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【韓国】光州代表図書館の工事現場で倒壊事故

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今日も今日とて、ろくでもないニュースが。先ずは、被害者の方にはお悔やみ申し上げたい。

韓国・光州代表図書館の工事現場で倒壊事故…埋没者4人と推定・1人救助中

2025.12.11 15:50

光州市の図書館新築現場で倒壊事故が発生し、現場作業員4人が構造物の下敷きになった。

中央日報より

単なる事故って話じゃなくて、韓国特有の事案っぽいのがなんともやるせないね。

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責任者は誰だ!

似非トラス構造図書館

さて、本日のニュースはどんな話かというと、図書館新築をしていたら、建設中の図書館が倒壊しちゃったという話。

……橋じゃん。

いや、調べてみたのだが、そういうデザインの図書館らしい。

これがデザイン案の1つらしく、何というかトラス構造を取り入れた面白デザインといえば面白デザインだ。

だけど、実際に橋梁建築を行う方が見たら「バカも休み休み言え」と言いそうである。

一般的なトラス構造と言えばこう。

img

三角形の組み合わせが連なった構造になっているのだけど、全ての節点が滑節で、支点が回転支点または移動支点である骨組構造を「トラス」と言う。だから、断じてトラス構造などではなく、「デザインが似ているだけ」なのだ。

トラス構造

こんな感じに白丸部分は回転支点または移動支点になっている必要があって、コレが固定されていると斜材によって力が分散しないのだ。

まあ、厳密な意味でのトラス構造ではなくとも、多くの場合は建物を安全に建てられるんだけどね。

重要な部分が外れている

で、より深刻な話になるんだけど、赤丸をうった2カ所、ここが問題なのである。

上の梁からトラスを構成する為の斜めの柱(斜材)が外れちゃっているし、上の梁も通しじゃなくて接続構造になっていて、接続部分で折れ曲がっているように見える。

つまり、トラス構造ではないけれども、似た構造体だとすると、上の梁と下の梁が十分な剛性を持っている必要があって、それを繋ぐ斜材との接続強度は必須。だから落下しただけでポコッと外れちゃうなんてことは先ずあり得ない。

完成図はこんな風になるんだけどさ。

どう考えても天井と床を斜めの梁で接続してこそ、強度が出る設計だとしか思えない。じゃないと、柱もなく宙づりなんて形は維持できないから。

そういう意味で、この角度の現場写真からは更に恐怖を感じる。

なあ、なんで強度を担当するハズの上の梁を組む前に床の方を組んでコンクリ打設したん?何処が強度を担当しているんだよ……。

万能な「特許工法」

更に恐ろしい記事を見つけてしまった。

コンクリート打設中に崩壊「4人埋没」…支持台のない特許工法が原因?

2025.12.11 午後04時23分

11日、労働者4人が埋没した光州代表図書館工事現場崩壊事故は、コンクリート打設過程で発生したことが確認された。

News1より

このニュース1という韓国メディアは割と速報をよく打つ会社で、記事の内容もそこそこ正確。たまに参考にさせて貰うのだが、考えてみると建設系のニュースで参照することが多い。

で、注目したのはここ。

40mの長さの廊下型構造物デッキは、工場で鉄材を加工した後、クレーンで上部に運ばれ、工事作業員が直接取り付ける方式で進められた。

デッキ構造物の上ではコンクリート打設作業が続いた。1列~3列は打設が完了し、4~5列は打設中だったと把握された。

養生前の段階にあったコンクリートは、気づかぬうちに2階でデッキなど残りの構造物とともに崩壊した。

この屋上コンクリート打設の重量を支えるための下層支持材は発見されず、既存構造物に加えられたコンクリートの重量に耐えきれなかった建物が15m下へ崩壊した可能性が指摘されている。

News1より

工場などで事前に組み立ててくるプレキャスト工法かと思いきや、工場で作ったのは骨組みのみ。現場でコンクリートを施工したとのこと。

その際にどういうわけか、コンクリート打設にあたって宙づりで、下層支構造物なしで施工。

その理由がこちら。

光州代表図書館工事現場の代理人は「支柱が不要な特許技術があるため工事を推進した」とし「崩壊原因は構造的問題を確認する必要がある」と述べた。

News1より

バカも休み休み言え。

特許技術があったって施工時の構造計算しなくて良い理由にはならないし、そもそもこれ、恐らく地上でコンクリートまで打設してから宙づりにして組み付けるユニット工法なんじゃないの?

構造体が完成して初めて強度が出せる

これなんかも恐怖写真の1つなんだけど。

どの辺りに恐怖を感じたか分かっていただけるだろうか?

中央部分で作業者が集まっている上辺りに、鉄骨っぽい太い梁が映っている。でも、その横に、板みたいに見える鋼材がぐんにゃりと変形して整列しているのがわかるよね。

この板材の端部が見えているのが問題なんだよ。

この部分はコンクリート打設する為の箱状の鋼材だと思うんだよね。こんな感じの。

img

つまり梁とデッキプレートと呼ばれる板材は、強固にボルト固定か溶接されている必要があって、こんなに綺麗に外れちゃったりはしない。

本当にきちんと固定できていたのか極めて疑わしいのだ。

そして、この手の構造体は工場でコンクリート打設して乾燥させてから、宙づりにして合体させるのが基本。だからこそ「プレキャスト工法」(建物の柱や梁、壁などのコンクリート部材をあらかじめ工場で製造し、現場に運んで組み立てる建築工法)などと言われるのである。

本来のプレキャストでは耐力が出ている状態で吊るのだ。

つまり、今回のこの事故は工事手順がメチャクチャだった可能性が高い。誰だよ、施工の計画立てたヤツは。責任者出てこい。

まとめ

この事故は、Money1様のところで紹介していたもの。

韓国・光州「図書館」建設現場「突然崩落事故」
年末は気が急せいているので、注力散漫になりがち。注意力の欠如は事故の原因です。2025年12月11日13:58頃、光州西区治平洞に建設中の図書館(光州代表図書館)の構造物が崩落するという事故が発生しました。コンクリート打設中に、突然上部構造...

「なぜ突然崩落したのか、原因はまだ分かっていません。」と結んでいるが、もう事故現場の写真見ただけで、原因特定は必要あるかどうか疑問だ。

特に、橋梁の構造に似ているのなら、作り方も真似れば良いのに、それはやらなかったというのが絶望的である。

こうした事例は、韓国では珍しくないんだよね残念なことに。

追記1:施工不良の可能性濃厚

追加情報が出てきたけど、芳しくない。

光州代表図書館新築工事場崩壊事故二日目の12日、光州災害安全対策本部の関係者たちが西区チ平洞崩壊現場を見ている。写真光州市消防本部

これが引きの写真なんだけど……。

やっぱりこれ、駄目でしょう。

「柱なしで立てた48mデッキ崩れた…不良施工」埋没者家族怒り【光州代表図書館崩壊】

入力2025.12.12.午後1時26分

4人の死亡・行方不明者を出した光州代表図書館新築工事場崩壊事故現場で埋没した作業者2人に対する2日目の構造・捜索作業が難航している。救助当局は行方不明者が地下にいるとみて捜索中だが、事故当時打設したコンクリートが鉄筋などと絡みついて困難を経験している。

NAVERより

記事では特許工法が問題視されているが、本文に書いたようにそういう次元の問題ではないと思うんだけどね。

当局は時間が経つにつれて、瓦礫と混ざったコンクリートが固まるため、捜索に困難を経験している。消防当局は「前日、コンクリートが固まるのを遅らせるために撒いた水が寒い天候により凍っている状態」とし「コンクリートが完全に固まらず、手で触れれば壊れる程度」と話した。

NAVER「柱なしで立てた48mデッキ崩れた…不良施工~」より

どうやら記事では施工不良の面も疑っているらしいが、こうした話は割と韓国ではよくありがちだ。当然、あったのだろうね、施工不良ということも。

そのうちにもうちょっと分かることが増える可能性はあると思うが、やはり設計段階の強度計算を疑うべきであろう。

追記2:前科あり

前科ありだったぁ!

光州代表図書館工事現場崩壊事故で現場作業者4人が亡くなった中で、施工会社であるクイル総合建設が過去にも上部構造物崩壊事故で下請け労働者を死亡に至らせた前歴があることが明らかになった。

15日、雇用労働部の「2021年産業災害発生件数公表」によれば、クイル総合建設は2020年に死亡事故が発生した京畿金浦市「金浦麻松アパート建設工事」の施工を引き受けた。 クイル総合建設が元請けとして下請け業者と請負契約を結んだ構造だった。 建設工事安全管理総合情報網(CSI)に申告された事故概要によると、当時落下物防止網の修正設置作業中に支持部材が離脱し、約9mの高さで作業者が墜落して死亡した。

毎日経済より

現場事故が多い業者であれば、当然、事故を繰り返す。何故なら、現場管理が杜撰だから。

2020年事故以後、九一総合建設は国土交通部が施行した「公共建設工事参加者安全管理水準評価」でも最下位等級である「不十分」を受けた。 しかしCSIによると、当時の事故原因は「作業者の不安定な行動および不注意」として申告された。 再発防止対策として「告訴作業勤労者に対する安全措置有無確認および後続措置を実施する」という計画も共に提出されたが、以後十分な安全管理措置がなされなかったという指摘が出てくる理由だ。

毎日経済より

安全管理が「不十分」な水準だったということなので、今回の事故も納得である。おそらくは、安全よりもコストを優先するタイプの会社なのだろう。

そして、前回「安全管理措置」が計画されたけれども実行されずに今回の事故に繋がったと。

現場所長のA氏(64)が6月23日、工事現場の装備班入口周辺で作業途中に墜落した。 この事故で骨折して病院に運ばれたA氏は、2ヶ月余り治療を受けていたが、8月末に死亡した。 A氏は当時、集中豪雨に備えた保養作業をしていたところ、装備搬入口を見下ろして墜落したことが分かった。

毎日経済より

日本の場合、恐らく高所作業にあたるので安全帯(落下防止のベルト)か手摺りが必須の作業だね。これはアウトだ。現場の安全確認がかなり疎かであることは、ここからも分かるので、これが理解できていない時点で毎日経済というメディアにも問題がありそうだが。

コメント

  1. 軍事オタクより より:

    見てたら怖いです
    こんな施行してたら崩壊するでしょう
    日本ではとても考えられませんね
    日本みたいに地震大国だったらすぐあちこち倒壊するでしょう
    犠牲者の方々のお悔やみ申し上げます
    こんな事やるから火力発電所の倒壊も起こるでしょうね

    • 木霊 木霊 より:

      地震がなくても倒壊するのが、韓国クオリティであります。
      建設現場に投入されている作業者は大変ですね。

  2. 砂漠の男 より:

    韓国の建設業界が、世界の至るところでヤラかしていることは衆目の知るところです。
    韓国は来年から米国で大きな事業投資を始めるらしいですが、大丈夫ですか?
    親切な日本から米国に、韓国型カルマ「K-法則」を伝導してあげるべきでは?
    仮にも米国は、いまは日本の同盟国ですしw

  3. 七面鳥 より:

    こんにちは。

    事故は起きるまで起きないのです。
    だから、ちょっとずつ『溶接点を減らす』『梁を減らす』『柱を細くする』をして、限界を探るのです。
    これは、不幸にして限界突破してしまっただけなのです。
    施工会社は早晩破産して解散、責任は霧散、10年以内に同様事故がまた起きるでしょう。
    それまでは「事故は起きるまで起きない」のです……

    ……書いてて救いようないなって思いました。

    ※梁(トラス含む)が溶接って時点でお察しですが、どうせ溶かし込みも何もかも不十分な、なんなら『現場でMIGで点付け』だったんでしょうね……

    • 木霊 木霊 より:

      こんばんは。

      事故は起きてしまいましたから、徹底的に調査すれば良いんですが。
      多分、うやむやで終わるのでしょう。そしてまた繰り返される。