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支那、燃料規制と輸出停止に見るエネルギー安全保障の限界

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中華人民共和国ニュース
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支那は考えることが斜め上だね。

中国、ホルムズ封鎖に危機感 ガソリン制限など異例の対応

2026年03月21日07時08分

中国が原油輸送の要衝ホルムズ海峡の封鎖に危機感を強めている。同海峡がある中東産原油への輸入依存度は5割程度とされ、日本の9割超より低いものの、封鎖が長期化した場合の打撃は必至。ガソリンの輸出制限など異例の対応にも乗り出した。

時事通信より

中東依存度が低いのに、ガソリン制限か。

いや、これは斜め上の過剰反応に見えて、実はかなり切羽つまっているということなのかもしれない。

ガソリンは売るな、使うな

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制限する実態

日本など原油の中東依存度は9割と、ホルムズ海峡の封鎖は死活問題になりかねない国家と違い、支那は依存度は5割程度。そこまで過剰になる必要はないと思いきや。

ロイター通信は、中国政府がガソリンや航空用燃料の輸出や備蓄石油の取り崩しを制限したと伝えた。ロシア産原油の調達拡大を模索しているほか、イランとはエネルギーの安定供給に向けた協議を加速。米ブルームバーグ通信によると、中国はホルムズ海峡を通る石油タンカーなどの運航を妨害しないようイランに要請した。イランはその後、中国に向かう船舶については安全な通過を保障しているもようだ。

時事通信「中国、ホルムズ封鎖に危機感~」より

ガソリンの使用制限などを始めたという。

これに先立って、輸出も制限しているので、余程気になっているのだろう。

中国、精製燃料輸出を禁止 中東情勢受け国内供給優先=情報筋

2026年3月12日午後 1:55

中国は3月の精製燃料輸出を即時禁止‌したと複数の情報筋が12日明らかにした。中東情勢を受け、国内の燃料不足を未然に防ぐ狙いがある。

情報筋によると、⁠中国国家発展改革委員会(発改委)による今回の禁止措置は、ガソリン、軽油、航空燃料の輸出が対象となる。11日時点でまだ通関を終えていない貨物に適用される。

ロイターより

支那は輸入した原油を精製して外国に売るような商売もやっているが、これを制限したということなんだね。

中国、精製燃料輸出を禁止 中東情勢受け国内供給優先=情報筋

結構な規模の備蓄もあるはずなんだけど、流石に外国に持ち出すのはNG、ついでに国内で流通するものも制限を始めたってこと。

現状、具体的な国内流通制限の話は買い占めなどの影響を防ぐような狙いはあると思う。

湾岸産油国の国営石油会社関係者によると、今年に入り、原油の輸出拡大に関する中国からの問い合わせが増えた。中国税関総署によれば、1~2月の原油輸入量は前年同期比で15.8%の大幅増となっており、中東情勢の悪化を見越して買い増しを進めた可能性もある。

時事通信「中国、ホルムズ封鎖に危機感~」より

輸入量を増やした上で、消費を減らしている。「売るな、使うな」の二重規制である。

外国にも影響

この姿勢、特に輸出を制限する話は、実は結構影響を受けている国が多いようだ。

中国の燃料輸出禁止措置により、アジアの供給はさらに逼迫する見込み

2026年3月17日午後8時50分

中国によるディーゼル、ガソリン、ジェット燃料の輸出禁止は、燃料不足を悪化させ、イランに対する米イスラエル戦争によって供給が逼迫しているアジアの産業および輸送業界の購入者にとって、価格をさらに押し上げる恐れがある。

~~略~~

オーストラリア、バングラデシュ、フィリピンは特に中国からの燃料供給に依存しており、他国からの供給で必要な燃料を賄わなければならないだろう。

中国は、韓国、インド、シンガポールに次いで、アジアで4番目にいわゆるクリーン燃料を輸出している国である。

ロイターより

これらの国家にとって支那に依存することが如何に危険なことかを理解することに繋がる事件ではあるのだが、それにしたって酷い。

実際に大きく経済に影響が出るだろうと言われている。

中国による燃料輸出禁止措置は、オーストラリアの航空旅行者にとって非常に憂慮すべき事態である

2026年3月13日午前6時11分

中国が石油精製業者に対し燃料輸出の全面停止を指示したとの報道を受け、オーストラリアの燃料不足と価格高騰に対する脆弱性が高まっている。これは、イラン紛争の終結時期とその石油供給への影響に関する世界的な不確実性をさらに強めるものだ。

~~略~~

このため、中国がオーストラリアへのジェット燃料輸出を停止するという決定は、極めて懸念される事態となる。この状況がどれくらい続くかにもよるが、フライトスケジュールに大きな混乱が生じる可能性が高い。2025年時点で、オーストラリアはジェット燃料の約32%を中国から輸入していた。

The conversationより

つまり今回の動きは、単なる国内問題ではなくアジア全体の燃料市場を締め付ける行動であると言える。支那依存リスクが可視化されたということであり、逆に言えばよりいっそう支那に対する警戒感が更に高まることになるのだろう。

だが、支那としても他国を思いやっているような余裕はない。

買い増しは難しい

以前、ロシアからの原油買付け量を増やすというような話を出していたが、実際のところ支那にとってロシアから原油を買うのはそんなに簡単な話ではない。

中東から原油が買えるからこそ、ロシアから安価に原油を買うことに繋がるのであって、中東から原油を買えなくなると支那としては足元を見られるリスクが高まるという意味で看過できない話。パイプラインを通して買える原油はそれほど多くないし、陸上輸送なども不可能。

そして、ガソリン価格が支那国内で高騰すると、ただでさえデフレ、或いはスタグフレーションのような状況になりつつある。

中国、備蓄やイラン産原油があるにもかかわらず燃料価格を引き上げ

2026年3月17日、米国・イスラエルとイランの対立が3週目に突入する中、中東情勢の混乱、ホルムズ海峡への脅威、供給の不確実性により、世界の石油市場は依然として不安定な状況にあり、原油価格はしばしば1バレルあたり100ドルを上回っている。世界最大の原油輸入国である中国も、この影響を免れてはいない。2026年3月9日、国家発展改革委員会(NDRC)は4年ぶりとなる最大規模の小売燃料価格引き上げを実施し、ガソリンの上限価格を1トン当たり695元(100ドル)、軽油を1トン当たり670元(97ドル)引き上げた。3月10日から発効したこの措置により、小売価格は1リットルあたり約0.53~0.57元上昇し、ドライバーや企業のコストが顕著に増加した。

ロイターより

備蓄がまだ潤沢で、イラン産原油の輸入もできているのに、どうして燃料価格を引き上げたの?!大丈夫?というような記事なのだが、ここには2つの解釈がある。

  • イラン戦争は長期化する見通しだという情報がイランから直接もたらされていて、長期的な視野で考えると節約をすべきだと考えている
  • 実は原油の備蓄量は発表されているほどはない

どちらにしても碌な話ではないが……。

だって、支那の経済状況から考えると燃料価格を引き上げるのは、経済的打撃を与えかねない。そうすると人民の批判を更に助長することに。治安維持のことを考えても、更なるスタグフレーションを助長するようなことは避けたいはずなんだけど。

まとめ

支那の今回のイラン戦争に関する動きは鈍く、そしてかなり消極的である。イラン革命防衛隊と支那との関係は非常に強固なものだと見られていたが、それに疑問視されるように。

これらから導かれるのは、支那がイランの状況を助けに出るほどの余裕がない可能性があるってことだ。支那は思っている以上に国家運営的な余裕を失っているのだろう。

コメント

  1. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    支那、備蓄の中身の大部分が「水」か、石油だったとしても「使い物にならない」ものだったのでは?
    以前、ロケット燃料タンクに水が入ってた、なんて事ありましたよね?

    • 木霊 木霊 より:

      こんにちは。

      原油をポッケナイナイした可能性は十分あると思っています。
      ロケット水については、なかなか面白い事案だったと思いますが、そのおかげで随分と粛正が進んでしまいましたね。あれも、事実だったかどうかは怪しいとは思っています。