いつもの整備ミスだろうか?それとも、操作ミスだろうか。
韓国空軍航空機から機関銃など落下 民間被害はなく
2025.04.18 22:52
韓国の空軍は18日、夜間の射撃訓練中だった空中統制攻撃機KA1から機関銃を内蔵する「ガンポッド」と燃料タンクが落下する事故があったと明らかにした。
聯合ニュースより
詳しい情報は記載されていないし、さほど騒いでいる感じではないのだが結構大変な事態だ。
操作ミスか
COIN機
このブログではKA1軽攻撃機に関しては単独記事で積極的に紹介したことがない。が、系譜としては初等訓練機TK-1「雄飛」の流れをくむ攻撃機である。
こちらの記事にペルーに輸出される際に軽攻撃機のバリエーションとして用意された話を紹介している。
どうやら韓国空軍もKA-1軽攻撃機を使っているらしいね。COIN機としてはありだと思うし、練習機にも使っているくらいだから扱い易いのだろう。きっと。
調べてみると、主翼に計4ヶ所のパイロンを設けて増槽、爆弾など各種武装を装備可能としたのがKA-1軽攻撃機で、2007年くらいからあるらしい。ただ、使っているエンジンはP&W社のPT6A-62 ターボプロップなので、950馬力とこのクラスの軽戦闘機に比べて非力なため、ペイロードには期待できない。
過去にも、Counter Insurgency、つまり不正規戦の為に使われる軽攻撃機というのは、一定の利用価値があるというような評価はしていて、特に中南米などには有効だろうと思われる。ゲリラなどを制圧するには便利だろう。
ガンポットと燃料タンク落下
で、冒頭のニュースなんだけど。
機関銃を内蔵する「ガンポッド」と「燃料タンク」が落下する事故って、意味が良く分からない。
KA-1軽戦闘機はボディ下にはパイロンが1つ、主翼の4か所にパイロンが取り付けられていて、このパイロンに「ガンポット」と「燃料タンク」が取り付けられていたのだと思う。そして、飛行中に「燃料タンク」を使い切れば、パージできる構成になっているのは理解できるんだけど、「ガンポット」はどうなんだろう?普通は工具などで取り外す仕様だと思うんだが。
ガンポッドに搭載された機関銃などの実弾は約500発だった。
聯合ニュースより
ガンポッドは米FN社のMHP250を採用しているそうなので、116kgほどの重量だったと思われる。

燃料タンクのほうは50ガロン入るので、200kgくらいの重さだったと思われる。空だったら良かったんだけど、どうだったのだろうか。
記事では山中だったので被害はなかったとしているが…。先日、似たような誤爆事件があったが、あれも結局有耶無耶のうちに終わってしまった。
今回のコレも4つの燃料タンクやガンポッドを全て切り離したというのは、やや腑に落ちないが、追求されないうちに忘れ去られていくパターンかも知れない。
追記
コメントで教えて貰って……、そうかぁ、あるのかぁ。
空軍機の機関銃落下事故 「ヒーターと誤って非常投下ボタン」=韓国
2025.04.21 10:53
韓国空軍は21日、射撃訓練中だった空中統制攻撃機KA1から機関銃や燃料タンクが落下した事故について、操縦士がヒーターの風量を調節しようとして間違って非常投下ボタンを押したことが原因だったと明らかにした。
聯合ニュースより
しかしそれにしても「よく見えなかったから、間違えた」って、あーた。
空軍によると、夜間の模擬射撃訓練中に後部座席に座っていた操縦士が、ヒーターの風がヘルメットのバイザーの隙間から入ってきて視野をしっかり確保できなかったため、風量を調節しようとして間違って非常投下ボタンを押した。これにより北東部・平昌の上空から機関銃1挺と12.7ミリの実弾250発がそれぞれ入ったガンポッド2個、燃料タンク2個が落下した。非常投下は非常時に安全に着陸するため燃料タンクや武装などの装着品を地上に落とす措置。
空軍は機関銃や実弾の大部分を回収したが、まだ見つかっていない残りの実弾数発と燃料タンクを捜索している。
聯合ニュースより
もう、唖然とするしかない。
確かに、緊急避難的に投棄が必要なシーンはあると思うので、一発で全て切り離せる方が理に適ってると思うんだが……、間違えるか?そんなもの。そして、間違えるような位置に配置するモノなのだろうか。
コメント
想像するにハードポイントに吊り下げるモノは重量空力的に、基本「飛行性能には邪魔なオマケ」だから緊急時には切り離せるようになってて不思議じゃないような
いえ、ご指摘の通り全く不思議ではありません。
ですが、本来切り離すべきではないところで、4つ全部を切り離してしまった。ボタン1つで4つとも切り離すなんてことはやらないでしょうから、4つとも投棄してしまったというのは不思議です。
そして、ガンポッド自体は切り離しできても不思議はないのですが、訓練時ですしあえて切り離せないような取り付け方をしている可能性のほうが高いのでは(自衛隊では訓練時に誤って投棄しないように固定するケースがあると聞きました)、と。この辺りは考え方次第なので、いつでも切り離せるようにしていた可能性ももちろんあるのですが。
横合いから……
ニュースによると、「緊急投下」ボタンがあって、コクピットの空調スイッチの近くにあって間違って押したんじゃないかとかなんとか……
誤操作防止スイッチにして置けよと小一時間。
※映画「ミッドウェイ」で、誤操作(安全装置解除のつもり)で進撃中に爆弾落としちゃう米海軍機の描写がありませんでしたっけ……「誰だこんなの造ったの!」「決まってるさ!ヤマモトだろ!」って台詞だけ脳裏に残ってます。
いや、それにしたって4つ全てを投棄するボタンがあったとはちょっと……。
あるんでしょうか?
4つとも順番に押していったとか?
「緊急投棄」スイッチはあると思います。
で、「ヒーターと間違えた」そうで。
https://m-jp.yna.co.kr/view/AJP20250421001100882?section=politics/index
そんな大事なスイッチなら、金庫にでもしまっておけと小一時間。
あわわ、本当にあるんだ。
うーん、確かに緊急避難的に投棄して現場を離脱するためには、ボタン一発で全て投棄というのはありがたい機能なのかな。
ありがとうございました。
韓国空軍はなかなかいいモノを持ってますね。
機体形状はツカーノによく似てるけど(他意はなし)。
ちなみに、22年に韓国内で墜落事故を起こしてました(聯合通信)。
今回は夜間訓練中だったので、パイロットの操作ミスかなと。
前回の爆弾投下事件を考えると、
空軍の運営システムに隠れた問題があるのかもしれませんね。
ツカーノにも似ていますがKT-1に関してはスイスのピラタスPC-9のコピー品では無いかと言われていますね。
実際に、導入時にPC-9の採用を検討して製造現場に出入りし、採寸しながら図面を作ったなんて話がありまして。
横合いから失礼。
ツカノとかピラタスとかそうなのですが、七面鳥、このサイドビューがP-51ムスタングに見えて仕方ないのです。D型以降の背びれのあるヤツ。
収斂進化で、似てしまうのでしょうか……
※KT/KA-1に関しては、まんまコピーなんでしょうけど……種元はどこでしょう……