以前、KF-21戦闘機には搭載する兵器がないよね、という話を書いたわけだが。
韓国、KF-21戦闘機に国産6種ミサイル搭載へ…地上・空中・海上の標的対応、電子戦能力も視野
2025年10月27日 12:30
韓国が開発中の国産4.5世代戦闘機「KF-21」に、6種類の国産航空兵器システムを搭載する計画が明らかになった。空対空・空対地ミサイルに加え、空対艦ミサイルやスマート巡航ミサイル、ジャミング(電子妨害)対応兵器まで視野に入れ、海外製ミサイルに匹敵するかそれ以上の性能を目指すという。
AFPより
独自開発するよという報道が。前々からそういう話はあったんだけど、どうやら本気っぽい。
KF-21戦闘機に自国開発のミサイル搭載を目指す韓国
ミサイル不足
先ずは、リンクを張っておこう。
この記事では、KF-21戦闘機が搭載する予定の兵装について紹介している。
- 長距離空対空ミサイル「METEOR」:欧州製、射程距離100km以上 → 数量限定輸入
- 短距離空対空ミサイル「IRIS-T」:ドイツ製、射程距離25km程度 → 現状順調?
- 空対地ミサイル「タウルス」:ドイツ製(韓国国内で製造予定) → 小型化予定
こんな感じで米国製ミサイルを採用していない状況なのだ。
実は、アメリカからKF-21用のミサイルについてシステム統合を拒否されてしまったため、韓国が保有する米国製ミサイルをKF-21戦闘機に使えない状況が続いている。
アメリカから脱却する独自路線
というわけで、ある意味、欧州からのミサイル導入路線は既定路線かと思われていたんだけれど、韓国は寄り積極的に技術移転を受けて自前で開発する道を選択したよと言うことになる。
ラインナップはこんな感じ。
- 「METEOR」 → 中長距離空対空誘導弾(LRAAM):開発が進められる見通し
- 「IRIS-T」 → 短距離空対空誘導弾(SRAAM):開発を控える
- 「タウルス」 → 長距離空対地誘導弾(KALCM):開発中
成る程、コピー商品を作る気らしい。
まず開発が進むのは長距離空対地誘導弾(KALCM)。同社ミサイルシステム1事業部首席マネージャーのイ・スンジェ氏は「韓国空軍が運用中の独製タウルスに相当する武器体系と考えれば分かりやすい」と説明した。タウルスはドイツとスウェーデンが共同開発した巡航ミサイルで、射程は500km超、弾頭重量は約480kg。精密誘導・ステルス性能・貫通力に優れる。
短距離空対空誘導弾(SRAAM)は開発を控えており、イ・スンジェ氏は「ドイツ主導のIRIS-Tと同等かそれ以上の性能を目指す」と述べた。
IRIS-Tは射程25km、速度マッハ3で、フレアや電子妨害にも強く、後方への発射も可能な高機動ミサイルだ。
中長距離空対空誘導弾(LRAAM)は2026年の国家プロジェクトとして開発が進められる見通しで、現在KF-21に搭載されている英仏など共同開発の「ミーティア」の代替を視野に入れる。
AFP「韓国、KF-21戦闘機に国産6種ミサイル搭載へ~」より
独自路線、ねぇ。
権利関係は大丈夫なの?
まあ、韓国の「独自開発」というのは良く聞く話ではあるんだけど、権利関係はおろそかになることが多い。
韓国は、KF-21戦闘機とFA-50軽攻撃機の両方に新型巡航ミサイル「天龍」を搭載することを提案している
24 Mar, 2025 – 5:31
2025年2月14日付のBiz.Hankook報道によると、韓国が独自開発した空対地巡航ミサイル「天龍」は、現在、泗川でFA-50軽攻撃機に搭載され飛行試験を実施中である。元々はKF-21ボラメ戦闘機の主力攻撃兵器として開発された天龍だが、FA-50での試験は、先行分離試験に使用されたF-4ファントムIIの退役により生じた空白を埋める目的で行われている。KF-21は現在も飛行試験段階にあり、2026年まで実戦配備が予定されていないため、FA-50が暫定的な試験プラットフォームとして選定された。FA-50での飛行試験は2024年末に開始され、12月18日の飛行も報告されている。
armyrecognitionより

これが韓国で開発が進んでいるKALCMなのだけれど、どう見てもタウルスである。
天龍ミサイル計画は国防開発庁(ADD)が主導し、LIG Nex1とハンファエアロスペースが産業参加している。このミサイルはドイツから260発のトーラスKEPD 350ミサイルを取得した後に設計された。これにより運用経験と技術移転が得られ、ウリテクノロジーの子会社であるKSCを通じた貫通弾頭用の高抵抗金属加工技術も含まれた。
armyrecognitionより
韓国の言う「技術移転」ほど信頼できない話はない。流石にドイツも怒るんじゃないかな?まあ、ドイツの場合は214型潜水艦の事例もあるので、今更感は強い。
並行して、LIG Nex1とトーラス・システムズは、トーラスをベースとしつつFA-50との互換性を確保するためサイズ変更を施した中距離ミサイル(MALCM/KEPD 350K2)の共同開発に関する基本合意書(MOU)を締結した。
armyrecognitionより
なんというか、ほぼ丸ごとコピーされるような話ではあるんだけど、トーラス・システムズ社は良いのかな?良いんだろうねきっと。
将来的にも
で、更に様々なミサイルを作るよ、という意気込みを示している。
KF-21の対艦能力強化のため、スタンド・オフ空対艦誘導弾(SASM)も将来的に開発予定。詳細は明かされていないが、沿岸防衛や海上優勢確保に向けた布石とみられる。
LIGネクスワンは政府プロジェクトとは別に▽L-MSM(Modular Smart Missile)=モジュール型スマート巡航ミサイルで、搭載弾頭により空対地攻撃、通信妨害(ジャミング)など多機能対応可能▽L-MCM(Multi-purpose Cruise Missile)=空対地・空対艦任務を担う多目的巡航ミサイル。L-MSMに比べ汎用性は低いが、弾頭の破壊力を強化予定――の2種を独自に開発している。
AFP「韓国、KF-21戦闘機に国産6種ミサイル搭載へ~」より
正直、「出来ると良いね」と言うしかないのだが、意気込みは伝わってくるよ。
ただし、ミサイル開発は長く技術研鑽が必要な分野なので、そんなに簡単な技術ではないんだよね。我が国では三菱重工が主にやっているけれども、他の企業ではなかなか参入の難しい分野でもある。しかし、外国に販売していくのであれば、もっと国内で競争をして欲しいところ。
では韓国は?とうと、大抵はLGネクスワンがやっている。魚雷から空対空ミサイルまでほぼ全てここが手がけていて、パートナーは概ね国防開発庁(ADD)である。
開発費は沢山必要になるとは思うんだけど……、韓国政府は随分債権を積み上げていたな。大丈夫だろうか?




コメント
亡国ではパテントは関係ないですね
ブラックボックス平気で開けるし
又お笑いミサイルができるのではないですかね
味方を撃ち落とさず様願わずにはいられれませんね
亡国って(苦笑)せめて表面的には某国にしておいてあげください。
さておき、ブラックボックス問題は完全に潮目が変わった印象ですよね。
お笑いミサイルは…、笑えないことが多いんですよねぇ。目標と逆方向に飛んでいくくらいなら笑えるんですけど。
こんにちは。
ここで次期タウルスのエンジンが日本製になる話が効いてくる……のかな?
正直、エンジン次第ですからね、巡航ミサイルの性能(≒航続距離)は。
ミーティアも、空自との協業もあるから、逆の意味で正式にライセンスだノックダウンだは言い出せないのかな?単に金かかるからとも言いますが……
https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2019/doc/nishiyama_kobayashi.pdf
まあ、6種同時開発なんて離れ業、頑張ってね~(棒読み)でしかないですが。
いつぞやの「反転!発射地点に命中!」みたいなお笑い韓国軍をwktkして待ってます。
https://www.asahi.com/articles/ASQB65WWNQB6UHBI00Y.html
こんにちは。
そうですね、タウルスの話はもう少し掘り下げてもよかったかなと。
ただ、全体的に「独自技術で自国開発」という主張が強すぎて、鼻につくというか。そこのことを掘り下げると大変長くなるので、軽く済ませておきました。
単なる劣化コピーじゃん、と思う仕上がりにならないことを期待しておりますよ。