先日の続報なんだけど、これは一体どういう。
“宇宙強国”を目指す韓国、次なる課題は「発射コスト削減」…次世代ロケット開発で2032年の月探査へ
2025年12月3日 13:00
韓国の純国産ロケット「ヌリ号」が4回目の打ち上げに成功し、計13基の衛星を宇宙へ届けた。これにより、韓国は宇宙輸送能力を再び証明し、宇宙強国としての地位を確固たるものにしつつある。
AFPより
記事の最後に「(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News」とあるので、おそらくはnews1で取り扱った内容を、KOREA WAVE媒体で掲載し、AFPが転載した感じなんだろうね。AFPはKOREA WAVEの記事をそのまま載せるから。
宇宙開発は道半ば
実績を誇張
さて、先ずは関連記事を。
うん、4号機打ち上げ成功おめでとう。
で、本日の記事は何を言っているかというと、今後の課題について言及しているらしい。なるほど?12基のキューブサットを打ち上げ成功したと。
11月27日未明に実施された4回目の打ち上げでは、「次世代中型衛星3号」および12基のキューブサット(超小型衛星)を搭載。過去最多の衛星搭載ながらも、すべての衛星分離に成功した。
AFP「“宇宙強国”を目指す韓国、次なる課題は~」より
まあ、ね。
確かにキューブサットの打ち上げ成功をしたのは事実なんだよ。あと、次世代中型衛星3号とやらも成功している。
韓国国産ロケット 27日未明に4回目打ち上げ=初の民間企業主導
2025.11.26 10:17
韓国で初めて民間主導で製作されたロケット「ヌリ」が27日午前0時55分ごろ、南部の全羅南道・高興の羅老宇宙センターから打ち上げられる。4回目の打ち上げとなるヌリの今回の任務は、主衛星である次世代中型衛星3号とキューブサット(超小型衛星)12基を高度600キロで軌道に投入することだ。航空宇宙研究院が主管したこれまでの打ち上げとは異なり、今回は民間企業のハンファエアロスペースが初めてヌリの製作を担った。宇宙開発が政府主導から民間主導へと転換される象徴的な打ち上げとなる見通しだ。
聯合ニュースより

成功して良かったねぇ。重量は約500kgを高度600kmに打ち上げたということで、低軌道への衛星投入成功は宇宙開拓への第一歩とは言える。でも、まだ第二宇宙速度に到達できる技術水準には遠く及ばないんだよね。
先ずは、静止衛星軌道(GEO: Geostationary Orbit)を目指そうね。
次世代ロケットの開発を開始
で、ヌリ号の時代は終わって次世代ロケットの開発に着手したらしい。
韓国政府は現在、再使用可能な次世代ロケットの開発に着手しており、これにより発射コストを10分の1に抑えることを目指している。
AFP「“宇宙強国”を目指す韓国、次なる課題は~」より
いきなりハードルあげてきたな!
再使用可能な次世代ロケットの開発に着手する前に、先ずは静止衛星軌道に至る方が先じゃないのか?
韓国の次世代ロケットが完成すれば、ヌリ号の10分の1以下のコストで打ち上げ可能になりそうだ。
AFP「“宇宙強国”を目指す韓国、次なる課題は~」より
なんだか、狸猟師が皮算用を始めちゃったみたいだけど、ヌリ号レベルのロケットのコストが1/10になったところであまり意味は無いぞ。
LEOへの投入だけが専門というのであれば、他のペイロードの大きなロケットとはコスト面で勝負にならないからだ。何故なら、ヌリ号の軌道投入能力は低軌道(LEO)へ2.6t程度しかなく、太陽同期軌道に投入しようとすれば1.5t程度にまで能力低下してしまう。
コストメリットがあると指摘のスペースX社のファルコン9のLEOへの軌道投入能力は22.8t。確かに単純計算すれば1/10の能力と言うことになるが、ファルコン9は静止トランスファ軌道 (GTO)にも8.3tまでの衛星投入が可能。
LEOへ投入される衛星は重量の軽い物が多いが、それでもペイロードが小さいことで運用効率は大幅に低下する。
勝負になるはずもない。
それだとスケジュールは破綻
そもそも次世代ロケットの開発をするのであれば、もっとペイロードを増やす方向で、高出力エンジンの開発をするのが最優先である。
次世代発射体のもう一つの目標は、「2032年の月面着陸」だ。韓国政府は▽2030年:月周回軌道投入の性能検証▽2031年:月着陸技術の検証ミッション▽2032年:本格的な月面着陸――のスケジュールを立てている。
AFP「“宇宙強国”を目指す韓国、次なる課題は~」より
2030年月周回軌道投入、2032年に月面着陸となっているが、それを実現するためにはエンジンの再利用とかアホなことを言っていないで、高出力エンジンを開発を急ぐ必要があるのだ。
まあ、生暖かく見守っていこうと思っている。




コメント
韓国は、アルテミス計画に参加しているけど、単独の月探査計画を進めている?
アルテミス計画では、日本人も28年に1人、32年に1人、月面に行く予定になっているそうな。
https://shorturl.at/WYZJa
とりま、韓国の野心的な月探査計画の健闘を祈って止まない。
ただ、当初の計画では、2020年には韓国人が月面に立っていたはずだったんだよね。
自国開発に拘る韓国。
色々なところに力を入れていますね。
もう、頑張ってくれとしか。