であり、妥協できない領域としている。
台湾問題でドイツけん制 中国副主席「核心的利益の中の核心」
2025年12月08日18時12分配信
中国外務省によると、韓正国家副主席は8日、ドイツのワーデフール外相と北京で会談した。韓氏は「台湾問題は中国の核心的利益の中の核心だ」と強調。ドイツが同問題に干渉しないようけん制した。
時事通信より
最近も、ドイツで韓氏が吠えていたが、この話は習近平氏の持論なのである。
習近平が任期内に実現狙う台湾との「祖国統一」
2019年1月15日 5:14
1月2日、習近平国家主席が1979年元旦に発表された《台湾同胞に告げる書》40周年を記念する式典で談話を発表した。習近平政権成立以来最も鮮明かつ強烈に中国共産党の台湾問題をめぐる立場や思惑が露呈されていた内容であったといえる。
DIAMOND Onlineより
就任当初からこれを続けてきて、2022年には党大会で「武力行使を放棄せず」と宣言していた。
習氏、台湾問題「武力行使を放棄せず」 中国共産党大会
2022年10月16日 11:01(2022年10月16日 13:25更新)
中国共産党の幹部人事を決める5年に1度の第20回党大会が16日、北京の人民大会堂で開幕した。習近平総書記は過去5年間の成果と今後の方針を示す活動報告で台湾統一方針を巡り、「決して武力行使の放棄を約束しない。必要なあらゆる措置をとる選択肢を持ち続ける」と強調した。
日本経済新聞より
このブレなさは凄いけど、この期に及んでまだ言うかという。
存立危機事態
去年の11月、高市氏の答弁で台湾に関する存立危機事態発言があって、支那が大騒ぎしたことがあった。
というか、今も尚続いている。
高市首相の台湾答弁「主権侵害」 中国外相、安保会議で対日批判
2026年2月14日 22時40分
中国の王毅共産党政治局員兼外相は14日、ドイツで開催中のミュンヘン安全保障会議での演説後、高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁について「中国の領土主権を侵害した」と批判した。8日の衆院選で自民党が圧勝したことを受け、日本では中国が態度を軟化させるとの観測もあったが、王氏は改めて強硬姿勢を示した。
朝日新聞より
この発言について、国内でも批判をする人がいたのだが、答弁をしっかり見て、ちょっと考えたら分かるだろう。
あくまで台湾有事に於いてアメリカ軍が解決に動いたら、という前提があって同盟国としてはそりゃ自衛隊も動くさ。それだけの話なんだけど、支那の立場としてはそんなことは関係がないようだ。
そりゃね。
軍の粛清と統制強化
支那としては、核心的利益であり内政干渉になるというロジックなので、突っ込みは必要なのである。
そして、それは国内でも厳しく対応していて、それが粛正に繋がったと見る人も少なくはない。
今、支那で行われている粛正は「腐敗撲滅」というお題目が挙げられている。そして、近年のそれは軍の腐敗問題という説明がなされているが、その実態は軍内部の政治統制であり引き締めに他ならない。
だが、その実態は台湾問題のことを「政策的に批判した者」を撲滅する、政治的忠誠が示せない者から排除しているに他ならない。
支那経済の失速
その背景にあるのが、現在の支那経済の状況だ。
- 不動産危機
- 地方政府の債務問題
- 若年層の失業
- 民間投資の停滞
支那共産党の統治は長い間、経済成長による正統性に支えられてきた。人民にとって経済成長こそ正義で、それ以外のことには目を瞑る感じであった。だが、今や不動産もだめ、不動産投資をしていた地方政府の債務の積み上げがあって、公務員の給与が滞る始末。
この結果、デフレが進んで流動性が悪化。いや、流動性が悪化したからデフレに陥っていると言うべきか。若年層の失業は深刻なレベルだが、これは様々な民間企業が倒産しているからで、おかげで投資も停滞する始末。
この状況で支那共産党は共産党員を優先する傾向にあるので、債権問題を解消できない。地方政府の債務は共産党員に支えられているのである。
最近のニュースでもこんなのがあった。
中国政府、国有石油大手からの備蓄放出要請を拒否=関係者
2026年3月13日午前 11:55
中国国有石油大手の中国石油化工(シノペック)が商業石油備蓄から1300万トン(9500万バレル)を放出するよう求めたものの、中国政府が拒否した。関係者2人が今週、明らかにした。
ロイターより
デフレ状態の支那においてガソリン価格だけ値上がりするのは死活問題のハズだが、備蓄の放出はしないと。経済的な観点から見たら悪手だが、そうせざるを得ないのだろう。まさか、備蓄が空だったりしないよね?
民族団結という政治メッセージ
そんな状況で出てきたのが「民族団結」という言葉。
支那政治における民族団結とは、
- 国家目標の共有
- 不満の抑制
- 統一への協力
を意味する。
宗教団体、宗教学校、宗教施設は「中国における宗教の中国化の方向性」に従わなければならないと規定。
民族・慣習・宗教に基づく婚姻選択への干渉を禁止し、民族間の婚姻促進を図る方針を示した。
中国国外の組織・個人が「民族の団結と進歩を損ない、民族分離主義を生み出す」行為を行った場合、「法律に基づき法的責任を追及される」としている。
ロイター「中国全人代、民族団結法可決~」より
つまり、「多少の不便は我慢して国家目標に協力せよ」というメッセージである。
経済成長ではなく、民族と国家目標で社会をまとめようという発想だ。
これは国内の引き締めを意図していることは明白だが、そこに「台湾統一」を乗せることで、人民の意識をコントロールしようという意図があると感じる。
共通の目標を掲げるというのは、人心掌握に於いては重要なテーマだからだ。
2027年説と長期シナリオ
台湾統一というのは、「ワン・チャイナ・ポリシー」に基づくものであって、台湾は内政問題という位置づけである。そして、未完成だった国家統一を完成させる最終目標だと定義しているのだ。
これを実現する習近平氏は偉大である!というロジックなのだが、人民はその達成のために協力すべきだということになる。
そして、そのタイミングは、2027年だという説が結構濃厚である。
これは人民解放軍の建軍100周年にあたる年であり、軍近代化の節目とされている。節目の年に偉大な目標を達成するというのが、物語としての美しさがある。
一方で、もっと長期のシナリオを想定する見方もある。
習近平氏、異例の4期目に布石 35年まで続投視野に―台湾統一に意欲・中国全人代
2026年03月12日20時32分
中国の習近平国家主席(72、共産党総書記)は12日閉幕の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、異例の4期目入りに向けた布石を打った。
~~略~~
「2035年までに1人当たり国内総生産(GDP)を20年の倍にする」。全人代で公表された第15次5カ年計画(26~30年)に、こう明記された。期間外の目標が盛り込まれたことに関して、「少なくとも35年までは続けようとする習氏の意欲が確認できた」(中国政治の専門家)との分析がある。
時事通信より
全人代に於いて4期目の布石が打たれたと分析されているが、台湾統一も4期目まで延長されるのでは、と。
実績不足の懸念
ただし、3期目に突入してなお、習近平氏にはめぼしい実績がない状況である。
- ゼロコロナ政策
- 不動産危機
- 民間企業の萎縮
特に経済面においては、不安な面が多く、有り体に言えば「失敗経済」であると断言できる。
この状況で本当に4期目続投が出来るのか?という疑問はある。
だが……、逆に言えば、誰が続投しても成功の目が見えないという極めて危険な経済状況だからこそ、後継者がいない。そして、後継者を軒並み粛正してしたからこそ、その状況が作られている。
結果として、
- 後継者不在
- 権力構造の固定化
といった理由から、なし崩し的な続投というシナリオもあり得る。
まとめ
支那の外交方針を見ると、常に戦浪外交を推進していて、「大丈夫かこいつら」と思うことが多い。が、あれは本質的に支那国内向けの発信である。
したがって、外交問題の多くは、最終的には国内統治のためのテーマに繋がる。
台湾問題も、同一なのだ。
歴史を振り返れば、経済が行き詰まったとき、政治運動によって社会を動員するという手法は珍しいものではない。ナチスドイツも、経済に行き詰まった結果、国家を総動員して戦争に邁進した。
支那の黒歴史である(本人達はそうは思っていないようだが)、文化大革命もまた、政治動員によって社会を再編しようとした試みだった。
今回のこの「民族団結」というワードは、そうした危険な歴史を想起させるには十分な重みを持った発言であったと思う。少なくとも、穏やかな時代に登場する言葉ではない。






コメント